2022後期 ソードワールド2.5

SW2.5とは?

いわゆる「王道西洋ファンタジー」の世界を舞台にしたTRPG。
ダンジョンを攻略したり、魔物を討伐したり、捜査をしたりして経験点をため、キャラクターを成長させることができる。12の種族の一人となり、世界中を冒険しよう!

世界観

(ざっくり説明)
  • 三本の剣によって世界は生まれた
  • 人族と蛮族は遥か昔から戦う宿命にある
  • 冒険者の力が必要だ!
+ 詳しくはこちら
剣の世界「ラクシア」、この世界は三本の<始まりの剣>によって生まれたと伝えられている。その名はルミエル、イグニス、カルディア。どれだけか時が経ち、<始まりの剣>を見つける人間が現れた。その者はルミエルを手にすると、神となり、"始祖神"ライフォスと呼ばれるようになった。それからしばらくして、別の人間がイグニスを見つけた。その者は"戦神"ダルクレムとなり、ライフォスの勢力に戦いを挑んだ。二柱の戦いは終わる様子はなく、双方は第三の剣カルディアを求めた。しかし、争いの道具とされることを拒んだカルディアは自壊し、世界中へ散らばっていった。決着をつけられなくなった両陣営は長い眠りへつくことになった。それからは人族は繁栄を極めていた。だが、300年前に<大破局>が起きてしまう。世界中で蛮族による奇襲が起こり、人族は全滅の危機に瀕した。<大破局>を乗り越えた人族は復興に尽力しているが、いまだ冒険者の力は不可欠になっている。

セッションについて

基本情報

システム:ソード・ワールド2.5

GM:人知らず
PL:4名
使用ルールブック:「基本Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」「冒険の国グランゼール」
使用ダイス:基本的に2d6のみ
キャラクター作成:キャラクタービルディングブックを使用もしくは自作
形式:オンラインセッション(CCFOLIA+Discord)
頻度:週一回。毎週水曜日
19:30~22:30開催。
話数:8話+α。合計で10日程くらいを予定
概要:魔剣の迷宮「静謐の王宮」を攻略しよう!

『ルインドロイヤル』について

ここから先の内容には本シナリオ『ルインドロイヤル』のネタバレを含みます。
ご了承ください。


シナリオ概要

冒険の国グランゼール、ある日突如としてこの国に一つの魔剣の迷宮が現れた。人々は富と栄光とを求めこの迷宮に挑んだが、いまだ誰一人として第一層を越えた者はいない。いつからか、この迷宮は『静謐の王宮』と呼ばれるようになっていた。調査が行き詰まる中、ギルド『女神の微笑み亭』は新たな攻略の人員として登用するため、さらなる冒険者を募集していた。

キャラクター紹介


PC一覧

PC1


PC2



ザイール・アルマーザ 
種族:リカント
性別:女性
年齢:18
技能:フェンサー3 プリースト(グレンダール)2
+ 設定
地球におけるチベットスナギツネの特徴を持つ獣人
騎士の家に生まれ、幼少期を過ごす。
13歳のころ父が蛮族との戦いで命を落として以降、家庭は離散する。
裏社会で生きることになり、裏社会の若者たちの不良組織の中で生活する。父から受け継いだ騎士の戦闘術を使い、腕っぷしで組織の幹部に成りあがる。
17歳のころ組織同士の抗争が起きた際、組織は壊滅する。彼女もグレンダール神殿の治安維持部隊のある戦士に敗北し、その人の下で働くことになる。
グレンダール神殿の神官として働き1年、神殿を離れることに決める。
1人で生活するにあたり、職業として冒険者を選んだ理由は、金払いの良さと上にへつらう必要がないから。
抗争で負った火傷で変色した部分をグレンダールの印でもある炎のタトゥーで隠している。
剣、槍など武器は一通り使える。
性格は粗暴かつ傲岸不遜、自信家で弱肉強食的価値観の持ち主。であったが神殿で多少矯正されたようで、多少は他人のことを考えるようになった。
しかし戦いを肯定するグレンダールの教えにより好戦的性格は増してしまったようで、何かあったら戦いで解決しようとするのは相変わらず。元々は自信から来る舐めプ癖があったが、勝つためにはなんでもしろという教えを学んでさらに手が付けられなくなった。

+ 第一話
冒険者になることを決めたものの、冒険者がどんな職業なのかは正直よく分かっておらず、適当に冒険者の店に行ったところ、流されるまま迷宮を攻略することになった。
幼いころ聞いた英雄譚のイメージで、冒険者と言えば蛮族やドラゴンと戦うといった素朴なイメージを今でも持っているため、第一層の出口でドラゴンと会った際、(こいつとと殺し合いがしたいなー)と思ってしまったが、なんか協力的だし普通に勝てそうにないしで困っている。
+ 第二話
二層に入るとギルがいた、ちょっと脅してやろうと思って声を掛けたらビビッて逃げ出しやがった。なんか仲間はマジで強奪しようと思ってたらしい、あいつらもなかなかアウトローじゃねえか…まあアタシはもう捕まりたくないんだが…。その後金の鉱床をアホが掘らせてると腐肺病の瘴気が出てきた、掘ってるほうのアホが見事に死にかけてたが、腐肺病の瘴気はこの遺跡でよく出てくるらしい、一層のあのとき治らなかったらと考えると背筋が冷えるな…。第三層を守っている門番(?)はゴーレム、コアからの砲撃が厄介だったがこのアタシにかかれば敵じゃねえ、だが今までの中じゃ一番燃える戦いだったな。あのアホが止めを攫ってったのが気に食わねぇが…。まさかあいつの攻撃がちゃんと効いてるとは思わねぇだろ、仕方ねえからアイツを野生動物から賢いペットくらいに格上げしてやろう。
+ 第三話
第三層は森の中といった様相だ、階層一つ隔てただけなのに雰囲気が変わりすぎじゃねえか…?
(キャサリンたちが入ったところにいるギルに幸運のお守りを4000ガメルで売りつけようとしていたがさすがに騙されなかったな、まあそりゃそうか)
女王の剣の許しがないとこの先に行けないとのことで剣を持った鳥を追いかけることになる。
いつものごとくマティールが突っ込んでいくのでそれを追って戦闘に、
オーウェンの初めて使ったライトニングの魔法が味方を巻き込んで大変なことになった、これで壊滅したら洒落になんねえぞ…。
まあ所詮は草という程度だったが、止めをマティールに取られたのが気に入らん。
マンドレイクを見つけたらマティールがすぐ抜くだろうなと思っていたので耳栓をしておいたが、予想通りすぐ抜きやがった。大きな音でマンドレイクの声をかき消すっていう発想はいいが、耳栓を買ったの忘れてんのか?忘れてそうだな…。
そして占い師のタビット、オルガに会う。以前街で会ったが、こんなところにいるとは。占いをしてもらったところ、強さとやさしさがどうとか言っていた。強さは当然だが、アタシに優しさがあるって?笑っちまうな。
次のフロアに先に入ったマティールがディノスを引き連れて逃げ回っていた、見ていても面白かったが、さすがに死にそうなのでディノスと戦う。戦闘はオーウェンの魔法で一瞬で決着した、あれは巻き込みで食らってたら死んでたな。
どうやら鳥は剣を守っていたようでライチョウと戦闘になる、雷撃もオーウェンのライトニングと比べたら大したことはないな。
剣を台座に刺すと、レグナリアの女王が現れて次の層へ進めるようになった、幻影だとはわかっているが高貴な人には何というかオーラがあるな…、とっさに親父から聞いた儀礼の所作が出ちまった…。
+ 第四話
第四層は地下墓が広がっていた。さっきまで森林だったとは思えない嫌な雰囲気だ。エルマーが悪夢にうなされていて原因がここにあるらしい。
ギルもゴーストが怖いとかでろくに地図も作らねぇし情けない。
うじゃうじゃゴーストが徘徊してて面倒くさいが、とりあえず祭壇まで進んでアンデッドを倒す。これで悪夢を見なくなるといいが…。
続くゴーストとの戦闘で急に意識が飛んだ(らしい)、キャサリンに連れられて何とかなったようだが…。ゴーストは神殿のジジイたちがよく相手にしていると言っていたから少し油断していた、気を引き締めることにする。
墓地を調べると同一年に死者が多いことに気付く、それに月神シーンのシンボルがやけに多い、疫病が蔓延し、それの治癒を神に祈っていたんだろう。
深部でオーウェンの妹がゴーストに囲まれているところを発見する、案内人の力でゴーストに攻撃が通るようになって助かった。だが回復魔法がどうも上手くかけられん、退屈な説法を聞いて覚えた魔法なのに肝心な戦闘で成功しないとは…。
次の層への番人は死者の魂の集合体のような奴だった、瘴気を吐いてきたが、イーラの作ったマスクのおかげで致命傷にはならずに済んだ、腐敗病の薬といい彼女には感謝しかねぇな。
それに比べマティールのやつは報酬金でポーションの一つも買わねぇとは立場を分かってないようだな…。
+ 第五話
第五層はレグナリア市街を模した迷宮のようだ、人っ子一人いないが、本物の下層には一般市民が住んでいたらしい。
魔神がそこらにいるようで、戦っている奴がいたから助けてやることに。しかしめったにない魔神との戦闘でテンションが上がっちまってやりすぎたな…。
助けたのが元子分のピッチだったのは驚いた、あいつが何でこんなところにと思ったが、また仲間を集めて暴れてるらしい、グループがあんなことになってまだアタシを慕ってくれてるのか…
あいつの意思も汲んでやりたいし、またあいつらと暴れるのも面白そうだが…そんなことで探索隊を抜けるってのはアタシのメンツが廃っちまう、世話になってるやつらにも悪いしな…。
とりあえずピッチと一緒に帰還して話を聞きたかったんだが、あいつ急に一人で逃げ出しやがった…。
神官が気に入らねぇのは分からんでもないが、神官なら何でも敵だったわけじゃねえだろ…。
追いついた時には、奥で瘴気に入っちまったらしく、瀕死の病状になってやがった。
絶対に助けてやるから、こんなんで死ぬんじゃねえぞ…。
お前の嫌う神聖魔法で悪いが、これで生き延びてくれ…。と回復魔法を使うがろくに効いてねぇ、イーラの治療も効かないようだし、どうすりゃいいんだ…!?
奇跡を信じてアンに祈ってもらうと、マジで効いたようで、みるみるうちに快復していく、神聖魔法の上級、いやそれ以上の効果だぞ!?とんでもない才能なんじゃないかアンは?
快復したピッチを地上に送り返し、次の層への扉を開きに行く、番人は下層からの侵入を食い止めていたようだが、いつも国は人を下から切り捨てやがる、気に入らねえ。王女も守り切れなかった奴がよ…。…と死人に言っても仕方ねぇか…。
地上でピッチの無事を確認すると安心してため息が漏れた。
ピッチとは和解できたが、見捨てられたように感じたお前らの気持ちを分かってやれなかったアタシはカシラ失格だった。受け入れられないならそれでもいい、ただ、お前らのことを忘れたわけじゃないとピッチに伝えてみる。
それでも親分と慕ってくれるあいつを見て、過ぎた子分を貰ったことを神に感謝したよ…。

PC3


キャサリン・イーストン
種族:リルドラケン
性別:女性
年齢:25
技能:ファイター/スカウト/エンハンサー

+ 外見
+ 設定
誰かに生かされている、という感覚が有る。そこに消極的な意味合いは無いけれど、ただ人一倍そう思っている自覚が有る。
だって実際そうなのだ。
生まれからして私は弱っちい奴だったらしく、卵殻を壊せずに道端で死にかけていたそうだ。それを偶々通りかかったお父さんに助けられた。
深い森の奥、年齢も種族もてんでバラバラな小村で、皆が育ててくれた。
「役にたたねェなら食糧にしてやる」が口癖だったけど、ことばとか道具の使い方とか聞けば教えてくれたし。植物由来の熱病が村で流行った時にはわざわざ薬を買いに行ってくれた。
……皆の家には、ボロボロだけど立派な鎧とか、武器とか立て掛けてあって。話してくれることは無かったけれど、元々あった居場所に居られなくなったんだろうって何となく理解していた。だからこそ、彼らは、きっと私を守ってくれたのだ。
不器用で口汚い人たちの優しさに報いたいと思って、私は色んな事をした。いや、しでかした。
「おまえはリルドラケンと言って、常人よりも生まれつき頑丈なんだ」と聞かされた日に魔物と組みあって死にかけたし、性懲りもなく今度は崖から落とされて約1年間生死の境をさまよった。目覚めるや否や大目玉を食らった訳だけど、その時のお父さんの鬼気迫る顔が、私の愚かしさを雄弁に物語っているようで、今でも鮮明に覚えている。
さしもの私もこの時ばかりは深く、それはもう深く反省して。それでも皆の役に立ちたいんだと吼えた。(比喩じゃなく本当に吼えていたかもしれない。)
でもその喧しさが功を奏して、私は村の自警団に入れて貰えることとなった。仕事は、近辺の脅威から村を守る事。私が一人突っ走ってやろうとしてた事だ。お目付けの意味もあったかもしれないけど、でもこの時初めて自分も村の役に立てる、村の一員になれたんだって、嬉しかった。
自警団に所属して以来、私は皆に学びながら確実に力をつけていった。戦士としての心得を教えて貰った。頑強な身体を更に強くする技も教えて貰った。酷い痛手を被ることになったけど、誰かを庇うためにこの身体を使う術も編み出した。十年余りを経て、私は自警団として胸を張れる存在になったと思う。
そして同時に、長い月日を過ごす中で分かったことがある。皆、酔いつぶれた時にだけ、口にする言葉があるのだ。それは大切な人の名前だったり、後悔や謝罪の言葉だったり。……皆が過去の重荷を背負い続けている事は明らかだった。それを降ろしたくてこの村にやってきたけど、結局出来なかったのだ。
私はその重荷をどうにかして軽くしたいと思った。余計な真似すんなと幾度となくあしらわれて、あまつさえ、俺たちの事は気にするなと当人たちから慰められる始末。私にはどうすることも出来なかった。彼ら自身どうしようも無かった訳だし当然と言えば当然だろうか。
それでも私は皆に報いたかった。あれだけ痛い目を見て大目玉を食らったのに、私の根っこの部分は変わっていなかったらしい。
私は彼らの過去を取り払うことは出来ない。だから、今。彼らが生を送るこの現在に、星のような輝きを放つ記憶が生まれたなら、きっと暗いばかりの過去が少しは良いものに見えるはずなのだ。
思い立ったが吉日。私は森を抜け、遥かグランゼールの地を目指して歩き始める。私がここに帰ってくる時。それは、世に名を馳せるキャサリン・イーストンを育てた者たちとして、彼らが世に称賛された時に他ならない。



PC4


NPC一覧

+ ...
  • 斥候のギル
レプラカーンの青年。一行より先んじて『静謐の王宮』内部の探索を行い、作った地図を売ることを生業としている。王宮に潜るのは金目当て。不遇。
  • 薬師イーラ
薬の材料を求めて王宮を探索するエルフ。たびたび一行に依頼を出してくる。専門は腐肺病。


キーワード

+ ...
  • レグナリア
ドラコがかつて暮らしていた国。もうすでに滅んでいるらしい。『静謐の王宮』と関係があるらしいが……?
  • 腐肺病
主に瘴気によって感染する病。罹患すると肺が侵され、回復するまで徐々に生命力が失われる。グランゼール内部でもたびたび被害が出る病気だが、『静謐の王宮』内部ではその被害が特に多い。


セッションまとめ

ネタバレOKな方はコチラから。
各セッションの簡単な記録となっております。
こちらは、「著:北沢慶/グループSNE、KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.5』の二次創作作品です。
(C)Group SNE 「ソード・ワールド2.5」

+ ...
(第一回)
グランゼール内にあるギルド『女神の微笑み亭』女神前広場支部の入口でばったりと出会ったリカントのザイール、リルドラケンのキャサリン、タビットのオーウェン、そしてグラスランナーのマティール? は全員でパーティーを組むことになった。ギルドの受付嬢、レティシアが依頼してきたのは『静謐の王宮』の探索だった。一同は早速王宮に乗り込むことに。

入口の扉に仕掛けられたトラップを解除した一同を出迎えたのはゴブリンの集団だった。
ザイールのレイピアによる一撃が開戦の口火を切り、それに続いてオーウェンのエネルギー・ボルトとオーウェンのメイスによる一撃が2体のゴブリンを絶命へと追いやる。
最後はザイールの目にも止まらぬ連撃により一行は魔物の撃破に成功した。

魔物を打ち破った一行に声をかけてきたのは斥候のギル。彼の話によれば、2週間ほど探索しても次の階層へつながる"番人の間"らしきものはどこにもないのだという。
第一層の地図を売ってもらい、一行は探索を続けることに。
隣の部屋に入ると、一行は砕けた石碑を発見する。復元すると、そこには魔法文明語で「玉座にもはや、王はなく」という文言が刻まれていた。
さらに探索を続けていくと、一行は探していた薬用キノコが生えた部屋を見つける。だが、その部屋には「腐肺病」の瘴気が充満しており、ザイールが罹患してしまう。なんとか症状は治まり、一行は瘴気の部屋を避けて新たな場所へ向かうことに。
開けた大部屋へ足を踏み入れた一行は、<スキアヴォーナ>と<ヒーターシールド>,冒険者がよく身に着けるポーチが銅像の周りに転がっているのを見つける。興味を示したザイールとマティールの二人がその装備に触れると、突然彼らは姿を消してしまう。残されたオーウェンとキャサリンが次の部屋へ向かうとそこには十字架にかけられたザイールとマティール、そして見知らぬドワーフの男の姿があった。ドワーフの正体はダンパン、一行が依頼として探すよう頼まれていた冒険者だった。曰く、銅像に触れた途端に声が聞こえ、ここへ転移されてしまったのだという。ほかの二人も同じような目に合ったようだった。無事に3人の荷物を取り戻した一行だったが、薬用キノコの数が足りず、さらに探索を続けることに。
一行は新たな部屋に足を踏み入れた。そこは魔剣の間。部屋の中央には台座に剣が刺さっており、近づくと迷宮の案内人が現れた。しばらく彼女と話をしていると、突如として謎のうなり声が響き渡る。案内人は「呼ばれている。」というと一向に音叉を手渡し、今後支援をすると、そう伝えた。彼女にも何が呼んでいるのかはわからないらしい。

一行が奥へ奥へと歩みを進めると、そこは突き当りだった。そのとき、渡された音叉が共鳴をはじめ、壁が動きだし、隠された道が開いた。一行が恐る恐る進んでいくと、奥に一人の男が立っていた。
「ここから先は通さん。王宮騎士の誇りにかけて。」そう言い放つと、男は武器を構え、襲い掛かってきた。話を聞く様子もなく、一行はやむを得ず応戦することに。
彼の引き連れたる騎士を撃破した一行だったが、その男、監視者の近衛は降伏するような素振りはなく、一行の攻撃を紙一重でかわしつつも剣による一撃を加えてきた。キャサリンの鉄壁の守りによってダメージは最小限に抑えられたが、監視者の近衛は空しい抵抗でありながらも最後の瞬間まで攻撃を続けた。

キャサリンの一撃により、近衛はついに膝をついた.「申し訳ありません、わが王よ。私は、最後まで、あなたに……」、そうこぼすと近衛は光の粒子となって消えていった.勝利に喜ぶ一同だったが、音叉の共鳴がいまだ止まないことに気づいた。音叉の響きはそばにあったスタンドに近づくと再び大きくなり、そして巨大な竜が現れた。その竜は自らを"ドラコ"と名乗り、一行に協力すると誓った。ドラコに乗せられ、一行は『女神の微笑み亭』に帰還する。第一層突破の報告を受けたレティシアは、一行を『静謐の王宮』攻略隊として雇用する。一行も安定した収入が得られるため、了承した。彼らの冒険が幕を開けたのだ。

(第二回)
第一層を突破した彼らは第二層へ挑むことに。だがその前に、サブミッションで指定されていた"ルベライト"という鉱石の正体がわからず、一行は依頼を出していたヨルグ・ハンマーハンドの工房へ向かった。工房の中は機械や鉄が騒がしく音を響かせていた。ルベライトについて聞くと、ヨルグはぶっきらぼうながらも語った。ルベライト、別名閃赤石は赤に白い筋の入った鉱石のことであり、それが要り様なのだという。だが、ヨルグ自身も天然の閃赤石は見たことがないという。どうやら一行が以前に出会った斥候のギルがヨルグに第二層にルベライトがあると伝えたようだった。ヨルグに工房を追い出された一行は、仕方なしに第二層に向かう。
第二層に到着した一行を出迎えたのは鉱石や結晶が輝く洞窟だった。その光に目を奪われそうになるが、一行の耳には口笛の音が飛び込んでくる。一行の探していたギルが吹いていたのだ。彼はどうやら『女神の微笑み亭』の主人に借りがあるようで、一行に協力することになったようだ。ギルから地図を購入した一行だったが、話の途中で彼もルベライトを持っていることに気が付いた。報酬金がほしい一行はギルからこれを奪おうとする。当然ギルは拒否するが、多勢に無勢。さらにキャサリンは、ここでギルを倒しておけば地図代400ガメルを回収できると思いついた。ギルは透明化して逃げてしまったが聴音の筒を使ったマティールによって居場所がバレてしまう。一行がギルを追おうとすると、一人のエルフに出会う。彼女が依頼人の薬師のイーラのようだ。彼女の依頼は、第二層内部に自生するヒカリダケの採取だ。彼女の依頼を引き受けた一行がそのまま奥へ進むと、疲れてへたれこんでいるギルを発見する。キャサリンはギルに勢いよく組み付き、そのまま成り行きでギルは一行についていくことに。道中、カーバンクルにペースを乱されながらも魔物の群れを撃破した一行はヒカリダケを採取。イーラからは追加の報酬として薬品の入ったアンプルをもらうことができた。オーウェンの鑑定によれば、その薬はマナの回復と魔力の向上の効果があるもののようだった。薬品を受け取った後、イーラは一向にダンジョンに潜る意味を問いただす。マティールは金を、ザイールは力の証明のため、キャサリンは故郷のためにと、そう答えた。

一行はなんとかマナクリスタルを集め、無事リフトを起動させることに成功する。
(その道中で、ギルが腐肺病に罹患したり、マナの不安定な結晶塊を砕いてしまったことで爆発を食らったりしたが。)
リフトによって奥へ降り立った一行は、巨大な何かを目にする。マティールの見立てによれば、それはゴーレムだった。どうやら採掘に集中しているようで、襲い掛かってくる様子はなかった。戦闘準備を整え、一行はゴーレムと対峙する。

ゴーレムは一向に気が付くと、作業を中断し、攻撃を開始した。
ゴーレムの剛腕と胸に備えられたコアから放たれる強力なビームが一行を苦しめ、あわや全滅というところまで追い詰められたが前線のザイールとキャサリンが猛攻を耐え抜き、オーウェンの魔法がコアを破壊する。最後には、マティールが偶然か強力な矢を放ち、ゴーレムは機能を停止した。

次の階層への扉を見つけ、帰還することに決めた一行。ドラコによって揺さぶられるさなか、ドラコはあることを思い出したと伝える。
「我のいた王国の名は、レグナリア。そして、この迷宮からはどうもそこと同じ匂いがしてくるのだ。」

(第3回)
いつものように,一行は王宮の第三層へ挑む。その前に、サブミッションにあったマンドレイクについて聞くため、一行はイーラに話を聞くことに。誰も彼女の居場所を知ってはいなかったが、マティールの直感によって一行はイーラの研究所にたどり着いた。彼女からマンドレイクの概要を聞いた一行は雑貨屋で耳栓を購入してから第三層へ移動した。
第三層は緑生い茂る場所だった。これまでのような閉鎖空間ではなく、木々がその枝を不自由なく伸ばし、小鳥や虫が舞う。そんな、少し休みたくなるような光景が第三層には広がっていた。そのまま歩みを進め、ギルと出会った一行。彼によれば、道中で「白い耳のタビット」を見つけたのだという。北へ進路を取った一行は、石碑の前に出た。石碑には魔法文明語で「偉大なるレグナリアの女王、ここに眠る。女王の剣の許しがなければ、これより先は通ることを許されない。」と刻まれていた。隣には一本の剣が刺さっており、一行が近づくと剣が光り、道が徐々に現れた。だが、そのとき。空中から一体の鳥が現れ、その剣を奪い去ってしまった。同時に、道もふさがってしまった。どうやら文言の通り、女王の剣がなければその先へと進めないと判断した一行は鳥を捕まえようと探索を始めた。
一行が西の方向へ進むと、聞いた覚えのある声がした。声のした方向へ行くと、ダンシングソーンの群れが一行を出迎えた。途中オーウェンが新たに覚えた真語魔法「ライトニング」が暴発してしまったものの、最後はザイールのピラーによる強力な一撃とマティールの一矢によって、ダンシングソーンの群れは殲滅された。ダンシングソーンの剥ぎ取りをしている最中、一行はその茨の中に男が絡まっているのを発見する。その男は、第一層で出会った"ドワーフのダンパン"だった。どうやら探索の途中でダンシングソーンにまとわりつかれ、脱出できずにいたようだった。「騎士に二言はない!」と豪語して帰還するダンパンと別れた一行。北に進んだところ、そこには迷宮の残滓が2体いた。どうやらどちらも騎士のようだ。彼らの話によれば、剣を奪った鳥はアブデライト、という鉱石を盗んだようで姿が見えにくくなっているようだが、その羽ばたきの音まで消せないようだ。耳を澄ませたところ、確かに音からおおよその位置を割り出すことができそうだった。だが、鳥は警戒心が強いのか降りてくる様子はない。依頼に合ったマンドレイクの採集も終え、さらなる情報を求めて一行が第三層を歩んでいくと、そこには白い耳のタビットがいた。彼女は"オルガ・ギーブ"。グランゼール内ではたびたび噂になっている辻占い師で、ザイールも一度占いを受けたことがあった。オルガは一行を占った。その結果は様々だったが、共通していたことがあった。それは、災禍の印があったということ。「近いうちに、大いなる災いに対峙することになるだろう。でも大丈夫。お前さんたちと、その子ならきっと乗り越えられるよ。」そう言い残すと、オルガの姿は音もなく消えていた。一行から分かれて単独行動していたマティール。彼が足を踏み入れた場所はディノスの巣だった。マティールはすんでのところで攻撃を回避することに成功したが、ディノスに追い回されることに。ザイール、オーウェン、キャサリンはマティールが追われているのを好機とみて、背後からディノスを強襲することに成功する。不意を突いたのが功を奏したのか、オーウェンの新たな魔法「リープスラッシュ」が決定的な一撃を与え、ディノスは姿勢を大きく崩す。ディノスの放つ冷気のブレスも気にせず、そのままキャサリンが放ったモールの一撃でディノスは絶命した。ディノスの剥ぎ取りを終えた一行。道の先には、迷宮の残滓が2体。今度は騎士と鷹匠の二人だった。どうやら、剣を奪った鳥は警戒心が強いが、ある歌を聞くと近づいてくるようだ。マティールにはその歌は聞き覚えがあった。その歌とは、彼がよく演奏する「サモン・スモールアニマル」だったからだ。情報を揃えた一行は剣を取り返す方法を思いつき、実行した。まずは、マティールが「サモン・スモールアニマル」で鳥を近づける。鳥が近寄ってきたところに、オーウェンの魔法「ナップ」で鳥を眠らせて動きを封じ、最後に力のあるキャサリンとザイールが捕まえる。作戦はおおよそ成功していた。だが、あと少しというところで鳥が目覚め、激しく抵抗をした。キャサリンが鳥と剣の奪い合いをしていたところ、鳥に突如として一筋の雷光が落ちる。さすがのキャサリンも吹き飛ばされてしまう。閃光が止んだ後、そこには一体の巨鳥が、一行を見つめてたたずんでいた。その鳥、「ライチョウ」は体に雷を走らせ、警戒した様子で剣を取り返そうと一行に戦闘を仕掛けてきた。ライチョウの放つ「メガ・スパーク」も鍛えられた前線の二人には効果が薄く、オーウェンのリープスラッシュがとどめとなり、一行はライチョウを撃破した。ライチョウから取り返した剣を取り返した一行は石碑の場所へ戻ることに。剣を台座に突き刺したところ、一行の前に幻覚が現れた。そこには一人の少女と、少年。その少女は、今より少し若く見えるが、「案内人」によく似ていた。どうやら彼らは兄弟のようで、少年は「エンシス・レグナリア」と呼ばれていた。幻覚の写す光景は移ろいでいく。次に現れたのは、高貴な身なりの格式高い雰囲気を纏う女性。きっと彼女が"レグナリアの女王"なのだろう。彼女は、爵位を与える儀を行った。全員に儀式を終えると、一行は元の世界に戻っていた。一行が"案内人"に幻覚で見たことを伝えたところ、どうやら"案内人"は「エンシス・レグナリア」という名前について思い出せはしないものの、覚えがあるようだった。
一行は、ギルドへと帰還し、脱出したダンパンと祝杯をあげるのだった。
(第4回)
土砂降りに見舞われた一行。レティシアからもらったタオルで体をふきつつ、依頼を聞くことに。今回の依頼は、第四層攻略に加えてもう二つ。一つは副葬品の回収。もう一つは、悪夢の元凶の無力化。依頼主はザイールはどうやらその依頼主の名前に心当たりがあったようだ。早速その青年の家に向かうことに。貧民街の若者エリック、彼がどうやら悪夢に苛まれている当人であるらしい。曰く、急に悪夢を見始めるようになったようで、その原因は迷宮にある彫像であるという。情報を入手した一行は、第四層へと向かう。
第四層は、地下墓地になっていた。狭い土埃の目立つ室内に墓石がいくつもそびえ,冷えた風が不気味な様子を見せていた。一行が進んでいくと、そこには怯えた様子のギルが。どうやら彼は幽霊が苦手なようで、マッピングもままならなかったようだ。仕方なく未完成の地図を片手に南へ進む一行。ギルの話によれば、どこかにある幽霊たちの核を破壊できれば、何とかなるかもしれない、ということだった。そうして核を探して探索をしていると、部屋の奥からゴーストの大群が来襲した。ゴーストには通常の武器では効果がない。マティールのもつ銀の矢やオーウェンの真語魔法はあるものの、膨大な数のゴーストを前にして戦闘をしても不利になるだけだと判断した一行はすぐさま撤退し、ゴーストから逃げ切ることに成功。そのままゴーストたちに追われながらも、一行は祭壇のような場所にたどり着く。そこには禍々しいオーラを放つ彫像が鎮座していた。どうやら、それがエリックの言っていた悪夢の原因で間違いなさそうだ。一行は、像の正面に立ちふさがっていたスケルトンソルジャーたちに不意打ちを仕掛けることに成功した。オーウェンとザイールの魔法により、取り巻きのドライコープスたちは簡単に倒された。スケルトンソルジャーの全力の一撃も、キャサリンの鉄壁の前には有効にならず、撃破された。戦闘を終えた一行。一行は祭られていた彫像が「奈落の盾神イーブ」のものであることに気が付いた。しかし、その像は淀んだ魔力を放っており、異常な状態であることは明らかだった。ザイールを中心に像へ祈祷をささげると、魔力の放出は止み、像は何の変哲もないものへと変わった。サブミッションを達成した一行はそのまま道にそって進もうとするものの、続いていた部屋は腐肺病の瘴気が充満しており、一行の進入を阻んでいた。ゴーストに対処する手段を探し、幽霊に襲われながらも探索を続けた一行。その前に、第二層で出会った"薬師のイーラ"が姿を現す。彼女は、薬の材料探しから王宮の探索に来ているようだった。一行はイーラから「対瘴のマスク」を受け取る。彼女の話によれば、そのマスクで腐肺病の瘴気は無効化できるらしい。マスクを受け取った一行は先ほどの瘴気の部屋へ。確かに、マスクの効果は現れていた。部屋のなかにはゴーストたちがいた。しかし不自然なことに、ゴーストはこちらに気が付く様子はなかった。
よく見ると、幽霊は、一人のタビットの少女を取り囲んでいた。オーウェンはひどくその少女が気になった。なぜなら、その少女こそがオーウェンの探している妹マリーだったからだ。オーウェンはらしくもなく、動揺していた。だが、当然だろう。今自分の目の前で、大切な妹が死にかけているのだ。キャサリンの必死の静止も振りほどき、オーウェンは妹を守ろうとする。だが、こちらの存在に気づいたゴーストたちは徐々に近づいてくる。数は多く、武器も効かず、逃げることもできない。そんな危機的状況のなか、"案内人"はザイールに叫んだ。「その聖印、投げて!」ザイールは部屋の中央に飾られていた聖印を"案内人"に投げ渡す。彼女の手に聖印が渡るとともに、一行は再び幻覚を見る。それは、"案内人"が"レグナリアの女王"から聖印を受け取っている場面だった。幻覚が覚める。一行の前には、変わらずゴーストの群れ。だが、一つだけ違うことがあった。"案内人"のもつ聖印が光り輝いていたことだ。彼女は祈る。途端に一行の持つ武器に光が宿る。「さあ、反撃開始だよ!」彼女の言葉の通り、一行の武器攻撃がゴーストに効くようになっていた。それも、普段よりもずっと強力に。一行はその力でゴーストを一掃した。王宮に残っていたイーラにオーウェンの妹マリーを託して、一行はそのまま幽霊たちがあふれ出ていた部屋へと向かった。途中ゴーストが姿を現すこともあったが、一行のもつ祝福された魔法の武器を一瞥するやいなや、幽霊は恐れおののき姿を消した。死霊たちに襲われることもなく、一行は無事に目的地にたどり着く。その先に待ち構えていたのは、異形だった。おそらく、未練を残した魂が寄り集まって形作られたものなのだろう。それはうわごとのように「王家のものに、祝福を。」とつぶやいていた。立ちふさがる異形、「荒ぶる魂魄」はキャサリンに対してその剛腕をふるってきた。放たれた一撃はキャサリンの鉄壁に傷をつけるほどの一撃だった。
続けて放たれた不浄の息、これを前線のキャサリン、ザイールは耐えきった。マティールの放った矢、さらにオーウェンのリープスラッシュで弱っていた「荒ぶる魂魄」。「もうあの世に、帰りやがれ!」そう言い放って繰り出されたザイールの攻撃が決定打となり、異形は消滅した。
次の階層への扉も見つけ、帰還する一行。その帰り道、"案内人"は一行に告白する。
「思い出したの。私の名前は、"アンブロシア・レグナリア"。レグナリア王の、長女。」
彼女によれば、どうやら第三層で見た幻覚にいたエンシスという少年は彼女の弟らしい。
彼女は一行に頼んだ。「あなたたちは、この王宮に呼ばれている。どうか、お願い。最下層を目指して。」こうして、"案内人"、もといアンとともに一行は最深部を目指す決意を固めたのだった。
一行はギルドに帰り、受付嬢のレティシアにマリーの様態を訪ねる。受付嬢レティシアはオーウェンをギルド2階の部屋へ案内する。そこにいたのは、イーラとマリー。オーウェンは駆け寄り、訪ねた。「マリー。僕だよ。覚えているかい。」
だが、帰ってきた返事は残酷なものだった。「ああ、あなたはあのときの。助けていただいてありがとうございました、タビットの魔法使いさん!」イーラによれば、マリーはここ数年の記憶をなくしていた。あらゆる治療を試したが、効果はなかったようだ。そもそも、人の記憶とは未知の領域。どうしようもなかった。
しかし、彼女はオーウェンに告げる。
「静謐の王宮なら。尋常ならざるものが眠るあの迷宮なら、記憶を取り戻す方法が見つかるかもしれない。」「どうか諦めないでくれ。あの子たちと旅を。そして、薬の材料を手に入れるんだ。」

彼らの運命は、大きく動き出した。その先に待つものは果たして。

(第5回)
一行は旅立ちの前に、グランゼール内の巨大な女神像の前にやってきた。
いつからあるのか、何を祭るためのものなのかさえわからないこの像はグランゼールのシンボルの一つだ。運試しに、と女神像へコインを投げたマティール。コインはきれいに女神像の掌に収まった。何やらいいことがありそうだと感じた一行はそのままギルド『女神の微笑み亭』に向かうことに。
今回は第五層攻略に加えて、マギテック協会グランゼール支部会長の娘、アリス・カーバイトからの依頼と、お馴染みダンパンの救出依頼が舞い込んでいた。ダンパンの方はいつもの通りだとして、アリス・カーバイトからの依頼内容は、彼女の発明品<マジックディスチャージャーType-1>の使用テストだった。レティシアが一行に渡してきたのは銃のような形をした金属製の道具だった。メモ書きが付属してはいたが、「引き金を引くと魔法が飛び出るよ。」と簡単な文章しか添えられていなかった。
詳細不明の発明品に戸惑う一行だったが、マティールが<マジックディスチャージャーType-1>をレティシアから奪い取り、そのまま使用。すると、銃口から火球が勢いよく飛び出しそのままギルドの天井で爆発した。引火こそしなかったものの、直撃箇所には大きな爆破痕が残された。その様子を見ていたレティシアは机からメモ用紙を取り出すと、さらさらと何かを書き込んでいく。
「マティールさん、550G、っと。」
こうして、新たな負債を抱えたマティールを筆頭に、一行は王宮へと潜っていった。
第五層に広がっていたのは、市街地だった。アン曰く、レグナリアは裕福な者や教会に所属するものが住まう上層街と、主に一般市民の居住区となっている下層街に分かれており、第五層は下層街に瓜二つなのだという。北に進んだところ、第四層で一行が入手した対瘴のマスクを装着したギルがたたずんでいた。どうやら彼もマスクをイーラからもらい受けたようだ。彼が伝えてきたのは、二点。一つはこの階層には魔神たちが数多いること。もう一つは、ギルでも、ダンパンでもない、別の誰かがこの階層を探索しているということ。情報を手に入れて、一行は東へ進む。すると、その先にあった広場で魔神が何者かを襲っていた。一行が近づくと、魔神たちはその矛先を一行へ向けてきた。魔神たちの正体はエルビレアとアザービースト。出発前に願掛けをした影響か、今回は全員の調子がよく、手早く魔物を撃破できた。一行は、先ほど魔神たちに襲われていた人物を追いかけ北側へ。その者は見たところグラスランナーで、最初は一行を警戒していたもののザイールを一瞥した途端、明るく声を張り上げた。
「親分!」
そのグラスランナーの名前は、ピッチ。彼はザイールがかつて属していたゴロツキ集団の一人らしく、ザイールを非常に慕っている様子だった。しかし、彼は開口一番、ザイールに今のパーティーを抜けて自分たちのところへ戻ってくるように伝える。ザイールはやんわりと断ったものの、ピッチはまだ納得していない様子だった。マティールとひと悶着あったものの、安全のためピッチは一行についてくることになった。一行は、先走ってしまったマティールを追いかけることに。追いついたときには、マティールは部屋の中にあったレバーを引いてしまった。すると、南の方から駆動音がした。
音のした方向へ行ってみると、広場の先にあった門の仕掛けが一つ動いていた。どうやらあともうひとつ仕掛けを動かせば、扉を動かせそうだった。その仕掛けを探して、一行は南へ向かった。すると、その先にあった部屋からは物音が鳴り響いていた。その部屋にあったツボを壊してみると、おなじみのダンパンが飛び出してきた。どうやら魔神を恐れてずっとツボにこもっていたようだ。いつものようにダンパンを見送る一行だったが、別れ際にダンパンは「わしも、貴殿らのようであれば……」とこぼしていた。
ダンパンと別れ、再び大扉を開くためのレバーを探す一行。だが,道中でピッチはザイールに尋ねた。「親分。なんで、そんな神官のやつらのことに詳しいんすか?」
ザイールの返答にピッチは困惑する。「なんで、プリーストなんかになったんすか。なんか、変っすよ。あいつらとべたべたしてるし、神官になってるし。……あんたは、俺の知ってる親分じゃない!」ピッチはザイールの静止を振りほどき、先へ進んでしまう。ピッチを追う一行だったが、その先の瘴気帯で異変を感じた。確かに対瘴のマスクをしているはずなのに、なぜだか危険だと、体が訴えてくるのだ。戸惑う一行の前に人影が現れる。その正体はピッチだった。だが、どうにも様子がおかしい。呼吸が荒く、発話することさえまともにできていない。腐肺病に似た症状だったが、これまでのそれとは一線を画すほど重篤なものだった。ピッチを担ぎ、急いで入口に向かう一行は薬師のイーラとすれ違う。早速彼女は治療を始める。しかし、効果がない。彼女の手腕をもってしても効き目がないのだ。絶望視しかけたとき、マティールはとっさにアンに自分の力を使うよう伝える。剣のかけらを手にしたアンが心の底から祈ったとき、ピッチの症状は見る見るうちに和らいでいった。回復したピッチは、イーラに連れられて地上へと戻ることに。一行は入口に向かう際に見つけたレバーを起動させ、正門に向かう。
門の先にいたのは、一人の騎士だった。騎士は通すまいとでも言うように道をふさぎ、そのまま一行に切りかかってきた。騎士はキャサリンと同じく錬技の使い手だった。それら錬技を組み合わせた振り払うような剣撃は厄介だったが、前衛のキャサリンとザイールは難なく躱し、後衛の二人からの援護も合わせて撃破することができた。
一行が進んだ先は、教会のような場所につながっていた。壁を見ると、そこにはグランゼールのものと瓜二つな石像があった。アン曰く、物心ついたときにはすでに存在していたらしい。不思議に思いながらも,そのまま一行は地上に戻ることに。
(第6話)
ザイール、オーウェン、マティールの3人が『女神の微笑み亭』に向かっていると、3人はキャサリンが何か表彰を受けているのを見かける。 メダルを受け取っていたキャサリンに話をきくと、どうやら火災現場で人命救助をしたことを理由に感謝状をもらっていたようだ。 それを耳にしたマティールは、自分も表彰されたいといって火事が起きていないか探しはじめる。 少し不行儀なことを言うマティールを尻目に、一行は『女神の微笑み亭』へ。今回は珍しく、サブミッションの依頼はなかった。無いのならなら仕方ない、と『女神の微笑み亭』を経とうとする一行の前に立ちふさがる男が。男の名はエドワード・ジャッジ。曰く、グランゼールの官憲であるらしい。そんなエドワードは一行に衝撃の事実を伝えた。
なんと、マティールは強盗・殺人・放火・窃盗の容疑がかけられた極悪指名手配犯であるらしいのだ。確かに彼は「マティール」と書かれているように見える逮捕状を手にしていた。官憲は一斉にマティールへととびかかるが、これをすんでのところでかわしたマティールはそのまま逃走した。一行はマティールにかけられた容疑が本物なのか疑った。貧弱なマティールにそのような芸当ができようはずもないのだ。不審に思いつつも、一行は王宮の入口へ。着いたときにはすでにマティールもそこに逃走していた。
やってきたドラコとアンに不審がられるも、身に覚えがないと主張するマティール。早くも王宮暮らしを考え始めた彼だったが、ひとまずは攻略を優先することに。
第6層に到着すると、そこには一枚の扉とギルが。彼曰く、その先は教会と図書館が合わさったような場所になっているらしい。さらに不思議なことに、その階層では誰でも魔法文明語を理解することができるようだ。彼から地図を入手した一行は、扉を開ける。
その先には、荘厳な空間が広がっていた。目の前にあったのは巨大な祭壇。そこには胸に剣の刺さった人の彫刻と、
「太陽はのぼり、月はかがやく。天使の微笑みが照らすときに、剣を受けいれる者が真理への道を掴む。」
と刻まれた石碑だった。その文言が何を指すのかわからないまま、一行はその場を後にし、西側へ。ギルによれば。西側の本棚に薬に関する文献が集められていたそう。
妹の記憶を取り戻す手掛りを求めるオーウェンが本棚を調べていると、目を引いた本がいくつかあった。
  • 「エーメアの調合書 第3巻」
  • 「剣の神秘」
  • 「知られざる魔術」
  • 「調査記録」
と銘打たれたそれらを一行は読んでみることにした。
「剣の神秘」には、守りの剣と剣のかけらに関して言及がされていた。レグナリアでは現在も使われている守りの剣の製造がおこなわれていたらしく、剣のかけらが鉱石として産出されていたようだ。
「調査記録」はレグナリア内で発見された変死体とそれにまつわる謎の疫病「腐骸病」のことが記録されていた。どうやらこの「腐骸病」が以前ザイールの子分ピッチを苦しめた病であるらしい。記録を見るに,レグナリアの力をもってしてもどうすることもできなかったと伺えた。
そして「エーメアの調合書」には様々な薬のことが細かに記されていた。ひときわオーウェンの目を引いたのは"彼方からの呼び声"。服用すれば直近1日の記憶を取り戻すことができ、さらに龍の爪を用いることでその効果を向上させることも可能であるらしい。
薬の副作用に心配しつつも、オーウェンは「知られざる魔術」に目を通そうとした。
しかし、そこに書かれていたのはおぞましい魔術の儀式だった。どんなものかはわからないが、正気の沙汰ではないであろうものが。オーウェンはすぐさまページを閉じ、仲間から隠した。マティールはオーウェンがそこまでして見せないようにするその本に興味を示したが、彼のナップによって眠らされた。一行がその先の部屋に行くと、そこでは女神をかたどった石像が月の模様が彫られたレリーフを握っていた。石像の正面には「闇を恐れてはならない。闇の中にいるものにこそ、月の導きが伝わる。」という文言とともにいくつかのボタンが。
それぞれ
  • 太陽
  • 満月
  • 三日月
  • 半月
の意匠が刻まれていた。
ザイールは何かに気づいたようで、キャサリンとマティールに、部屋に置かれていた明かりを消すように指示する。その通りにすると,ボタンのうち三日月だけが暗闇のなかで発光していた。ボタンを押すと同時に石像が動き、レリーフを刻んでいた手を離した。こうして、一枚目の石板を手にした一行が部屋をあとにすると、そこにいたのは緑髪の男。男は自分を「アーロン・ノーダウト」と名乗った。どうやら、彼はこの階層の隠し部屋を見つけたようで、一行の力を借りたいのだという。怪しみながら、特にキャサリンは強く反対を示していたが、最終的には一行はそのまま彼についていくことに。
アーロンが本棚の一冊を傾けると、確かに新たな部屋が姿を現した。奥に見えるのは虹色のカーバンクル。多額の報酬金が得られるとみて、勇み足で走り出す一行。しかしそのとき、後ろからカシャンという音が響いた。
「バァ~~~~カ!」
なんと、アーロンが裏切ったのだ!
「俺はなぁ、お前みたいなやつが気に入らねぇんだよ。キャサリン・イーストン!」
驚く一行に対しアーロンは、「じゃあ,ミンチになってくれよ!」と叫び、仕掛けを起動させる。 すると、機械が稼働し部屋の両側から回転ノコギリが迫ってきた。アーロンはあざ笑うように高笑いを浮かべ、姿を消した。回転ノコギリの鋭い刃は徐々に近づいてくる。なんとかマティールが扉の解錠に成功し、一行は命からがら部屋から脱出する。
一行の前にギルが現れた。どうやらアーロンの姿を見たことで、心配になって様子を見に来たようだった。話によれば、かの男アーロン・ノーダウトは昔は凄腕パーティーの一員だったらしい。だが、一度のけがから仲間に裏切られ、そこから落ちぶれ、今のような荒んだ性格になってしまったようだ。非道の男、アーロン・ノーダウトの妨害を乗り越えた一行は東側の部屋の探索に移った。東側の部屋を探索していると、またもや目についた本が数冊あった。
  • 「レグナリア王国史 第1巻」
  • 「魔道具目録-1」
  • 「誘いの腕」
と銘打たれたそれらを、一行は手に取ることにした。
「レグナリア王国史」にはレグナリアの歴史が長々とつづられていた。レグナリア王家は、代々魔法の才が目覚ましく、特にレグナリア5世の息子と娘の力は特に強力であったらしい。また、王国には王家以外にも"教会"という勢力が存在していたようだ。その影響力は絶大であり、王に勝るとも劣らないほどであったとか。「魔道具目録-1」に記載されていたのは、とある魔法の道具だった。その名も「潔白の鏡」。悪意をもって人を殺めたものは、鏡に亡霊の姿が映るのだとか。もしかすれば、これを使ってマティールの無実を証明できるのではと思いついたオーウェンとザイール。しかし、肝心の保管場所がわからない。残された最後の1冊、「誘いの腕」をキャサリンが開くと、本のページから魔法の腕が飛び出し、彼女につかみかかってきた。振りほどくことには成功したが、いくらか力を吸い取られてしまったようだった。休憩して体力を回復した一行はその先の部屋へ。その部屋は一層明るくろうそくがともっており、中央にはレリーフを咥えた獣の彫像がそびえたっていた。石碑に刻まれた文言は、
「太陽に認められる術はただ一つ。己の力を示せ。覚悟のできたものは武器を構えよ。」。
一行が戦闘態勢に入ると、像の獣、ティダンズビーストが動き出し、襲い掛かってきた。牙を用いた連撃と、体から放たれる光の波動も耐えきり、討伐に成功。像は砕け散り、2枚目のレリーフ、太陽のレリーフを獲得した。西側の奥の部屋に入ると、そこには天使の像が水盆を抱えて鎮座していた。水盆には黒い液体がたまっており、マティールがすかさず口に含むと、突如悶絶しだした。どうやら液体の正体は、猛毒だったようだ。ザイールが調べると、碑文には
「天使の施しを得たければ、盆を空にせよ。これは神が汝に与えた試練である。その信仰心を示してみよ。天使は見ている。」と刻まれていた。
どうやら水を飲み干さなくてはレリーフを獲得できないようだった。ひとまず薬草でマティールを回復し、対策を考える一行。オーウェンがセンス・マジックで探知してみたところ、水と盆に魔法がかかっているようだった。ディスペルマジックで解除することに成功したが、見た目に変化はない。マティールは呪歌サモン・スモールアニマルを演奏し、小鳥を呼んだ。小鳥は水面で暴れ、そのまま絶命した。悩んだ末、水を掻き出すことに。マティールたちが水盆の水を外に捨てると、像の眼が怪しく光った。しかし、何かが起きる様子はなく、水のかさも減っていた。そのまま水を捨てていると、天使は掴んでいたレリーフを手放した。不思議に思う一行の隣で、アンは盆に手を触れ、一行に「盆には捨てられた水が戻る魔法がかけられていた。」と話す。どうやら、オーウェンのディスペル・マジックによってそれが解除され、飲まずに捨てることが可能になったようだ。祭壇に戻り、3枚のレリーフをはめ込んでみた一行。はめるごとに月と太陽のステンドグラス、天使の像が現れたが変化がない。
「引いて駄目なら押してみろ!」というアンの助言通りに女神像に刺さっていた剣を押し込むと、一行の立っていた祭壇がそのまま下降を始めた。その下にあったのは、暗く、冷気に満ちた空間だった。アンも知らないようなこんな場所がどうしてあるのか。

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最終更新:2023年04月09日 20:47