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バチュル

英名:Joltik
学名:incarnatus haereos
分類:くっつきポケモン
標準体高:0.1m 標準体重:0.6kg

電気的なエネルギーの強い場所でよく見られる、イッシュ地方原産のクモ型のポケモン。
しかしその発生系統についてはクモからという学説と、ノミ・ダニという学説に分かれている。
現在つけられているincarnatus haereos(しがみつく蜘蛛)という学名も、発生過程が解明されることで変更される可能性もある。

【自然界のバチュル】
自然界では大型のポケモンの毛並みにひっついている姿がよく目撃されている。
毛並みが擦れ合うことで起こる静電気のエネルギーを吸っている姿で、「くっつきポケモン」と称される由来である。
特性の複眼は対象物との距離を測り確実に飛びつく為に発達したと提唱する学者も存在するほどで、
そのためバチュルは静電気のみを食すと誤解されがちである。
しかし静電気によって得られるエネルギーはごく僅かであるため、彼らは各種木のみや他の昆虫を主に食している。
彼らのもう一つの特性緊張感は、他のポケモンが所持している木の実を虫食いなどの技で横取りするためともいわれている。
野生種の寿命は平均2~3年、長くても4年でデンチュラへの進化をすればそれ以上と考えられている。
が、バチュルは生態系の中でも下位の存在で捕食されることも多いので、正確な数字は確認することができない。

【人々の生活とバチュル】
昔は電気石の洞穴周辺など電気エネルギーが豊富な場所でしか目撃例がなかったため、認知度の低いポケモンであった。
しかし人間社会に電気が浸透するとともに、彼らもまた生息範囲をひろげていった。
元来必要とする電気エネルギーが僅かですむこともそれに拍車をかけたといっても過言ではないだろう。
現在では町中の至る所で目撃できるポケモンである。
イッシュ地方に住む皆さんも自動販売機や電灯に群がるバチュルを何度も目にしているのではないだろうか。
またその小さな体を利用し、家屋の中に侵入して直接コンセントから電気を頂戴するものも少なくはない。
そのためバチュル避けのコンセントカバーを取り付ける家庭も多い。
イッシュ地方出身の筆者はあまり違和感が無いのだが、カントー出身の友人はこのカバーを大変不思議がっていた。
他地方ではあまり馴染みがないものなのかも知れない。
しかしその一方、冬場に静電気避けとしてバチュルを一匹体にくっつけるトレーナーも多い。
この光景もイッシュ地方に限定された冬の風物詩である。

【飼育下のバチュル】
バチュルの飼育に関して言えば、それほど難しいことはない。
一匹で飼育する場合衣装ケースほどのスペースがあれば十分である。
多頭飼いの場合は共食いする可能性もあるので、同じゲージに10匹以上は入れないことをお薦めする。
(なお個体の選別を行う場合、あえて許容範囲以上の数を入れて突然変異や遺伝疾患を持った個体を淘汰する方法もある)
ちなみに結構ジャンプ力というか脚力が強いので、しっかりと蓋をできる飼育ゲージが望ましい。*1
餌は虫などの生き餌があれば理想だが、市販のポケモンフーズと木の実でも問題はない。
夏場の登山など電気の供給に不安がある場合は市販の乾電池を持ち歩く事をお薦めする。
が、バチュル自体普段から静電気程度の電力供給でやり繰りをしているのでほとんど必要はない。
むしろ初心者の飼育で起こりやすい問題は過充電である。
あまりにも過度な電力供給をしてしまうと、体内の電気袋が電気の微調整をすることが出来なくなってしまう。
他の電気タイプのポケモンにもよく見られる症状であるが、バチュルは体の小ささのためかこの症状に陥りやすい。
ある程度成長すれば自分で電気袋の具合を調整するようになるが、それまでは飼育者の方で気を使ってやってほしい。

【モデル生物としてのバチュル】
また、バチュルは主に遺伝学を取り扱う研究機関では大変馴染み深いポケモンである。
このポケモンが携帯獣遺伝学のモデル生物として利用される理由は以下の点があげられる。
  • 体が小さく飼育が容易であること
  ポケモンの交配や観察のため、研究機関ではポケモンをボールから出しケージで飼育することも珍しくない。
  前述の通りバチュルにおいてはその小さい体のお陰で、研究室内でも場所を取らずに飼育が可能である。
  特殊な餌といえば電気であるが、そもそも自然環境で生育している個体は多量の電気を必要としていない。
  そのため市販の乾電池をケージにいれておけば勝手に吸い付いてくれる。

  • 多産で生活環が短い
  虫タイプのポケモンであるためポケモンにしては生活環が短く、わずか20日で交配が可能になる。
  産卵サイクルも早いため、短期間で多くの個体・多くの世代の観察が可能である。
  • 染色体数が少なく遺伝子操作をしやすい
  バチュルの染色体本数は10対20本でポケモンの中ではコンパクトな部類である。
  性染色体含めガーディ39対78本、コイキングの50対100本などと比べいかに少ないかがお分かりになるだろう。
  ちなみにポケモン以外のモデル生物でいえばキイロショウジョウバエは4対8本、シロイヌナズナは5対10本である。
こうした特徴を持つため遺伝学研究の場に昔からバチュルは欠かせない存在であった。
そのため携帯獣ゲノム解析プロジェクトの中でもかなり早期に全ゲノムデータが割り出されたポケモンである。

これまでバチュルを実験材料とした論文は数多く発表されており、ポケモンスクールの学生実験においても広く用いられている。
異種交雑の実験を執り行う際はクルミルやイシズマイも共に用いられることもある。
筆者自身携帯獣の先天的習得技の研究のため、現在バチュルを用いて実験を重ねている最中である。


参考文献
「携帯獣生物学の歴史」2003年:シッポウ書房


1:筆者の経験を踏まえて話すと、多頭飼いなら衣装ケースの上に漬物石ぐらい乗せていいです。

  奴ら団結して脱走図ることあります。ちっちゃいからって脚力なめてると泣きをみます。

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最終更新:2011年04月12日 22:08