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Ⅰ:赤外分光法
1. はじめに
- 分子に赤外線を照射すると、その分子固有の振動と同じ周波数の赤外線だけが吸収され、分子の構造に応じたスペクトルが得られる。
- このスペクトルから分子の構造を解析する方法を赤外分光分析法(Infrared Spectroscopic Analysis)という。
- 日本薬局方にも赤外吸収スペクトル測定法として収載されている。
- 多重結合、官能基、シス-トランス異性、環の置換位置、水素結合などの構造が推定可
2. 赤外吸収スペクトルの概要
- 分子の赤外光吸収は一般に基底状態(ν=0)から第1励起状態(ν=1)への遷移によって起こる。
- 1個の原子からなる分子では、(3n-6)個の振動の自由度、分子振動がある。
- 双極子モーメントの変化する振動型のみが赤外吸収を起こし、これを赤外活性があるという。
- 分子のある特定の原子団に振動が局在化することを特性振動といい、比較的一定している。
- 一般に赤外吸収が観測される領域は4000[/cm]~400[/cm]
- 粉体表面での吸着などにより分子の構造が大きく変化する場合、吸着分子の赤外吸収はフリーの分子の吸収と全く異なることが多い。
- Hの代わりにDを用いることで、同位体シフトの有無を検討して赤外吸収の帰属を決定できる。
3-1. 粉体試料の測定方法:透過法
- 最も一般的な方法。KBr法、ヌジョール法などがある。
- 測定時の注意
- 透過用の窓板として最も普通に用いられているKBrやNaClの板などは潮解性
- 試料中の水、空気中の水蒸気、二酸化炭素は赤外吸収を妨害する。
- 定性分析1:試料と既知物質の比較
- 2つの試料が同一物質である限り、スペクトルの吸収波数、強度は一致。
- 同一測定法、同一条件、同一装置で、試料と標準物質、データ集等と比較
- ただし、結晶多形、光学活性物質など特殊な場合にはスペクトルが異なる場合あり。
- 定性分析2:試料の化学構造の決定、推定)
- 官能基の特性吸収帯を利用する。通常赤外吸収スペクトルだけでは困難。
- 定量分析
3-2. 粉体試料の測定方法:拡散反射法
- 原理
- 紛体充填層の内部へ光が入射すると、紛体層内部で透過と反射を繰り返し、最上層の表面から外部へ拡散する。この光(拡散反射光)をスペクトルとして測定する。
- 特定の光の吸収があれば、その波長部分だけ反射高強度が弱くなる。
- 透過法との比較
- 光の吸収機構において質的な差はなし
- 試料作成上の困難は少なく、適用しうる試料の範囲も広い。
- 測定時の注意
- 試料が強い吸収を持つ場合、試料単独ではスペクトルがブロードになりやすい。
- 赤外領域に吸収を持たない物質により希釈して測定する。
- 一般的な有機化合物ではKBr等のハロゲン化アルカリと混合する。
- 定量分析
3-3. 粉体試料の測定方法:高感度反射法
- 試料表面に対して大きな入射角で赤外光を入射し、その反射光を測定する。
3-4. 粉体試料の測定方法:全反射吸収法
- 屈折率の大きい結晶の窓板の両側に試料を圧着し、窓板の側面から取り出した反射光を測定する。
3-5. 粉体試料の測定方法:光音響分光法(PAS)
3-6. 粉体試料の測定方法:発光分光法
4-1. 応用例1:紛体の表面酸点の区別
4-2. 応用例2:紛体の結晶化度測定
4-3. 応用例3:高分子紛体との混合・粉砕による有機物結晶の分子状態変化
4-4. 応用例4:高分子紛体との混合・加圧による有機物結晶の分子状態変化
Ⅱ:近赤外分光法
1. はじめに
2. 測定法
3. 定量分析
4. 定性分析
5. 応用例1:製剤添加剤中の水分子の分子状態
6. 応用例2:造粒操作による結晶セルロースの分子状態
7. 応用例3:操作条件の異なる造粒乳糖の評価
8. 応用例4:製剤中の原薬の多形および結晶化度の評価
最終更新:2011年03月22日 17:06