マジックで望遠鏡に変化させた
シカで空を覗いてみると、急速にこちらに接近してくるそれはマジックマンの兄弟たち・
グロブ・ゴブ・グローブ・グロドであった。その目的が自分の故郷である
火星への送還…自分への裁きであると察したマジックマン、逃走を図るも妙な装置でマジックパワーを減殺されてしまったため、隠れることができない。ふと、冒険中の
フィンと
ジェイクと激突。その間隙になけなしのマジックを使って自らの体をジェイクに、ジェイクの体を自分に変化させたのだった。そうとは知らないグロブらは、マジックマン≪ジェイク≫を捕まえ、「火星で裁きを受けさせる」と言い残し、宇宙のかなたへと飛んで行ってしまった…。
自分だけ体よく助かろうとしたマジックマンの卑劣なマジックによって、代わりに始末されてしまうことをジェイク≪マジックマン≫から聞かされ、怒り心頭のフィン。しかし、ヤツの言う通り今は何もできないため、仕方なくマジックマンの住処へ。「ジェイクを救える手段…火星へ行く方法があるはずだ」と踏んだフィンは、土塊にまみれた家の中を探し回っていたが、適当な態度でしらばっくれるジェイク≪マジックマン≫。ふと、フィンが手に取った写真…恋人
マルグリスと映っている写真が目に入ったジェイク≪マジックマン≫は、半ば気まぐれで地下にある
トランスポーターの存在を明かした。「ここに追放されて200以来使っていないトランスポーターなど、動くわけがない」と思っていたジェイク≪マジックマン≫。だが、フィンが搭乗して「ジェイクを助けたい」と強く念じるとそれは突然起動し、瞬く間にフィンの体を宇宙空間へと飛ばしたのだった…。
トランスポーターで火星へと転送されているフィン
火星のトランスポーターへと転送されたフィンは、近くにあったドームへと向かう。火星の市民が大勢集められているそこでは、今にもマジックマン≪ジェイク≫の罪を裁く裁判が行われようとしていた。裁判長たる
火星の王が見守る中、グロブらが投影プロジェクターでマジックマンの罪を振り返る…火星人たちの影を操ったり、体をくっつけたり、水を髪の毛に変えたり…その悪行の数々に呆れつつも「生物の大切にすることを学んだなら許さないこともない」と慈悲を見せる王だったが、当のマジックマン≪ジェイク≫は「俺様はジェイクなんだって!」と訴えるしかなかった…。
その無反省な素振りに落胆した王は、
お仕置きの杖による刑罰の執行を宣言した。『魂の消滅』か、『魂による永遠の驚きと発見の旅』か。マジックマン≪ジェイク≫は覚悟を決めつつも、「死ぬ前にもう一度フィンに会いたい…」とつぶやく…すると、こっそりドームに侵入していたフィンが無理矢理介入、杖を持っていたグロブらにイスをぶち当てた。だがその拍子に杖がマジックマン≪ジェイク≫に当たってしまい、その魂は死の国へ…。ジェイクが死したことで力を取り戻す、地球のジェイク≪マジックマン≫…。
マジックマンだと思っていた者の正体がただの“犬”だったことに驚く、グロブらと火星の王。「間違ったのは仕方ないけど、話をちゃんと聞くべきだった」と二人を責めるフィン。誤った判決によって罪のない犬を死なせてしまった王は、自らのお粗末な裁きを認め、犬…ジェイクの魂を取り戻しに37番目の死の世界へ。王の
死の国の王との交渉により、ほどなくジェイクは生き返ったが…王が代償として差し出したのは、自らの永遠の命だった…。
親友たる王との永遠の別れを悲しむグロブら。「マジックマンにお仕置きする?」とのフィンの問いに、「親友だけでなく弟まで失いたくない」と力なく答えるグロブらを後目に、さっさとトランスポーターで火星を去るフィンたち。その転送の勢いを借り、フィンは地球のマジックマンへ強烈なパンチを食らわせ、ビンに閉じ込められた
小さな怪物を逃がした。「別に助けなど要らなかった!」などと捨て台詞を残して去って行く怪物に呆れつつその姿を見送る、フィンとジェイクだった…。