完全微分形

与えられた微分方程式が以下の形で表されるとき、完全微分形と呼びます。


P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0   (1)

ただし、P(x,y),Q(x,y)は以下の条件を満たすものとする。

\frac{\partial P(x,y)}{\partial y}=\frac{\partial Q(x,y)}{\partial x}   (2)

この形の微分方程式の一般解は、以下の式で表されます。

\int P(x,y) dx + \int \{Q(x,y)-(\frac{\partial}{\partial y}\int P(x,y)dx)\}dy = C   (3)


このような形の方程式が与えられたら、必ず(2)を確認するようにしましょう。

なぜなら、

 3x^{2}y^{4} dx + 4x^{3}y^{3}dy=0   (4)

は完全微分形であるが、よく似た式、

 3xy^{2} dx + 4x^{2}ydy=0   (5)

は完全微分形ではない。試しに(2)を計算してみれば分かる。


なお、これまでに登場した微分方程式(変数分離形一階線形)は完全微分形を用いて表すことができる。

変数分離形ならば、

 P(x)Q(y)dx-dy=0    (6)

一階線形ならば、

 \{P(x)y-Q(y)\}dx+dy=0    (7)
最終更新:2009年05月31日 02:20
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