ゲームプレイをやめたBMOは、靴下を失くして困っているフィンをじっと凝視し、ニヒルに煙草を踏み消す仕草………そう。このお話は、見た目はゲーム機・頭脳は名探偵のBMOが、靴下を巡る難事件の解決に挑む物語である。出ていこうとするフィンの足元を、ポラロイドカメラで撮影。とそこに、怪しいネズミの姿。ネズミが怪しいと踏んだBMOは、早速ネズミ・
ロニーを踏んづかまえて、やや強引な聞き込みを行った。ロニーは「自分は何も知らない」と言いながらも、写真に写るフィンの靴下に付いたグレープジュースのシミを指さすが、ロニーの襟首に付いた女性の口紅の跡をBMOは見逃さなかった。
とりあえずグレープジュースの線を洗っていたBMO。それが無関係であると気付いた瞬間、調べていた倉庫の扉が閉まり……なんとか閉じ込められずに済んだが、そこにはBMOの知り合いの猫・
デービス刑事。デービスは「余計な事をすると牢屋行きだ」とBMOに警告して去って行ったが、BMOは気にせずに独自捜査を続けた。口紅の線…ロニーとつながっていると目される女性・ニワトリの
ロレイン。かつてBMOが愛人として付き合っていたその女性の家へ赴いたBMOは、動揺を隠しながらも巧な話術で詰問。ロレインは
ベベという男の情報と、その男が靴下を盗んだ犯人だと告白。「ロニーには言わないで!」立ち去るBMOに叫ぶロレインのその背後の天井には、ロニーの姿が…。
ついに見つけた真犯人・リモコンのベベに対し、容赦なく問い詰めるBMOだったが、ベベはロレインの裏切りに泣きじゃくりながら「犯人はロニー」と白状。……なぜだ?ロニーが靴下を盗む動機は…?ロレインがベベを裏切る根拠は…?……捜査が迷宮入りの様相を呈し、困り果てたBMOはベベの元へと戻る。だがそこには、変わり果てた姿のベベが。しかも運悪く警察官たちが。この状況では、ベベ殺しの濡れ衣を着せられてしまう…警官たちをすり抜けて必死に逃走するBMOは、ハシゴにつまづいてしまい………BMOの脳裏に浮かぶのは、ロレインとの甘い思い出…このままベベを始末した殺人犯として投獄され…フィンやジェイクにも忘れられ…一生を過ごすことになるのだろうか……。
……
ネプターの声掛けで目を覚ましたBMO。そのネプターから、「ロニーが来ていた」「靴下ぐらいの量の宝物がなくなった」との情報を入手。ロニーに会おうとするBMOだったがすでに遅し、警察がその彼…すでに彼が始末された事件の実況検分中だった。自分の殺人容疑は晴れて安心したが、ロニーが遺したメッセージに付いた口紅に気付いたBMO。………ここでようやく、自分の推理が一本の線でつながった。ロニーをけしかけて靴下を盗ませ、探るBMOをベベに会うように仕向け、ロニーのベベへの嫉妬を煽り、警察をも巻き込んで一人だけ利を得た真犯人は……!!
BMOの直感が、その小さな足をハウスの外へ向かわせる。ドアを開けたBMOの視線の先には、池の上でお宝を積んだタルに乗ったロレインの姿が。戻って来いとの声も聞かず「責任はおばかさんたちに取ってもらうわ」と勝ち誇ったロレインはBMOに別れを告げ、お宝を残して去っていたのだった…。
ロレインに自分との思い出を触れられてちょっと照れるBMO
…冒険から帰宅したフィンとジェイクを迎えるBMOは「靴下見つかったよ!」と彼らに報告し、探偵になって発見するに至るまでの捜査過程…全てBMOの空想の中で繰り広げられたノワール・ストーリー…を自慢げに語り、大はしゃぎするのだった。そしてBMOはつぶやく。「ロレイン…めちゃくちゃセクシーで食えない女なんだ…」