名前:ライナ・リンベル
種族:人間 年齢:41歳 性別:女
身長:162cm 体重:45kg(最後に量ったのは20年前)
髪:白銀(出奔時は赤毛染) 肌:褐色 瞳:黒
因果律 過去:裏切り 現在:贖罪 将来:融和
[ウェントス]—[コロナ]—[ステラ]

【性格】
理性 □■□□□ 感情
狡猾 ■□□□□ 純真
秩序 □■□□□ 自由
作戦 ■□□□□ 戦闘
冒険 □□■□□ 恋愛
 本人は「冷静&理知的な領主」を装っているつもりだが、内側に秘めた情念を隠し通せず、いざ何かを語り始めると感情的になるクセがある。
 配下の者達や街の人々に対してはラフな口調で話すことが多いが、外交時には一転して「儀礼モード」に切り替わる。

【経歴】
 1027年、ライトプレイリーの先代領主レオナルドの娘として生まれるが、妾腹であり、兄弟も多かったため、家の中ではあまり父親に目をかけられることもなく、自由奔放に育ち、外の世界に強い興味を抱くようになる。
 1043年、16歳にして聖痕に目覚めたことを契機に、出奔を決意。身分を隠し、髪を染め、「赤毛のクラッチーナ」の偽名を用いて各地を放浪した末に、刻まれし者達の集団である「BB(Blade Bind)旅団」と出会い、その一員に加わる。やがて団員の一人であったハリーと結ばれ、1045年には娘・フローラを出産。
 しかし、ちょうどその頃、故郷において父と兄弟達が「謎の奇病」で次々と急死し(毒殺という説もある)、後継者不在の状況に陥ってしまう。近親者の中で唯一生き残ったのは、ライナの歳の離れた従弟(父の妹リプシーとロッテリバー子爵の次男マーズの間に生まれた息子)のシュンスであったが、この時点で彼はまだ4歳で、家を任せられる状態ではなかったため、家臣達は総力を上げてライナの行方を追い、その所在をつきとめることになる。
 当初は、彼等からの帰還の申し出を断ったライナであったが、このままでは隣街の領主の(父レオナルドの義理の従兄にあたる)ネッツ・ナーベンにライトプレイリーが乗っ取られるかもしれない、と聞かされ、やむなく「シュンスが成人するまで」という約束で領主を引き受け、その間は娘を夫と旅団の仲間達に預けることにする。建前上、夫と娘の存在は伏せることになったが、あくまで彼女自身としては、引退後には「赤毛のクラッチーナ」として旅団に戻るつもりであった。
 ところが、その6年後(1051年)、BB旅団が謎の殺戮者との闘いで壊滅した、という情報が彼女の耳に届くことになる。偶然にも、フローラは宿屋に預けられていたため難を逃れており、行く先の無くなったフローラを、ライナはやむなく引き取ることになる。
 ただし、自分の娘として育てると、彼女もまた後継者候補として「家」に縛られることになるため、あくまでも「一人の孤児」として育てることを決意する(フローラには「お前の母親のクラッチーナは病死した」と伝えた)。成人後には、いつでも好きな時にこの国を出ていけるように、という配慮であったが、そんな母の思惑を知らない娘は、あろうことか自ら志願して士官し、数年で騎士隊長の座まで上り詰めることになってしまう。
 一方、当初はライナの後継者となる筈だったシュンスであったが、彼の才覚を見込んだロッテリバー子爵オリオンVII世が、彼をライトプレイリーに渡すことを惜しみ、自身の後継者に指名してしまう。当初はこれに強く反発したライナであったが、最終的には「シュンスの第一子を次期ライトプレイリー伯爵とする」という条件で妥協する。既に夫も仲間も亡くした今のライナにとって、唯一遺された娘が留まり続けているこの街を守ることが、新たな生き甲斐となりつつあったため、シュンスの息子が成人するまで領主を続けることくらいは、許容可能な話であった(しかし、家臣達を安心させるために、シュンスには早く身を固めるように促している)。
 また、それに加えて、ライナには今の職務を放棄出来ない理由がもう一つあった。それは、BB旅団時代の姉貴分的存在だったクラウディオス伯爵夫人の令嬢・シャルローネの存在である。傭兵として鍛えて欲しい、という恩人からの要望で引き受けた以上、彼女が目標とする「ホーリーガード」の称号を得て本国に帰還するまでは、彼女の保護者代理として最後まで見届ける責務があると考えていたのである。貴族の家に生まれながらも、傭兵として戦う気概を見せる彼女に、どこか若い頃の自分を想い重ねているのかもしれない。自分が家を捨てることで出会った人々との縁が、自分をこの街に縛り付ける理由になってしまうとは、彼女にとってはなんとも皮肉な誤算であった。
 そして誤算と言えばもう一つ、シャルローネと共にこの国を訪れた[PC2]の存在もまた、彼女にとっては大きな誤算であった。というのも、実は彼は23年前(1046年)、ライナがBB旅団を去る直前の頃、彼の故郷の森で遭遇した殺戮者との闘いにおいて共闘した過去を持つ旧い戦友であり、彼女とフローラの関係を知る人物でもあったのである。彼を通じて、フローラが自分の過去を知ってしまうことに戦々恐々としつつ、この奇妙な出会いと再会の巡り合わせには、きっと何か特別な意味があるのだろう、という漠然とした予感を、ライナは心のどこかで抱いていた。

【PCとの関係】

●シャルローネとの関係
 当初は「恩人の娘」であるが故に渋々預かったものの、今では街を代表する傭兵にまで成長してしまった彼女の才能に驚嘆している。ただ、その純真な心故に「為政者には向かない」とも感じており、スタークベルグに返して後継者候補とするのではなく、何らかの形で別の人生を与えてやりたいとも思っている。それは、過去の自分が果たせなかった夢を彼女に託したい、という気持ちの表れなのかもしれない。
「オリヴィニス様の御令嬢とはいえ、ここでは特別扱いは出来ませぬぞ。傭兵として使えないと判断したら、すぐに御帰国頂きます」
「貴族に産まれた者として、『家』の絆は確かに大切。だが、人は時として、それよりも更に大切なものに出会ってしまうこともある。そうなった時に、どちらを選ぶにしても、後悔だけはされぬようにな」

●[PC2]との関係(まだプレイヤーと未相談なので、あくまで仮案)
 23年前に初めて出会った時、ライナは彼をBB旅団へと勧誘したのだが、彼はそれを断り、従来の自分の生き方を全うすると告げた。そんな彼の姿勢に、当時のライナは憧れや尊敬に近い念を抱いていたのだが、その彼が2年前にシャルローネと共に現れた時には、彼の中に起きた心境の変化に驚きつつ、自分がまっとう出来なかった「心に決めた誰かのために捧げる人生」を、彼には貫いてほしいと思っている。
「我等があれだけ誘っても応じてくれなかったというのに……。まったく、罪な女だのう、あの御令嬢は」
「フローラには、絶対に真実を伝えてはならんぞ。彼女には、お主のように自由に生きて、その上で自分の道を探してほしいのだ」

●フローラとの関係
 実の娘ではあるが、自分が「夫と娘」よりも「実家」を選んだことへの背徳の念から、自分には「母」と名乗る資格はないと思っている。そのため、表向きは「同じ『刻まれし者』として、殺戮者に狙われぬよう、成人するまでは保護する義務がある」という理屈で引き取ることにしたのだが、自分への恩義を感じて街に留まっている彼女に対しては、嬉しさと心苦しさの入り交じった複雑な感情を抱いている。
「その出で立ち、その構え、ますますハリーに似てきたな。この街にその才を縛り付けておくことが、私には勿体なく思える」
「お主も、少しは自分自身の幸せを考えろ。それもまた『闇』へと堕ちぬためには必要なことだ」

【三伯爵家の家系図】
 一応、「なぜライナが即位せざるを得なかったのか?」「今、ライナやシュンスが死ぬ(or出奔する)と、どうなるのか?」という点をはっきりさせるために、作りました。本編に登場させる必要はありませんが、参考までに。もし、シナリオと矛盾するようなら、指摘して下さい。

●ロッテリバー伯爵家について
 元来、リンベル家の本家はライトプレイリー伯爵の称号を継承し、分家がロッテリバー子爵の称号を受け継いでいた。故に、区別するために前者を「ライトプレイリー・リンベル家」、後者を「ロッテリバー・リンベル家」とも呼ぶ。
 ロッテリバー・リンベル家は代々、嫡流の長男にはオリオン、長女にはマリンと名付ける風習があるため、歴代当主は「オリオン○世」もしくは「マリン○世」と名乗る者が多いが、シュンスのように傍流(彼の場合は先代当主の次男の息子)から当主となる者も稀に存在する。
 ちなみに、本来の後継者候補であったシュンスの伯父は、才覚が乏しかった上に、なかなか男子に恵まれなかったこともあり(規定上は女子でも継げるが、基本的に男子優先)、先代子爵のオリオンVII世の独断で廃嫡された(本人は現在、その決定に不服を感じつつ、隠遁生活中)。そのため、彼の長女は「マリン」の名を継いでいるが、彼女の息子は嫡流扱いではないため、「オリオン」を名乗ってはいない。
 当初は、この先代の決断に対して異論もあったが、実際に子爵家を継いだシュンスが次々と領主として功績を上げ、同家にとって長年の宿願であった伯爵の称号を賜るに至ったため、反シュンス派の者達も徐々に彼を当主として認めざるを得なくなっていく。
 そして、シュンスの母親はライナの叔母・リプシーであるため、現状でもしライナが死去した場合、公式の血統上、彼はライトプレイリー・リンベル家の(母・リプシーに次ぐ)第二爵位継承者ということになる。理論上、「同君連合」という形で彼が両地方を治めることも不可能ではないが、この地方では先例がないため、あまり望ましく思われてはいない。
 逆に、もしシュンスが死去した場合は、血統上は廃嫡されたオリオンの長女・マリンが第一爵位継承者となるが、その場合、家臣であるネクロスの権力が強大化することになるため、未だ独身のミントを推す者が現れて内紛が勃発する可能性もある。
 そのため、家臣達は一刻も早くシュンスに結婚して子を作って欲しいと願っているが(ライナとの約定の都合上、同君連合を締結しない限りは、少なくとも二人の子が必要となる)、なぜかシュンスは縁談に対してあまり乗り気ではない。その意図がどこにあるのか、知る者は誰もいなかった(お任せします>GM)。

●フェロニアス伯爵家について
 ライトプレイリーとは長年のライバル関係にあるが、先代のフェロニアス伯爵トールの妻はライトプレイリー・リンベル家の出身であり、このような形での縁戚関係を結ぶことで、関係を改善しようとする試みはこれまでにも何度か続けられてきた。
 しかし、平民(or下級貴族?)出身の商人であったネッツが、その才能を見込まれ、先代領主トールの娘婿として、フェロニアスの伯爵家を継いで以来、徐々に両都市の関係は悪化しつつある。彼は自分の嫡男コーラに神聖帝国の貴族の娘を娶らせるなど、徐々に神聖帝国との関係を強めていき、そのことが、あくまでも中立の維持を掲げるライトプレイリーとの溝を更に深めていくことになった。
 現在、ネッツの後継者候補となっているのは、(唯一の息子であったコーラが死去したため)彼の孫であるオズマ、ウルフ、メロディの3人であり、現在はそれぞれに街の有力者達の元で修行中である。また、彼等は遠縁とはいえ、ライトプレイリー・リーベン家の血を引く者でもあるため、同家の後継者が途絶えた場合、爵位を要求する可能性がある。しかし、それは事実上、ライトプレイリーをネッツの支配下に置くことに繋がるため、強い反発が予想され、最悪の場合、両都市の間の戦争へと発展する可能性もある。

【NPCとの関係】

●ネッツ・ナーベンとの関係
 帝国への外交方針を巡って対立関係にはあるが、彼の為政者としての力量は認めている。だからこそ、その影響力がライトプレイリーにまで及ぶことで、街が危険に晒されることを危惧しており、様々な外交手段で彼の動きを牽制している。少なくとも、ネッツが引退するまでは、自分が領主の座を降りる訳にはいかない(=自分の代で、ネッツとの因縁にはケリをつける)と考えている。
「力を欲する者に力を貸し与えるのが我々の仕事。我々自身が大国から力を借りるようになってしまっては、本末転倒でありましょう」
「我等は所詮、薄汚れた『死の商人』。しかし、『死の商人』にも『死の商人』としての矜持がある。そうは思いませぬかな、ナーベン卿?」

●シュンス・K・リンベルとの関係
 従弟ではあるが、彼女の中ではむしろ「甥」に近い存在。公的な場では「対等な関係」として振る舞っているが、二人だけの時は姉貴分のような態度になる。領主としての力量は明らかに自分よりも勝っていると考えており、自分の後継者に出来なかったことを悔やんでいる。彼には早く身を固めるように促しているが、後継者不在のそもそもの原因は自分が結婚(再婚)しなかったことにあるので、あまり強くは言えない。
(公的な場)
「ロッテリバー伯爵には、両家の繁栄のため、一日も早く良い御縁があることを願っている次第です」
(私的な場)
「男にも女にも“旬”がある。私のようになってからでは遅いぞ。それとも、既に誰か心に決めた者でもいるのか?」

●ユウ・D・ルビッシュとの関係
 自分が子供の頃から伝え聞かされてきた「最強の戦士」としての彼女は、ロッテリバーの最大の宝だと考えており、シュンスにはよく「移籍金、何億払えば彼女を譲ってくれる?」と冗談混じりに話しつつ、「その力を絶対に(自分以外の)他国に渡すんじゃないぞ」と、彼が子供の頃から言い聞かせていた。
「同盟国として、ルビッシュ卿の存在、この上なく頼もしく思っています」
「もし貴殿がもう一人いたら、絶対にどの国にも渡しはしませんぞ」

●ヒイロ・コネチカとの関係
 街の主産業である傭兵ギルド「赤き猛牛団」には頻繁にライナ自身が足を運んで、ギルド内の状況を確認しつつ、傭兵派遣先や戦力育成のプランなどについて話し合っている。若くして指導者の座にまで上り詰めたヒイロのことは高く評価しつつ、彼の人の良さそうな気さくな笑顔には、どこか昔の夫に似た面影を感じてもいる。
「私はお前達に対して、必要とあれば金は出すが、その分、口も出す。それもこれも、お前達が我が街の要だからだ」
「不思議だな。お主といると、なぜか私も若返った気分になる。いや、特に深い意味はないのだがな」

●マーサ・カナッタ(および「禿鷲の巣」)との関係
 故郷を離れて、「異国の地」で生き生きと働く彼女の存在は、まさにかつての自分が憧れた姿そのものであり、心から羨ましく思いつつ、自分の分もその「自由な人生」をまっとうして欲しいと願っている。
 ただ、ギルドそのものに対しては、かつて出奔中の自分の居場所の情報を家臣の者達に伝えた過去があるため、それがやむなき判断だったとは認めつつも、感情的にあまり好きにはなれない気持ちもある。今でもギルドの古参メンバーの中には「クラッチーナ」の過去を知る者もいるが、その情報を外に漏らすことは禁じている(出奔の事実自体は有名だが、その間に何をしていたかは秘密)。
「ギルドの情報網の広さは私自身が一番よく知っている。色々な意味でな」
「お主はそれでいい。そのままのお主でいてくれ、これからもな」

●ファル・ケンボーグとの関係
 経営者としての手腕を高く評価しており、実質的な街の政治の権限を、彼女のような街の有能な実力者達に少しずつ移譲していきたい、と考えており、頻繁に彼女を館に招いては、積極的に話を聞いている。それは、純粋に街のために商会の力を借りると同時に、彼女に「為政者」としての「才」と「徳」があるかどうかを見極めるためでもある。
「参考までに聞きたい。お主が私の立場なら、どう動く?」
「お主の商会と、この街と、この世界。お主が一番守りたい物はどれだ?」

●ヒューデック・イーワとの関係
 自分が子供の頃から街の実力者であり、今でも彼女にとっては、いざという時の知恵袋(&愚痴相手)的な存在。彼を通じて様々な「外の世界」のことを聞いたことが、彼女の出奔の一因にもなっている。出奔中の自分のことやフローラとの関係については一切語っていないが、ある程度は勘付いているのかもしれない、とも思っている。
「笑えよ、ヒュー爺。この私が領主様だぞ? 世も末だよな、本当に」
「まだ老け込むには早い。少なくとも、私が引退するまでは死なせんよ」

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最終更新:2012年01月17日 22:18