【side:Ash】
笑った!今、確かに笑った…よな?
そんなことで喜んだ自分が居る。
我ながら単純だけど、嫌われるより好かれる方がやっぱり嬉しいじゃん?
まぁ後は最初と同じ、淡々とした感じだったけど…。
でも、やっと俺を視界に入れたみたいだ。
今までずっとただの成り行きの同行者ってだけで、「アッシュ・ディアン」って個人で見てなかったみたいだから。
我ながら単純だけど、嫌われるより好かれる方がやっぱり嬉しいじゃん?
まぁ後は最初と同じ、淡々とした感じだったけど…。
でも、やっと俺を視界に入れたみたいだ。
今までずっとただの成り行きの同行者ってだけで、「アッシュ・ディアン」って個人で見てなかったみたいだから。
…さっきは疑ったりして悪かったかな。
城から脱出するときに王と通じているんじゃと思ったことを思い出す。
実際道はあったんだから、俺のことを罠にかけようなんて疑心暗鬼も良いところ。
完全に信用して良いのかはまだ分からないけど、口に出してなくて良かった。
城から脱出するときに王と通じているんじゃと思ったことを思い出す。
実際道はあったんだから、俺のことを罠にかけようなんて疑心暗鬼も良いところ。
完全に信用して良いのかはまだ分からないけど、口に出してなくて良かった。
死なないでほしいと言った俺の言葉は拒絶されなかったから。
信じたいと思うんだ。
「シャリス・マクレシア」って人物を。
信じたいと思うんだ。
「シャリス・マクレシア」って人物を。
「俺もう寒くて寒くて、充分冷えてる。…安全な場所に案内してくれるなら嬉しいよ」
身体が冷える前にっていうなら既に手遅れ。充分寒い。
実は出れるようならすぐさま出国しようと思ってたのは黙っとこう。
酷くバカにされるか呆れられそうな気がする。
実は出れるようならすぐさま出国しようと思ってたのは黙っとこう。
酷くバカにされるか呆れられそうな気がする。
「さっき火にあたっていただろ?」
シャリスは前半のセリフに反応して訝しげに俺を見てきた。
そりゃ確かに火にはあたって暖まったけど?
そりゃ確かに火にはあたって暖まったけど?
「此処、寒いじゃん」
どんなに暖まってようと、暖かい服装してようと寒いものは寒い。
あんな短時間でどれほど温まれるかは押して知るべし。
あんな短時間でどれほど温まれるかは押して知るべし。
意識すれば冷気が更に増した気がした。
…指先なんか既に悴んできてる。
軽く2、3度手を握って開くことを繰り返したけど…辛い。
本当、寒いのだけは勘弁だ…。暑かったら暑かったでばてるけど。
…指先なんか既に悴んできてる。
軽く2、3度手を握って開くことを繰り返したけど…辛い。
本当、寒いのだけは勘弁だ…。暑かったら暑かったでばてるけど。
「もう暫く我慢しろ」
半ば予想通り、シャリスから返ってきたのは冷たい言葉だった。
分かってる、我慢するしかないことくらい。
魔力温存が第一だし不満ばっか言ってたって状況は改善しない。
分かってる、我慢するしかないことくらい。
魔力温存が第一だし不満ばっか言ってたって状況は改善しない。
「分かってるよ。…で、出口はまだ着かないのか?結構歩いてない?」
時間は良く分からないけど、既に大分歩いた気がする。
ただ…何かこの道変なんだよな。
如何変なのかって聞かれても具体的に答えられないけど。
ただ…何かこの道変なんだよな。
如何変なのかって聞かれても具体的に答えられないけど。
「僕も使うのは初めてだから…。傾斜がかかってるから、余計に歩いた気がするだけじゃない?」
抱いていた違和感をそのものズバリとシャリスが答えた。
ああ、成る程。傾斜がかかってるから変な感じがしたのか。
言われて見れば微かに登っていってる気がする。
道自体、まっすぐに見えて緩やかなジグザグ描いてるみたいだし。
分かれ道が所々にあるのは出口なのか罠なのかサッパリ分からない。
どうしてこんな微妙な抜け道作るかな、王家っていうのは。
ああ、成る程。傾斜がかかってるから変な感じがしたのか。
言われて見れば微かに登っていってる気がする。
道自体、まっすぐに見えて緩やかなジグザグ描いてるみたいだし。
分かれ道が所々にあるのは出口なのか罠なのかサッパリ分からない。
どうしてこんな微妙な抜け道作るかな、王家っていうのは。
暫くして、何らかの印のついた階段を登るシャリスを追って俺も階段を登る。
カツンカツンと、足音だけが高らかに響いた。
階段を上りきった先にあったのは小さな踊り場と古びた扉。
周囲の気配を警戒しながらシャリスが扉を開けた。
冷たい風が隙間から吹き込んでくる。
カツンカツンと、足音だけが高らかに響いた。
階段を上りきった先にあったのは小さな踊り場と古びた扉。
周囲の気配を警戒しながらシャリスが扉を開けた。
冷たい風が隙間から吹き込んでくる。
「此処は…ラスクの丘…?」
周囲を確かめてから外に出たシャリスが呟いた。
「ラスクの丘って、どの辺り?」
聞き覚えのない地名に首を傾げる。
フィリディアの地形には詳しくない。
何と言っても着いたばかりでろくに歩く前に捕まったから。
フィリディアの地形には詳しくない。
何と言っても着いたばかりでろくに歩く前に捕まったから。
「城から南東…最初に会った教会の傍にある丘。人は殆ど来ないと思う」
見回してみれば丘の周りは森になっていて、少し離れた場所には確かに城が見えた。
…実は大分歩いてたんじゃないか?俺たち。
地下と地上とはまた違うけど、さっきは城まで馬車で行ったんだし。
…実は大分歩いてたんじゃないか?俺たち。
地下と地上とはまた違うけど、さっきは城まで馬車で行ったんだし。
「それは好都合だな。見つかると困るし」
昼間ならいっそ人ごみにまぎれたほうが良いのかもしれないけど。
深夜に人ごみなんてあるわけない。
なら隠密行動がベストだろう。
深夜に人ごみなんてあるわけない。
なら隠密行動がベストだろう。
「で、王にマークされてない場所って?」
「こっちだ」
「こっちだ」
歩き出したシャリスの着てる薄紫のコートは、遠目には白く見えて雪の中では全然目立たない。
少し余所見をしたらその隙に雪に溶け込んでしまいかねないように見えた。
俺のコートもオフホワイトだし、雪の中だと同じように迷彩代わりになるかも。
逃亡する場合はありがたい色彩なのかなと今更ながらに思った。
少し余所見をしたらその隙に雪に溶け込んでしまいかねないように見えた。
俺のコートもオフホワイトだし、雪の中だと同じように迷彩代わりになるかも。
逃亡する場合はありがたい色彩なのかなと今更ながらに思った。
雪は勢いを増すこともないけど弱まることも無く。
静かに振り続けてる。
寒いし冷たいし歩きにくいけど…やっぱり雪って好きだ。
何もかも、全てを真っ白に塗り替えてくれそうで。
良く言われるように天使の羽根にたとえるにはちょっと灰色っぽいけど。
降り続ける白い雪は、何処か神聖な感じがした。
静かに振り続けてる。
寒いし冷たいし歩きにくいけど…やっぱり雪って好きだ。
何もかも、全てを真っ白に塗り替えてくれそうで。
良く言われるように天使の羽根にたとえるにはちょっと灰色っぽいけど。
降り続ける白い雪は、何処か神聖な感じがした。