繰空の法韻(クリカラノホウイン)
最終演算技術式。未だ極める事叶わぬ、全事象に於ける『奥義』。
『ラプラスの悪魔』と呼ばれる未来予測にあらゆる法則による演算を組み込み突き詰める事で、万物の理を掌握する『式』。
世界のみに留まらぬありとあらゆる理、法則を介し、およそ『術』や『魔法』にて為せる範疇を遥かに超えた領分を行使する、事実上『不可能』されていた禁技。
朔夜凪之命によって編み出され、現状では
ドノヴァン・スタッカートによって研究されている。
ありとあらゆる法則、事象、摂理、概念の繋がりを把握し尽くし、絡めとり、相互干渉を引き起こして様々な事象を生じさせる事が可能。ただし、他者が完全に掌握している事象への関与は不可能…とは言わないが、極めて難度が高い。基本的に他者の術や能力に干渉する際は、能力発動時に発生するエフェクトに干渉して、その効果を操作する…というものになる。(発動後のエフェクトは、術者の制御を離れている場合が殆どである為、干渉が容易)
『心』と『技』に跨る式であり、魔術や特殊能力といった『歪み』に頼らない技法でありながら、およそ起こし得る事象を悉く再現する事が可能。
過去や未来、時間や空間に干渉する事は無論の事、それこそ指先一つ鳴らすだけで宇宙を創造するという事も可能なのである。
この技術式を組み立てた
朔夜凪之命曰く『手品』の範疇を出ないらしいが、世界すら容易に騙し切る業であり、『能力』や『術』によって必ず発生してしまう一切の歪を生じさせずして、様々な事象を執り行う事が可能。この業によって発生する一切の現象は、『自然現象』の範疇として世界に認識される為、『異物』を排除するような無効化能力は一切貫通してしまう。
また、ありとあらゆる法則その他への改竄や蹂躙その他の超越系スキルに対する対処も織り込み済みである為、仮に繰空の法韻使いに対してそのような能力行使をしたとしても、あっさり無効化、逆襲されるのがオチ。
この術式の問題点は、絶えずリアルタイムで全法則を知覚し、その法則等の相互干渉を演算し、それによって発生する事象を制御し尽くさねばならない為に、この術式を行使した場合、数秒で脳髄が焼き切れてしまうほどの負荷が掛かるという事。それもその筈。本来繰空の法韻は
マグナエーテルを介したフルスペック演算を前提として構成されている為、現在の生命体が使うには絶対的にオーバーワークとなる。
マグナエーテル使用可能な存在でもその演算・制御時は凄まじく負荷が掛かる為、脳に頼らないタイプの高位知性生命体でも過剰な情報量には耐え切れない為に1分~2分程度の連続行使が限度であり、
四界の音階クラス以上でも約5分間程度の継続が限度。限界を無視すれば更なる領域に踏み込めるが、その果てに待つのは自滅のみである。
ただし、瞬間的発動にのみ限定すれば、負荷を抑えること自体は可能。
尚、能力の特性上『繰空の法韻』の使い手同士の勝負は、その腕を競い、相手を出し抜く勝負となる。
本来ならば今代のOverd System以前の失伝技術式である為、繰空の法韻の使用者は、開祖である
朔夜を含めてほんの数人しか存在しない。
行使者
最終更新:2009年11月02日 19:06