【side:聖夜】
控え室に入ってきた伊佐は些かの動揺もなく其々から話を聞いたらしい。
俺はすぐに呼ばれたから何の話もしなかったが。
…やはり朔夜とオーナーの画策なのだろう。
今更文句を言おうとも、まさに今更だ。
俺はすぐに呼ばれたから何の話もしなかったが。
…やはり朔夜とオーナーの画策なのだろう。
今更文句を言おうとも、まさに今更だ。
声をかけたくてもそう簡単に時間は取れない。
今日は特に忙しく、営業時間が終わってから漸く一息つけたくらいだ。
今日は特に忙しく、営業時間が終わってから漸く一息つけたくらいだ。
「お疲れ様です」
「お疲れ」
「お疲れ」
客の引いた店内で楽杜に声をかけられそっけなく返す。
ある程度照明が落とされていて薄暗い。
ある程度照明が落とされていて薄暗い。
「皆さんは帰ってください」
聞きなれた声が鋭さを伴って店内に響く。
…声を聞けば分かるくらいに、俺はまだ忘れていないんだ。
そのことを自覚するようで目を閉じて溜息をついた。
伊佐の声を聞き間違ったことなんて無い。
…声を聞けば分かるくらいに、俺はまだ忘れていないんだ。
そのことを自覚するようで目を閉じて溜息をついた。
伊佐の声を聞き間違ったことなんて無い。
「原因は分かったのか?」
「ええ」
「ええ」
立ち上がり振り返ると、フロアの丁度中央のところに伊佐が立っていた。
決して俺とは視線が合わない。
決して俺とは視線が合わない。
「その原因を取り除きます」
「分かりました、後のことは宜しくお願いします」
「分かりました、後のことは宜しくお願いします」
一礼をした楽杜が他のメンバーを引き連れて通路の奥に消えていった。
好奇心の強い面々が多いが、奴なら何とか言いくるめるだろう。
伊佐の仕事は興味本位で立ち入るべきじゃない。
幽霊、なんて。俺たちにはどうすることもできないのだから。
好奇心の強い面々が多いが、奴なら何とか言いくるめるだろう。
伊佐の仕事は興味本位で立ち入るべきじゃない。
幽霊、なんて。俺たちにはどうすることもできないのだから。
「…伊佐、その霊ってどんな奴だ?」
「知ってどうされるのですか?」
「朔夜に怪我させたんだ、それなりに落とし前が要るだろ」
「知ってどうされるのですか?」
「朔夜に怪我させたんだ、それなりに落とし前が要るだろ」
俺とは違ってすぐに治ったから心配ないとは本人が言っていたが。
それでも大怪我をしかねなかった。
恩を着せるわけではなく事実として、あのとき俺が朔夜の前に出なければ怪我はもっと酷かっただろう。
それでも大怪我をしかねなかった。
恩を着せるわけではなく事実として、あのとき俺が朔夜の前に出なければ怪我はもっと酷かっただろう。
「やっぱり女の霊なのか?」
それが一番妥当だろうということは俺にも想像はついていた。
伊佐が出てきた以上、尚更に霊の仕業だということが真実味を帯びる。
俺には良く分からないが、そういう存在が居るということは理解していた。
腹立たしいことに、それが俺にはどうしようもない存在だということも。
伊佐が出てきた以上、尚更に霊の仕業だということが真実味を帯びる。
俺には良く分からないが、そういう存在が居るということは理解していた。
腹立たしいことに、それが俺にはどうしようもない存在だということも。
「後程報告します」
淡々と事務的な口調に溜息が出た。
こうなったら伊佐は簡単には口を割らないだろう。
昔も…俺と伊佐が知り合う切欠になった騒動のときも。
伊佐は詳しいことは言いたがらなかった。
こうなったら伊佐は簡単には口を割らないだろう。
昔も…俺と伊佐が知り合う切欠になった騒動のときも。
伊佐は詳しいことは言いたがらなかった。
「仕方ないな…怪我、するなよ」
肩を叩いて横を通り過ぎようとした瞬間。
酷い耳鳴りに襲われてその場に膝をついた。
酷い耳鳴りに襲われてその場に膝をついた。