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281 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/05(水) 22:50:48 ID:??? [692回発言]
   五章 共通パート

   授業中に考え事をして教師の話を聞いてなかった結奈は廊下に立たされてしまう。
   そこに運悪く矢尾が通りかかり、小言を言った後
   最近結奈たちが生徒会室によく出入りしていることを指摘して
   どんな良からぬことを企んでいるのか知らないが、そのうちしっぽを掴んでみせると言い出す。

   「良からぬことって! なにもしてませんよ!」

   「どうでしょうね? 実際、君たちが集団として働くようになった水泳大会より前後して、
   この学園内で妙な事件が頻発している。風紀委員長としては、見過ごせませんね。」

   通りかかった江積が助け舟を出してくれるが
   江積にまで廊下に立たされたことを知られ、結奈はバツが悪くなる。

   そんなことがあった日の放課後、いつものように生徒会室に集まって話し合いを行う結奈と犬士たち。
   あかねと藤岡の行方についてはいまだに分からず、警察の方でも進展はなし。
   それは先日謎の人物に連れ去られた三船にも言えたことだった。

   次に、いよいよ残り二人となった犬士がどこにいるかの話になり
   既に見つかった六人が学園内にいたということは、残り二人も同じように
   学園内の関係者である可能性が高いのではないか、
   その理由は、瀧田学園の一芸入試や推薦制度で日本中から生徒を集めている方針、
   整った奨学金制度のためではないかという話になるが
   それだとしても、あまりにも確率が高すぎる。

   「なんにせよ、そう考えると水泳大会をやったのはあながち的外れでもなかったんだな。」

   「そうなんだけど、水泳大会で得られた情報から探っていくのは、もう限界だ。
   こうなると、次は水泳大会に出場していなかった生徒を片っ端から当たるしかないね。」

   飼葉の提案で、まずは生徒会からアンケートを取るという形で
   水泳大会に出場しなかった生徒に接触して
   彼らをそれとなく監視し、痣を見る機会をうかがうことになる。
   そしてアンケートは結奈と香澄が任され、犬士たちは結奈の身辺の注意と
   失踪者についての調査を引き続き行うことで話し合いはお開きになった。

282 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/05(水) 22:56:24 ID:??? [692回発言]
   五章 蜘蛛の巣ルート

   「ねえねえ、ふたりとも知ってる?」

   友人の浜崎と衣本から、最近この学園の生徒で行方不明になってる人がいると聞かされた結奈。
   てっきり、あかねたちのことが噂になってるのか思いきや、どうも話が違っていた。

   「いなくなったのって、女の子ばっかりなんだよね。」

   「えっ!?」

   そのとき、袴田が結奈を訪ねに教室に入ってきた。
   浜崎たちに年下の彼氏かとからかわれた結奈は慌てて袴田を屋上へと連れて行く。

   結奈になにかあったかと聞かれた袴田は
   特に用事はなかったけれど、最近女の子が行方不明になる事件が続いていて心配になり
   結奈の手伝いに来たのだと答える。

   「それ、浜崎さんたちも言ってたけど……あかねちゃんとか、三船先輩のことじゃないの?」

   「どうも、それだけじゃないみたいなんですよ。
   他にも二年の先輩がふたりと三年の先輩がひとりいなくなってるみたいで……。
   しかも、いなくなったのはこの学校でのことらしいんです。」

   「どういうこと?」

   「いや、カバンや靴が置いたままだったり校門を出た形跡もないから、
   そうだろうっていうだけなんですけど。」

   警察が校舎を捜索しても、手がかりはなにも見つからなかったのだという。
   どうして次から次へとヘンな事件が起きるんだろう…頭を痛める結奈に
   失踪事件のことは自分たちに任せ、結奈はアンケートに専念してくれと飼葉から言われたことを
   結奈に伝える袴田。

   「うう~、やっぱりそうなんだ。」

   アンケートを取りにいく作業に乗り気じゃない結奈はガッカリするが、仕方がないので
   袴田と別れた後、アンケートを取りに行くことにした。

   アンケート回収がある程度終わった後、廊下で矢尾から注意されている袴田を見かけた結奈は
   そこへ割って入るが、先日、廊下に立たされたとき同様に
   生徒会の行いを怪しんで詮索する矢尾から追求されてしまう。

   飼葉の幼馴染で友人なら
   本人を信用して任せるとかそっと見守るとかできないのかと聞き返す結奈に
   矢尾は幼馴染が、結奈と香澄のように良好な関係を常に築いていられるとは限らないと答えた。

   「幼馴染が……? でも、先輩たちは本当に仲がいいんですよね?」

   「悪くはありませんね。私も別に万珠のことを憎んだりしているわけではない。
   ただ、少々……意地になっているだけです。一度は万珠に勝ってみたい、と。」

   万珠とは勉強や運動、学園生活の評価などあるゆる面においてよく比べられ
   お互いを良きライバルとして切磋琢磨を繰り返してきたが
   一度も万珠に勝ったことがない。いつだったか、マラソン大会で勝負したときも
   万珠に勝つために、雨の日も風の日も土手沿いの道を走り続けて必死で特訓するも、結局負けてしまった。
   大会当日に40度の高熱を出して、途中で棄権するしかなかったから。
   運までもが万珠に味方をしていた。

   「まったく……。これでは、私はまるで万珠の引き立て役ですよ。」

283 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/05(水) 22:58:57 ID:??? [692回発言]
   幼馴染へのコンプレックスを吐露する矢尾。そんな彼を袴田が勇気付ける。

   「勝てないからといって文句を言ってるだけではダメだ、
   何十回、何百回と負けようと最後に勝てば矢尾先輩の勝利なんだから」と。
   しかし、矢尾は中学生から説教を受けたことにショックを受けて、立ち去ってしまう。

   矢尾が立ち去ると、結奈は袴田と一緒にまだ残っていたアンケートの回収を再開するが
   それらしい人間はなかなか見つからず、ついに最後のひとりになってしまう。
   その相手は、水泳大会の運営委員会の話し合いのときに会ったことのある三年の坂下那智だった。

   坂下に会うため、彼の所属する弓道部の部活動が行われてる武道館に足を運ぶと
   坂下が上半身裸で弓道の自主練習をひとりで行っているところだった。

   「あれっ!?」

   弓を引く坂下の右腕に牡丹の痣を見つけた結奈は、
   さっそく坂下に話しかけて、一連の事情を説明する。
   話を聞かされた坂下は、最近の生徒会の妙な動きはそのためだったのかと納得する。

   「そう、緊張した顔をするな。
   信じがたい話ではあるが、妄想だと笑い飛ばす気もない、ただ…」

   そのとき、なにかを見つけた坂下が突然壁に矢を放つ。

   「最近、クモが多い……。」

   そっと呟く坂下の言葉通り、矢の先には蜘蛛がいた。
   黙ったまま、厳しい顔で蜘蛛を見つめてなにかを考えている坂下。
   口を開いた彼は、今すぐにでも私の力を解放して仲間にしたいのは重々承知だが
   少し考えたいことがあるから、返答は明日までに待ってくれないか、と答えた。

   その日の帰り道、袴田に送ってもらうことになった結奈は
   犬士の中で一番年下ながらも、最も紳士的な袴田を褒める。

   「みんな少しくらいは、遥平くんのことを見習ってほしいよ。」

   「なにを見習うんだってぇ?」

   「あっ……。」

   「よっ、桐沢チャン! 今日もカワイイな~。」

   「ど、どうも、乾先輩。」

   声をかけてきたのは、学園一のプレイボーイ、二年の乾幸城だった。
   いつものように口説いてきた乾を結奈は拒むが、乾はしつこく食い下がる。
   その上、話を中途半端に聞いていた彼は、結奈が頼りになる彼氏が欲しいと解釈して
   オレがアンタの王子様になってやるからとまで言い出す。

   「お礼は、そうだなぁ……キスでいいよ。今日のところは。」

   「キ、キス!?」

   「そ。おやすみのキス。もちろん、ほっぺとかじゃなく唇で頼むよ?」

   「………。」

   呆れて何も言えない結奈を、袴田が逃げましょうと急き立てて、二人は乾から逃げ出す。

   「……って、どうしたんだよ、ハニー!? 照れなくてもいいんだよ~。」

284 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/05(水) 22:59:51 ID:??? [692回発言]
   翌日、休み時間になった途端、結奈は香澄を連れて廊下へと走り出す。
   今朝、玄関を出たときからずっと付きまとっている乾から逃げるためだった。

   「お疲さま。結奈も大変な相手に見込まれたもんねー。」

   「もうっ、他人事だと思って。」

   「2年の乾先輩だっけ? 結奈の王子様。」

   「違うって。なにを勘違いしたのか、向こうが勝手にそう言ってるだけ。」

   こんなんじゃ、学校の中もおちおち歩けない…カンベンして欲しい。
   ため息をつく結奈の前に、話題の張本人がやってくる。

   「見~つけた。」

   「わわっ!?」

   「やあ、ハニー。オレから逃げようとしたってムダだよ。オレと一緒に、めくるめく愛の時間を過ごそうよ。」

   「きゃー、助けてぇー!」

   全速力で保健室へ駆け込んだ結奈は、そこで少し休むことにする。

   「ここなら乾先輩もムチャできないだろうし、なんてったって村崎先生もいるし。」

   「先生ならおらんで。」

   いきなり返ってきた声に、まさかまた乾かと恐怖する結奈。
   彼女が声のした方向へ言ってみると、そこにはベッドに横たわる桧山がいた。

   「桧山先輩!? よかったぁ……。
   って、なんで寝てるんですか。体調が悪いとか?」

   「うん? いや、今日はええお天気やしちょっと眠くなってもうてなぁ。
   で、どうしたん? なんや、テニス部の幸城に追いかけられとるんか?」

   「そうなんですよ。乾先輩ったら、なにを勘違いしたのか。」

   どうしたいいんだろと困ってる結奈に
   学園中の女子に片っ端から声かけるようなやつやから
   マトモに相手にせんほうがええ、本気やないと教える桧山。

   「手当たり次第ってやつですか? なんだ、誰でもいいんだ……。」

   「ガッカリしたん? 女心はフクザツやな~。」

   「そ、そんなじゃないですよ。」

   「実際、あいつも女子に人気がないわけでもあらへんしな。」

   女子といえば、最近行方不明になってるのは女子ばかり…
   もしかすると、幸城のやつがハーレムを作ってるんではと
   大真面目な顔で言い出した桧山に結奈は落胆する。

   「意外とええ推理やと思うんやけど。違うか?」

   「もうっ、冗談はやめてください。私はもう行きますからね。」

   「ほな、またな。幸城に見つかんよう、気ぃつけるんやで~。」

285 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/05(水) 23:03:52 ID:??? [692回発言]
   保健室を出た結奈は、坂下から返事をもらうため、彼を捜し始めるが
   武道館をはじめ、行った先々では遭遇することができなかった。
   するとそこで携帯が鳴り、袴田と一緒に坂下を捜していた香澄から
   坂下が見つかったと連絡が入る。教えられた場所が今いる場所のすぐ近くだと知った結奈は
   そこへ向かうとするが、またも乾が現れる。

   「ひどいじゃないか、ハニー。オレをこんなに焦らすなんてさ。」

   「あの……。私、やっぱり先輩とは……。」

   「でも、もう逃がさないよ。オレの糸で、アンタのことからめとっちゃうからさ。あっはははは!」

   いきなり笑い出した乾の目が普通でなく、
   それが見覚えのあるものだということに結奈は気づく。

   「さあ、来いよ、桐沢チャン。たっぷりかわいがってあげるぜ。」

   「そこまでだ!」

   香澄と袴田と一緒に姿を見せたのは、坂下だった。
   坂下は弓を乾に向けて、彼が女子生徒行方不明事件の犯人だと言い出す。
   しらばっくれる乾に対し、乾に交際を申し込んだ女子生徒が
   彼と一緒にいたところを目撃されて以来行方不明になり
   今は体育倉庫にクモの糸によって捕らわれてる事実を話す。

   「見てきたように言いますねぇ。」

   「実際に見たからだ。君がクモを使い、その生徒を捕らえて手首に食らいつくところを。」

   「………。」

   「どうだ!? 言い逃れはできまい、乾幸城!」

   みなから問い詰められた乾は女子生徒を誘拐した理由を言う。
   こんなチンケな巣に囚われてるのがシャクになり、オレの力でどれくらいのことができるか
   この学園で試してみたくなったのと、食料を調達するためだと。

   「まさか、ほんとにハーレムを作ってたなんて。」

   「ハーレム? いいねぇ。この学校を壊して、ここにオレのハーレムでも作ってみっか。
   もちろん、桐沢チャンも入れてあげるから安心しなよ。」

   「……とことん、ふざけた男だ。」

   乾は自分がクモを操っていることを知りながら、
   黙って行動に出なかった坂下を、オレが怖かったからなんでしょとバカにし
   アンタの弓じゃオレを倒せないから、試しにどうぞと挑発する。
   その挑発に坂下は乗るが、乾の言う通り、それは何の効果もなかった。

   「どうっスか? 力の差ってやつが、わかりました?」

   「……よくわかったよ、乾。君がもう、人間でないものになっているということがな。」

286 : 466 : : 2006/07/05(水) 23:05:16 ID:??? [692回発言]
   坂下は、乾の力が未知数であったこと、そして決定的な行動を起こすのは待つために
   乾の行動を黙って見ていたと告白する。

   「クモの増加と君の行動から推測し、事が起こるのは今日あたりではないかと
   睨んでいたたが、大正解だ。その前に、君に対抗する力を与えてくれる桐沢さんが
   私の前に現れたのは、運命といったところか。」

   「桐沢さん、待たせてすまなかった。私の力を解放してほしい。
   君を守るため、乾に対抗するために。」

   坂下を八犬士として覚醒させて、乾が操るクモと戦うが
   クモを片付ける頃には、乾は既に逃げた後だった。
   袴田に飼葉たちへの連絡を任せて、結奈は坂下と香澄と共に
   急いで乾が逃げた先だと思われる体育倉庫に向かうことにする。

   体育倉庫にやってきた結奈が見たのは、部屋中にクモの巣が張られ
   糸にからめとられている女の子たちの姿だった。
   女の子たちが気を失っているだけで、命に別状はないと知り
   クモの糸を切ろうとする結奈たちの前に、乾が姿を見せる。

   「勝手に手を触れないでもらえますかね? オレの大切なコレクションなんスから。」

   そんなのおかしい、先輩は普通じゃないと皆から言われても
   動じるどころか、褒め言葉として受け取るとちゃかす乾。

   「彼女たちだって、喜んでいるはずっスよ。ココにいれば、
   生きたまま永遠の美が保証されるんスからね。それに、なにより……
   このオレのそばにずっといられるんスから! あっはははは!」

   「お前は……正気じゃない。クモの力が、お前をそうさせたのか。
   ならば、その力を私がこの矢で断ち切ろう!」

   「私もやります! このままにはしておけない!!」

   女子生徒を香澄に任せて、結奈と坂下は乾と戦う。

   自分を追い詰めてきた二人に戸惑いを見せて、急にしおらしい態度になる乾。
   彼の急変した態度に結奈が隙を見せた、その瞬間…

   「いけっ!」

   乾はまだ生きていたクモの糸を使って香澄を人質にする。
   だが形勢が逆転した直後、香澄に巻き付けられたクモの糸を素手で切り裂いて
   乾を気絶させる人物が現れる。

287 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/05(水) 23:08:15 ID:??? [692回発言]
   (三船先輩をさらったのと同じ人だ!)

   マントに覆われて正体がわからない謎の人物だが
   その相手目掛けて坂下が矢を放ったため、フードがめくれてマントの一部が破れてしまう。

   「あ、あれは……!」

   フードから覗いた顔は、結奈の知っている男子生徒だった。
   だがそれ以上に結奈を驚かしたのは、八犬士の証…牡丹の痣が腕にあったこと。
   彼は乾を抱えたまま、素早く逃げてしまう。

   「何者だ、あいつは。もう少しで顔が見えたんだが……。」

   (そっか、角度からして私にしか見えてなかったんだ。
   ……今の人、知ってる。一度、少しだけ話したことがある、よね。
   でもどうして、彼が?)

   そこへ袴田が呼びに行った残りの犬士たちもやってくる。
   結奈と坂下は、乾がこの事件の黒幕だったことや
   詳しい話を聞く前にマントの人物にさらわれてしまったことを皆に話す。

   「三船先輩のときと同じです。けど、香澄を助けてくれたとも言えるんです。」

   「敵なのか、味方なのか。それもわからない……。」

   「……はい。謎が深まっちゃいました。」

   「でも、坂下先輩っていう心強い味方を見つけられましたね。」

   自分のことに話題が移った坂下は、
   結奈に、改めて挨拶をしておきたいと言い出す。

   「私は八犬士になったのだろう? そして、君が守るべき姫だと。」

   「私は、乾がクモを操っているらしいと知って、独自に奴のことを調べていた。
   それに片をつけたら協力しようと思っていたのだが、
   まさかこんな形で……君に助けられるとはな。」

   「助けた、なんて。そんな。」

   「いいや、君が八犬士としての私を見つけ力を与えてくれなかったら
   間違いなく、乾に破れていた。」

   「過去からの、因縁か。「歴史は繰り返される」……。
   陳腐だが、この言葉が最も相応しいな。私は八犬士のひとりとして、
   君を守る盾に、そして剣になろう。これから、どうぞよろしく。」

   「こちらこそ、よろしくお願いします!」

288 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/05(水) 23:09:03 ID:??? [692回発言]
   「これで、七人。残りはあとひとりか。」

   「……!!」

   飼葉の言った言葉で、結奈は気づいてしまう。
   最後の犬士は、あのマントを被った男子生徒だということに。
   マントの彼から痣を発見したことを話そうかどうか考えてる結奈の姿を見て
   飼葉はもしかして、なにか違和感を覚えてるんじゃないかと聞いてくる。

   「僕はそうなんだ。なんに対してなのかはうまく言えないんだけれど。
   いや、変なことを言っちゃったね。気にしないでくれ。」

   「いえ……。」

   (いまは、言うのをやめよう。もう一度、よく考えてみよう。
   本当に彼なのか、どうか……)


   その日の夜。教室で、あかねは主に報告をしていた。

   「ご報告いたします。乾幸城もこちらの手に。例の場所にて眠らせてあります。」

   「そうか。彼は実に良い仕事をしてくれるな。
   まあ、この一件が終わるまで道化たちには眠っていてもらおう。
   なにか使い道があるかもしれない。」

   「それでは、八犬士たちの監視に戻ります。」

   「ああ。……哀れなものだな、誰も彼も。」 

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最終更新:2011年05月15日 01:39