決戦
「グッ……フィレンテ……きさま……」
ヌケニンは、俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。
それは腹を切裂いた、どんどんと血が流れていく。
俺の周辺には血液が飛び散り、砂浜が赤黒く染まっている。
手から落ち、血に塗れたボールから、遅れてギャロップが登場した。
「言っておきますが、これはポケモンバトルではありません
僕はあなたの命を狙っている、ヌケニン…再びシャドークローです」
ギャロップが明らかに動揺している、主人の俺がこの様だからか。
「動揺するなギャロップ!攻撃が来ているんだ火炎放射だ」
シャドークローを巻き込みながら、ヌケニンに火炎放射は命中した。
ヌケニンは弱点攻撃が無ければ、無敵だが逆に弱点を食らえば、一瞬にして戦闘不能だ。
そう思っていたが、現実は違った。
炎攻撃を食らったはずなのに、ヌケニンは戦闘不能になっていなかった。
「気合の襷か……だが次を食らえば終わりだ!再び火炎放射」
ギャロップの口から強力な炎が放たれる、それはヌケニンに命中したが、なぜか倒れない。
「今度は堪えるです……こうして時間を稼いでいるだけでも、僕の目的は果たせますからね。
ヌケニンで堪えるをやっているだけでも、どんどん血は流れていく。
こうなったら気力の勝負である。
今のところ、火炎放射を放ち続けていられるものの、後少しで切れる……だがそちらも同じだ
しかし俺の希望とは裏腹に、ギャロップの火炎放射は終わってしまった。
「命を賭けた勝負だというのに情けない……ヌケニン影打ち……!?」
ヌケニンは気絶していた、運に助けられた。
「火炎放射には追加効果で、火傷になる可能性がある…それは堪えるでも無効化できない」
「そういういうことですか……ヌケニン戻りなさい」
ヌケニンをモンスターボールの中に戻し、新たなポケモンを繰り出してきた。
出てきたのは星型で、中心に赤い宝石が埋め込められているポケモン……スターミーだ。
ギャロップでは不利だが、交代すれば、次こそは殺されてしまう。
スターミーは、ハイドロポンプを発射してきた。
「メガホーンでハイドロポンプを貫いて進め」
角で水を貫いて突進し始めた、ギャロップへの負担も大きいようだが
ハイドロポンプの水圧に打ち勝っている。
そしてついに、ギャロップとスターミーの距離は1mとなった。
「スターミー、10万ボルトです」
突然電撃を繰り出してきた、水に濡れていたギャロップには大ダメージである。
スターミーまで、後少しというところでギャロップは力尽きてしまった。
震える手でギャロップを戻す。
俺は激しい痛みと次の攻撃へのあせりで適当にボールを選んで出してしまった。
ジュゴンが出てきた、ギャロップと同じ反応を起こす。
「僕のスターミーは10万ボルトを覚えている
それなのに水タイプとは……随分余裕ですね。」
嫌味を言ってくる、とことん嫌な性格だ……だがこちらが不利なのは事実である。
「10万ボルトです!」「シグナルビーム!」
スターミーからは電撃が、ジュゴンからは赤と青が交差した光線が発射した。
それはぶつかることは無く、双方にそれぞれ命中した、どちらも効果抜群である。
「なるほど……エスパーに有利な虫の技ですか、
しかし10万ボルトとシグナルビームを打ち合ってたら
威力の高い10万ボルトの方が有利です……どう足掻いてもあなたは勝てないんですよ」
「威力や相性だけじゃ勝負は決まら…ない」
「その減らず口も聞けなくしてさしあげます……10万ボルト!」
「オーロラビームで対抗しろジュゴン」
七色のビームが10万ボルトに命中し、数秒押し合っていたが、相殺された。
「技を使い分ける、これだけでも十分戦えるんだ……」
「確かにそうですね……ならあなたの言うとおりにハイドロポンプでも使ってみましょう」
スターミーはハイドロポンプを発射してきた。
オーロラビームで対抗するものの打ち破られ
ジュゴンに命中してしまった、しかし相性的にはダメージは少ないはず……
「確かにこの技は相性でダメージを与えられても半減します、しかし攻撃を打ち破るには、
最高の技ですよ。あなたのジュゴンの技は低威力な技が多いようですからね……」
ジュゴンに覚えさせている技は、オーロラビーム、シグナルビーム、アクアジェット、威力が低い技ばかりだ
しかし俺がこいつに覚えさせている技は、まだ一つ残っている。
「ジュゴン!オーロラビームだ」
「フン……そのような単調な攻撃などでは永遠に僕のポケモンは倒せない!ハイドロポンプ」
やはり使ってきたか、ハイドロポンプ。
「アクアジェットで、ハイドロポンプの流れに乗るんだ!」
ハイドロポンプの水圧に逆らいながら、スターミーに接近する。
「アッハハハハハ!どうやら傷で判断能力が鈍ってしまったようですね、ギャロップの二の舞です」
二度も同じ失敗などするか、ジュゴンの最後の技を今使わせてもらう。
『絶対零度だ、ジュゴン!』
瞬時にハイドロポンプは氷結した、そしてそれを発射していたスターミーも、当然凍りついた。
しかしハイドロポンプの中に居た、ジュゴンも瀕死になってしまった。厚い脂肪持ちでも耐え切れなかった
「馬鹿な……あの状況で絶対零度など使ったら、瀕死どころではすまなかったかもしれないはず…!」
ジュゴンは俺の命令をためらわず実行してくれた、俺の思っている気持ちが伝わったんだろう。
自分を犠牲にしてくれたジュゴンのためにも、俺は負けられない。
お互いのポケモンが戦闘不能になった、双方次のポケモンを繰り出す。
俺はオニドリルを、フィレンテはリザードンを出した。
オニドリルは俺の方を見て、一瞬驚くものの、すぐに体勢を持ち直した。
「今度は空中戦とい…うわけか、オニドリルドリルくちばしだ!」
オニドリルは鋭い眼光を、リザードンと、その主人フィレンテに向けながら飛行する。
「火炎放射です、位の違いを見せてやりなさい!」
火炎放射をオニドリルに発射してくる、それを吹き飛ばしで消滅させた。
「素早さは互角だ……さらに上空からドリルくちばしで重力を味方につけろ」
オニドリルは真上へ進んでいった、そして急降下する。
「リザードン、真上に火炎放射です!」
火炎放射で対抗するが、急降下して、勢いのついたドリルくちばしを防ぐことは出来なかった。
しかしドリルくちばしは減速してしまい、リザードンには掠めた程度だった。
「なかなかやるな……さすがはヘッドリーダー…オレンジ諸島最強のトレーナーだ」
「そちらも実力は十二分ですよ…ジョウトリーグでベスト8を取っているだけはありますね」
「俺のこと調べたのか?嫌な奴だ……」
「ポケモンリーグに所属していれば、その程度の情報は自然と入ってくるんですよ
そろそろお喋りも終わりにしましょう、エアスラッシュ!」
「鋼の翼だ!エアスラッシュを掻き切れ!」
翼を硬化させエアスラッシュを掻き切り、そのままリザードンに攻撃した。
「ドリルくちばしで連撃だ!反撃を許すな」
ドリルくちばしでリザードンを突く、しかしリザードンは怯まず、反撃をしてきた。
「接近戦だろうと、万能に対応できるんですよ。ドラゴンクロー!」
瘴気を帯びた爪で、切裂いてくる。
オニドリルはそれに直撃するものの怯まず、ドリルくちばしをヒットさせる。
肉弾戦というのに、相応しいバトルだ。
「鋼の翼で相手を叩き落せ!」「…火炎放射で相手を突き放しなさい」
羽で叩きつけようとはするが、火炎放射が先に命中し、オニドリルは攻撃に失敗した。
リザードンはその隙に遠くへと飛び去っていく、遠距離戦のほうがとくいのようだ。
「エアスラッシュを連射してください…」
リザードンは大きく羽ばたき空気の鎌を連射してくる、ビュンビュンと空気を切る音が聞こえてきた。
「オニドリル、吹き飛ばしだ」
突風を引き起こし、エアスラッシュを吹き飛ばす。
しかしエアスラッシュは突風の中をも進み、オニドリルを切裂いた。
「鋭利な鎌を、吹き飛ばしごときで返せると思いましたか?愚かですね……」
……判断能力が鈍ってきたようだ、早く決着をつけないと…まず…い。
一回だけ大きな隙を作るチャンスがある、そこで最強技であるゴッドバードを使えれば……
「これで焼き鳥にでもしてさしあげましょう……火炎放射!」
灼熱の火炎放射が、オニドリルを襲う……いまだ!
『オニドリル!火炎放射だ』
オニドリルの口からも、灼熱の炎が発射される
「ば、ばかな!なぜオニドリルが火炎放射を……」
リザードンも火炎放射が使えないはずの、オニドリルの火炎放射によって動揺している。
「オウム返し……この技の効果は分かるよな……」
「……相手が使用した技をそのまま返す技……」
オニドリルの火炎放射によって、動揺したリザードンの火力は弱まり
特攻の低いオニドリルとの火炎放射とでも、相殺することができた。
二つの火炎放射がぶつかり合ったことで、爆発が発生する。
オニドリルとリザードンの周囲を、黒い煙が巻き始める。
「リザードン!エアスラッシュで煙を払いなさい」
煙は、一向に晴れることは無かった。
「オニドリルには、王者の印を持たせてある、今の攻撃で怯んでいるみたいだな
このまま一気に蹴りをつけろオニドリル!ゴッドバードだ!!」
煙を一気にかき消し、オニドリルが回転しながら、リザードンに突撃した。
ゴッドバードはリザードンに直撃した、しかしその瞬間再び爆発が起こった。
そして空から、オニドリルが落ちてきた。
「オ、オニドリル!?」
返事が無い……戦闘不能になっている。
リザードンには、確かにゴッドバードは命中したはずだ。
「残念でしたね……ギリギリで体力が残ったみたいです…」
リザードンは地上に降りてくる、体はボロボロで、辛うじて立っていられいる状態だ。
息も上がっている……あの技を使われたか。
「ブラストバーン……炎タイプ最強の技です。そして特性、猛火が発動して
さらに威力は上がっていました。これならどんなポケモンでも一撃です」
「戻れオニドリル、行ってくれサーナイト」
オニドリルはボールの中に収容され、新たにサーナイトが出てくる。
リザードンはブラストバーンの反動で動けない、このまま次の攻撃を命中させたら倒せる。
しかしフィレンテは戻そうとはしない、盾にしてこちらの手中を覗くつもりか。
「サーナイト、サイコキネシスだ!」
サーナイトの念力が、リザードンを戦闘不能にした。
それを淡々とフィレンテはボールに戻した。
「チャーレム、行きなさい」
フィレンテの投げたボールからは、チャーレムが出てきた。
お互い残りの手持ちは二体ずつ、ただしまだお互いに切り札を残している……
最終更新:2007年03月30日 02:04