「平和にいこうぜ。万事仲良くよ」
名前 |
斑葉 灯縁(マダラバ ヒエン) |
性別 |
男 |
年齢 |
22 |
誕生日 |
4月16日 |
身長 |
179cm |
恋愛遍歴 |
初恋は小学生の時 |
好きなもの |
美味しい物 他人の笑顔 |
嫌いなもの |
荒事 理不尽な暴力や悲劇 ■■ |
最近の悩み |
家賃が本格的にしんどくなってきた |
人物
飄々として軽薄、昼行灯、明るく陽気なお調子者といった態度を好み、そう振る舞う青年。
社会不適合者に片足突っ込んだズボラな人物だが、依頼された仕事や、彼がやるべきと認識した事に関しては真面目に取り組むタイプ。
現代社会の比較的表側を生きてきたからか、人並みの正義感や倫理観は持ち合わせており、よほどの事がない限りは警察とかに任せた方がいいと考えている。
が、それは己の関わりそうにない案件や日常の範疇においてのみ。自分が渦中に引き込まれたのなら、自分が出来る事を成すのに躊躇いはなく、手を出す事も厭わない。
能力
『ルック・バック』
元々持っていた斑葉灯縁の異能、微量とはいえ摂取した皇鉄護刻の異能因子とそれ用の調整を施された異能覚醒薬、そして
マレウス・マレフィカルムに投与された薬品への抵抗力が混ざり合って遂に起爆した爆弾。より高出力、高精度の自己時間軸操作能力。
変質した感覚器官により、本来は観測不可能のはずの仮想粒子『タキオン』を知覚・吸収。そのままでは己の肉体が消滅しかねない程のエネルギーを無意識下で制御する事で、自分の力へと変換し異能の強度を上昇させた。
主な能力は基本的には以前の物と変わらないが、出力の大幅な向上により自身の時間軸を操作する事により主観世界を鈍化、傍から見れば最高で10秒間の超高速移動を実現する。
メタ的に言えば、緩めの加速を除いて日に一度しか行えなかった10秒間の超高速移動が三回だけ行えるようになった。
また、全身の細胞を最も健全な状態に復元しようとする恒常性(ホメオスタシス)維持機能がタキオン粒子と異能覚醒薬の影響で超促進された事により、この異能を習得した時の時間軸で斑葉灯縁の肉体は固定されつつある。
負傷は音を立てて塞がっていき、老いはその大きな手を狭める速度を緩やかなものとする、極めて大味な再生能力により、以前以上の頑強さを手に入れる事となった。
投与された薬品の影響で臓器や肉体が自壊しながらも尚動き続けるのは、この機能により崩壊と同時に再生する事で支えられているためとなる。
ただし、無意識での臓器修復にリソースを割いているからか一般的な超再生能力(リジェネレイト)などとは違い、失った部位が生えてきたり殺しても死なないなんて事は起こり得ない。あくまで人よりも幾らか死ににくいだけである。
これまで我武者羅に駆け回ってきた代償の様に、22歳の状態を“時間”は強要する。老いからも取り残される真の孤独が、彼の辿り着いた結果となる。
完全に世界の時間軸との繋がりが断ち切れていない為か、極めてスローペースな老化ではあるが、それすらも無くなった時に起こる変化は想像に難くはない。
タキオン粒子の放出出力は超高速移動による物以外でも三段階に分かれており、より強力な力を行使しようとすればそれに応じて肉体は自己防御のために強度を増し、姿を変えていく。
第一段階は最も基本的な状態。変質した左目からの発光が特徴。 基本的には平時とさほど変わらない。
一般的な視覚機能を喪っている左目だが、“時間の流れ”が視えるため完全に盲目になった訳ではない。日常生活には活かしにくいが、荒事ならば何とかなる。
第二段階は攻撃的な状態に現れる戦闘形態。吸収したタキオン粒子のエネルギーにより、あたかも緑色の焔の様な物が彼の身体から僅かに放出され始める。
無意識下における神妙にして微細な時間操作による微細な加速で肉体の動きは鋭くなり、肉弾戦に於ける破壊力も増強される。 この焔はあくまで吸収されたエネルギーの残滓に過ぎず、他者が触れても問題はない。
猛る怒りを身に宿したかのような苛烈な力は、元々素晴らしい物であった徒手空拳を更に危険なまでに昇華させた。 ただし体力の消耗が激しくこの状態は長続きはしない。
第三形態は極めて攻撃的な状態───半ば暴走に近い状態に現れる危険形態。より強く吸収したエネルギーは焔と遜色ない高熱を帯び、斑葉灯縁の肉体を灼き尽くそうとしながらもその力を飛躍的に上昇させる。
持ち物・貰い物
嘗ての流行を思わせる決して目立ち過ぎようとしない静かな上品さを、無数の小さな傷などでコーティングした、年季を感じさせるシルバーの腕時計。
彼にとってはかなり大切な物らしく、何もないタイミングでも時折指で撫でる癖がある。
ただ頑丈ではあるので時間を見る以外の用法に用いる事も多々ある。
暁月朱海との交戦の折、致命の一撃を受け止めた代償として大きく破損したため、現在は修理中。
オーダーメイドのスーツ。夜を切り取ったかのように黒い細身の背広と黒いシャツのセット。
探偵稼業を始めて独立した折に作った、何か極めて危険な仕事に臨む際に袖を通す一張羅。
彼の体格に合わせて作られているため動きやすいが、それ以外に特別な点は無い。単なる気分の問題である。
なるべくクリーニングや修理で済ませようとしてきたが、計算してみるとどうやら新しく買った方が安上がりだったらしいと最近になって気付く。
釘宮蒼から横流ししてもらった医薬品。主成分はアドレナリン。本来の用法としてはアナフィラキシーショックなどの緊急補助治療などに用いられる。
ショック症状の改善に使われるはずの作用は交感神経を興奮させ、要するに有事の際の気付け薬代わりとなる。
勿論、肉体を癒す効果は一切ない。多量の使用も危険となるし、そもそも彼本人としてはこういった後ろ暗い物を調達する事も不本意。
だが、未だ生を縛る鎖が役割に繋がっているのなら、この程度の備えでも無いとこれからはかなり厳しい事になるだろう。
異能の影響で変質し、悍ましい物となった左目を隠すために仕入れた革製の眼帯。
瞳の発光を覆い隠しはするが、それ以外に特に特別な用途も機能も無い一般的な物。
形から入るタイプなのでまったく同じ物を数枚用意したらしい。
概要
私立探偵を営む軽い調子の青年。繁華街一角の古びたビルの一室をオフィス兼自宅にして、色々と雑な生活を送っている。
軽い冗談で世界平和となれなれしいナンパ用のお世辞を謳い、日がな一日仕事と称して街を徘徊する、ある種の社会不適合者じみた人物。
受けた仕事に関しては真面目に取り組む事、なんだかんだ言いながらも割と手広く請け負う事に加え、彼自身も能力者であるためか、何かと血生臭い依頼が舞い込んでくる事もある。
が、当人なりのポリシーに従っているため何でもかんでも請け負うわけではないらしい。一応カタギだと主張する通りに。
なお、探偵を名乗ってはいるがコミックや映画の様に華麗な推理で難事件を解決なんて事はなく、実態としては殆ど何でも屋が近い。
浮気調査、素行調査、ペットの捜索といった雑用めいた仕事が大半、時折暴力沙汰の絡む案件が回ってくるのが現実である。
一応、当人は今の生活に極めて不満を抱いているわけではないのでこれでいいと思っている。
誰も彼もが痛みを抱え、もがき、苦しむ。嘆きと叫びが止む事はなく、救いを求めて天を掻く。
それが人である限りは、一人分でも多くその手を掴み、奈落の底から押し上げる事を探偵は望んだ。
身に余る力の対価、果てに待つ破滅を悟りながらも、もう止まれない不退転の決意のままに。
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交友関係
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ヤクザ者に追いかけられていたところを助けてもらった。
根っからの悪人ではないと思うので、今度はもうちょっと平和なタイミングで、こちらからの奢りは無しで会えたらいいなって感じ。
猫探しの依頼で苦戦していたところをたまたま通りかかった彼女に助けてもらった。
そのお返しとして“山田白”なる少女の捜索を依頼され、内部調査と並行して取り組む事になった。
一応報告書は送ってあるが、後が心配。
GCGへの潜入調査の依頼を持ち込み、灯縁をこの舞台に引き摺り込んだ張本人。以前から存在は知ってはいたが、顔を合わせたのは先日が初めて。
GCGのテロを止める戦いに於いて共闘。互いに上位の能力者とは言い難いが、それでも共に実行犯たる護刻を打ち倒す金星を挙げた。
彼の精神性には信用を置いており、己に打ち込まれた“何か”の捜索と、可能ならその治療法の奪取を依頼する。
全てが終わった暁には、出来れば回らない寿司でも奢って欲しい。マレウスと遭遇した件の謝罪も兼ねて終わってなくても奢って欲しい。
GCGの施設内で出会った少女。人間社会に存在してはいけない類の人間その1。
外見年齢にしては落ち着いた精神、此方を探るような態度、そしてその思考は極めて危険と判断している。要警戒対象。
一応彼女を目標とした捜索依頼は報告書を送った時点で終わりなのだが、後が心配。
GCGの神官。人間社会に存在してはいけない類の人間その2。灯縁の身体に爆弾を埋め込んだ張本人であり、今回の件の首謀者と見ている。
話してる内に隙を見て情報を引きずり出せたらいいな程度の考えだったが、彼女の屋敷を舞台に野兎めいて追いかけまわされ、殺されかけた。めちゃくちゃ怖い。
到底看過出来ない過激な思考、幼き聖母めいた態度と冷徹な殺人鬼の一面という相反する二つを矛盾なく同居させる異常性の持ち主であり、その有様に義憤と恐怖と疑問を抱いている。
GCGの神官。人間社会に存在してはいけない類の人間その3にして、一際に気に喰わなかった相手。
GCGによるテロ計画の情報を突き止め、オフィスビルにてシノザキと共に交戦。至らぬ能力を互いの意地と戦略で補ってぶつけ合い、壮絶な死闘の末に辛くも撃破に成功する。
その後、自身の探偵事務所内での対話の末、改めて一人の人間として認識。その願い、歪みを知った上で、終わらせる決意を固める。
ただ一つの目的のために周りを棄て、己を棄て、仮面を被る。それは灯縁と何も変わらない、傲慢で哀れな“人間”のそれだった。
入院中に遭遇した黒猫。喋る猫という存在に一度は己の正気の所在を疑ったが、受け入れはする。
まさしくイメージ通りの生き方にちょっとした羨望すら抱いたが、マレウス・マレフィカルムの飼い猫と知り困惑。
『泣かせる事だけはしないでほしい』という頼みに気の利いた返事も返せず、実行に移せるだけの力も無い事には良心が痛んだ。
とりあえず何も知らなそうなので、こちらから何かをするつもりはない。他の組織や個人に狙われなければいいなとは思う。
たまたま夜中に出くわした少女。ちょっと妙なところもあるが、悪い子ではないと思っている。
GCGによるテロの舞台になった中央学園(セントラル)の学生という事で情報収集の足掛かりにさせてもらったが、未成年が夜中に危険地域を出歩く事への懸念は本心。
生徒会長、普通に悪い人だったじゃねえかと思わなくはないが、彼女に当たるのも筋違いだよなと抑えるだけの理性はまだある。
GCGの調査のために訪れた《セントラル》の生徒会長にして、何かを企む不穏な影。
幾つもの仮面を使い分け、時に毒香すら振り撒くその最奥にあった物は、矢張りただ一人の少女であった。
壮絶な経験の末に隠したがっていた記憶を吸い出され、焦りを感じている。
それと、追い詰めてしまった事への慙愧。
調査のために訪れた《セントラル》で出会った少年。新聞でチラッと存在は知っていたが、会って話すのは先日が初めて。
GCG、ひいてはマレウスを止めるという目標に於いては認め合っており、情報共有を行う。同時に、生徒会長への警告も。
既に多くの物を背負い、振り回され、限界を迎えていると思っているため、学友共々救われて欲しいと心の底から思っている。
健康診断で訪れた《HeL》で出会った職員。新しめの友人。
研究材料として何らの薬品を注射された自身の血を明け渡し、対価として気付け代わりのアドレナリン注入器を横流ししてもらう。
《HeL》という組織そのものへの不信感こそあるが、彼へ抱くのは無関係な人間を巻き込みたくは無いという思い。
注射器の代金はもう少し待って欲しい。
借金の取り立てというろくでもない仕事の最中、巻き込んでしまった少女。
己の逆鱗に触れたとはいえ、躊躇いなく他者を害し命まで奪い、更に“報復”以外に感情を見せない様子に薄ら寒さを感じる。
世界の暗部と繋がりがあるのはまだしも、それあんまり言わない方がいいんじゃない?というか警察に言っとくべきだったか?とは思う。
GCG打倒に向けて動いている人物。情報共有の依頼を受けた。
今の時代には珍しく、静かに真っ直ぐな熱血漢と言った印象。己の正義、無私の奉仕めいた戦いに自ら飛び込む、アツい男。
同時に、その真っ直ぐな行動で左腕を喪っているらしい事、揺るぐ事のない撃滅の意志には思うところがないわけではない。
とはいえ、純然たる正義感自体は嫌いではない。誰かの為に自分が燃え尽きるまで動くタイプだと思っているので、決着が付いたら争いを忘れて生きれるようになって欲しいと思う。
GCGの内部情報を知るであろう人物として警戒・注目していた少女。
数奇な運命の巡り会わせは皮肉な因果を手繰り寄せ、新たな騒乱の開幕となった。
当初はテロ行為に加担したという事で警戒こそしていたが、話している内に年頃の子供らしい感性と精神性を確認。協力者として再認識する。
とはいえ、犯した罪業に変わりはなく、幾ら言おうと罪は罪。 反省などはともかくとして、出来れば法に則って償ってほしいとは思っている。
以前倒した皇鉄護刻の弟にして、互いに因縁を持った相手。
接触してきたところを三峰アラタと共に交戦。押し殺して来た感情、怨嗟の矛先を一時的に向ける事で一応の勝利を収める。
兄弟揃って、特定の一個人に対する執念を軸とする有様に抱く思いは複雑な物。倒さねばならぬ相手との認識自体は崩れていないにしても、気分がよくなる事は無い。
異能の力自体は本当に脅威的なところも含めて兄そっくりだと思っている。 同時に、妹や弟がいないか内心ちょっと懸念している。
公安(ノーハン)所属の警察官。個人プレーの集まりでしかない自分達が動く上での協力者。
飄然としながらも己の目的、理念を見失わず、かといって妄信するでもなくそれを貫き通すあり方は、眩いぐらいに正義を体現していた。
尤も、彼の語る正義…時には己の身を守るためでもある覚悟は、根本的に灯縁のそれとは合わない事を悟っている。応えられない事は申し訳なく感じている。
悪人ではないし、話しやすいタイプでもあるので、今後も彼や彼を通じて公安とも良い関係を築けたらいいなと考えている。
《セントラル》の女子高生であり、同学園を襲ったテロの被害者。行方知れずとなった友人『暁月 朱海』の捜索を依頼され、同時に首謀者についての見解を求められる。
己の無力…出来ない事を明確に悟りながら、それでも前を向こうとする芯のある子。友を想い、己を残酷な因果に堕とした相手を知ろうとする姿勢は、強さを感じさせる。
今時珍しく、素直に礼儀正しい良い子だと思っている。友達付き合いはもうちょっと考えた方が良いんじゃないのとも思っている。
ヤクザ絡みの依頼の中で偶然出会った裏社会の住人。無法歓楽地帯『アマミ租界』の案内人。
南米麻薬組織の構成員らしい冷徹さ、暴力に関する能力の高さは警戒している。
とはいえ、彼個人に関しては決して悪印象を抱いてはいない。
共に動く中で見せた義理堅さ、律儀さは計算ずく以上の物を感じたからだ。
ただし食事の趣味は悪いのではないかと思っている。
依頼されていた捜し人にして、これまで出会った中でも上の上に入る危険人物。
単なる女子高生ではないと思ってはいたが、その血の因果と技量には閉口する事となった。
暗殺者としては一流、文字通り住む世界が違う彼女とは本来なら関わり合いになる事も無いはずだった。
運命の車輪は因縁を引き合わせて巻き込んでいき、結末へと転がっていく。
不意に遭遇した危険人物。素性不明、正体不明ながらも壮絶な戦力差に危険な目に遭う。
自我を喪って尚危険な異能の奔流、憎悪のみを見据えて何も見ない姿に激昂するが、取り逃がす事となった。
ノーハンに怨みがあるらしい事は分かったが、それ以外の詳細は一切分からない。機械があれば確かめておきたい。
聞き込みを行っていた《セントラル》の生徒。
不安定な様子のまま死地に臨もうとする姿に吼えるが、それは同時に正気のまま戦いに向かわせる事でもある事は承知の上。
実力はあるみたいだが、申し訳ない事をしてしまったなと思っている。
深夜に遭遇したストリートの住人。彼はヒップホップとラップの区別がついていないが、収めているのはその辺だろうと目星を付けている。
吹っ掛けられた喧嘩の正体は、GCGへの接触を試みる彼女のテスト紛いの物だった。
素行も性格も良くなさそうではあるが、根っからの非人間のようには思えず、死地に向かわせる事は一先ずの保留。
成り上がりとその過程にある真実を求め、ひたむきに上を目指して喰らいつこうとする有様に思うところが多少はある。
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どうでもいい細かい設定
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- 焼き肉の〆は冷麺派。無いと露骨に不機嫌になる。
- 身分証明と「バイクに乗れると恰好良いから」という理由だけで大型二輪の免許を持っている。バイクは所持していない。
- スーツを基本的に着なくていいのが探偵の利点だと考えている節がある。
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11日午前6時30分ごろ、新宿区西新宿五丁目のゴミ捨て場で、「男性が血まみれで倒れている」と、近所の女性から110番通報があった。
警視庁によると、ゴミ捨て場で40代ぐらいの男性が血を流して仰向けに倒れており、死亡が確認された。
警視庁によると、死亡したのは同区にて私立探偵を営んでいる矢倉修三郎さん(46)。刺されたような傷が多数あった事から、警視庁は殺人事件として捜査を始めた。
新宿警察署によると、遺体の胴体に複数個所の刺し傷、首付近に切り傷とみられる傷があった。遺体には激しい暴行の跡があった。付近には凶器になりそうな刃物は見つかっていないという。
───二年前のネットニュースより抜粋
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『───以上が、今回の報告書の要約となります。次回の報告は…』
(扉が開く音。荒い足音が近づく)
『…チッ、録音中だぞ。 お前今年で幾つだ?まだ静かに歩けねえのか?』
「…間さんの言ってた通りだ。親父さん、やっぱこんなの割に合いませんって…」
「連中、一応手を引けば見逃すって言ってるんスよね?だったらもう潮時じゃないスか、どっか別ン街とかに逃げれば…」
『お前、何ペン同じ話させる気だ?ええ?』
『チャラついた服は趣味じゃねえが許す。女みてえに泣き言言うのもまあ許す。だが俺の仕事に口出すのは…』
「カスみてえなヤクザの跡目争いのゴタゴタに使われて、ンな大怪我しといて無理して平気な顔するのが“仕事”?…ハァ?」
「現実見てくださいよ…!羅紋会みたいなデカい所に恩売れるんならまだしも、あんな小せえ癖に血の気多いだけのバカ共にこれ以上関わって何になるんスか」
「今なら間に合うはずっスよ!親父さんなら、あんな連中振り切るのだって…!」
(机を叩く激しい音)
『いい加減にしねえか莫迦野郎が!手前いつから俺にそんな口利ける立場になった?ああ?』
『チンピラに囲まれたぐらいで、依頼投げ出して尻尾巻いて逃げろだぁ?男が一度受けたモンはなあ…!』
「───カビ臭ェ映画じゃなくて現実見ろって言ってんだよ俺ァ!」
「分かってんだろ?!自分にそんな力が無いって事ぐらい! 腹ァ括ってんじゃなくて、逃げ場がないだけって事も、それを見たくねえからまだンな戯言言ってんのも!全部理解してんだろォ!」
「アンタは初めて会った時からハードボイルド気取って、確かに渋かったよ、憧れてた! けど…死んだら何の意味もねえでしょうが…!」
『…泣き言も許すっつったが、取り消さなきゃいけねえみたいだな…』
『今は、俺の、仕事中だ。 外で頭冷やしてこい、灯縁』
「…同じだよ、アンタも。俺を生み捨てた男と女と何も変わんね。自分勝手な負け犬だ」
(遠ざかる足音。扉が閉まる音)
(ライターの点火音。溜め息)
『…録音し直しだ』
───破棄された音声ログより抜粋
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[記録開始]
[00:01]:(カメラのブレ。男児が嫌がる素振りを見せる)
[00:07]:声1:あー…ごめんね。嫌だったね。じゃあこれはこっちに…
[00;14]:(カメラのブレ。何もない白い壁を写し、そこで静止する)
[00:21]:声1:これでいいかな?それじゃあ、お話聞いてもいい?
[00:28]:声1:他のお友達がねえ、ちょっと…ビックリしちゃったみたいで。
[00:34]:声1:その異能、いつから気付いてたの?覚えてないかな?
[00:39]:(沈黙)
[00:56]:声1:んー……つい最近使えるようになったとか?
[01:02]:(沈黙)
[01:23]:声1:(ため息)黙ってたらお姉さん分からないよ。
[01:28]:声1:…そうだ、何かおやつ食べる?好きな物って何かな?私はねえ…
[01:33]:声2:いらない。
[01:35]:声1:え?あ、そう…。ごめんね。
───異能力者支援団体の映像記録より一部抜粋
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汝ら人を審くな。審かれざらん爲なり。
己がさばく裁判にて己もさばかれ、己がはかる量にて己も量らるべし。
何ゆゑ兄弟の目にあるを見て、己が目にある梁木を認めぬか。
視よ 己が目に梁木のあるに、いかで兄弟にむかひて、汝の目より塵をとり除かせよと言ひ得んや。
僞善者 まづ己が目より梁木をとり除け、
さらば明かに見えて、兄弟の目より塵を取りのぞき得ん。
───破り捨てられた新約聖書の一部より抜粋
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最終更新:2021年11月21日 10:22