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Ⅰ:概論
- 物質が物理的、科学的変化を起こす場合は必ず熱(エンタルピー)の出入りがある。
- 溶解熱(混合熱)、吸着熱、結晶化熱、希釈熱、浸潰熱(湿潤熱)、反応熱など
- これらの熱量を測定することは、製剤分野において解析を行う上で重要である。
Ⅱ:医薬品の分子状態
多形間のエネルギー差=結晶多形の転移熱の測定
- DSC,DTA等
- 溶解熱測定
- 溶解熱の差=多形の転移熱の差
- 溶解速度の予測も可能。(初期溶解速度の対数と溶解熱には直線関係)
結晶化度の違いによるエネルギー差の測定
- 粉末X線回折測定
- 溶解熱測定
- 低結晶化度試料間の違いも確認可能
- 結晶性と溶解熱の関係を利用し、試料の結晶化度を求めることも可能
そのほか非晶質試料結晶化のモニタリングに熱量測定が有効。
Ⅲ:固形製剤の溶解挙動と溶解熱測定による解析
錠剤を溶解した時、
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熱伝動性プロファイル |
希釈熱が瞬時に発生した場合の時間tにおける測定熱量 |
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錠剤の溶解プロファイル |
時間tにおいて発生した溶解熱量(≠測定熱量) |
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熱量計のthermogram |
時間tにおける測定熱量 |
とすると、
の関係がある。
- 溶解熱が発生→希釈→熱量変化として測定、となる過程を踏んで測定される
- t秒後において発生した溶解熱がt秒後の測定熱量と一致する訳ではない。
- g(t)は熱量測定によって得られる。
Ⅳ:熱量計による錠剤への水の浸透速度解析
- Ⅲの原理を用いて、微小熱量計の利用により、液体の浸透速度解析が可能。
- 1方向からではなく全方向からの液体浸透速度が解析可能
- 錠剤の崩壊を考える上で有用
Ⅴ:熱量計による無水物の水和過程の解析
- Ⅲの原理を用いて、熱量計の利用により、簡便かつ連続的、定量的に無水物の水和過程が評価可能
- 無水物の反応速度モデルを用いて、無水物の水和機構の解析も可能
- 製剤の安定性予測に有用
Ⅵ:吸着熱測定による製剤添加剤の評価
- 高感度な微少熱量計を用いれば、少量の試料でも吸着熱、吸着等温線測定が可能。
- 接触角測定などの他の方法では判別不可能な測定も可能。
- 製剤の扱いやすさ、物理的安定性等の評価に有用
Ⅶ:医薬品の安全性予測
- 24時間後の微少熱量計によるエンタルピー変化と6ヶ月保存後の残存率に良好な相関関係
- 高感度な微少熱量計を用いれば、少量の試料でも、簡便に室温での安定性予測が可能。
- 従来の方法では数カ月必要だった安定性評価が24時間程度で可能
- 微少熱量計による数日間のthermogram測定から、医薬品の分解速度定数、反応機構が解析可能。
- 製剤の安定性予測に有用
Ⅷ:懸濁製剤中の界面活性剤の可溶化挙動の熱量計による解析
- 界面活性剤のミセル形成等に伴う分子状態、エネルギー変化は非常に小さいためにCMCの測定は困難
- Titration cellを用いた高感度な希釈熱の測定により、CMCが非常に低い非極性溶媒を用いた懸濁系においても、界面活性剤の会合状態変化(挙動)が測定可能。
- 吸入製剤の開発に有用
最終更新:2011年03月21日 15:42