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Place to stay

ash

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シャリスは俺の作ったリゾットの入った皿と、俺の顔を何度も見てから漸く食べ始めた。
冗談で口にしたけど毒でも仕込んでると思われてるのか?
俺も逃げる途中、罠に誘導されるんじゃないかと疑ったから同罪だけど。
けど、どうせなら味を疑われてるほうが良かったな。

「如何?不味かったら無理して食わなくても良いから」

料理自体の出来は悪くないはずだ。
味付けは起き抜けってことで薄めにしてるけど、この辺は個人的な好み。
シャリスの口に合わないならそれはそれで仕方ない。

「………不味くはない」

自然と笑みがこぼれた。
素直じゃない評価だけど、口には合ったみたいだ。
誰かに手料理振舞うってこと自体、久し振りで嬉しい。

「そっか。一応お代わりあるから、食べれるなら食べとけよ」

ばれないように笑いをかみ殺しながら、自分の分を新たによそって声をかける。
余ると勿体無いからな。

「ああ、そうだ。俺、今夜のうちに此処を出るから」

二杯目を食べながら、料理をしてるとき考えていたことを何気なく告げる。
シャリスが驚いたように俺を見た。

「今夜?昨日の今日で、一番警備が厳しいのに?」

バカじゃないの、と。
言外に聞こえてきそうな声音と口調だった。

「そんなこと言っても、此処にいつまでも居るわけにいかないし」

厳しいのは俺だってわかってる。
のんびり過ごしてるけど、今頃脱走聞いて王も怒ってる頃合だろうし。

「せめてほとぼりが冷めるまで待つくらいのことは出来ないわけ?」

ああ、そうだな。
確かにそんなにすぐに安全な場所から出てくのはバカだと思うよ。
けど

「…いつ、冷めると思う?明日、明後日…1ヶ月?」
「今夜よりはマシだと思うけど?」
「俺たちが捕まるまで諦めさそうな様子だったし、俺はそんなに気が長くないんだよ。食料の備蓄もないしな」

時期見てたら食料や燃料がなくなっちまう。

「それに手配かけられると面倒だ」
「…それなら問題ない。王がこのことを言えるわけが無いから」

シャリスは暫く黙った後でそう言った。
確信がありそうな響きに、俺は首を傾げた。

「どうしてそんなことが言えるんだ?」

確かにこの国は他所の国と交流が殆どないらしいけど。
国の宝がなくなったなら国民に言うんじゃないか?



「魔石が無くなったことを言えるはずがないし、
 禁忌の力のことを言うわけにはいかないはずだ」

シャリスはそういいきった。
まぁ国を守ってるとか言う魔石がなくなったーなんて軽々しくはいえないだろうケド。

そっちは分かった。でも、禁忌の力…?
そういえば、王も言ってたな。人に宿った魔石は禁忌の力がどうのこうの。
考えても分かんなかったから忘れてた。

「禁忌の力って、具体的に何なんだろうな」

呟いたら、シャリスが呆れたように俺を見た。
…もしかして常識的なことを尋ねたのか?

「魔石が関係して禁忌の力、って言ったら生命の分野に決まってるじゃないか」
「生命?」
「…蘇生、治癒、呪術。生命に関わる魔術は全般的に研究すら禁じられてるってことくらいは知ってる?」

へー、そうなんだ。
聞いたことがあるようなないような…。
確かに治癒術ってのはないよな。

そんなことを考えたのが分かったのか、シャリスが溜息をついた。

「本に『雪の結晶』のことが少し載ってた。
 『雪の結晶』は人に宿ると禁忌の力を与える、って。王が言ってたのはコレのことだと思う」
「ふーん。他には?」
「自分で調べたら?ごちそうさま」

空の器をテーブルに置いて、シャリスは再び奥の部屋に行ってしまった。
当然教えてもらえると思ってたから、凄い拍子抜け。

大体調べるって、当然あの本の山から記述のある本を探し出してってことだよな。
見つけるのも時間かかりそうだし、万が一見つけれたとしても。
………読んでるうちに速攻で寝るだろうなぁ。

雰囲気だけでも睡魔に襲われた隣室を思い出し、俺は溜息をついた。

「…まぁ良いか、知らなくても」

そんな面倒なことするくらいなら。
知らなくても大して支障はないし、生命に関するっていっても使い方が分からなければ仕方ない。

「ごちそうさまでした、っと」

とりあえず、皿を片付けてもう少し部屋片付けて寝るか。
身体にはまだ少し疲労が残っているから。

今後の行動を決めて、先ずは皿洗いをすることにした。






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