グランクレスト異聞録2(でたとこサーガ編)

開催日時:2018年3月3日(日) 10時〜18時
会場:学生会館談話室
レギュレーション:初期レベル(基本ルールブック+サプリ3冊適用)

 このセッションは、グランクレストの世界を舞台に、他のシステムを使って遊んでみようという実験的(冒涜的)試みの第二弾です。今回は、汎用ファンタジーTRPGである『でたとこサーガ』を用います。時系列的には 「ブレトランド・サーガ」 の第52話(魔法都市編最終回)と同時期の物語という位置付けになりますが、あまり細かい世界設定は気にしなくていいです。
 ルールはほぼ『でたとこサーガ』を用いますが、なけなしのグランクレスト要素として、「個別ハンドアウト」を作成した上で、「天運」ルールも導入します。天運の取得数、取得条件、譲渡条件は元のルールと同じで、使用時の効果は以下の通りです(なお、今回のシナリオは前後編の予定ですが、天運ルールのみ「前後編で1シナリオ分」として扱います)。

+ 天運使用時の効果
共通効果
  • 天運1点消費ごとに判定時の使用ダイスを一つ増やす
君主専用効果(どちらか片方を選択)
  • 光壁の印(防御宣言時):天運1点消費ごとに敵のダメージを-3点
  • 閃光刃の印(攻撃宣言時):天運1点消費ごとに自分の与えるダメージに+3点
魔法師専用効果(どちらか片方を選択)
  • 魔陣構築(攻撃宣言時):天運1点消費ごとに自分の与えるダメージに+3点
  • 魔素集積(誰かの行動終了時):天運1点消費ごとに自分の気力を1D6点回復
邪紋使い専用効果(どちらか片方を選択)
  • 混沌蘇生(誰かの行動終了時):天運1点消費ごとに自分の体力を1D6点回復
  • 混沌の運命(ダイスロール直後):自分の判定ダイスの一つを任意の目に変える
投影体専用効果(どちらか片方を選択)
  • 異界顕現(スキル使用宣言時):天運1点消費ごとに対象のフラグは1上昇or減少する
  • カオスの爆縮(攻撃宣言時):天運2点&任意の体力を消費して、ダメージに消費体力×2を追加
+ 今回予告、ハンドアウト、設定集、etc.
今回予告
 物語の舞台は、ヴァレフール伯爵領の北部に位置する湖岸都市ケイ。13歳にしてこの街の領主代行を務めるラファエル・ドロップスは今、二つの困難に直面していた。一つは領内に出現した「(半年前に討伐された)反乱軍の亡霊」、もう一つは「自分自身にかけられた内通・陰謀疑惑」である。彼を支えるPC達は、この二つの問題を解決することが出来るだろうか?

前編のラスボス:残留思念(勇者・死霊)
後編のラスボス:風評被害(謎・ザコ)

+ ブレトランド全体図
+ ケイ周辺地図
+ ケイ新旧領主

「湖岸都市ケイ」に関する基礎情報
1、先代領主ガスコイン(男爵)は半年前に反乱を起こしたが失敗して戦死。
2、ガスコインの息子セシルは留学中だった隣国グリースにそのまま亡命中。
3、ヴァレフール伯はセシルに「五年以内に帰参すれば爵位を保証」と通告。
4、現在はセシルの元従属君主のラファエルがケイの領主代行を務めている。
5、ローラ(PC①)は新人の契約魔法師としてラファエルと契約を結んだ。
+ 必須ではないけど知っておいた方が楽しめるかもしれない程度の情報
  • ラファエルは前ヴァレフール騎士団長の孫であり、セシルとは遠戚。
  • ガスコインを討ったのはラファエルの姉(魔法師)と従兄(君主)。
  • グリースに亡命中のセシルの契約魔法師はローラ(PC①)の姉弟子。
  • 現在のラファエルは祖父から継承した男爵級の聖印を持つ独立君主。
  • セシルが帰参した場合はラファエルはセシルの従属君主になる予定。
  • ラファエルの乗騎は巨大イタチ、セシルの乗騎(予定?)は巨大蛾。
  • ローラは元来は新興国家の契約事情(BS49)のPC②として初登場。
  • ローラが契約に至ったのは伝統国家の契約事情(BS50)(PC④)。

個別ハンドアウト案
 下記のうち、PC①以外はあくまで「案」です。ここに書いてあるハンドアウト以外で「こんなキャラがやりたい」という希望があれば、そちらを優先して頂いて構いません。

PC①:時空魔法師ローラ・リアン(固定)
推奨クラス:魔法使い、占い師、シャーマン、神聖、etc.
推奨ポジション:従者、迷い子、etc.
 キミはケイの領主代行ラファエル・ドロップスと契約したばかりの魔法師だ。この村の住民の中には先代領主ガスコインを今でも敬愛している人々が多く、領主代行であるラファエルの統治を不満に思っている人々も多い。この村の不協和音をどう解決していくかは、大きな問題だ。
因縁:ラファエル・ドロップス 推奨感情 メイン:任意 サブ:尽力

PC②:投影体?(妖精? 神格?)
推奨クラス:マスコット、モンスター、異形、謎、etc.)
推奨ポジション:従者、正体不明、etc.
 キミはケイの領主代行ラファエル・ドロップスが乗騎としている巨大イタチだ。日頃は彼の聖印の力で小型化され、通常サイズのイタチとなっている。キミは自分が何者で、なぜこの世界にいるのかも分からないが、とりあえず、主人としてのラファエルはキミを大切に思ってくれている。
因縁:ラファエル・ドロップス 推奨感情 メイン:幸福感 サブ:任意

PC③:君主or邪紋使いor投影体
推奨クラス:勇者、戦士、サムライ、ニンジャ、etc.
推奨ポジション:カリスマ、生ける伝説、etc.
 キミはケイの領主代行ラファエル・ドロップスの武術の師匠だ。どういう経緯で彼を指導することになったのかは、自由に決めて良い。彼はキミのことを頼りにしており、武術だけでなく、人としての生き方そのものについても、キミの影響を強く受けることになるかもしれない。
因縁:ラファエル・ドロップス 推奨感情 メイン:庇護 サブ:任意

PC④:邪紋使いor投影体
推奨クラス:商人、メカ、謎、サムライ、etc.
推奨ポジション:型破り、裏の住人、etc.
 キミは異界の技術の伝道師だ。どんな技術を伝えているのかは自由に決めて良い。ケイの領主代行ラファエルはキミの技術を高く評価している。彼の治世が続く限りは、キミのもたらす技術の素晴らしさをアピールしていく機会は今後も維持出来るだろう。
因縁:ラファエル・ドロップス 推奨感情 メイン:誠意 サブ:任意

PC⑤:全スタイル応相談
推奨クラス:アイドル、貴族、探偵、謎、etc.
推奨ポジション:型破り、遊び人、etc.
 キミは芸術家だ。どんな分野の芸術家かは自由に決めて良い。ケイの領主代行ラファエルは、キミの芸術を理解しているかどうかは不明だが、キミに活躍の機会を与えてくれている。彼の治世が続く限りは、キミはこの街で充実した芸術活動をおこなえるだろう。
因縁:ラファエル・ドロップス 推奨感情 メイン:可能性 サブ:任意

その他の推奨PC案
  • ラファエルの婚約者(異国の姫?)
  • ラファエル(orPC①)のストーカー
  • 裏社会の元締め
  • 聖印教会の宣教師
  • 異界の神
  • 友好的な魔王
  • 通りすがりのドラゴン
etc.

 PC枠の希望、設定案、質問などは、下記のコメント欄へお願いします。クラス、ポジション、スキルなどのすり合わせは実際にデータを見ないと判断出来ないと思うので、ひとまず現時点では「作りたいキャラのイメージ&方向性」を決めるための相談の場だと考えておいて下さい。
+ でたとこサーガのキャラ作成の基本ルール
 でたとこサーガは以下の多種多様な「クラス」の中から二つを選択することで、キャラクターを作成します(同一クラスを重ねて選択することも可能ですが、DXなどに比べるとその恩恵は弱いです)。

ニンジャ
勇者
探偵
魔王
お姫様
貴族
ドラゴン
戦士
サムライ
魔法使い
神聖
シャーマン
暗黒
死霊
マスコット
アイドル
モンスター
異形

ザコ
メカ
商人
占い師

 それぞれのクラスごとに相性のようなものはありますが、基本的に「能力値」に相当する数値がないゲームなので、どんな組み合わせでも割とどうとでもなりますし、5人パーティーならば、たとえ食い合わせが悪くても、おそらく数の暴力で押し切ることは出来ます。
 この他にポジションやスタンスなどのルールもありますが、それらについては、キャラの方向性を決めてからで良いと思うので、まずはこの中からどの二つを選ぶのかをイメージで選択してもらえば良いと思います。

+ 当日の編成/GC対応表
PC①:ローラ・リアン(15歳 女性) 魔法使い/占い師/従者(夜藍プロフェット)
PC②:(不在)
PC③:ユニス(15歳 女性) 勇者/戦士/冒険者(常盤ヒーラー)
PC④:ヤミマル(13歳 男性) 謎/メカ/裏の住人(オルガノン)
PC⑤:ステラ(年齢不詳 性別不詳) 貴族/アイドル/カリスマ(ルーラー)
PC⑥:ナツキ・イチミヤ(16歳 男性) 神聖/マスコット/夢追い(地球人)
+ セッションの概要
1、前編(残留思念との戦い)
 湖岸都市ケイの領主代行に就任した少年君主ラファエルは、未来予知に優れた自然魔法師出身のローラ・リアン(PC①)と契約し、混沌討伐の際に知り合った流浪の女剣士ユニス(PC③)を剣術師範として招き入れ、謎の技術に精通した戦車(ヘッツァー)のオルガノンのヤミマル(PC④)を技官として雇用するといった若手中心の大胆な新人事を発表する一方で、城下町では大陸貴族出身のステラ(PC⑤)の劇団による「異界の演劇」の公演や、地球人の少年ナツキ・イチミヤ(PC⑥)が唱える「愛」を重んじる「異界の宗教」の布教活動を認めることで、反乱鎮圧以降閉塞ていた街の空気に、少しずつ新たな風を吹かせつつあった。
 だが、住民達の間でそんな新体制を受け入れようとする空気が広がる流れに反発するかのように、数ヶ月前の反乱で命を落とした前領主ガスコインの側近サジタリアス(半人半馬の投影体)とその配下の兵士達の「主君を守れなかったことへの無念」が、怨霊という形で具現化してしまった。ステラの劇団の公演の会場に現れた彼等は、視察に来ていたラファエルとローラを襲撃する。その場に居合わせたユニス、ヤミマル、ナツキ達の助力もあり、どうにかサジタリアス達を撤退させることには成功するが、この戦いでラファエルは重傷を負ってしまう。
 ラファエルに代わって指揮を採ることになったローラは、ユニスの調査を通じて彼等の出現場所を特定した上でその配下の兵士達を掃討する一方で、ステラは引退した元兵士達からサジタリアスの弱点が「右の前足の古傷」であることを聞き出し、ヤミマルはそんなサジタリアスの右足を狙った罠を設置する。その上で、戦力不足を補うためにナツキは近隣の村を訪れていたサジタリアスの旧友レッドウィンド率いる傭兵団を説得し、サジタリアスの残留思念の浄化計画への協力を約束させる。
 こうして、万全の準備を整えたローラ達はレッドウィンド達と共にサジタリアスに決戦を挑み、激戦の末、見事に捕獲に成功する。当初は怨念だけの具現化体であったサジタリアスだが、やがて彼はナツキの説得を受けたことで本来の彼に宿っていた仁愛の精神を取り戻し、「次にこの世界に投影されることがあれば、今度こそ主君を守り続ける」と決意を固めた上で、自らその身を浄化させ、この世界から消滅していくのであった。

2、後編(風評被害との戦い)
 こうしてケイは平和を取り戻したが、それでも住民達の中には、領主代行であるラファエルに対して不満や疑念を抱く者達が一定数存在していた。ラファエルはセシルをヴァレフールに復帰させるための仲介役としての役割を期待されて現職に就き、現在もセシルと交渉を継続中だが、彼のセシルへの従順な姿勢から、逆に彼がセシルを通じて隣国グリースと内通して謀反の計画を企てているのではないかと噂する者達がいる一方で、逆にラファエルのセシルへの忠誠心はあくまで偽装で、彼は本音では自分がケイの正式な領主となるために、セシルのケイへの復帰を妨害しているのではないか、という説を唱える者達もいた。
 そんな不信感が住民達の間で漂うケイに、更なる疑惑が舞い込んで来た。ラファエルの側近である技官ヤミマルの正体が「パンドラの工作員」ではないかという噂が、一部の住民達の間で囁かれ始めたのである(なお、この噂は真実で、彼はパンドラ新世界派の一員だったのだが、そのことはラファエルもローラも知らない)。もともと前領主の反乱はラファエルの祖父である当時の騎士団長ケネスとパンドラの内通疑惑に端を発していたこともあり、この噂を放置しておく訳にはいかないと考えたローラ達の尽力により、どうにか噂が本格的に広がる前に搔き消すことに成功はするものの、その過程でヤミマルの精神は激しく疲弊することになった。
 その上で、これ以上の不協和音の拡大を防ぐために、ローラは隣村マーチ(グリース領)を治めるセシルの契約魔法師メーベル(姉弟子)と協力した上で、ケイとマーチの間で「共同広報機関」を設立することで、セシルとの不仲説の払拭に尽力する。逆に、ヤミマルは調達屋としても有名な傭兵隊長ガフ・アイアンサイドとの人脈を利用してヴァレフール各地の諸都市との間で技術交流を広げることで国内諸侯との関係を強め、造反疑惑を緩和させていく。
 一方、ユニスから「風評被害や罵詈雑言に屈しない精神力」の大切さを学んだラファエルは、街の人々との距離を縮めるために、ステラの劇団が開催した新公演「シンデレラ」に出演することで街を空気を和らげ(配役は「シンデレラ:ローラ」「王子:ラファエル」「魔法使い:ユニス」「馬車:ヤミマル」「ガラスの靴を届けに来た人:ナツキ」)、その傍らではナツキが博愛の精神を解いて回ることで住民達の間の疑心暗鬼の感情が少しずつ浄化されていった。
 だが、ここで再び新たな衝撃が彼等を襲う。ラファエルに抜擢された剣術師範のユニスに関して、「旧トランガーヌ(=グリースの源流)の要人説」と「闇魔法師の弟子説」という、二つの噂が広がり始めたのである。ユニス自身があくまで出自を秘匿していたこともあり(彼女の正体についてはブレトランドの英霊7を参照)、ローラの中でも彼女に対しての底知れぬ恐怖心が広がっていくが、それでも彼女達の尽力によって、どうにか「グリース内通説」も「パンドラ内通説」も払拭することに成功する。
 こうして、どうにかラファエルへの風評被害の抑制には成功したものの、ユニスは自分がこの地に留まり続けることで再び同様の事態が発生することを危惧して、ケイを去り、「本来の任務」へと回帰する(彼女の現在の目的についてはブレトランドの遊興産業4を参照)。また、ステラとナツキもそれぞれに新たな活動の場を求めて何処かへと旅立っていく一方で、ローラとヤミマルはこれから先もこの地に残り、ラファエルを支え続けていく決意を固めるのであった。


  • とりあえず、PC案で。
    湖に住む(または現れた)水神。ラファエルまたはPC①に土地神?として祀ってほしいと話している。守護と信仰の関係 -- みやび (2018-02-15 19:16:22)
  • なるほど。PC①が信仰しているのがギリシャ神話のヘカテーなので、オケアノスやポセイドンあたりなら絡ませやすいでしょうね。あるいは、いっそ全然別系統の東洋系(龍神とか)でも面白いかも。 -- Y武 (2018-02-15 22:25:05)
  • 湖だったので、イメージしたのは龍神(ドラゴン/神聖)の方でした。
    クラス一覧ありがとうございました。いろいろあるようで偏っている気が。【学者】辺りがあるかなと思っていたんですが。[お姫様]があるなら婚約者は作れそうですね。ちなみに一覧を見て初めに思い付いたのが[アイドル/ザコ]だったりします。 -- みやび (2018-02-18 18:16:06)
  • そう、意外と一般職系が少ないのですよ。学者をやるなら貴族か探偵か占い師あたりかな。それこそ、芸術家とか職人とか普通に欲しいところです。 -- Y武 (2018-02-18 20:04:25)
  • 優先度は4>5>3>2といった順番ですが別にどのpcでも大丈夫です。4なら戦車の技術とか伝えたいです。 -- フロスト (2018-02-23 20:27:25)
  • 戦車のエンジニアなら、あの世界においては完全に未知の文明になるので、「謎」を軸にするのが良いかもしれませんね。本人もサイボーグだったりするなら「メカ」でも良いでしょう。あるいは、錬金術師的な方向で行くなら「魔法使い」でもいいです。 -- Y武 (2018-02-23 22:05:24)
  • 本セッションでは(やるかは別として)一般人(君主・魔法師・邪紋使い・投影体以外。『戦記』P74「フィオナ姫」のようなキャラ)をやることは可能でしょうか?またセッション中「天運の使い方」以外でなんらかのペナルティなどはありますか? -- みやび (2018-02-24 21:50:27)
  • やっても問題ないですし、特に不利益はないです。また、セッション中に何らかの力に目覚めたくなった場合は、その時点でそれに対応する天運使用も可能になります(ダイスブーストとしての使用は一般人でも可能とします)。 -- Y武 (2018-02-24 23:17:06)
  • PC⑤枠のPC案です。「演劇団の団長」をやってみたいと思ったのですが、その場合でたとこサーガにおけるクラスはなにがいいのでしょう?グランクレストにおいてのスタイルは未定です。ロードかアーティスト、もしくは一般人にしようかなとは思ってますが。 -- 灘 (2018-02-27 16:51:09)
  • ピッタリ該当するクラスはないので、グランクレストとしてのクラスを軸に決めた方が良いでしょうね。ロードなら貴族か神聖あたりが合いそうですし、アーティストなら(スタイル次第ですが)戦士、異形、魔王あたりが良いかと。一般人なら、探偵、商人、ザコあたりですかね。とりあえず、当日の時点でイメージに合う技能を持ってるクラスを選べば良いと思います。 -- Y武 (2018-02-27 17:15:50)
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最終更新:2018年03月06日 23:00