+ | プロフィール |
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学園長のアドルフの子なのに発現が遅く、父のコネで学園に入ったのかと揶揄されることも多い。実際、親父がグラディウスなのでサジタリアであるのに気が付くのが遅かったという面もある。また、機械いじりが好きだったことが「トゥーハンド」を扱える要因の一つなのは言うまでもないだろう。
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+ | プロフィール |
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親が第七研究所の職員。モルフやアーティファクトの調査について行ったことがある。
「ハイランダー憲章を遵守し、人々を守る」という信念を持つ。ただ、ちょっとマイナス思考であり、物事を悪く捉えがち。 力が強い。ヨハンと同じ蒸気機関研究部に所属しており、スポーツカー風の車をデザインした。運転は上手くない。 |
+ | プロフィール |
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アサルトエンジン上級職員リチャード・ハーツの娘。温厚で思慮深いが決断力が弱く、周りの意見に流されることもしばしば。そんな弱い自分を変えたいと内心思っており、いざというときは自ら思いきった行動に出ることも。他のメンバーに比べ運動神経は悪く、頭脳派なので参謀、サポート役に回ることが多い。基本、誰に対してもさん付けをし丁寧な口調で話す。好物はチョコレートで、趣味は読書。特に英雄譚を好む。ジュリィとはルームメートの仲。図書委員会所属。
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+ | プロフィール |
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プレイヤー:もみぢ
出自:博打打 運命:直観 瑕疵:モノ好き 身長:165 体重:60 髪の色:黒 瞳の色:黄 肌の色:白め
Sieg Schicksal
鉱山町マインミラル出身の少年。親の影響を受け、自分も賭け事の真似事をしていた。「賭けは大胆に、ただし奥の手を残しておくこと」が父の教え。何事も直感的に判断しがちで、ハイリスクハイリターンな行動への抵抗が少ない。やってみたらなんとかなる!の精神で生きており、興味を持ったことに軽率に首を突っ込む。甘いものが好きで最近はアイスクリームがお気に入り。恐らく方向音痴。 |
+ | プロフィール |
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プレイヤー:天道 蠱毒
出自:商人(a-3) 運命:神秘(c-2) 瑕疵:頑固(a-8) 身長:157 体重:45 髪の色:白 瞳の色:赤 肌の色:白
Noël Verlaine
神秘的な雰囲気のアルビノの少年。やや裕福な商人の家の生まれであり、体が弱かったために半ば軟禁状態で育った。やることがなかったため勉学に打ち込み、家では一番の知恵者として家督を継いだ弟の補佐をしていたところ、なんやかんやあって(まだ未定、そのうち多分生える)ハイランダーとして覚醒、この度アサルトエンジンに入学した。 物静かでいつもほほえみをたたえた美少年。穏やかで控えめ……かとおもいきや、世間知らずで好奇心旺盛な天然ボケ属性。自分の限界をよくわかっていないため無理をしがち。また、これと決めたことは譲らない頑固さも持つ。 「僕はノエル・ヴェルレーヌだよ。よろしくね」 「ここがアサルトエンジンかあ……すごい、とっても広いね! こっちには何があるんだろう?(そして迷子になる)」 「(クリーチャー化した狼を見て)わあ、でっかい狼だ!」 「『汝、人々を守護するハイランダーなり』、だよね。うん、いい言葉だな、やっぱり。そういうわけで……君たちのことは倒させてもらおうかな」
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+ | 第1話「運命の邂逅」 |
学園機関アサルトエンジンの学長アドルフ・ショーペンハウアーの元に、鉄道王国エトレイルの首都リトルウッドシティに住む知人から「古代遺跡で危険なアーティファクトを発見した」という極秘連絡が届いた。
アドルフは息子のクロードに対して、同地へと赴いてそのアーティファクトを受け取り、アサルトエンジンへと持ち帰るように命じると、クロードは同級生のジュリィ&フリーダと共にリトルウッドシティへと向かう。
一方、その頃、アサルトエンジンへと向かう汽車に乗っていた新入生のジークとノエルは、その途上に位置するリトルウッドシティの駅を目前にして、ダガーウルフの集団による襲撃を受けていた。二人は即座にヘリックスを結び、危険を察して駆けつけたクロード達とも合流した上で、共闘してダガーウルフの撃退に成功する。これが、後に「蒼天の五芒星」と呼ばれることになる5人のハイランダー達の邂逅の瞬間であった。 その後、アドルフから「リトルウッドシティがモルフとクリーチャーの襲撃を受けている」という念話連絡がクロードに届き、彼等は急いで街まで戻ろうとするが、その過程でクロードとジークが他の三人とはぐれてしまう。 先行して現場に到着することになったジュリィ、フリーダ、ノエルの三人は、リトルウッドシティの警邏隊に対して、「惑乱のダーナ」(カンナビーク地方を拠点とするジェネシスの一人)傘下の戦闘型モルフである「翠鞭のジーン」に率いられたガンレイヴンを中心とするクリーチャー達が、激しい交戦状態にある場面を目撃する。彼女達が聞かされている情報によれば、ジーンはダーナ傘下の中でも強力なモルフの一人であり、今の彼女達で太刀打ち出来る相手ではない。
そんな中、フリーダとノエルは、街の混乱に乗じて、クロードが向かう予定だった「アドルフの知人」の研究拠点から、(ジーン同様、ダーナ傘下の)斥候型モルフである「影足のバット」が出て来るのを発見する。二人は挟み撃ちにして彼を捕縛を試みようとするが、バットは上着の衣嚢から「銀の腕輪」を取り出し、それを装着することで(本来は戦闘型ではないにもかかわらず)強大な力を手に入れ、二人に襲いかかってきた。
フリーダがノエルを庇いつつどうにか耐え忍ぶ中、やがてジュリィ、クロード、ジークが加勢に加わると、バットの側にもジーンが連れていたガンレイヴン達の一部が加勢に来るが、ノエルの放った複合技によってそれらは瞬時に一掃され、最後は皆の想いを乗せたジュリィの一撃が炸裂し、彼等はバットを倒すことに成功する。
だが、そこに今度はジーンが現れ、バットが持っていた銀の腕輪を渡すようにクロード達に迫る。しかし、ここで更なる乱入者が現れた。カンナビーク地方のジェネシス達を束ねる立場にいると言われる「白銀のレギント」が唐突に姿を現し、ジーンの前に立ちはだかったのである。
レギントが(自分と同じ色の髪と瞳を持つ)ノエルに視線を向けながら、ジーンに対して「彼に手を出すことは許さない」と告げると、ジーンは不服そうな表情を浮かべつつも引き下がり、そしてレギントもまたノエルに「ようやく目覚めたのですね」とだけ告げて、その場から消え去った(なお、この過程においてジークは、ノエルとレギントの間に「共通する何か」の存在を感じ取っていた)。
その後、アドルフの知人であるケネス・ルードヴィッヒの元へと赴いたクロード達は、バットが持っていた銀の腕輪はケネスの研究室から盗み出した代物であり、それこそがアドルフ経由で輸送を頼まれた「危険なアーティファクト」であるということを聞かされる。おそらく、汽車を襲撃したダガーウルフ達も、ジーンに率いられたクリーチャー部隊も、バットによる腕輪入手のための陽動作戦だったのであろう。
ケネス曰く、この腕輪には「装着者の身体能力を飛躍的に向上させる効果」があり、もし「元々強力な戦闘用モルフ」が装着した場合は、手がつけられない程の強大な力を手に入れる可能性を秘めているらしい(なお、ハイランダーが装着した場合は暴走して自我を失う可能性もある、というのが彼の見解である)。
一方、レギントがノエルに対して見せた不可解な言動に関しては、「ノエルは、レギントが遥か昔に生み出した『自身の遺伝子を埋め込んだハイランダー』の末裔なのでは?」というのがケネスの憶測であり、もしそうだとすれば、色々な意味でノエルの存在は人間側にとってもジェネシス側にとっても重要(かつ危険?)な存在、ということになる。 ひとまず、この件については極力情報を伏せるという前提の上で、アドルフとも念話で相談した結果、この情報を知るクロードとジークは、機密保持および安全確保のために、新学期からはノエルと同室の男子寮で暮らすという方針が決定される(なお、フリーダとジュリィはもともと女子寮で同室であった)。こうして、予期せぬ形で二人の新入生を加えた上で、クロード達は当初の目的である銀の腕輪を届けるべく、アサルトエンジンへと帰還するのであった。 |
+ | 第2話「意志を断つ秘術」 |
クロード、ジュリィ、フリーダに案内される形で無事にアサルトエンジンへと到着したノエルとジークは、メイド服姿の女子学生ジャネットや新聞部部員のアンナと遭遇した後、クロードと同じ部屋へと案内され、彼等と共にアドルフに事の次第の報告した上で、アドルフ(割烹着姿)の用意した「手作り唐揚げ」を堪能する。
そして迎えた入学式では、アドルフ(礼服姿)から「ハイランダー憲章」について改めて聞かされたノエルとジークは、エリート教員クラーク・リンゼントのクラスへと配属されることになった。アサルトエンジンでは学年混合型でクラスが編成されるのが一般的であり、このクラスにはクロード、ジュリィ、フリーダの三人も配属されている。おそらくは「ノエルの出自に関する情報を共有する者達」を同じクラスにまとめておくことで、何かあった時に対応しやすくするように、というアドルフの配慮であろう。
他のクラスメートには、上述の新聞部のアンナの他、ジュリィも所属する蒸気機関研究部のヨハンや、フットボール部のサンデル、フェンシング部のライザー、美術部のアイリーン、テーブルゲーム部のメイサといった面々が集まっており、彼等はそれぞれにノエルとジークを自身の部活へと勧誘しようとするが、ひとまず彼等は、ジュリィの勧めもあって、蒸気機関研究部へと見学に行くことになった。
この日はちょうどジュリィの設計した新型蒸気自動車の試運転が予定されており、さっそく試乗テストを実施しようとしたジュリィであったが、どうやら部品の一つが劣化していたようで、上手く作動しなかったため、やむなく五人はヨハンと共に部品の買い出しのため、港の方面へと向かうことにした。その途上で、警邏隊のゲイリー、(ジークの故郷である)マインミラルの代官ザイフリート、シフォングループ財団の代表ミーシャといった人々と遭遇した彼等は、最終的にミーシャの傘下の工場にて必要な部品を購入することになる。
だが、そんな中でアドルフからクロードに連絡が届いた。どうやら港の近辺で(唐揚げの材料となる)小麦粉を乗せた輸送車が襲撃を受けているらしい。すぐさま現地へと向かったクロード達は、輸送車を襲っていたパイルモンキーをあっさりと殲滅するが、その過程で、パイルモンキー達が小麦粉の中に何かを混ぜ込んでいる姿を目撃する。その「何か」の正体が気になった彼等は、自動車の部品はヨハンに預けた上で、第七研究所へと「何かが混入された小麦粉袋」を届けることにした。
クロード達も手伝う形で所長のトーマスと共にその中身を解析した結果、どうやら混ぜ込まれた物質は「ウィルキラー」と呼ばれる特殊な薬品で、ハイランダーがこれを体内に摂取した場合、ウィルの力を発動させるごとに身体を内側から破壊していくという効能を秘めており、空気中に香として散布するだけでも一定の効果を効果を有しているほど危険な粉末らしい。この薬品は数百年前に一部のジェネシスによって生み出されたものの、現代では既にその技術は失われているものとされていたが、もしこれを量産出来る体制を現代のジェネシスが整えているとすれば、相当な脅威である。
トーマス曰く、その数百年前の記録が記載された文献は図書館のどこかに眠っている、とのことだったので、ひとまずクロード達は図書館へと向かうことにした。ここでは図書委員のフリーダが中心となり、彼女と顔馴染みの本好きの少女ティリーの助言もあって、無事に該当する歴史書の発見に成功する。その書物によると、どうやらアサルトエンジンから見て北西部に位置するゼッフル鉱山で採掘される鉱物が、ウィルキラーの原料となっていたらしい。
この件について、ジュリィが(第七研究所で働いている)母親に連絡したところ、現在はゼッフル鉱山の採掘坑は既に廃坑となっている筈なのだが、どうやら最近になってその廃坑の近くで行方不明となった者達がいるらしい。ひとまず、この時点で既に陽は落ちていたため、彼等は明日、現地に行って状況を確認してみることにした。
翌朝。ヨハンの手によって修復が完了したジュリィの蒸気自動車に乗って、彼等はゼッフル鉱山へと向かう。その途上、クロードが車酔いに苦しむというアクシデントはあったものの、どうにか彼等は無事に現地へと辿り着くことに成功した。そして、廃坑となっている筈の旧採掘坑の中から光が漏れていることに気付いた彼等がその奥へと歩を進めると、その先で彼等を待ち受けていたのは、巨大な斧を持った筋肉質の男と、彼に率いられたアックスラビットとライフルアリゲーターの集団であり、その背後には捕らえられた人々の姿もあった。
この男の名はトーラス。ハイランダーを特に強く毛嫌いするジェネシス「清魂のカルシャー」(下図)の傘下のモルフである。どうやら彼等はここでウィルキラーの原料の採掘作業をおこなっていたらしい(捕らえられた人々は、その効果を確認するための実験台とされていたようだが、いずれもハイランダーではなかったため、全員無傷であった)。
そしてトーラスは特殊な装置によってウィルキラーが空中散布された状態で、モルフとしての力を発動させ(その顔面に銀の仮面を発生させ)、クロード達へと襲いかかる。ウィルを使用する度に軽微な損傷を受けるという特殊な戦場において、序盤はクロード達は苦戦を強いられるが、フリーダの回復アーツによってどうにか戦線を維持しつつ、ノエルとクロードの手によってその装置の破壊に成功した後は、ようやく本領発揮出来るようになったジークとジュリィの全力攻撃でトーラスを追い詰めていき、最後はクロードの矢によってトーラスを粉砕する。
こうして無事に敵を殲滅したクロード達は、再びジュリィの母親経由でアサルトエンジンに連絡して、捕らえられていた人々を保護するための護送車と、廃坑の「後始末」のための破壊工作部隊を派遣してもらった上で、燃え上がる廃坑の爆炎を背にしながら、アサルトエンジンへと向けて蒸気自動車に乗って走り去っていくのであった。 |
+ | 第3話「消えた報道者」 |
廃坑の一件から数日後。クロード達は担任のクラークから極秘任務を受けることになった。それは、行方不明となった新聞部員アンナの捜索である。
アンナは現在、表向きは「病欠」として学校を欠席しているが、実は数日前、新入生向けの部活紹介記事の取材中に姿を消してしまったらしい。もしかしたら、彼女が取材に向かった部活のどこかに「ジェネシスのスパイ(モルフ?)」が潜んでいるかもしれないと考えたクラークは、(表立った捜査だとスパイに勘付かれてしまう可能性もあるため)「新入生二人の部活見学&その付添人」という形で、五人に該当する部活の様子を調べるように依頼した。 なお、現時点で容疑のかかっている「失踪直前にアンナが訪問した部活」は、「テーブルゲーム部」「フットブール部」「美術部」「フェンシング部」の四つであり、いずれもクロード達の級友が所属する部活ばかりであった。 そんな中、まず最初に彼等が向かったのは、メイサを中心とする「テーブルゲーム部」である。表向きは見学という形で、フリーダがメイサ(ルーク落とし)を相手にチェスを挑み(勝利)、他の四人がハイランダーゲーム(人生ゲームのハイランダー版)をプレイしていると(ノエルが勝利、ジュリィが2着)、ノエルとジークは「部室の外からノエルを見つめながら不気味な笑みを浮かべる、フード付きパーカーを羽織った少女」を発見する。ノエルは彼女と目が合った瞬間、言いようのない「寒気」を感じたが、その直後に彼女はその場を立ち去って行った。
メイサに聞いてみたところ、その少女は以前に見学に来ていた新入生で、「レナ」と名乗っていたが、所属クラスなどは聞きそびれていたらしい。頭脳型のゲームにおいても運型のゲームにおいても部員を相手にあっさりと勝利を収める実力者で、いつも不気味な笑みを浮かべていたが、ゲームを楽しんでいるというよりは、どこか達観した視点から、周囲を見下すような雰囲気を漂わせていた、とのことである。
続いて彼等は、サンデルを擁する「フットボール部」の見学へと向かうことになった。部員達(上半身を一切使わないというハンデ付き)を相手に5対5のミニゲームをおこなった彼等は、ノエル、クロード、フリーダの活躍によって辛くも「3-2」で勝利を収める。そんな彼等に対してサンデルは入部を進めるが、ここでジークは彼が持っていた新入部員名簿の中に「レナ」という名前を発見する。彼女は(クラークの後輩である)ハイン先生のクラスの所属で、「マネージャー希望」として仮登録しているらしいが、サンデル曰く「選手としても通用しそうな身体能力と動体視力の持ち主のように見えた」とのことである。 その後、今度はアイリーンが所属する「美術部」へと彼等が足を運ぶと、そこは比較的静かな雰囲気の部室であり、油絵の具や彫刻用の木材や石膏の匂いが漂っていた。そんな中、フリーダとジュリィは「言いようのない程の不気味な雰囲気の絵」を発見する。アイリーン曰く、それは「レナ」と名乗る体験入部の少女が描いていった絵画だそうで、アイリーンもそれが何を描こうとした絵なのかは分からなかったが、それを描いている時のレナからは、名状しがたい独特なオーラが漂っていたという。 最後に、ライザーが所属する「フェンシング部」の体験会に参加した彼等は、少し短めのフルーレを用いた彼と対戦し、ジュリィとジークが見事に勝利を収める。ライザー曰く、この体験会の時期に彼に勝利したのはこの二人を含めて三人のみであり、その「最初の一人」となったのは、「レナ」という少女であったと彼は伝える。独特の佇まいから繰り出されたレナの一撃は、ライザーの目には全く捉えることが出来ず、おそらく同じフルーレを使っていても彼女には勝てなかっただろう、とライザーは語っていた。 ここまでの話を聞く限り、どうやら数日前にアンナが向かった取材先には、全て「レナ」という謎の少女が見学に来て、鮮烈な印象を残していたらしい。そして、もしアンナがレナのような「異彩を放つ少女」と遭遇していたら、おそらく積極的に取材を試みた可能性が高いだろう。そう考えると、次に調査すべきは、そのレナという少女の素性なのかもしれない。 この段階で、ひとまずジークがクラークに中間報告へと向かい、その間に他の面々はレナの担任であるハインに話を聞きに行く。ハイン曰く、「レナ・マッツィーニ」は今学期からの新入生だが、入学が一度内定した後、しばらく音信不通となった後に、新学期開始直前になって連絡がついて入学を果たした、という奇妙な経歴の持ち主らしい。今のところ成績は優秀で、クラスの中では主に男子生徒達からはよく声をかけられるが、いつも笑顔であしらっており、特に仲の良い友人などはいない、とのことである。
ハインのこの証言を聞いた上で、レナの素性に対して更なる疑惑が湧き上がったクロード達は、「優秀な生徒らしいので、生徒会に勧誘したい」という名目でハインから彼女の寮の部屋番号を聞き出し、そしてフリーダとジュリィが彼女の部屋へと赴くが、レナは留守のようだったので、ひとまずクロード名義で「体育館裏へ来てほしい」という手紙を置いて、その場を去った。
そして翌日。クロードが「生徒会からのスカウト」、ノエルとジークが「レナと同様にクロードに呼び出された優秀な一年生」という体裁で体育館裏へと赴き、フリーダとジュリィがこっそりと隠れて様子を見ていると、そこにレナが現れる。 クロードがレナに対して素性を探ろうと質問を投げかけると、彼女は自分に「何らかの嫌疑」がかけられていることに気付いた上で、あえてクロードからの質問にはまともに答えないまま、ノエルに対して、ジークとクロードが「大切な存在」か否かを問いかけた。彼がその問いに対して肯定すると、彼女は「この二人がいる限り、『こちら側』には来てくれないのね」と語り、クロードとジークに対して露骨な敵意の視線を向ける。 レナの正体は、レギントの妹であるジェネシス「漆黒のアルト」(下図)の分身体として生み出された特殊なクリーチャーであった。アルトは、ハイランダーの死体からアンデッドのクリーチャーを生み出す研究の「素材」を得るために、自身と感覚を共有する「人形」としてのレナを、(殉職した多くのハイランダー達の墓地を内包する)この学園に潜入させていたのである。
その上で、彼女はノエルの存在に気付き、長年の悲願であったあ「兄の遺伝子を受け継ぐ素材(死体)」を切望していたものの、レギントがノエルを殺すことを許さないため、ひとまずノエルを自身の陣営に連れ込んで、遺伝子を採取したいと考えていたらしい。
明らかに危険な空気が漂い始めたところで、フリーダとジュリィもまたその場に姿を現すが、アルトは彼女達のことを「ノエルの配合相手の候補」と考えていたようで、彼女達には手を出そうとはしない(何を基準にアルトがそう考えていたのかは不明だが、その口ぶりからして、どうやらレギントも「この二人」のことは認知していたようである)。 とはいえ、既に正体が知られた以上、これ以上潜入し続けることは不可能だと悟ったレナ(アルト)は、せめて最後にジークとクロードを始末した上で学園から去ろうと考え、地中から(おそらく前の晩に埋め込んだと思われる)大量のグールを呼び出し、ジークを襲わせようとする。しかし、五人の一糸乱れぬ連携攻撃によって、グール達は自身のその手がジークに届くよりも前に殲滅され、レナ(アルト)はそれでも不気味な笑みを浮かべながらジークを殺そうと自ら襲いかかるが、致命傷を与えるには至らず、最後はジーク自身の手によって斃された。なお、「レナ」の消滅直前の時点で、アルトはジークの中にも「特殊な何か」を見出していたようである。 戦いを終えた後、彼等は一通りの経緯をクラークに報告した上で、改めてフリーダとジュリィが寮母から(クロードからの捜査令状を手に)合鍵を借りてレナの部屋を確認してみたところ、そこには冷凍睡眠状態となっていたアンナの姿があった。目覚めた後にアンナから事情を聞いたところ、彼女は「優秀な一年生」としてのレナに興味を抱き、個人取材を申し込んだところ、彼女に自室へと招き入れられ、そこから先の記憶がないらしい。 レナ(アルト)の口ぶりからして、どうやらアルトはレギントへの「お土産(研究素材)」としてアンナを持ち帰ろうと考えていたようであり、それはすなわち、アルトの中ではアンナはノエルの配合相手としては「不適格」とみなされていた、ということを意味している。 結局のところ、アルトが何を基準に「ノエルの配合相手候補」を見定めているのかは未だ不明だが、少なくとも「ノエルの遺伝子を受け継ぐ者」が生まれるまでは、彼女がノエルを害する心配は無いだろう。とはいえ、レナの消滅直前に、彼女はいずれ「自分の本体」が会いに行くことを仄めかしていた以上、今後はより一層の警戒が必要となることは間違いない。 |
+ | 第4話「封印と共鳴」 |
レナの一件から数週間後。クロードはアドルフ学園長に呼び出され、ノエルに関する私見を問われるが、約一ヶ月ほど寝食を共にした立場として、今のところ彼自身からは危険な兆候は感じられないという旨を告げる。その上で、「クロードへのお見合い話」がアドルフの元に届いているということを告げられるが、ひとまずその件に関して、クロードは現時点での回答を避けた。
一方、久しぶりに実家に戻ったジュリィは、母親が妙に疲れている様子を目の当たりにする。その後、フリーダからのヘリックス経由で、アンナが仕入れた「第七研究所内でのジュリィの母親に関する不穏な噂」を聞いたことで、余計に心配を募らせたジュリィが母に事情を問い質したところ、母親曰く、どうやら現在、彼女は(以前にジュリィ達が持ち帰った)「銀の腕輪」の実験に関わっているらしい。 当初、あの腕輪は「身体能力を大幅に強化させるアーティファクト」として危険視されていたが、研究所内での調査によると、どうやらそれはあの腕輪に秘められた力のごく一部にすぎず、むしろ「強化された身体能力」を利用して「何らかの別の主機能」を発動させるために作られた腕輪である可能性が高い、というのが現時点での所長の見解らしい。 そして、この腕輪の力を発動させることが出来るのは、ダーナ傘下のモルフ達と、彼等と類似した遺伝子を持つ者達だけらしいのだが、どうやら研究所内で最も彼等と近い遺伝子を有しているのが(その理由は不明だが)ジュリィの母親であるという。そのため、彼女は自分が実験台となって腕輪の機能を解明しようとしているのだが、腕輪の装着中は精神的な負荷がかかるようで、その疲労感が見た目にも現れてしまっているようである。 母の身を案じたジュリィは、ひとまず実験の頻度を下げるように母に告げ、母はその申し出を了承しつつ、「この実験は私がやりきる(自分の遺伝子を受け継ぐジュリィはやらなくていい)」という意志を改めて示す。 同じ頃、ノエルとジークはアカデミア内のアイスクリーム屋の近くで、「巨大な箱」を持っていた美術部のアイリーンが、その重さに耐えかねて倒れる場面に遭遇する。アイリーン曰く、その箱の中に入っているのは、美術部がスケッチ用の題材として購入した、(アカデミアの北西部に位置する)クリマタリア産の特殊な観葉植物らしいのだが、彼女が倒れた際に破損した箱の隙間から、ジークは不穏な気配を感じ取る。 ジークにそのことを指摘されたアイリーンが箱の隙間から中を覗き込もうとすると、そこから唐突に不気味な毒々しい色の虫が現れ、彼女に向かって襲いかかってきた。即座にノエルがアーツを用いてその虫の焼殺に成功すると、彼等はその箱の中にはもう観葉植物以外に何も危険な気配が無いことを確認した上で、ひとまずノエルは虫の死骸を回収し、ジークはアイリーンを手伝う形で、その観葉植物が入った箱を共に美術部へと届けることにした。 翌日。虫の正体が気になったジークとノエルは、フリーダ、ジュリィ、クロードと共に図書館へと向かう。図書委員のティリィの案内を受けて、同じく図書委員のフリーダが手助けする形で調べてみたところ、どうやらあの虫は現代ではもう絶滅したと言われている猛毒を有する害虫であり、絶滅前の時代においては、アイリーンの持っていた観葉植物に寄生する生態であったらしい。 その後、ひとまず虫の死骸を第七研究所に届けた五人は、所長のワイリーから(銀の腕輪の実験の件でジュリィとの間で微妙な空気が流れつつも)、この虫が寄生してた観葉植物の原産地であるクリマタリアの植物園の調査依頼を受け、再びジュリィの愛車「ハチロク」に乗って、現地へと向かうことになった。 無事にクリマタリアに到着した彼等は、植物園の園長であるジュディ(下図)から、一通りの説明を受ける。彼女達には既に、現地在住のハイランダーのヘリックスを通じて第七研究所から話は聞いており、その情報に基づいて園内の植物について一通り調べてみたところ、確かに例の「絶滅したと思われていた虫」の卵がいくつか付着しているのが発見されたらしい。
ジュディ曰く、例の観葉植物の原生地はこの街の北部の湖の近辺であり、(アイリーンに送った代物も含めて)卵が付着していた個体は全て最近になってその地から採集した代物であるという。そして、最近になってその湖の近辺の生態系に微妙な異変が起きているような気配もあるらしいが、その原因についてはまだ彼女達も掴めてはいなかった。
五人がその話を聞いた上で湖へと向かうと、ノエルは湖畔の湿地帯の一部に、足場が不安定な土壌が広がっていることに気付く。彼がそのことを皆に告げた瞬間、突如として彼等の足元に広がっていた蔦が彼等に向かって襲いかかり、その蔦に絡まってしまったクロードが軽症を負う。そして彼等の前に現れたのは、明らかに「植物の力を埋め込まれたモルフ」と思しき少女(下図)の大群(いずれも同じ顔)であった。
少女達の形状からして、この地区に出没する「翠緑のネフリ」(下図)のモルフであろうことは推測出来るが、以前に遭遇したバットやトーラスとは異なり、学園内で「要注意モルフ」として知られているような者達ではなかった。ただ、同じ姿で複数体存在していることからして、少なくとも通常のモルフではないことは予想出来る。
そして、彼女達の中でもおそらく中心的な個体と思われる少女は、ジュリィとフリーダに対して「封印を破ったのはあなた達ですか?」と問いかけてきた。二人がその言葉の意味が理解出来ずに困惑していると、モルフの少女は「あなた達が『力』を受け継ぐにふさわしい存在かどうか、試させてもらいます」と告げ、五人に向かって襲いかかってくる。
何本もの蔦をハイランダー達の身体に絡ませながら、標的を消耗させつつ猛毒を体内へと送り込む少女達の連携攻撃の前に五人は苦戦を強いられるが、フリーダの懸命な回復術によってどうにか戦線を維持しつつ、互いを信じ合う心で意志の力を高め合うことで、どうにか今回も、一人も倒れることなく勝利を収めることに成功した。 中核と思しき少女は、最後にジュリィとフリーダに対して「あなた達なら、この クロードはどうにか自力で泳いで岸まで辿り着き、フリーダもジュリィに助けられることでどうにか難を逃れるが、この時、フリーダは(先刻まで中核と思しき少女が立っていた足場の真下にあたる)湖の底に「金色の何か」が光っているのを発見する。その話を聞いたジークが潜って調べてみたところ、そこに沈んでいたのは、(例の「銀の腕輪」と非常に良く似た形状の)「金の腕輪」であった。 この腕輪に関して、ジュリィが母親経由で研究所に問い合わせてみたところ、おそらくそれは「銀の腕輪」と一対の存在を成す腕輪である可能性が高い、とのことである(もともと、ここまでの銀の腕輪の分析の過程で「対になる何か」が存在するのではないか、という仮説は立っていたらしい)。おそらくジュリィの母が銀の腕輪を装着してその力を使おうとする度に、何らかの作用で金の腕輪が共鳴して特殊な力を発動し、それがこの地の「絶滅種の復活」といった諸々の異変を引き起こしていたのではないか、というのがトーマスの推測であるという。 その推測が正しいのかどうかは分からない。そして、なぜそれを(ネフリ傘下と思しき)モルフの少女が守っていたのか、そして、なぜ彼女がジュリィとフリーダのみを「力の継承者」とみなしていたのかも分からない。様々な可能性を考慮に入れつつ、再び彼等はアサルトエンジンへと帰還することになるのであった。 |
+ | 第5話「美しき来訪者」 |
クリマタリアの案件から約一ヶ月が経過し、第七研究所では金と銀の腕輪の解析が進む中、アカデミア内において奇妙な二つの怪文書が出回っていた。一つは「学長の息子であるクロードが、彼の同級生であるフリーダとジュリィとの間での泥沼の三角関係にある」という内容であり、この怪文書を目の当たりにしたフリーダの父とジュリィの母は、それぞれ自身の娘に真相を確認するが、二人は全力できっぱりと「事実無根」と明言する。
もう一つの怪文書は「学長の息子であるクロードが、同室の後輩であるジークとノエルを相手に淫らな行為に耽っている」という内容であり、学内の一角において、メイド姿のジャネット、新聞部のアンナ、美術部のアイリーンの三人がこの話題で盛り上がっていたところにクロードが通りかかり、彼は真相をアイリーンに問い詰められるが、当然のごとく彼も明確に否定する。 その後、クロード、フリーダ、ジュリィの三人は(微妙なすれ違いの後に)情報を共有した上で、この二つの怪文書の出どころを探してみたところ、どうやら怪文書を配っていたのはアカデミア外の人間であり、その身なり等からして(アカデミアから見て南方に位置する)ロードピレナの人間らしい、という情報までは突き止めるが、なぜそのような噂を流されていたのか、クロード達には全く見当もつかなかった。 一方、ジークはアカデミアの某所にて、警邏隊のゲーリー隊長と遭遇していた。ゲーリー曰く、現在、アカデミア内にジェネシスの一人である「最弱のレジーナ」(下図)が潜伏して、何かを企んでいるらしい。彼女はアサルトエンジンに対して強い敵意を抱いているため、最近目立った活躍の多いジーク達が狙われる可能性は十分にあるだろう、とゲーリーは忠告する。
その頃、テーブルゲーム部を訪問していたノエルは、部長のメイサが愛用のチェス盤と駒のセットを持って下町へと向かおうとしているのを目の当たりにする。どうやら、以前にメイサと対戦した「(おそらくアカデミア外からの旅人と思われる)チェスの上手い美少年」から、アカデミア内のオープンカフェで再戦を申し込む手紙が届いたらしい。その上で、彼と一局交えた後は、夕方にシフォン社が開催する新作ゲーム「デュエル・スピリッツ」(魔法カードや怪物カードを用いたカードゲーム)の発表会に参加する予定だと、メイサは楽しそうに話していた。
ところが、そこへクラーク先生が現れ、メイサは居残り補習を言い渡されてしまう。メイサは泣く泣くノエルにチェスのセットケースを手渡した上で、「オープンカフェに行って、私が来るまでしばらく待っててもらうように、その少年に伝えてほしい」と頼み込む。そして実際にノエルが現地へと向かうと、そこには確かに、メイサに言われた特徴に合致する「羽根付き帽子を被った小柄な美少年」(下図)の姿があった。
ノエルは彼に声をかけた上で、ひとまずメイサが来るまでの時間潰しとして、彼とのチェスに付き合うことにした。ノエルはチェス自体はまだ初心者だったのだが、むしろ定石を知らないが故の奔放な戦術が逆に幸いしたようで、見事な勝利を収める。その手際に感服した帽子の少年はノエルに名を尋ね、ノエルが素直に答えると、その少年自身は「クラウス」と名乗る。
そして、ノエルの名前を聞いた時点で「何か」に気付いたクラウスは、カバンの中から例の「怪文書」を取り出し、そこに描かれているノエルの似顔絵と照合しようとした結果、ノエルもまたその「怪文書」の存在を知ることになる。その後、(少し前に町中で合流して一緒にアイスを食べていた)ジークとジュリィ、そしてクロード本人までもが現れたことで、クラウスは彼等に「真相」を確かめようとするが、全員が揃って怪文書の内容を否定する。その上で、クラウスはクロードに対して「値踏みするような視線」を向けつつ、他の面々とクロードとの間に(愛欲とは別次元の)信頼関係が構築されていることを、なんとなく察していた様子であった。 同じ頃、怪文書の出どころを調査していたフリーダは、港の近辺でシフォン社の社員達が、社長のミーシャが行方不明だと騒いでいる様子を目の当たりにする。そこへすぐにミーシャが現れ、社員達は安堵した様子を見せつつ、彼等は新作カードゲームの発表会場へと向かっていくが、フリーダの目には、そのミーシャの様子が、以前に会った時とは微妙に異なっているように見えた。不審に思ったフリーダがそのまま港の近辺を調べていると、シフォン社の輸送用の貨物車の上に載せられた金属製の大箱の中から、明らかに不自然な物音が聞こてくる。 ひとまずフリーダがこの状況をヘリックスを用いてクロード達に伝えると、ゲーリーからの話を思い出したジークが「最弱のレジーナ」の件を皆に伝えたことで、彼等は事件の予感を感じ取る。その上で、ノエルがクラークにヘリックスで確認してみたところ、メイサの補習はまだ時間がかかりそう、ということだったので、ひとまずクロードとジークがクラウスを連れて「カードゲームの発表会場」へと向かい、ノエルとジュリィがフリーダの元へと向かうことにした。 フリーダの元へと辿り着いたノエルとジュリィは、ノエルが周囲の人々を陽動している間にフリーダとジュリィが大箱を開ける、という作戦を決行したところ、そこには縄で縛られた状態のミーシャの姿があった。ミーシャ曰く、唐突に後方から何者かに襲われ、気がついた時にはここに監禁されていたらしい。彼女の拘束を解いた上で、三人はヘリックスでクロードとジークにこの情報を伝えつつ、彼等の元へと向かう。 その頃、クラウスを連れた状態で、発表会の会場の近くでクロードとジークは「ミーシャ」と対面していた。「ミーシャ」はクロードからのカマをかけるような質問をはぐらかしつつ、彼等と共にいたクラウスに対して怪訝な態度を見せる。そんな中、フリーダ達が「救出したミーシャ」を連れてその場に現れたことで、「クロード達と対面していたミーシャ」は、自分の周囲につむじ風を巻き起こしながら、その真の姿を現す。彼女の正体は「最弱のレジーナ」であった。 そして、この時に発生した風圧で、クラウスの被っていた帽子が飛ばされると、その帽子の中に格納されていた豪奢な長い髪が現れる。先刻までとはまるで別人のような雰囲気になったその姿に、ジークは見覚えがあった。「クラウス」と名乗っていたその人物の正体は、ロードピレナの王女クララ(下図)だったのである。彼女はアドルフがクロードに示唆していた「見合い話」の候補の一人であり、以前から男装して何度かアカデミアを訪れていた彼女は、自身の縁談相手とされているクロードの人物像を見極めたいと考え、彼のことを調べていたらしい。
一方、レジーナの方は、シフォン社が販売しようとしていた「デュエル・スピリッツ」に、本物のモルフを封印したカードを混ぜ込み、アカデミアを混乱させるために、ミーシャに化けて潜入していたのであるが、目の前に(彼女にとっては全く計画外の存在であった)クララが現れたことで、クララが持っている王家伝来の「不思議な力を有する首飾り」を奪おうと考え、手にしていたカードから、「毒龍のモルフ」と「人馬のモルフ」と「人魚のモルフ」を召喚し(下図)、目の前の彼女を襲わせようとする。
しかし、彼等よりも一瞬早く、クロードが即座にクララを抱きかかえた上で後方へと下がり、駆けつけたジュリィの助けも借りて、どうにかクララを会場の外へと逃がすことに成功する(なお、彼女が会場内にいた間は、彼女の首飾りの力によって、クロード達のウィルには特殊な力が宿っていたようである)。
その上で、レジーナおよび三体のモルフと対峙することになった五人は、レジーナの駆使する多様な「魔法カード」と、人魚の手による湿度変化による妨害、毒龍が繰り出す猛毒、そしてレジーナを庇いつつ広範囲に放たれ続ける人馬の弓矢の雨のごとき連射に苦しめられるが、フリーダが必死で回復アーツを掛け続けることで戦線を保ちつつ、ノエルの広範囲攻撃を軸にクロード、ジュリィ、ジークが着実に一人ずつモルフを撃破していった結果、最終的にはレジーナは(謎のカードの力によって生じた空間転移ゲートを用いての)撤退を余儀なくされることになった。 ミーシャは五人に深く礼を言いつつ、ひとまず「デュエル・スピリッツ」についてはまだ危険なカードが混ざっている可能性を考慮した上で、確認のために一旦販売中止を宣言する。一方、アンナの調査とクララからの情報を照らし合わせて調べた結果、どうやらクロードに関する怪文書を広めていたのは、ロードピレナの二大貴族であるロムレルス公とカルウス伯の手下の仕業であろうという推測に至る。彼等はいずれもクララとの縁組による王位継承を狙っており、そのライバルとなりうるクロードの評判を落とすために、それぞれ独自に怪文書を作っていたらしい。 クララは、自分のせいでクロードの悪評が広まってしまったことを謝罪した上で、いずれクロードとは改めて「お見合い」の席を設けたいと告げつつ、ロードピレナへと帰還していく。なお、メイサの補習が終わったのは、ちょうどクララ(クラウス)がアカデミアから去った直後であった。 |
+ | 第6話「修学旅行」 |
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+ | 第7話「終わらない遊戯」 |
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+ | 最終話「蒼天の五芒星」 |
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