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がれきの街の子どもたち:パレスチナ・ガザ2009/4 癒やされぬ心の傷

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pipopipo777

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がれきの街の子どもたち:パレスチナ・ガザ2009/4 癒やされぬ心の傷


◇「血と闇」絵にも


 息が詰まるような沈黙が20秒ほど続き、うつむくファシーア・モーサさん(18)の口から言葉がこぼれた。

 「なぜ家が狙われたの……。お母さんを助けようとしたけど……」

 小さく揺れる左肩に、横で耳を傾けていた臨床心理家のエンシャラ・ザカウトさんが手を置いた。

 「今は異常な状況。頭の中が変になるのは当たり前なのよ」

 1月14日、1発のミサイルがガザ市のファシーアさん一家12人を襲った。父イーゼルさん(55)、母サメラさん(53)と兄2人、弟、妹の家族6人が命を落とした。3週間前、姉サブリーンさん(19)の婚約パーティーで笑い声があふれていた家の庭が血で染まった。

 一人になると、あの日の記憶が次々に浮かぶ。母は「子どもたちはどこ」と叫び、目を見開いたまま救急車に乗せられ、そのまま帰ってこなかった。

 30分後、初めて家族以外に体験を話した安心感からか、ファシーアさんの表情がわずかに和らいだ。だが、ザカウトさんは「まだ治療とは呼べない段階。いつまでかかるか誰にもわからない」。

 ガザのNGO(非政府組織)「ガザ・コミュニティー・メンタルヘルス・プログラム」にはイスラエルの攻撃後、子どもの変調に戸惑う教師からの相談が殺到している。不眠、夜泣き、周囲への暴力。心の傷は癒えない。

 2月22日、雨上がりでぬかるむガザ地区北部のアベドラボ難民キャンプ。空襲で家や家族を失った約100人の子どもたちが、心理ケアのボランティアと地面に広げた模造紙に塗り絵をした。

 住民を撃つ兵士を黄色に、倒壊するビルを黒一色に塗りつぶす子どもたち。オマール・アサリア君(13)はイスラエルの国の形をかたどった絵を青で染め、左隅を赤く塗った。「ここはガザ。たくさん死んだから」。声を失う周囲の大人をまっすぐ見つめた。【林哲平】=つづく

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