ホットドッグにチーズをかけるのが苦手になっているジェイクと、それを不思議がるフィン。そんな二人の前に現れたのは、やや様子がおかしい
ゴースト・プリンセスだった。彼女が言うには「自分が死んだ理由を思い出せないと、
50番目の死の世界へ逝けない」らしい。プリンセスを手助けしたくなったフィンは、早速彼女が埋葬されているという墓地へと向かうのだった。
墓場へ向かうフィンたち。ゴースト・プリンセスの過去とは一体どんなものなのだろうか
ジェイクと共に警官さながらの捜査を展開するフィン。同じく埋葬されているお墓から、プリンセスを知る幽霊・
ボイルビーを呼び出して尋問していると、どこからともなく謎の男のゴーストが。男の幽霊・
クラレンスは、「プリンセスは現実逃避をしている」と非難するボイルビーからプリンセスを男らしい台詞で擁護。その姿にプリンセスは思わず一目惚れ。
クラレンスから、怪しいろくでなしなゴーストが集まるという場所を教えてもらったフィンたち。その間プリンセスとクラレンスは、墓地のゴーストたちが大勢集まる野外アリーナのステージショーへ。二人はすっかり仲睦まじい関係に。
スピリット・ウェーブズの見事なパフォーマンスもそっちのけで、プリンセスに愛の言葉を交わすクラレンス。
一方、強引な捜査をしているフィンたちの前にいかつい
筋肉ゴーストたちが。一時ピンチになるも、そこへ戻ってきたクラレンスたちに助けられて一安心。プリンセスは完全にクラレンスの虜となっていて、「私たち、初めて会った気がしないの…」と惚気の言葉を残し、霊堂へと消えていった。
捜査と言いながらこっそり亡骸からお宝を頂戴していたジェイクに思わず怒るフィンだったが、物色したアイテムの中の“名無しの誰か”の墓から入手した折れた短剣に『レンス』の文字。プリンセスや捜査中のジェイクの言葉から「まさか!」と思ったフィンは、プリンセスの亡骸が眠る墓を暴いた。亡骸の腹部には、折れた短剣のもう一方。それをつなぎ合わせると…『クラレンス』。
霊堂にたどりついたフィンは、プリンセスに「殺したのはクラレンスだ!」と告げた。その言葉は、プリンセスの閉ざされた記憶をフラッシュバックさせた………国と国が争う戦乱の時代、とある軍の将
ウォーリアー・プリンセス…生前のプリンセスである。彼女と対峙するのは、恋仲でありながら敵対する軍の将クラレンスであった。一斉に突撃する両軍、その勢いのままクラレンスの剣は、プリンセスの体を深々とえぐった。「クラレンス…私……」安らかな表情で静かに力尽きるプリンセスのその顔は、クラレンスの慟哭の涙で濡れるのだった………。
目的を果たし、50番目の死の世界へ誘われようとするプリンセスは、クラレンスの手を取ろうとする…しかし、クラレンスは逝けなかった。彼もまた己の死の理由を思い出せないでいたのだった。愛していた者との永遠の別れに落胆するクラレンスは、思わず「僕の人生、まるでオナラだ…」と吐き捨てた。その言葉にジェイクが反応、過去に
コンビニで同じ台詞を口にしていたクラレンスを目撃していたのだった。
ジェイクの言葉で記憶をフラッシュバックさせるクラレンス………自らの手で愛する者を殺めてしまった絶望で自暴自棄になっていたクラレンスは、
コンビニの店員の制止も聞かずにソフトチーズを自棄食い。クラレンスはみるみるうちにチーズで膨らんでいき、そして………。
ジェイクのチーズ嫌いに思わず納得するフィンをよそに、クラレンスは今にも逝こうとするプリンセスの許へ。二人は寄り添いキスをし、フィンたちにお礼を言いながら眩しい煌きを放ち、死の世界へと昇天していったのだった…。