1: 名前:HARU☆03/28(月) 18:55:44
年下男子は永遠の萌え
あどけなさや敬語、母性本能をくすぐる要素がてんこ盛り
そんな私、相沢くるみの大好きなお相手は
可愛い顔した1つ年下の北條奏太くんなのです
4: 名前:HARU☆03/28(月) 19:37:41
お互いちゃんと話せてよかった、誤解もすれ違いも
何度でもぶつかるなら話合おう
やきもちだって嫉妬だって愛の形でしょう?
"好きだよ"っていう
*
各自鞄を取って門で待ち合わせ
「じゃ、行きましょうか」
再び「ん」と手を差し出す奏太くん
「外で繋ぐの恥ずかしくないの?」と聞くと「今日は特別」と笑う
誕生日って、やっぱいいかも…
「母さんがどうしてもくるみ先輩に会いたいって」
「日和さんが?」
話を聞くと私にプレゼントがあるとか
そんな…、申し訳ない
そこで、はっと気付く
「い、今私の顔不細工!目腫れてないっ?」
「腫れてないけど…、まぁ赤い、です」
奏太くんは苦笑い
「母さんに知れたら、泣かせたって言われるな…。
……まぁ、あながち間違ってないんですけど、ね」
「ご、ごめんなさい」
しゅん、として謝ると奏太くんは柔らかく笑い、
「気にしないで下さい」と優しく頭を撫でてくれた
卑怯だ、私ばかりどきどきさせて
10: 名前:HARU☆03/28(月) 22:14:05
奏太くんの家に着き玄関の扉を開けると真っ先に日和さんが迎えてくれる
「お誕生日おめでとう!ささ、早く入って入って!」
「母さんうるさいよ」
楽しそうに招き入れてくれる日和さんに引っ張られて慌ただしくおじゃまする
リビングに案内されると大きめの白い袋を渡された
「誕生日プレゼントっ」
「え、わ…っ、私にいいんですかっ?」
「くるみちゃんの為のプレゼントだもの」
にこっと笑って「早く見てみて」と勧められる
奏太くんはソファーに腰かけてため息混じりに日和さんを見つめる
ガサガサと音をたてて袋を開けてみると花柄のワンピースが入っていた
「これ…、ってもしかして」
「くるみちゃん宛ての自信作」
誇らしげに言う日和さん
もう一度ワンピースに目をやると、大小綺麗な花の模様がちりばめられ
裾がふわりと軽く広がっていて、シルエットがとても可愛いらしいものだった
袋ごとぎゅうっと抱き締め「ありがとうございます…っ」と感謝を伝える
日和さんの服がまた着れるなんて幸せすぎる
「ところで奏太。くるみちゃん泣かしたの?」
「!、っごほ……っ!」
日和さんが笑顔で訴えると奏太くんが急にむせる
…ひ、日和さーんっ!
11: 名前:HARU☆03/28(月) 22:46:28
「ひ、日和さん!あのっ、その…っ」
「ねぇ、奏太?」
私の話なんて聞かずに、奏太くんに問い掛ける
奏太くんは口に手をあて、
「……喧嘩?」
と、言いにくそうに答える
日和さんは腕組みをして「ふーん」と見下したように頷く
「彼女泣かすなんて随分偉くなったのね」
「いやっ、もう仲直りしてますからっ」
「くるみちゃん可哀想ーっ」
私の話をまた聞かずに、ぎゅうっと私を抱き締める
か、完全に奏太くんで遊んでる…!
日和さんは「う、」と困った奏太くんを見てにやにやしてる
「ま、ここまでにしてあげますか。せっかくのくるみちゃんの誕生日
ずっと私が邪魔すんのも申し訳ないしねー」
ぱっと日和さんは私から手を離し、奏太くんの方にとん、と背中を押す
奏太くんがべーっとしなが、「どうも」と日和さんに言うと
そのまま私の手を引いて二階の部屋に行く為にリビングを出る
「やらしいことしないのよー」
と、日和さんがわざとらしく叫ぶと奏太くんがガタンッと階段を踏み外す
もお、日和さんってば…っ!
急にどきどきして変に汗をかいてしまった
19: 名前:HARU☆03/29(火) 21:12:27
二階に上がり、奏太くんの部屋に入る
見た目からは想像できない相変わらずの雑な部屋
「また服散らばってるー」
「足蹴にしていいんで」
とりあえずベッドの上と足下にある服を手で拾い上げ、
立ったまま膝の上で軽く畳んで隅っこに重ねて置いておく
「ちゃんと毎回畳むんだよ「前向いて」
振り返ろうとしたら、くるっと肩を掴まれて身体を元に戻される
え、え?何?
すると首筋にか細い金属音がした
後ろでカチッと小さく止め金の音がしたと同時に、
「誕生日おめでとう」
と、奏太くんの声が聞こえた
これ、って……―――
急いで鞄から鏡を取り出し、首から下がっているものに目をやると
銀色の細い輪の中にシンプルな薄ピンクの花が綺麗に光るネックレス
すごく可愛い……
でもそれよりも驚いたのは、明らかに付属品として
その綺麗なネックレスの鎖に通されていた全く別の物
―――シルバーの指輪
20: 名前:HARU☆03/29(火) 21:41:02
鎖にぶらさがっているシンプルな指輪
慌てて後ろに手を回し、止め金をはずす
チャリ…、と音を立てる
「やっぱり…、指輪、だ……」
手の平に乗せ、もう一度よく見る
銀色に光る指輪
「………っ」
奏太くんの方を振り向くと手を口にあて、頬を赤く染めていた
その顔を見てつられて赤くなる
「あ、あの…っ、これ……っ」
「……誕生日プレゼント」
そう言われてもう一度指輪に目をやる
本当に…、私に……
「なんてゆうか、男よけ…?学校じゃ普通はつけらんないけど…
シンプルだし、大丈夫かなー…って。ネックレスに通しててもいーし…」
切れ切れに奏太くんが恥ずかしそうに説明してくれる
なんて言えばいいんだろ…、上手い言葉が見つかんない…、でも
「すっごく嬉しい…っ」
ぎゅっと大事に握り締めて幸せそうな顔してそう言う
「…貸して?」
奏太くんは私の手から指輪を取り出し、左手の薬指に真っ直ぐに通す
そして、
「ここ、予約ね」
と、指輪を人差し指でとんとんと叩く
それってこの先ずっと、奏太くんといられるってことだよね?
21: 名前:HARU☆03/29(火) 22:08:33
どうしよう、なんか言わなくちゃ
でも頭がいっぱいいっぱいで言葉がまとまらない
それでも……っ
「す、すっごく嬉しい!あの…っこんなの初めてで戸惑ってて…!
でも一番嬉しい、奏太くんが一番…!奏太くんが彼氏ですごく幸せ!」
どんな感じでこのネックレス、指輪を買ってくれたんだろう
どんな気持ちだったんだろう
考えただけで幸せになれるよ
「…そんなストレートに言われると、…恥ずかしい」
「だ、駄目…?」
「…ううん、駄目じゃない」
こつん、と額をぶつける
目を閉じて優しく笑いながら、
「嬉しい」
と一言呟く奏太くん
私の気持ちも伝わったのかな…?
「じゃあ、もう一つプレゼント」
「へっ?まだあるのっ?私もう充分なのに…」
すると額が離れて、ギシッと奏太くんはベッドに座り、
「ん」
と、両手を広げる
どきんっ、とした
「最初に言ったでしょ?"奏太くんが欲しい"…って」
かぁーっと体温が上がった
確かに言った…っけど
「おいで」
真っ直ぐな瞳でそう言われたら断れない
…ううん、断る理由なんてない
静かに足を進め、その腕の中に引き寄せられた
22: 名前:HARU☆03/29(火) 22:37:52
ベッドに足をかけると大きな腕に絡めとられる
私の肩に奏太くんの顔が埋まり、どきっとする
「なんで来たんですか?」
「だっ、だって…おいでって…、言ったから…」
「…可愛すぎ」
ぎゅっと身体が引き寄せられる
肩に吐息がかかる
心臓の音がうるさすぎて聞こえてしまいそう
「か、奏太くんっ。くすぐったい…っ」
髪の毛が、吐息が、肩や首筋に触れて痒い
さっき日和さんに「やらしいことしないのよー」って言われたのに
このままじゃ顔向けできません!
「ま…、下に母さんいるし、…さすがにしませんよ」
そう言って胸にとん、と顔を置く
さすがにしませんよ…って、するつもりだったわけ…っ!?
な、なんか奏太くんばっかり余裕だ…!
私の胸に顔を置き、抱きついてる奏太くんが無性に可愛く感じた
綺麗な髪の毛に指を絡め、優しく触れる
「甘えん坊さんみたい…」
「年上ぶんないで下さい」
クスッと笑うと少し拗ね気味の奏太くんをやっぱり可愛いと感じる
26: 名前:HARU☆03/30(水) 12:08:56
「夏休み……」
「ん?」
奏太くんがぽそっと呟いた
「部活とかあるからあんまり一緒にいたりはできない…けど、」
「うん、大丈夫だよ?」
すると一瞬間を置いて、奏太くんは顔を伏せるとぎゅっと私の服を強く握る
「他の男の人のとこ…、いかないで下さいね…」
―――…きゅん
かっ、可愛いすぎるーっ!
何その萌え発言!殺されそうになったんだけど!
お、落ち着け私!落ち着くんだくるみ!
「い、いかないよ!奏太くんしか好きじゃないもん!すっごく好きだもん!」
「わぁあぁぁあっ!声大きい!母さんに聞こえる!」
顔を上げて顔を赤くして言うと、私の口を手で塞ぐ
はう…、本当可愛い…っ
「い、言うんじゃなかった…っ」
奏太くんが頭をかきながらそう言う
塞いでいる手をどけて、その手をぎゅっと握る
「奏太くんも他の女の子のとこいかないでね?」
「…いきませんって」
いひひ、と笑うと相変わらずの照れた顔で答える
二人初めての夏休み
たくさん思い出つくろーねっ
30: 名前:HARU☆03/30(水) 15:00:38
*
7月中旬、夏休みが始まった
満里奈やのり含め友達と遊ぶ日々の中、奏太くんとは既に一週間は会えていない
「充電切れー…」
『なに情けない声出してんですか』
自分の部屋の机に顎を乗せて、ぐでーっと脱力感満載
携帯越しに聞こえる奏太くんの声が愛しい
『三年生の試合で忙しいんです。すみません』
「もう8月になるよ?7月終わるよ?」
あぁー可愛くない、私ってばわがままだ
奏太くんは部活で頑張って疲れて、大変なのに
『…明日、会いにいくから』
ぴくっ、と起き上がる
「え…?明日?」
『うん、部活終わってからだから夕方…。
や、そっちに行ったら夜近くになっちゃうけど』
「ほ、本当にっ?」
え?え?急に会いに行く、なんて…っ
どうしよう嬉しすぎる!
「あ、でも無理してないっ?部活の後疲れてるし、
それに私の家学校から多少なりとも遠いし…。もっと別の日の方が…」
『なんで?』
「なんでって…、わがまま言ってるの私だし、奏太くんも無理しちゃうし…」
『俺は会いたい』
その奏太くんの言葉にどきん、と胸が鳴る
『俺の方がとっくに充電切れ、…です』
…どんな顔して今言ってくれてるんだろう
想像するだけでどきどきが止まんない
「あ…、う。…じゃあ待って、ます」
『ん』
愛されてるって、同じ気持ちでいたって、…思っていい?
31: 名前:HARU☆03/30(水) 15:39:58
「何、くるみ。今からどこか出るの?」
洗濯物を取り込みながらお母さんが話し掛ける
翌日の夕方、鏡とにらめっこをしながら髪型を試行錯誤
たった少し会うだけだけど、やっぱり可愛く思って欲しいから
「ねねっ、変じゃないっ?」
「変じゃないけど…。あ、奏太くんかー」
お母さんはにやにやと笑う
前髪を三つ編みにして花飾りのピンでサイドに留める
あとの髪の毛はいつものようにふわふわと自然な流れに任せる
服装も自宅用から外出用に
何度も等身大の鏡の前で前後と回ってチェック
「すっかり恋する女の子ねー。奏太くん可愛いもんね」
「そうなの可愛いの!」
お母さんにそう言われると嬉しくなった
時計に目をやり「そろそろ行ってくるねっ」と言い、玄関に向かう
「気を付けて、それから帰る前に連絡しなさいよーっ」
靴を履いてドアを開けると同時に「はーい」と返事をする
本当は待っててって言われたけど、一秒でも早く会いたいから
だって学校もお休みだから見かけることもできないんだよ?
会いたさマックスなんです!
夏の空は徐々に薄暗く、そして生暖かい風を吹かせる
32: 名前:HARU☆03/30(水) 17:03:13
いつもの登校する道を歩き始めて10分くらい経ったところ
目の前からスニーカー音がした
「奏太くん!」
「…くるみ先輩?」
薄暗さと顔を伏せていた為わかりにくかったけど
外灯に照らされて私の目にはっきりと顔が映る
ジャージの裾を無造作に捲り上げて、部活用の白いTシャツを着ている
見える腕が、足首が、全部が男の子らしくてきゅんとする
すぐに駆け寄ると、久しぶりすぎてじっと見つめてしまう
「なんで…、行くって言ったのに…」
「早く会いたかったからっ」
そう笑って言い、奏太くんの腕に触れようとすると、ぱっと避けられる
びっくりして行き場のない手はそのまま
「や、汗臭いから」
「びっ、びっくりさせないでよーっ」
はぁーっと胸を撫で下ろす
ていうか…、なんか元気ない?
昨日の電話からほんのり思ってたけど…
「けほっ…」
ん?
「けほっ、けほっ…」
「……風邪?」
口に手をあて、重々しく咳をする奏太くん
返事はないけど、どう考えてもそうっぽい
…な、夏風邪だ!
33: 名前:HARU☆03/30(水) 17:22:08
手を伸ばして奏太くんの額に触れようとすると、その手を掴まれる
手も熱い…っ、これって部活のせいとかじゃないよね…?
「い、家に帰った方がいいよ!送る!」
「たいしたことないですって…」
「部活もして会いにきて…っ、無茶しないで!」
腕をぐいっと引っ張って、足を奏太くんの家へと方向転換する
でも、くんっ、と引っ張られて足が前に進まない
「…会いに来たのに、会いたかったのに……」
小さく呟く奏太くん
かぁーっと私の熱が上がる
「かっ、風邪ひいてる!今の奏太くんいろんな意味で危険!」
「…充電」
道端でぎゅうっと抱き締められる
「か、なたく……!」
いくら暗くて人通りが少ない場所でもさすがにどきどきします!
私がよく抱きつくのと今の奏太くんの状況じゃ恥ずかしさが違いすぎる…っ
奏太くんが熱いのか自分が熱いのかわからなくなる
いや!奏太くんが熱い!
「…いっ、今家に帰らなくちゃ嫌いになるよ!」
すると抱き締める力がぴたっと止み、
「帰る」
と言い、ぱっと離れる
ふう、と安堵し、奏太くんの手を握る
「くるみ先輩…?」
「家まで一緒。ほっとけないもん」
柔らかく優しく、奏太くんは笑顔を返した
…もう、ずるすぎ
37: 名前:HARU☆03/30(水) 22:01:40
「こ、こんばんはーっ」
奏太くん家に着くと玄関を開け、家の中へ呼び込む
するとリビングの扉から八尋さんが出て来た
「お、くるみじゃん。と、奏太?」
「あの、奏太くん風邪みたいで…」
「えー、うける」
けたけたと笑う八尋さん
「うるさい」と奏太くんは弱々しく反論する
「ひ、日和さんは?」
「母さんなら今日は友達と飲みに行ってる。あ、父さんならいるけど」
どきっ…、
"父さん"
そのワードが出て心臓がばくばく音を鳴らす
日和さんには散々会ったことあるけど、お父さんは一度も会ったことがない
母似の奏太くんと父似の八尋さん
っど、どうしよう!今来る!?初対面!?
「八尋ー?誰か来たのか?」
リビングの中からこちらに向けて声がする
低い大人の声…、奏太くんと八尋さんの、……お父さん
「奏太風邪ひいてんだってー」
八尋さんがリビングに向かって声を投げ掛けると、足音がこちらに近づいてくる
どきどきと心臓がうるさい
ラフな格好をしてあくびをしながら出てきた男の人
「あ、彼女さん?」
ぱちっと目が合った
八尋さんによく似た、綺麗な人
奏太くんの……、お父さん
38: 名前:HARU☆03/30(水) 22:20:27
はっ、と我に返る
「は、初めましてっ。私相沢くるみと申しますっ」
焦って挨拶をし、頭をぺこりと下げる
ひゃーっ!緊張半端ない!
「知ってる。くるみちゃん、でしょ?あいつがいつも可愛いって言ってる」
「あ、あいつ…って」
「ん?あぁ、日和」
顔を上げると、ふ、と笑って答えてくれた
…あ、顔は八尋さんなのに笑ったら奏太くんに似てる……
心が温かくなる
「てか奏太結構熱ありそうだね。八尋」
「あいよ。ほら、奏太。上行くぞ」
八尋さんが奏太くんの腕を掴み、連れて行こうとすると
奏太くんがぎゅっと私の手を掴んで離そうとしない
「あ、の…。奏太くん…?」
「嫌だ…」
い、嫌だって…可愛すぎる、けどお父さんの前です!
するとぷっ、と吹き出した笑い声が聞こえる
見ると奏太くんのお父さんだった
「奏太は上で大人しく休むこと。くるみちゃんが帰る時には知らせるから」
「…わかった」
奏太くんは返事をすると私の手を離し、八尋さんと二階へ上がっていった
「くるみちゃんも、もし時間が大丈夫なら
下でゆっくりしていってよ。もっと話したいし」
「あ、はいっ。大丈夫ですっ」
「よかった」とまた笑う
楽観的で賑やかな日和さんと違って、穏やかで大人の人
"くるみちゃん"…なんてくすぐったい
39: 名前:HARU☆03/30(水) 22:48:35
コト、とアイスティーを置いてくれる
「あ、出した後に聞くのも変だけど紅茶平気?」
「だ、大丈夫ですっ」
「そ?よかった」
あ、また笑った…
顔は八尋さん、でも笑った顔は奏太くん
「そんな固くなんなくていーよ」
この柔らかい雰囲気は、…奏太くん
肩の力が少し降りる
「あ、自己紹介してなかったね。北條歩と言います」
「あゆむ、…さん」
そう呼ぶとまた優しく笑う
大人になった奏太くんを見てるみたいで胸がきゅんとなる
歩さんもアイスティーを片手に椅子に座る
向き合い状態、やっぱり緊張する
「その髪、可愛いね」
「あ、ありがとうございますっ」
前髪を押さえて、慌ててお礼をする
そんなてんぱった私を見てか、くすっと笑う
「わざわざ奏太ありがとね。今日会う予定だったんでしょ?」
「い、いいえっ。…体調悪いって、気を付けてれば
もっと早く気付けたかもしれないのに…、すみません…」
私がわがまま言ったから
会いたいって、気持ちを押しつけて自分ばっかりで…
すると歩さんが頭をぽんぽんと優しく撫でてくれた
最終更新:2011年07月16日 15:36