先日、ケルバーから正式に我が街にウニオンへの参加依頼が届いた。これは、傭兵派遣国家としての我が街の将来に関わる重大な問題である。
 元来、我等はエステルランド国王陛下ならびに神聖バルヴィエステ皇帝陛下の庇護下において、自由な傭兵派遣活動を保証されてきた。それは、この二つの玉座が事実上分離してしまった近年においても同様であり、いずれの陣営に組する人々からの依頼に対しても、分け隔てなく交渉に応じてきた。
 しかし、この度のウニオンへの参加依頼を承諾することは、国王陛下ならびに皇帝陛下に異議を申し立てているヒルダ王女殿下の傘下に加わることを意味しており、事実上、国王陛下の陣営、および皇帝陛下の陣営からの傭兵派遣依頼を受諾する権利を放棄することを意味している。これは、傭兵国家としての我が街にとって、死活問題となりかねない。
 だが、一方で、帝国が事実上の分裂状態にある中で、いずれ国王陛下ならびに皇帝陛下からも、正式に我が街を完全な傘下に納めようとする動きが発生することは、時間の問題と思われる。当然のことながら、我が街の力だけでその圧力を撥ね除けることには限界がある以上、この内乱に対して、いつまでも「中立」を貫ける保証はない。
 このような状況を踏まえた上で、我等はヒルダ王女殿下からのウニオンへの参加要請に対して、いかなる決断を下すべきか。貴君等の忌憚なき意見を伺いたい。

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最終更新:2012年01月17日 22:58