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転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/08(土) 11:50:11 ID:??? [692回発言]
十章 願い
目が覚めた結奈は、それがただの夢ではなく
八房が復活したことで目覚めた、自分の前世の記憶だと確信する。
私の前世は、八房の恨みの力を八人の人間に分散させて封印し、
さらに八房が復活しないよう、八犬士たちを探し出して、彼らに新たな封印を施した伏姫の幼馴染、灯如尼なんだ。
だから、八犬士の痣を見つけることも、封印を解除して力を解放させることも
私にしか出来なかったのだと結論にたどり着く。
記憶を取り戻した結奈は香澄にそのことを話して、彼女と和解した。
それを影で見ていた和歌子は、仲直りをした二人の娘の姿に安堵する。
結奈は灯如尼の生まれ変わりであり、八房を封印することができるのは彼女だけであること、
暴れる八房を、香澄が前世で彼に聞かせていた子守唄で落ち着かせ
そこを結奈が封印する、という計画を犬士に話す。
犬士の役目は伏姫を守ることではなく、八房の力をその身に封じておくことだから
私たちの盾になるために、先輩たちがついてくる必要はない、
昼間は他の人間に見られる可能性があるから、夜になったら行きます。
二人は犬士たちにそう告げた。
夕方、結奈は飼葉から、どうしてそんなに勇気を持つことができるんだと聞かれる。
僕を今まで駆り立てていたのはリーダーとしての責任感だった、
でも僕がしたことは八房の復活の手助けだけ。
途中で何度もおかしいと思ってたのに、その疑問に対してなにもしてこなかった。
最後にせめて、君を危険を遠ざけようと説得したが、それすらも出来ない。
結局、すべては無駄だった…。
自信を失くして、初めて弱気な態度を見せる飼葉に、結奈は自分の想いを伝える。
私が頑張ろうと思ってたのは、飼葉先輩がいたから。
それが八犬士としての義務だったとしても、
先輩がいつもそばにいてくれたから、頑張ろう、戦おうって思うようになった。
この強さをくれたのは先輩なんです、だから無駄だなんて言わないでください。
結奈の答えを聞いた飼葉は、無駄だと言うことは
結奈の気持ちまで否定することになると気づいて、君の気持ちを否定したりしちゃいけない、
僕が君の事を大切に想うように、君の想いも大切にすると答える。
306 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/08(土) 11:52:51 ID:??? [692回発言]
夜になり、八房の元へ行こうとした結奈と香澄に
八犬士としてじゃない、ひとりの人間として君たちを守りたい、だから
自分たちもついていくと犬士たちは言い出す。
八房の所へ向かった結奈らを待っていたのは、やはり妙椿だった。
自分のことを聞かれた妙椿は、全てを語る。
元は狸だった彼女は、八房に乳を与えた影響で恨みの力を得て人間に化けれるようになった。
そして八房の里見家への復讐を手伝おうとしたが、当の八房は
伏姫から愛情を注がて次第に里見家への恨みが薄れていってしまう。
だが妙椿はそれを逆手に取る。村人を煽って伏姫を殺し、八房を憎しみの塊へと変えさせたのだ。
しかしそれも、灯如尼によって封印という形で阻止される。
その封印を解く方法を探るのに、かなりの年月を費やすはめになる妙椿。
次の機会にこんな苦労をしないため、
封印が弱まる六百年後に向けて、彼女は周到な準備を始める。
まずは、集めてはいけない犬士を、集めるべきなのだとすり替えた偽りの伝承を広める。
これを元に書かれた「南総里見八犬伝」のおかげもあって、誤った伝承は全国に広めることに成功、
それと同時に、後々のために
真実も記した書物も用意しておいて、それを社に隠しておく。
それから数百年後、八房の封印が緩み始めたことを知ると
社のある土地を資産家を丸め込んで買いとり、滝田学園を作らせる。
八犬士だと目星をつけた人間をうまく誘導して、滝田学園に入学させ、監視してきた。
そして矢尾が学園内を点検してる最中、地下にある社と
そこに隠されていた真実を記した書物を発見したのを知ると
矢尾の中にある飼葉への妬みや憎しみを利用して、
八房の振りをしたまま、彼に業羅を操る力を与えた。
八房の願い「人間全てを滅ぼす」、それを叶えてやりたいと言う妙椿に対し
八房の本当の願いはそんなことじゃない、平穏な生活だと結奈は反論する。
愛する妻がいなくなっても、彼女のことを想い続けながら静かに暮らしたいに違いない。
妙椿が抵抗する気をなくしたことを知り、結奈と香澄は八房に封印に取り掛かる。
前世の記憶を思い出し、結奈は封印を始めるが、
ペンダントに流れ込んできた八房の思念の重さに押し潰されそうになる。
負けるわけにはいかないんだ…必死で耐える結奈の耳に飼葉の声が聞こえてくる。
驚く結奈に、宿命や使命なんて関係ない、
僕自身が君の傍にいたい、君を助けて、君と一緒に未来を作っていきたい、
その願いを叶えるために、僕はここに来たんだと告白する。
二つの想いが重なったことで、軽くなる八房の力。そしてついに封印は成功する。
封印したことになり石像となった八房の前で、自分もこの地に封印してくれと結奈に頼む妙椿。
だが、八房の封印方法しか知らない結奈に、妙椿を封印することはできなかった。
またひとりで悠久の時を過ごさなければならいのか…妙椿は寂しげに呟くと
石像になった八房に、母はまた必ずお前を助けに来ると言うと、どこかへ立ち去った。
それから五ヶ月後。
結奈たちの住む安房市を襲ったパニックの原因は地震が原因と発表され
矢尾、あかね、妙椿は行方不明のままだったが、藤岡、三船、乾の三人は、無事に意識を取り戻した。
八犬士は、八房を復活させないために、結奈が再び封印を施した後、この地を離れて全国に散らばった。
そして結奈はというと、
ナポリタンも連れて、香澄の家で家族四人と一匹の生活を始め
唯一この街に残った八犬士、飼葉と一緒に自分たちが体験した出来事をまとめた
「新たな八犬伝」作り始める。
最終更新:2011年05月15日 01:45