【作品】クロハルイドラ - HYPE×RUSH wiki | あるらの創作wiki

あらすじ

人々の祈り、恐れ、憎悪、そして希望──
あらゆる感情と思念が情報として空間に刻まれるようになった世界。
その膨大な思念はやがて“再現”を始めた。

「かつて存在した英雄」「忌まわしき罪人」「伝説の怪物」──
人類が思い描いたイメージそのものが形を取り、【イドラ】と呼ばれる“思念体”として現世に現れたのだ。

イドラは実在の人物ではなく、あくまで“人々が思うその人物”の再構成体。
だが、その在り方はあまりに脆く、矛盾と欠陥を抱えた不完全な存在だった。

引きこもりの少女・永世 暦(ながせ こよみ)は、ある夜、夢の中で“自分を母と呼ぶ少年”と出会う。
少年の名は──ジャック・ザ・リッパー。
彼は人々の恐怖と愛への渇望が混ざり合って生まれた、殺人鬼のイドラだった。

暦と兄の仁(じん)は、不可思議な契約により、イドラを観測・干渉できる存在──【観測者（ゲイザー）】として覚醒する。

二人は知らぬ間に、“世界の思念構造”そのものを巡る戦いへと巻き込まれていく。
イドラたちが戦う理由は、「己の欠陥を埋めること」。
そして、その先にある“本来の人間性”への回帰。

幾千の「偽りの英雄」と、「本物の空虚」が交錯する舞台で、暦は問う。

──本物とは、何？

──誰かに想われて生まれた“偽物”に、心はあるの？