―――汚染地域探索
依頼主は
フランク・モール。
「何でも屋のフランク」が通り名らしい。
OVA系列のミグラントらしいが、余り馴染みがない。何分元軍属の身としては、政府に敵対する有名どころぐらいしか知らないのだが。
軽く収集した情報を見る限り、物資調達を生業とする一般的なミグラントらしい。
依頼内容に関しては、これといって不審な点は見当たらない。敵も既知の物であることを考えれば、腕慣らしにはちょうどいいだろう。
依頼を受諾する旨のメールを返信すると、俺はガレージへと向かった。
※
「あー、あー、聞こえとるかの! フランク・モールじゃ!」
「おじいちゃん、大音量で叫ばないでよ!」
「おぉ、すまん。ボリュームの調整をミスっとったわ。大丈夫かの、若いの」
「あぁ、心配しなくても大丈夫だ、じいさん」
そうは言いつつも、まだ少し耳鳴りがする。娘と思われる少女の静止がなければ鼓膜が破れるところだった。
ああいうじいさんは嫌いではないのだが、何処か抜けてるのは愛嬌みたいなもんなんだろうか。
「
回収屋が落としたと言っておった場所の付近にマーカーを置いておいたぞ」
「そりゃご丁寧にどうも」
「周辺のお化け機械共や地雷は幾ら潰してくれても構わんがの。余り時間をかけると面倒じゃぞ」
「ご心配どうもありがとう」
「それじゃ頼んだぞい!」
「了解。任せてくれ、じいさん」
そんな会話を済ませると、俺はACを戦闘モードへと移行させた。
※
―――システム、戦闘モードを起動します
懐かしい音声だ。最後に聞いたのはいつになるだろうか。
そう過去に思いをはせながら、改めて周囲を確認する為、リコンを射出し、スキャンモードに移行する。
しかし中々に親切なじいさんだ。コンテナの大体の位置はこれで把握できる。この地点からあまり遠くなく、回収は容易だろう。
周辺を浮いているお化け機械―――もとい射撃型は、この位置から見える範囲5~6機ほど。数は少ないが、老人の言うとおり、時間を掛け過ぎるのは好ましくない。
地面の周りには爆発物を示すマークがあちこちに散見される。地雷処理もついでに依頼してくるのもうなずける数だ。
こちらの武装を改めて確認する。お化け機械用の威力重視のバトルライフル。奴らは殆ど動かないからこれでも十分だろう。
あとは地雷処理用のパルスマシンガン。余計な弾薬費はかけられない。
あとは肩部の予備弾倉。念を入れておくに越したことはないだろう。
システムを戦闘モードに戻すと、ブースターに火を入れる。
間もなくこちらに気づいたお化け機械共が次々にレーザーを発射してくる。
それらを周辺の地雷をパルスマシンガンで処理しながら、マーカーのポイントに接近する。
お化け機械のレーザー自体は威力はあれど、動いていれば当たらない。
しかし地雷に接触すれば、そうもいっていられない。確実な脅威を排除する事が先だ。
一通り周囲を地雷を処理し終え、マーカー付近の敵を掃討に移行する。バトルライフルを構え、ロックオンが完了すると同時にトリガーを引く。
放たれた弾頭はそのまま射撃型に命中する。続けて放たれた弾頭に装甲を抉られ、射撃型が一機爆散する。
反撃のレーザーを左に回避し、パルスマシンガンとバトルライフルの斉射でマーカー周辺の敵機を掃討する。
道中、何機かを無視してきたが問題ないだろう。奴らはあまり積極的に向かってはこない。
帰りしなに潰していけば大丈夫だろう。
コンテナは指定されたポイントに確かにあった。確かにACに負担になるサイズではない。
それに近づこうとした瞬間、ボスンという音がした。
咄嗟にハイブーストを起動、そのまま音のした方とは逆方向に急加速させる。
そしてブースターを切り、その勢いで機体をぐるんと旋回させると。
―――なるほど。回収屋はこいつに驚いてヘマしたんだな。
土の中から出てきたのは、突撃型だった。数は2機。まだ少ない方だ、対処は出来る。
コンテナから一旦距離を離し、2機のうち先行している方に攻撃する。
しかし、射撃型とは異なり縦に横に動きまわるため、予測射撃が狂わされる。
何とか一機を始末に成功するが、二機目が突撃体制に入っていた。距離を取っている余裕はない。
ハイブーストの出力を上げ、突っ込んでくる突撃型を強引に蹴り潰した。
ガゴン、という装甲の拉げる音と共に突撃型が爆散する。
近距離で爆発された為、破片の一部が機体に突き刺さるが、大半は脚部のシールドに止められた。
―――流石に気を緩めすぎたな。あれぐらいは確認してしかるべきだった。
自身の油断を自省しつつ、スキャンモードに切り替え、リコンを再展開、入念に索敵を行う。
周辺に敵反応はなし。この近辺にはいないようだ。
改めてコンテナを回収すると、その旨をフランク・モールに伝えて帰還することにした。
残っていた射撃型をきっちりと始末した後で。
(投稿者:ナグツァート)
最終更新:2013年11月27日 04:25