基本情報


  • GM:勇気ある子供達
  • PL:aldean、たけのこ、理、十水
  • 使用ルルブ:基本ルールブック、上級ルールブック、諜報の書
  • 日時:毎週木曜日19時~


練習回(第1,2回)

  • シナリオ:「花はひとり、静かに散る」(komai様作)
  • PC一覧

+ 完全の魔術師|ナハイベル・グラール
 PL:理
 PC:ナハイベル・グラール


 系譜:助言者
 原理:世界をキャンバスに自分の価値観を表現したい
 出自:イツワリ事件での被害者
 偽装:石油王
 外見年齢:9
 キャラクターメモ

+ 時間の魔術師|エレノア・アークホワイト
 PL:十水
 PC:エレノア・アークホワイト


 系譜:追及者
 原理:自分を狂人扱いした無能を見返す
 出自:イツワリ事件での殺人犯
 偽装:小国の王族
 外見年齢:8
 キャラクターメモ
 イツワリ事件に巻き込まれた際、周囲に狂人扱いされ塔に幽閉された経験を持つ。非常にプライドが高く、誰かに馬鹿にされると逆上しやすい。

+ 加速の魔術師|アクス アクセラレート
 PL:たけのこ
 PC:アクス アクセラレート


 系譜:追及者
 原理:愚民
 出自:元人間が突然魔術師に覚醒
 偽装:小国の王族
 外見年齢:20(本当は20000歳)
 キャラクターメモ


+ 選択の魔術師|ジェイコブ・モリア
 PL:aldean
 PC:ジェイコブ・モリア



 立ち絵ライセンス
  作者:Carlmary
  URL:https://carlmary.jp/gallery/materials-300/
 系譜:破綻者
 原理:観察
 出自:機関製造の人造魔術師
 偽装:指導者を影で操る黒幕
 外見年齢:42
 キャラクターメモ


  • 結末
+ ネタバレ注意
  • ナハイベルグラール (理)
静の婚約者のもとに赤紙が届いた
それは戦死を暗示していた

  • エレノア・アークホワイト (十水)
静の亡骸の傍らに落ちていたエスの許諾書。
それを見たときから蓬莱の心は歪んでいった。
日に日にやせ細っておく娘。それを心配した両親は無断で結婚の話を進めていく。
突然の婚姻話を聞いた時、蓬莱の頭に天啓が舞い降りた。
隠し通路を静かに歩きながら殺害現場となった時計塔に向かう蓬莱。
そして時計塔のへりに手をかけ、こう呟いた。
「また会えるわね、静」
少女の小さな体はゆっくりと、花が散るように墜落していった

  • アクス アクセラレート (たけのこ)
蓬莱千華子の身体が地に堕ちる寸前、彼女の瞼に映っていたものは何だったのであろうか。
彼女が想いを寄せていた彼女の笑顔か、はたまた時計台の下で事切れていたその顔か。

  • J・モリア(aldean)
目の前で墜落したシズ。そして、チカコ。さゆりは「死」を見た。
彼女の無垢な瞳に、羨望と憧憬が写る。
「もう一度……」
新たな伝説が創造されるまで、時間はかからない。
時はめぐる。歴史は繰り返す。


キャンペーン


  • PC一覧
+ 逃走の魔術師|那須出成/ベナス・ディナール
 PL:理
 PC:那須 出成/ベナス・ディナール


 立ち絵ライセンス
  作者:Carlmary
  URL:https://carlmary.jp/gallery/materials-300/
 系譜:提唱者
 所属:無色の片翼
 原理:実は機関とコトワリシステムの破壊する方法を探っている
 出自:正当継承:イツワリ討伐者
 偽装:神出鬼没のご隠居
 外見年齢:29
 キャラクターメモ
 かつては闘争の魔術師と言われ、イツワリ討伐に昔から参加していた。
 その頃は世間や魔術師の中でもよく交流していた。
 しかし、コトワリ機関との事件をきっかけに世間からも魔術師からも一度距離をおいた。
 コトワリ機関に対し、報復をするため実力で評価される「無色の片翼」に参加した。

+ 虚像の魔術師|フランツ・ルンペルシュティルツキン
 PL:十水
 PC:フランツ・ルンペルシュティルツキン



 系譜:契約者
 所属:蒼の法廷
 原理:善意
 出自:古い魔術道具が具現化
 偽装:書記官
 外見年齢:12
 キャラクターメモ
 魔術師である裁判官が使っていたルーペに発生した付喪神。現在は魔術師としてイツワリ事件を解決している。偽装時は書記官として裁判官を補助する仕事を行なっている。ルーペだった頃から様々な事件を見てきたため、人の心理に興味を持っている。元人間である裁判官の「悲しむ人を一人でも減らす」というモットーに共感して、人間界のために事件解決を目指す。真面目で積極的に謎を解こうとするが、人間の文化に詳しくないため世間知らずの行動を取ることが多い。


+ 封印の魔術師|フェルノ・フォアストール
 PL:たけのこ
 PC:フェルノ・フォアストール


 系譜:守護者
 所属:深紅の戦斧
 原理:秩序を乱すイツワリも魔術師も一切許さない
 出自:イツワリ討伐者元人間の神秘主義者
 偽装:神出鬼没の正義の味方
 外見年齢:19(自称19000歳)
 キャラクターメモ
 焔を自由自在に操る魔術師。この街の平和を守るため、今日も正義を執行中!

+ 裁定の魔術師|ダイモニア・I・C・エストブール
 PL:aldean
 PC:ダイモニア・I・C・エストブール


 立ち絵ライセンス
  作者:Carlmary
  URL:https://carlmary.jp/gallery/materials-300/
 系譜:逆境者
 所属:黄金の六分儀
 原理:事件を読み解き真相を明らかにするゲームを楽しんでいる
 出自:古い魔術道具が具現化
 偽装:IT企業の社長
 外見年齢:32
 キャラクターメモ
 「ゲームに一番大事なものは何だと思う?
そう、
       秩序〈ルール〉
                  さ。」

フルネームは「ダイモニア・イングリス=カーディフ=エストブール〈Daemonia Ingris=Cardiff=Estboole〉」。
古き魔術道具「賽」が具現化した存在。世界を遊戯と捉えるが、秩序〈ルール〉を乱すものを許すつもりはない。乱数は「運命」ではなく、世界による「裁定」として信奉している。
遊び人に見られがちだが、やることをきっちりこなす真面目なやつ。



第1話(第3,4回)

  • シナリオ:「死は鉄橋を渡る」(『永劫の書』掲載サンプルシナリオ)
+ 秘密の使命
・那須 出成/ベナス・ディナール
  指令内容:1億円以上の現金か相当の品が存在するという偽証を登録せよ
  栄光:+3

・フランツ・ルンペルシュティルツキン
  指令内容:偽証を5つ以上破棄せよ
  栄光:+5

・フェルノ・フォアストール
  指令内容:大量の死や流血を伴う事故につながる偽証を登録せよ
  栄光:+4

・ダイモニア・I・C・エストブール
  指令内容:第一発見者が犯人であることを示す偽証を登録せよ
  栄光:+3


+ 偽証
・序盤
  ・那須 出成/ベナス・ディナール
   【公開条件】 なし
   【配置】鉄橋
   【内容】戦前の頃はG県は栄えており、地域の急速な発展の寄与により大きな文化的な価値がある韮山反射炉や富岡製糸所とかと同程度
   【獲得魔力】?1
   【栄光】1

  ・フランツ・ルンペルシュティルツキン
   【公開条件】 なし
   【配置】天竜始
   【内容】天竜始は静岡県出身
   【獲得魔力】?1
   【栄光】1

  ・フェルノ・フォアストール
   【公開条件】 なし
   【配置】1両目と2両目の間
   【内容】列車間のジョイントが外れかかっていた。
   【獲得魔力】黒1
   【栄光】1

  ・ダイモニア・I・C・エストブール
   【公開条件】 なし
   【配置】血痕
   【内容】利根隆一は血痕のついたハンカチを隠している。
   【獲得魔力】?1
   【栄光】1

・中盤
  ・那須 出成/ベナス・ディナール
   【公開条件】 なし
   【配置】筑後くめ子
   【内容】家宝を借金のかたに天竜始に差し押さえられている
   【獲得魔力】全1
   【栄光】2

  ・フランツ・ルンペルシュティルツキン
   【公開条件】 なし
   【配置】天竜始
   【内容】天竜始は「さわやか」で並んでいる列に横入りしたことがある
   【獲得魔力】全1
   【栄光】2

  ・フェルノ・フォアストール
   【公開条件】 なし
   【配置】天竜始の死体
   【内容】天竜始の荷物には一部使われた爆弾がある
   【獲得魔力】赤1
   【栄光】2

  ・ダイモニア・I・C・エストブール
   【公開条件】 5/5
   【配置】利根隆一
   【内容】利根隆一は天竜始を憎んでいる。
   【獲得魔力】黒1
   【栄光】2

・終盤
  ・那須 出成/ベナス・ディナール
   【公開条件】 6/6
   【配置】天竜始の死体
   【内容】天竜始は稼いだお金で純金製の巨大なネックレスを付けている
   【獲得魔力】全2
   【栄光】3

  ・フランツ・ルンペルシュティルツキン
   【公開条件】 なし
   【配置】天竜始の死体
   【内容】天竜始の死体のこめかみには撃たれたような穴が空いている。
   【獲得魔力】全2
   【栄光】3

  ・フェルノ・フォアストール
   【公開条件】 なし
   【配置】注射器
   【内容】紫色の液体が入っている。
   【獲得魔力】?2
   【栄光】3

  ・ダイモニア・I・C・エストブール
   【公開条件】 7/7
   【配置】利根隆一
   【内容】利根隆一は拳銃を所持している。
   【獲得魔力】全2
   【栄光】3


  • 結末
+ 栄光順位
1.フェルノ・フォアストール
  11=7(表の栄光)+2(中盤偽証)+2(指令一部達成)

2.フランツ・ルンペルシュティルツキン
  10=7(表の栄光)+3(終盤偽証)

3.那須 出成/ベナス・ディナール
  9=3(表の栄光)+3(終盤偽証)+3(指令達成)

4.ダイモニア・I・C・エストブール
  7=1(表の栄光)+4(序盤,終盤偽証)+2(指令一部達成)


+ 結末魔法
・フェルノ・フォアストール
 かくしてこの事件は、天竜に恨みをもった信濃京太郎が天竜を殺害する、という極めてありふれた結末で片付けられた。
 それはそれとして、この電車は数分後に爆発する。

・フランツ・ルンペルシュティルツキン
 「この死体おかしくないか?」
検死の報告書を見た久龍十和郎は呟いた。

今回の黄李園鉄道殺人事件では調査開始前に起こった謎の爆破によって死体がひどく損傷していた。しかし、本当にそれだけなのか?天竜のこめかみには弾丸が貫いた穴が空いている。そしてその付近にはやけど痕がついている。見えづらいが、これは爆発によってついた損傷の下に存在していた。ならば至近距離、いや銃をこめかみに接触させていないとできないはずだ。犯人である信濃一人にそんなことが出来たと思えない。いまだに凶器の拳銃が見つからないのも不自然だ。この事件にはまだ何かがある。そう考えた彼は独立して行動を始めた。それは何とも無垢な正義心から始まったものだった。

その場に居合わせた人々の調書を詳しく読む内に十和郎は気が付いた。吉野が被害者にスプレーを吹きかけ、筑後が草刈鎌で被害者の足を引っかけ、木曽がメスを突き刺し脅す。そして、その3人が協力して天竜をおさえつけたとしたら?これなら不自然なやけど痕の説明がつく。つまり今回は信濃を含めた4人の共犯だったのだ。でも肝心な拳銃の謎はいまだ解けない。悩んだ彼は事件の第一発見者、利根刑事に連絡を取った。幸い彼は調査協力を快諾してくれたため、すぐに話を伺う日程を調整した。そして利根に会いに行くことになっていた日の朝、十和郎は上司に呼び出され……所轄への配属を命じられた。上司曰く経験を積ませるためだそうだが、要は失脚であった。失意の中、彼は考え続ける。タイミングが良すぎないか、と。彼はある疑念を抱き始めていた。


「……もしもし?ああ、例の新人についてですか。所轄へ、ね。それはありがたいです。いえお礼なんてそんな。僕はただ彼らに恨むべきは誰かを教えただけですよ。少し”協力品”もお貸ししましたが、その程度です。結果的に何故か人が亡くなり、その男が法で裁けない罪を犯していた……それだけですから。はい?ああ、確かに彼の処分は時期尚早だったかもしれませんね。しかし、これで良いのですよ。今回は”警告”、そして”ヒント”ですから。ええ、もちろん抜かりはないですよ。ただ試したいのです。彼が一体どこまでたどり着けるか。暇つぶしに丁度良いでしょう?他に連絡がなければ、これで。はい。では」

右手で拳銃を弄びながら利根隆一は呟いた。
「君には期待してるよ、久龍十和郎くん?」



第2話(第5,6回)

  • シナリオ:「ブルータス、お前かも?」(『諜報の書』掲載サンプルシナリオ)
+ 秘密の使命
・那須 出成/ベナス・ディナール
  指令内容:フェルノ、フランツを死亡させない
  栄光:+2

・フランツ・ルンペルシュティルツキン
  指令内容:偽証を5つ以上破棄せよ
  栄光:+3

・フェルノ・フォアストール
  指令内容:ポルキアが犯人となる調書を完成させよ
  栄光:+3

・ダイモニア・I・C・エストブール
  指令内容:アウグストゥスが犯人となる調書を完成させよ
  栄光:+3


+ 偽証
・序盤
  ・那須 出成/ベナス・ディナール
   【公開条件】なし
   【配置】死体、凶器
   【内容】それぞれの剣は赤、青、黄、緑のべた塗がされている
   【獲得魔力】全1
   【栄光】1

  ・フランツ・ルンペルシュティルツキン
   【公開条件】なし
   【配置】ブルータス
   【内容】ブルータスは事件の前日カエサル渾身のギャグに「今ギャグしました?あっすいません。ものすごくつまらないので独り言かと思いました」と言って、カエサルをひどく傷つけた。
   【獲得魔力】全1
   【栄光】1

  ・フェルノ・フォアストール
   【公開条件】なし
   【配置】予備の短剣
   【内容】予備の短剣には、トリカブトから採取された毒素が付着していた。
   【獲得魔力】全1
   【栄光】1

  ・ダイモニア・I・C・エストブール
   【公開条件】なし
   【配置】短剣
   【内容】短剣は黄金でできている。
   【獲得魔力】全1
   【栄光】1

・中盤
  ・那須 出成/ベナス・ディナール
   【公開条件】なし
   【配置】ヤンデレ、ツンデレ
   【内容】この時代の恋愛ものは数少ない娯楽であり、趣味嗜好で抗争が起こることは多かった
   【獲得魔力】全1
   【栄光】2

  ・フランツ・ルンペルシュティルツキン
   【公開条件】2/2
   【配置】カエサルの死体
   【内容】深い刺し傷は腹、背中、右腕の三か所に存在する
   【獲得魔力】?1
   【栄光】2

  ・フェルノ・フォアストール
   【公開条件】なし
   【配置】劇場客席の壁
   【内容】壁に65537回体当たりすると壁を抜けることができるらしい。
   【獲得魔力】赤1
   【栄光】2

  ・ダイモニア・I・C・エストブール
   【公開条件】
   【配置】アントニウス
   【内容】アントニウスはカエサルに殺意をもっている。
   【獲得魔力】全1
   【栄光】2

・終盤
  ・那須 出成/ベナス・ディナール
   【公開条件】なし
   【配置】ブルータスの動機
   【内容】カエサルがポルキアに手を出したことを怒っている
   【獲得魔力】全2
   【栄光】3

  ・フランツ・ルンペルシュティルツキン
   【公開条件】なし
   【配置】カエサルの死体
   【内容】カエサルの指に紙で切ったような切り傷がある
   【獲得魔力】全2
   【栄光】3

  ・フェルノ・フォアストール
   【公開条件】なし
   【配置】毒のついた剣
   【内容】先端が黒く変色している。
   【獲得魔力】赤2
   【栄光】3

  ・ダイモニア・I・C・エストブール
   【公開条件】
   【配置】カエサルの死体
   【内容】箪笥の角に小指をぶつけた跡がある。
   【獲得魔力】全2
   【栄光】3


  • 結末
+ 栄光順位
1.フランツ・ルンペルシュティルツキン
  19=10(表の栄光)+6(偽証全部)+3(指令達成)

2.ダイモニア・I・C・エストブール
  12=5(表の栄光)+4(序盤・終盤偽証)+3(指令達成)

3.フェルノ・フォアストール
  2=2(表の栄光)

3.那須 出成/ベナス・ディナール
  2=1(表の栄光)+1(指令一部達成)


+ 結末魔法
・フランツ・ルンペルシュティルツキン
 魔力譲渡

・ダイモニア・I・C・エストブール
 「「「「背信者に死を!裏切り者に鉄槌を!」」」」

「くっ、ブルータス、お前もか……!」

そして、英雄 カエサルは凶刃に散った。


娯楽、風俗、その中心にあるのはいつの時代も人々の恋愛模様。
器量の良い女――ときには男――の価値基準は、争いの種にすらなる。

古代ローマ帝国ですらそれは変わらない。
突然降って湧いた新しい概念に貴族たちは熱狂の渦に包まれていた。
「つれない異性が時を経て好意を見せるようになる姿」
「他者の前ではつれない振る舞いをするが、二人きりでは蕩けるような姿を見せる」
「羞恥のためつれない素振りをするものの垣間見える隠した好意」
すなわち、――ツンデレ。
それと同時に、元来あった偏執的な愛もまた、新たな概念――ヤンデレ――へと羽化していた。


「彼奴は、英雄だ。しかし、だからこそ『背信』を許すわけにはいかぬ。」

「然り。このままでは奴らの台頭を許すこととなる。」

「彼の者に『処罰』を。」

「是」


かくして、英雄は討たれた。
独裁を止めるために身をなげうった副官、デキムス。
愛する女を独占することを望むヤンデレ、アントニウス。
貞操を守り女性の人権のために戦うフェミニスト、ポルキア。
英雄願望の三枚目、ブルータス。
そして、ツンデレ過激派筆頭、アウグストゥス。

カエサルがヤンデレに触れたとき、賽は投げられたのだった。



第3話(第7回)

  • システム:屁理屈推理合戦
  • シナリオ:「桜の樹の下には」(いふぁ様作)

第4話(第8,9回)

  • シナリオ:「破戒の箱庭で」(『永劫の書』掲載サンプルシナリオ)

+ 結末魔法
・那須 出成/ベナス・ディナール
 この事件を報じた記者によると、多くの死体や犠牲は出たものの地域でのけものにされている老害と呼ばれている者たちがほとんどでかえってその地区は平和になったといわれている。

・ダイモニア・I・C・エストブール
 魔力譲渡

・フランツ・ルンペルシュティルツキン
 イツワリ崇拝教団は消滅した……かに思われた。
生き残った少年、そして新たな教祖である米田少年は教団を再生させる。
彼は黒照になったときに、「調和」を知った。
世界に調和を広めるために、教団の活動を活発化されていく。
はじめは世間から冷遇されていた。調和を目指して「ゆるし」を与える教団なんて馬鹿馬鹿しい、と。
しかし、徐々にその勢力は拡大していく。まるで、世界が一つになっていくように。
今や新・イツワリ教団は大企業や政府を陰で牛耳るほどだ。
しかし、誰一人、それこそ黒照になった米田でさえ。
大いなる歪みが世界に広まりつつあることを知らない。

・フェルノ・フォアストール
 魔力譲渡


最終話(第10,11回)

  • シナリオ:「鏡の中のあなたへ」(自作シナリオ)

+ キャスト
  • 一条 静乃
 一条家の一人娘で跡取り。

  • 神田 双葉
 一条家の屋敷に住んでいる女性。

  • 小駒 陽子
 一条家で召使いをしている女性。

  • 一条 香織
 一条文哉の妻。

  • 一条 文哉
 一条家の当主。

  • 森上 恭平
 事件の日の一条家の門番。

  • 一条家の使用人たち


+ 事件報告書
 20xx年7月3日、それは一条静乃にとってとても退屈な一日だった。朝から多くの人が静乃の住む屋敷を訪れて、彼女に挨拶をして、自分たちの芸を見せたのだ。なぜならその日は静乃の9歳の誕生日だったから。しかし、彼女にとってそれは少しも面白いものではなかった。彼女に対する様々な賞賛の言葉も、与えられる品々や美しい芸術も、彼女の興味をそそることはなく、ただ大して知りもしない大人たちに囲まれて愛想笑いをしていなければならない、とても退屈な日だったのだ。

<ザザッ……>
 豪勢な夕食が終わり、自分の部屋に戻った静乃は溜息をついた。
 使用人たちも忙しくて手が回らなかったのだろうか、冷えた部屋でストーブをつける。いつものようにぬいぐるみを手にして鏡の前に座った。
 「ねーもう聞いてよ!今日本当に退屈だったんだよ!」
 頬を膨らませれば、鏡の中の少女は苦笑を返した。
 『しょうがないよ、みんなあなたのことを祝いたいんだから。』
 「違うよ、別にあたしじゃなくてもいいんだよ。お父様と仲良くなりたいだけなんだから。」
 『そんなこと言って…でも色々もらえたんじゃないの?』
 静乃は自分に贈られたプレゼントを思い出して首をかしげた。
 「確かにいろいろもらったけど…。でもあんなの、何がいいのか全然わかんないよ。お父様とお母様はよかったねっていってたけど、それならもっとお外に行かせてくれたほうがずっとうれしいのに。」
 『お父様もお母様も心配性だからね。でもあなたが外へ出て行っちゃったら、私とはあんまり遊べなくなっちゃうかな。』
 その言葉に静乃は慌てたように言った。
 「そんなの嫌だよ!それだったらずっとお外なんて出られなくていいもん!」
 そうして何かに気が付いたかのようにはっとすると、
 「そうだ!あたしがそっちにいけばいいんだ!そうすればずっと一緒に遊んでられるよね?」
 と目を輝かせた。
 鏡の中の少女はその言葉に驚いた様子だったが、すぐにうれしそうに笑った。
 『いいの?あなたが来てくれるなら、私すっごくうれしい!』
 喜ぶ鏡の中の少女にこたえるように、静乃はその手で鏡に触れる。
次の瞬間、鏡の中から伸びてきた二本の腕がその手をつかんだ。二本の腕にひかれるように鈴乃の体からずるりと半透明な少女が飛び出し、鏡の中へと引きずり込まれていった。
 後に残ったのは力の抜けた少女の体。その体さえも、しばらくのちに二本の腕によって鏡の中に引きずり込まれてしまった。
<ザザッ……>

 すぐに屋敷の中は騒然とした空気に包まれた。
 一条夫婦の寝室に駆け込んだ小駒陽子は、静乃の寝室に行ったら静乃が鏡の前で倒れていたのだと語る。息がなかったと言う陽子に連れられて一条夫婦が静乃の寝室に向かうと、そこには静乃の姿はなかった。騒ぎにつられてやってきた神田双葉や使用人たちも加わり皆で静乃の姿を探すが、屋敷内のどこにもその姿を見つけることはできなかった。
 行方不明事件としてやってきた警察の事情聴取に対して、陽子は「倒れている静乃を見つけたとき、部屋の中にもベランダにもほかに人はいなかった。」と語った。また、夕食後しばらくの間一条夫婦は二人とも寝室で寝ており、使用人や双葉は夕食の片づけをしていたと言っていた。屋敷の唯一の出入り口の見張りをしていた森上恭平は、夕食の時間後に屋敷から出たのは一条文哉のみであると証言した。


+ 結末魔法
・那須 出成/ベナス・ディナール
 この事件の成功で睡眠薬がうまくいくことを知った双葉はこの睡眠薬を使って金儲けしようと思いました。この薬はよく効くので近くの街では乱用する者も現れ、無力になっていく人々も出てきました。彼らは何も前触れもなく行方不明になっていき、ちょうどその事件のように死体のない事故がいくつも街で報告されました。

・ダイモニア・I・C・エストブール
 彼女――神田 双葉――は許された。
いや、ただ忘れられただけだった。

実母――小駒 陽子――は不貞の罪で放逐され、一条夫婦は離婚。
一家離散の中、商売に成功した彼女を見るものは誰もいなかった。
父も、母も、家族同然の使用人も、ただただ彼女を忘却へと追いやった。

豊かな財産を得た彼女の人生は勝利と思われた。
しかし、彼女の行く道は常に陰――孤独――がまとわりついていた。

・フランツ・ルンペルシュティルツキン
 双葉はひょんなことから美麗な少女と出会う。資産家の私生児として虐げられていた彼女。その境遇に共感して、双葉は少女を自分の養子として引き取った。笑顔の少なかった少女が徐々に笑顔を取り戻すたび、双葉は自分の過去が許されているような感覚を覚えた。
しかし、ある日悲劇が訪れる。少女がとある病の手術を受けた際、亡くなってしまったのだ。当然双葉は怒り狂った。なぜあの子が死ななくてはならなかったのか。烈火のごとく病院に追求した。その結果、手術を担当した主治医がある事実を明かした。「実は……数年前に開発されたという麻酔薬を用いたんです。それが患者様の体に合わなかったようで。この度は本当になんと申し上げたらよいか……専門的なことはここに記しておきます。お読みください」。そうして医者から手渡された紙に書かれていた麻酔薬は、なんという皮肉な運命だろう。双葉が静乃を殺すために開発し、多くの人々を中毒に陥れた”あの”睡眠薬であった。

・フェルノ・フォアストール
 双葉は、娘のように育てた娘を失ったショックで全ての記憶を無くしてしまった。家に保管されていた金銀財宝を売ることでなんとか食いつないできたが、やがて限界が来て職を探す他なくなった。
職を求めて街を歩いていると、幸運にも探偵事務所で働かせてもらえることになった。そうしていくつか依頼をこなしていると、とある依頼に目が止まった。屋敷で白骨死体が見つかったそうだ。
依頼解決のため屋敷に繰り出すと、何故かどの光景にも既視感を覚えた。件の白骨死体を目にした途端、この手で殺めてしまった少女のことから、その後の凄惨な記憶に至るまでの全てを思い出した。思い出してしまったのだ。

双葉が帰ってこないことを疑問に思った同僚が屋敷に足を踏み入れると、鏡の前には変わり果てた姿の双葉が突っ伏していた。その顔は苦悶に満ちていた。


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最終更新:2023年11月25日 01:11