15前期のグランクレストRPGについての記録になります
各PCの概要
トーベル・スクア(君主・アーチャー・男・25)(好感度8)
大陸西方のエストレーラ出身の君主。かつて継承争いのために10人の兄弟姉妹と殺し合い、その争いに敗れてこの国へやってきた。その過去から身内は信用しないと決めている。クレア姫に対しての態度は好意的であり彼女の力になることを厭わないが、彼女以外に対しては冷淡。西方訛りの口調で話す。
ブルース・トランスポルテ(魔法師・エレメンタラー・男・25)(好感度3)
貴族の家に生まれ、4人の兄弟姉妹と対立したのち魔法師協会に入った過去を持つ元素魔法師。才能高く国家のために私情を超えた判断ができる優秀な魔法師だが、無給では働かないと決めている。ウィンザレアのジョーヌは同門のライバル。
アルベール(魔法師・ヒーラー・男・23)(好感度3)
メイジアカデミーの俊英、だったのだがとある大罪を犯し裏社会に深くかかわっていた魔法師。現在の彼はミスタリアの大臣からの信頼も厚く温厚。クレア姫のため、情報収集に全力を尽くす。
カズィ・クル(邪紋使い・アンデッド・男・10)(好感度6)
無法者として暴れまわっていたところを師匠のカールに静められ、ランフォードの戦士として戦っていた邪紋使い。内乱の際、撤退する自軍の殿として一人大軍の攻勢を防ぎ切った過去を持つ。クレアに対しては絶対の忠誠を誓い、いかなる命令にも従う覚悟を持つ。なお、見た目は混沌の影響で15歳程度。
百地真子(投影体・地球人・女・21)(好感度4)
一年ほど前に「地球」から投影され、ブルースに拾われた女性。大きくえぐれたペンダントを離さず、自身の平穏のために実質的な衛兵として働いている。自らの出自について、あるいは地球の文化文物については語ろうとしない。
各NPCの概要
クレア・ウィンスロー(君主・メサイア・女・16)
ランフォード子爵領の形式的だが正当な領主であり、ミスタリア城主。叔父のモンタギューに『裏切られ』、聖印協会への帰依とトーベルへの信頼を深めた。民を見捨てないと誓い混沌そのものである投影体や体内に混沌を宿す邪紋使いを迎え入れている彼女は、混沌を悪魔の力と非難する教義との間にどう決着をつけるのだろう。
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領地と領内にいるその他NPC |
クレア領ミスタリア:クレアが支配する地域の非公式な名称。ミスタリア渓谷とその周辺の荒野というわずかな地域であり、食料も乏しい。ダルクレム山以南は現在ヴァンベルグ伯爵領を主体とする幻想詩連合の委任統治領となっている。
ウォルター・クロムウェル:ミスタリアの大臣、国内制度の改革と富の平等な分配に注力する良識派の大臣。モンタギューとそりが合わずミスタリアに合流した。
シスター・マリアンヌ:聖印協会の司祭。聖印協会の意見の代弁者でもあるが、投影体や邪紋使いに対してもさほど嫌悪感を見せない。
ケリィ:年齢・性別を偽り軍に潜り込んだ少女。人手不足故に見逃されたのかは不明だが、所属部隊は彼女を守ろうと意識が高くなるとよく言われる。
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モンタギュー・モード(君主・スタイル不明・男)
ギルフィア男爵領を治める君主であり、クレアの叔父。不真面目ながらも聖印協会の信徒であったはずだが、パンドラの支配するカットナーと手を結んだ。かつては高名な英雄だったが、膝に傷を受けてからは強欲さが増したとされる。ついにランフォード北部を掌握した。
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領地と領内にいるその他NPC |
ギルフィア男爵領:モンタギューが治めるランフォード中央部。かつては最大勢力でありランフォードを統一するかと思われたが、ウィンザレアに敗北し勢力は逆転した。少数ながら高い練度の兵を備えている。
ジャージー:モンタギューの契約魔法師。彼の優れた国政指南によりギルフィアの産業は他勢力を圧倒している。ただし戦場において彼はほとんど活躍できない。
ホルス:モンタギューの直臣。さる英雄を邪紋に刻み、モンタギューの盾を自認しているらしい。
アンガス:モンタギュー配下の若き騎士。滅多に前線に出ることはなく、彼の後継者として教育を受けているのだとも。
「ガンドッグ」:ギルフィアに送られた何者か。その詳細は伝えられていない。
ブル:ウィンザレアの戦士であったが、ウィンザレア崩壊とともにギルフィアに使えるようになったらしい。龍をまとう邪紋使い。
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イリア・マーストン(君主・セイバー・女)
ウィンザレア男爵領を支配する君主。非公式ながらカットナーと手を結んでいたとされるが、おそらくその関係は決裂したと思われる。大工房同盟の一員として支援を受けていると考えられるが、どれほどの規模かは不明。第二話においてモンタギューに討たれたと伝えられた。
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領地と領内にいるその他NPC |
ウィンザレア男爵領:ランフォードで唯一大工房同盟陣営の領邦。イリアの叔父ダン・ディオードからも兵力の貸与を受けているとされている。練度よりも量を重視した軍制をとる。
ジョーヌ・トランスポルテ:イレアの契約魔法師、七色の魔法を操る剣士(フェンサー)とされ、近接戦に長けるというメイジらしくない戦法を用いる。第一話で戦死
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その他NPC
ファルス・ド・ゴール(魔法師・プロフェット・男)
アロンヌの領邦「ルマ」から使者として現れた時空魔法師。長距離を魔法で結んで見せたことから相当の実力を持つと思われる。
各話あらすじ
一話 救世主の選択‐覇道を往くもの‐
アトラタン大陸の小国家ランフォード、疫病と飢饉に端を発する内戦により分裂しているものの、ようやく復興を始めたこの地域の領主クレアに、自国の所属する国家連合「幻想詩連合」のいくつかの国家から(条件付きの)支援の申し出がやってきた。どの国からの支援を受けどのようなかじ取りをするか、彼女は信頼する家臣たちに情報収集を命じたのだった。
ハンドアウト
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長いので読みたい人はどうぞ |
キャラクターA (推奨・ロード・男性)
因縁:クレア・ウィンスロー(主君) 推奨感情 メイン尊敬/サブ任意
君はランフォードの正当な継承者、クレア・ウィンスローに使える騎士だ。彼女は現在その領地のほとんどを実質的に奪われているが、領民のために懸命に努力している。
そんな彼女に、幻想詩連合の君主ユークレースから支援の申し出が来た。彼女は「氷の女王」の異名を持ち、先の大戦でも見事な戦功を打ち立てた君主である。ただし彼女はクレアが治める地域の西方にあるパンドラの勢力圏『旧カサドール男爵領』に遠征を行い、ある程度の戦果を出すことを求めている。極めて危険だが、これに成功すれば強力な支援を得つつパンドラに苦しむ人々を救うことになるだろう。君はどう主君に助言すべきだろうか。
キャラクターC(推奨・メイジ(ウィザードは禁止))
因縁:ジョーヌ・トランスポルテ(知己)推奨感情 メイン任意/サブ隔意
君はエーラムから来た魔法師だ。今はランフォードの統治のためにクレアに仕えている。ただ君は、ウィザードとして知られる魔法師「ジョーヌ・トランスポルテ」から彼女の仕えるウィンザレア男爵領と手を組むことを提案されている。
もしその提案を受けたならば、クレアは自身の多くの領地を失い連合からの支援も失うが、勢力を伸ばしつつある大工房同盟の支援を得て統一につなげることができるかもしれない。そんな中、ある情報屋が君のもとを訪れた。彼女が言うには、近いうちにウィンザレアの部隊が攻めてくるというのだ。
キャラクターD(推奨・メイジ(ウィザードは禁止))
因縁:国別パーソナリティ(任意)推奨感情 メイン任意/サブ任意
君はエーラムから来た魔法師だ。今はランフォードの統治のためにクレアに仕えている。
そんなある日、君のもとにとある≪国別パーソナリティ≫がやってきた。彼が言うには、この国に多数の勢力の密偵が侵入しているという。国の結束のため、そして何よりもクレアのために何ができるだろうか。
キャラクターE(推奨・アーティスト・プロジェクション)
因縁:カール(知己)推奨感情 メイン可能性/サブ任意
君はミスタリアの防衛を担う戦士の一人だ。クレアの持つ軍備は僅かだが、君を含む実力者と地形によって守られている。しかし、今のままではクレアがランフォードを平定することはできないだろう。
そんなある日、君のもとにカールと名乗る邪紋使いが現れた。彼は近いうちにウィンザレアの部隊が攻めてくるというのだ。何時ものように城前に誘い出すのか、打って出るのか、君は主君にどう進言すべきだろうか。
キャラクターF(推奨・アーティスト・プロジェクション)
因縁:オフェリア=クルード(知己)推奨感情 メイン任意/サブ隔意
君はミスタリアの防衛を担う戦士の一人だ。クレアの持つ軍備は僅かだが、君を含む実力者と地形によって守られている。ここに籠っている限り、敵の大群は容易には手を出せないだろう。
君はかつて出会った情報屋オフェリアからギルフィア男爵領が聖印教会に近づいているという情報を聞きつけた。クレアは熱心な聖印教会の信徒であるものの、実力を持つギルフィア男爵による接近がこれ以上強まれば聖印教会も支援を減らしていくかもしれない。ギルフィア男爵領に揺さぶりをかけられれば、君は主君に貢献できるかもしれない。
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本編詳細
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少々長め |
邪紋使いカズィは投影体百地と巡回のためミスタリア西方を訪れたところ、国境近くの村が何者かによって襲撃を受けたことを知った。大量の矢、おびただしい量の血液の跡、突き刺さったバリスタの矢…調査を始めた彼らの前に現れた情報屋オフェリアは、ウィンザレアの侵攻が近いことを彼らに告げる。しかし、調査の結果は襲撃は魔境「旧カサドール男爵領」からのものであると示したのだった。
それから暫くして、聖印協会からの支援についてクレアとトーベルが報告を受ける中、魔法師ブルースはウィンザレアの魔法師ジョーヌからの和平の申し出を受諾したことを伝えにクレアのもとを訪れた。聖印協会は連合の加盟国ヴァンベルグの支援を受けているためそのことに気を良くしないと独断に待ったがかけられ、さらに間の悪いことに幻想詩連合からの使者と鉢合わせし、ミスタリアが連合を離れないようにと釘を刺される。さらに魔法師アルベールは大臣のクロムウェルから受けた多数の密偵がこの国に入り込んでいると言う報告を告げる。事態を憂慮したクレアは臣下たちに、可能な限り多くの情報を集めるよう命じた。
集まった情報は、この国が危機であることを一層強く意識させた。ミスタリアの東西は魔境が覆い、北西部のウィンザレアは大工房同盟に加盟し戦争状態にある。北東の農民反乱はストラット自治領を形成したが詳細は知れず、唯一の盟友である北部のギルフィアはこちらを傀儡にする気だという魂胆が透けて見える。隣国のヴァンベルグは支援こそするものの、その陰には聖印協会の影がちらついている。
そしてウィンザレアは何らかの意図を持って南下しつつあり、ギルフィアは突然ストラット侵攻の準備を始める。クレア姫の偉大なる臣下達は、混沌災害を撃滅しつつウィンザレアへの牽制を行うため、西方の魔境カサドールへの遠征を上申することにした。クレア姫も賛同したが、東方への備えが減ることを懸念し彼女は自ら情報を集め、そして知ってしまった。ギルフィアは秘密裏に西の魔境カットナーと手を組んだのだ。同じ渾沌の駆逐を掲げ、自身の親族である叔父が内乱を拡大させた勢力と手を組む―その「裏切り」にクレア姫は決断した。いつの日か叔父を討ちこの国を正して見せよう、そして、「神」と今傍にいる君主こそ信じるべき者だと。
遠征が決まり支度が始まった。ヴァンベルグも、国内も、そして裏切りの暴露に気づいていないギルフィアもその計画に賛同し、ミスタリアに対し害を与えさせないと約束した。国内の人々も義勇団を作り万が一に備え、君主トーベル率いる討伐隊が出発した。
カサドールの「迷いの森」。遠征の目的地たるこの魔境は永劫の夜に閉ざされ視界もままならず、異常な因果律により足を踏み入れたもの全てが殺意に満ちていた。入ってすぐに遭遇したゴブリンの一群を撃破した彼らは、身の安全のために長めの休息をとった。そんな休息が終わった後、南から悲鳴が聞こえてきた。駆けつけた頃にはもう遅く、悲鳴の主たちは皆死んでいた。見ればかつてのランフォードの住人達。
そう、クレア姫が継承する少し前の飢饉に端を発する内乱により、ランフォードは分裂し抗争を始めた。それを嫌った一部の人々は南部の大森林に落ち延びたのだ。彼らもまたその一集団であり、不運にも魔境に足を踏み入れ無残な最期を遂げた。まだ生存者がいないか、少しの希望、あるいは不安を抱えながら遠征隊は奥地を目指す。
彼らは発見した、あるいはしてしまったというべきか。魔境の中にぼろをまとった人々の一団がいた。今手を差し伸べれば、彼らを守りながら戦わなくてはならない。もし放っておけば、投影体に彼らは殺されるかもしれない。「姫様なら、きっと助けるはずっすよ。」部隊の一人が声をあげる。それでも考えなくてはならない。ここにはウィンザレアの部隊もいるかもしれない、彼らと戦うとき、彼らは足手まといになる。それに、投影体がいつ現れるかもわからないのだから。そして、トーベルは決断した。彼らとの接触は避け魔境浄化後に可能であれば保護する。部隊は進軍を再開し、その場を去った。
魔境探索を続ける彼らの前に、野営の跡が見つかった。おそらくはウィンザレアの者達だろう、痕跡は南へと続いていた。挟撃されるわけにはいかない、彼らを追って部隊は南下する。気付けば足跡の数が増えていた、増援かあるいは何者かと合流したか。それでも彼らは先を急ぐ。
「迷いの森」の東端。彼らはウィンザレア軍を発見する。彼らは魔境の投影体と交戦していた。何もせずに魔境の探索に戻るのか。否、後背を突かれるわけにはいかない。奇襲をすることはできなかった、ウィンザレアは彼らに気づいていた。「あれはこの魔境の核ではない。それでも我らと戦うのか。」魔法師の声が聞こえてきたが、戦闘態勢に入る。
先手を取ったのはミスタリア軍だった。回復のために待機するアルベール。それを見つつブルースは自身の好敵手率いるウィンザレア軍にファイアボールを撃ち込む。その一撃は敵軍の過半を焼き尽くすはずだった…しかし、俊英の好敵手たる指揮官、ジョーヌ・トランスポルテもまた平凡な魔法師ではなかった。元素魔法を、静動魔法を、召喚魔法を…七色の魔法を収束させ、ファイアボールの火炎を自身にのみ向ける。彼の何時もの一撃なら即死することはない。好敵手としての判断だった。
しかし、彼は天に誓ったことがあった。『ランフォードに迫る魔を払う。』その誓いが、彼の火炎を一層強いものに変える。しかし、ジョーヌは諦めない。
「死ぬわけにはいかない。運命を変えてみせる。」元素魔法の壁が、彼女に迫る火球を弱めた。しかし…
その火炎が消え去った後、彼女の姿はなかった。体も、服の切れ端さえも…しかしそれを見ても、ウィンザレアの兵士たちは諦めなかった。いや、彼女の犠牲を無にしようとは誰も思いはしなかったのだ。しかし魔法師を失い、邪紋使いすらなき軍隊が優れた魔法師と邪紋使い、そして君主を擁すミスタリアに勝つ術はなく、その尽くが散ったのだった。
直後、魔境の中央から声がする、それは投影達の鬨の声。因果律を一時的に打ち砕き見えたその姿は、ゴブリン達の大群。魔力と傷をいやし、戦いに臨む。物資は度重なる戦闘で消耗していた。しかし、ゴブリン達との戦いも彼らを力尽きさせものではなかった。指揮官を打倒しその混沌核をトーベルが吸収すると、魔境は崩壊し、かつての平野が広がっていた。ただし、彼らの他に生きているものはいなかった。
戦死者の葬儀などを簡素ながら済ませ、ミスタリアへの帰還を始めようとしていた彼らに、ギルフィアのジャージーから通信が届く。彼によると、今回の戦いの始終を彼が見届けたこと、そしてこれを以てウィンザレアの打倒のため幻想詩連合による攻勢をかけるため、期間を中止するよう求めてきた。その為の物資などないと答えると、彼自ら届けると言う。虚言であればそのまま撤退すればよい、そう見做し彼の指示したところへと向かう。
動乱のランフォードの戦いは、この時を以て加速することとなる。
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二話 臣下の選択‐主君に沿う答えとは‐
迷いの森の浄化に成功したトーベル達は、ギルフィアの魔法師から幻想詩連合の反攻作戦について告げられる。投影体によって破壊された村で増援を待つ彼らのもとに、雇われの君主アルガスがやってきた。彼は北上の計画を告げるとともに、クレア姫からの手紙を彼らに渡した。そこに書かれていた内容とは…
ハンドアウト
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長いので読みたい人はどうぞ |
トーベル・スクア
因縁:アルガス・ブリュンスタッド(連合の君主) 推奨感情 メイン軽蔑/サブ任意
以前ミスタリアに現れた君主ブリュンスタッドが、連合による攻勢の知らせと、北進に必要な地形図を手にやってきた。彼は君たちが参加するとは思っていないようだが、ウィンザレアを独力で撃破することはミスタリアとクレアの威信を高めることになるだろう。そして今、その為の力が目の前にある。
ブルース
因縁:ジャック・ストラトス(アカデミーの技師) 推奨感情メイン任意/サブ猜疑心
情報屋オフェリアが君のもとを訪れた。アカデミーからやってきた技師が、カサドールに配置された重弩の撤去を求めて入国したという。カサドールが浄化されていない以上この場所に配置され続けることはアカデミーの理念上問題とならないはずだが、彼とアカデミーは何を考えているのだろう。
アルベール
因縁:ジャック・ストラトス(アカデミーの技師) 推奨感情メイン任意/サブ可能性
クロムウェル大臣から、アカデミーより技師がやってきたことを伝えてきた。大型建造物に関わる知識を持つ彼なら、この地に適切な防御陣地と、都市開発を進めることができるだろうと彼は言っている。ただし大臣は、何故彼が入国してきたかは知らないらしい。もし彼の協力を取り付けるなら、君は彼の望むものを探る必要があるだろう。
カズィ・クル
因縁 :クレア・ウィンスロー(主君) 推奨感情メイン忠義・サブ不安
君のもとにクレア姫から書状が届いた。それは、前線の情報について知らせてほしいという連絡とともに、エグノリア大森林にいるとされる難民の収容についての願いだった。難民がもし生きているとすれば多数の邪紋使いや投影体がいるだろう。それは、彼女の信仰には沿わないものだ。彼女の信仰と信念は、近いうちにその矛盾を顕す。君はそんな彼女のために何をすべきだろう。
百地真子
因縁:奇妙な老人 推奨感情メイン不安/サブ任意
君は国境近くで奇妙な老人に出会った。彼はカサドールの内情について知っている素振りだが、自身はパンドラや危険な投影体を利するつもりはないと言っている。ただ、彼はカサドールの重弩を維持し続けることは、ミスタリアにとって得ではないと言っていた。それが何を意味するのかは分からないが、彼の言葉にはどこか真実味があった。
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本編詳細
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少々長め |
ギルフィアの魔境の一部を成す「迷いの森」の浄化を完遂した一行は、ギルフィアの魔法師ジャージーからの物資支援を受けるためある廃村に逗留していた。百地は、その際に犠牲になった者たちのために作られた墓地に一人佇んでいた。そんな彼女のもとに一人の老人が現れた。彼はカサドールが未だ諦めていないことを伝え、その際に重弩が何か危険を呼ぶと言い残して去っていった。奇怪さの方がずっと強かった。しかし彼女は、その言葉に何かがあるように思えてならなかった。
連合による攻勢作戦に対して、彼らはギルフィアがパンドラと結んでいることを懸念していた。しかし今は幻想詩連合全体の作戦が発動された以上ミスタリアに対して何かすることはないだろうと判断した。そんな彼らのもとに、物資と共に隣国ヴァンベルグから派遣されたと言う騎士アルガスがやってきた。彼はミスタリア(=クレア姫たち)からの許可を得たと言って村の家屋を見回り、そのいくつかに天幕を張り始めた。その姿に一行は困惑したが、それ以上に彼がもたらした「手紙」が最も彼らを悩ませた。
しかしまず彼らはミスタリアとの連絡を取ることにした。ミスタリアにはアカデミーから時空魔法師のキルト・ハイゼンベルクが派遣されていた。彼女を介したタクト通信によってアルガスたちの行動をミスタリアが認めたこと、連合加盟国としてウィンザレア討伐に参加すべきとの意見が強いことを伝えられた。ただクレア姫は前線の状態が分からない今、もし動けないのであればギルフィアやヴァンベルグに便宜を図るのみで良いと彼らに伝えた。
しかし、カズィはアルガスから渡された手紙をトーベルにだけ見せた。手紙の差出人はクレア姫だった。彼女はアルガスの言った通り公の立場としては遠征に賛同していたが、それ以上に魔境で苦しむ民のことに心を痛めていた。公に遠征に支援をしないわけにはいかない、その上で彼女は私的な願いとしてカズィにできる事を探るよう求めたのだった。二人は姫に使えるものとして、両方の課題を達成して見せることを確認しあった。
クレア姫の願いをかなえるため、トーベル達は侵攻計画と難民の両方について調べることにした。幻想詩連合の攻勢に参加するのはヴァンベルグ、ランフォード(ギルフィアとミスタリア)、ローズモンドの三ヶ国。ミスタリアに支援を提案したルマ(アロンヌ)や、内戦中のヴァレフール(ブレトランド)は参加しない。戦略としてはヴァンベルグの雇った騎士アルガス率いる先遣隊及び若干遅れてやって来る本隊による南部からの攻勢、会場からの上陸戦を行うローズモンドの北方戦線、そしてモンタギュー男爵率いるギルフィア軍による東方からの侵攻により、練度に劣るウィンザレアの大軍を分断し各個撃破するというもの。
南方の兵力展開が遅いことは南部に展開させるべき兵力と指揮官である魔法師を失ったウィンザレアは部隊の再建にかける時間よりは早いことで問題とならず、ブレトランド近海の海上優勢はアントリア・ヴァレフール間の戦闘によって不安定であるもののローズモンド海軍ならば突破が可能である程度だろうと見積もられていた。その為この攻勢そのものは何もなければ成功するであろうと思われたが、ギルフィアはこの作戦においておそらく意図的に進軍予定を遅らせていると考えられた。ともすればミスタリアに対する奇襲のためかもしれない以上ギルフィアも同様に攻勢に参加することが必要だと主張するべきだろうと結論された。
一方、難民についての情報として、ミスタリア湖西岸と南西のエグノリア大森林に難民の集団があることが判明した。南西の大森林を調査しようと百地が現地に乗り込むが、彼女は森にいた氷龍に襲われた。そんな投影体がいる事は全く知られておらず、どこからか現れた物としては異様なまでに強力だった。傷ついた彼女を見たアルガスとトーベル達は龍の発生源を探るため情報収集を行ったところ、カサドール男爵領からの反撃の準備が進められつつあることに気づく。そしてカサドールへの対策として一行は連合に対し攻勢への不参加とその迎撃を申し出るとともに、エグノリア大森林に住まうエルフたちとの接触を目指した。各国はウィンザレア解体に伴う勲功争いを狙っていたため、この提案を承認したものの、アルガスは南部戦線の構築のために出撃することとなる。
エルフたちとの交渉は彼らの予想よりも容易なものだった。彼らにとってこの地の「君主」達が同胞を見捨てる愚か者と認識されていたこともあってか、彼らの要求は最前線に立つこととエルフへの不干渉の二点に絞られていた。民を守ることを第一とするクレア姫の方針に則り、危険でない投影体との戦闘は内戦中は避けたいという現状を鑑みても、彼らにとってこの要求はさしたる問題とはならなかったのである。クレア姫にとっては投影体である「民」の処遇は今後問題となるかもしれないが、彼女はこの場にいるわけではなく、この場でその要求をのまなかったとしても、百地がいる以上避けられない問題は、一行にとって現在は先送りしてかまわないと見做したのだった。
これにより、連合の助力なしで旧カサドール男爵領の兵力と対峙することになったものの、彼らはエルフの支援を得た。更なる一手のために、彼らはアカデミーの技師ジャックとの接触によりこの地に設置された重弩の撤去を延期するよう求めた。協会は教会の勢力拡大を警戒し、厳密なアカデミーサポートの適用という名目で圧力をかけつつミスタリアの出方を伺うことが目的として、彼らに即時の撤去のための技師派遣を通告していたのだった。
協会が連合・同盟の戦闘に直接介入することができない中、ヴァンベルグの影響下にあるミスタリア・ギルフィアの力拡大は座視できず、特にミスタリアは当主が教会の教育を受けていたために危険視されていた。一行は協会施設を(教会施設と同等の立地で)提供すると言う協会の提案を、その内部は自治を認めるもののミスタリアの法制度の管轄外としないこと、協会による「霊感」保持者の囲い込みを認めないことを条件として受け入れ、重弩撤去までの時間を得ることに成功した。
そして、カサドールとの決戦の時が来た。確かに双頭のオーガと、その取り巻きたる投影体たち。別働隊としてエルフを襲う龍とそのしもべたちは強敵であったものの、エルフの難民を受け入れていた集落の勇士たちによる支援もあり、一行は魔境の首魁【双頭の】ヴァラン・ガイムを撃破した。このカウントの取得とカサドール浄化により、ミスタリアは名実ともにランフォード南部を占める友邦の一角に躍り出たのだった。
だがそれとほぼ時を同じくして、二つの知らせがクレア姫と一行のもとに届いた。第一に、ローズモンドによる旧ウィンザレア占領地はノルドの急襲により維持が困難としてギルフィアに譲り渡されたこと。第二に、ルマによるカットナー征伐が突然に強行されたことである。ルマの意図ははっきりとはしないが、おそらくは浄化による爵位増加が目的と推察され領地経営を目的とはしていないようだった。これは同時に、カットナーをギルフィアに譲り渡す可能性を意味し、ミスタリアはルマの提案のもと、多額の資金の供出により支配権を獲得した。こうして、思わぬ形でランフォードの勢力が南北に二分されたものの、「連合」はひとまずの休戦に入ったのだった。
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三話 ショクザイの選択‐覗くもの、眺めるもの‐
連合の攻勢の結果、ウィンザレアがギルフィアに、カサドールがミスタリアによって制圧された。さらに連合の友邦ルマによってカットナーが浄化され、ミスタリアは多額の資金を投じて彼の地の支配権を獲得した。そして、英雄たちが帰還した。そしてようやく暫くの平穏が訪れたと考えたクレア姫は、トーベルを街の「視察」に誘う。一方、他の臣下達は様々な仕事に駆り出される。つかの間の戦争から離れた日々に、一体何が起こるのだろうか。
ハンドアウト
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長いので読みたい人はどうぞ |
トーベル・スクア
因縁:クレア・ウィンスロー(自身の主君) 推奨感情 メイン任意/サブ任意
ようやく帰還した君たちに、彼女は暖かな言葉をかける。そして、少しの間に大きく変わった街を見せたいと彼女は君に一緒に城下へ行かないかと誘う。
問い :トーベルにとってやり直したいこと
ブルース
因縁:ジャック・ストラトス(アカデミーの技師) 推奨感情メイン任意/サブ猜疑心
『技術者』ジャックが君のもとを訪れた。君に結局会えなかったことを詫びたいとのことだが、君は確かに彼に会っているはずだ。何があったのだろうか。彼は今日の昼、協会の施設で君に会いたいと言っている。
アルベール 注 :裏ハンドアウト有
因縁:ウォルター・クロムウェル(自国の大臣) 推奨感情メイン任意/サブ不安
クロムウェル大臣が最近姿を現さない。それとともに、市井の人々から彼が美人と度々会っていること、それが国外の内通者ではないかという不穏なうわさが流れている。そんな中君はアカデミーの施設から来た魔法師に呼ばれた。
ガズィ・クル 注 :裏ハンドアウト有
因縁 :ケリィ(配下) 推奨感情メイン任意・サブ不安
君はクレア姫から今度アカデミーで作られる施設を記念して行われる式典について計画を立てるのに加わるよう言われた。式典中の護衛についてなどを任せたいらしい。そんな中、君はケリィが姿を消したという話を聞いた。
百地真子
因縁:シスター・マリアンヌ 推奨感情メイン可能性/サブ任意
君はようやく休暇をとることができた。そして城下の見物に行こうとしたところ、たまたまシスター・マリアンヌが裏路地に入っていくのを見た。噂では彼女は救貧のための慈善活動をしているらしい。丁度暇だったところだ、追いかけてみてもいいかもしれない。
問い :君の家族を奪ったトラックの運転手は、もう捕まえることができたか。
裏ハンドアウトA(アルベール)
この情報は他PCに知られてはならない。これに対する情報収集は自身の隠密の達成値/3を加えることによって秘匿できる。情報が開示された場合、君はこのセッション中の情報収集に-3のペナルティを受ける。
君は学生だったころにかつて共謀して麻薬を売りさばいた組織から、再び薬を売る仕事をしないかと誘われる。教会の学生だったころと違い、金も身分もある君にとってこれを受ける理由は欠片もない。彼らを探し出し捕えることが当面の目標だ。彼らは北の貧民街で夜に会おうと言っている。そこで会うなら誰か協力者を見つけるべきだが、昼間のうちに見つければ荒事にする前に片が付くかもしれない。
裏ハンドアウトG(ガズィ)
この情報は知られてはならない。これに対する情報収集は自身の隠密の達成値/3を加えることによって秘匿できる。情報が開示された場合、君はこのセッション中聖印教会の人間(クレア除く)と接触できない。
君のもとに一通の手紙がきた。差出人の名前は不明だが、そこに書かれていたのはミスタリアの大臣及び貴族たちのスキャンダル(クロムウェル大臣については書かれていない)と、シスター・マリアンヌは自身の体内に混沌災害を抱えており、浄化されなければ危険であるという内容が記されていた。裏付けになる証拠はないが、聖印教会のお目付け役でもある彼女に何か『仕掛け』があるのなら解決したほうがいいだろう。当面の君の目標は彼女を見つけ、事情を聴くことである。
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本編詳細
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少々長め・途中まで |
カサドールの投影体たちとの戦いから帰還した彼らは、ミスタリアでクレア姫と臣下達と再会した。彼女は彼らの功績をたたえたうえで、トーベルに対して二人での城下の視察を、カズィに対してアカデミ-の施設の完成祝いに向けての兵士の準備を命じた。カズィが支度のために部屋に戻ると、そこには、署名のない一通の手紙が置かれていた。
アルベールとブルースは建物だけは(おそらく異界の知識も使い突貫で)作られたアカデミーの高度魔法施設で、完成祝いの式典に何が必要かについて尋ねられていた。ブルースがいくつかの意見を出す一方、アルベールは自身に届いたある手紙を、誰にも見せることなく一人考え込んでいた。
百地は(投影体である以上国政にも、協会にも関わることはないため)城下の酒場へ飲みに行ったところ、彼女の故郷の世界とよく似たものをいくつか試供品として出された。何やら異界からの品という触れ込みでいくつかの品が流行っているらしく、情報屋のオフェリアの提案でいくつか作っていたらしい。その後店を出ると、彼女はシスターマリアンヌが裏路地に入っていく姿を見かけた。彼女のような人物がそんな場所に入っていくことに興味を抱いたのか、彼女は後を追って路地に入っていった。
シスターがしていたのは炊き出しだった。内戦が続く中、ミスタリア領内にも城塞都市建設の計画は既に持ち上がっていたものの多数の難民が押し寄せてきていた。彼らのうち一部は住居を確保しているが、多くはこうした炊き出しに頼ったままである。彼女は百地にも協力を求め、彼女はそれに快く応じた。もっとも、地球にしか存在しない調味料を使おうとして何か別なものができてしまっていたのだが。
ガズィのもとに届いた手紙の内容は大きく分けて二つ。国内の貴族たちの一部に汚職がはびこり、ギルフィアへミスタリアを売り払おうとしている事実。そして、シスターマリアンヌの「中に」魔境があるというものだった。彼は独自に動きその内容が事実であることを確認し、トーベルと共にいるクレアのもとにその事実を伝えようと向かった。
アルベールのもとに届いた手紙は、彼の過去を知るものによるものだった。再び手を組まないかと誘う彼らに同調しようとは思ってはいなかったが、彼自身に戦う力はない。彼らを止めるとしても誰かの力を借りなくては…そう思い悩む彼に居場所探しを手伝った女が囁いた。
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四話 平和への選択‐されど彼は討たねばならず、されど彼女はこの手で救う。‐
ペネトナーシュの討伐によってミスタリア城下から混沌は払われた。しかしその直後、ギルフィアの大軍がこちらに向かって押し寄せてきた。敵はこちらの弓が届かない遥か彼方から異界の武器によって攻撃を繰り返してくる。このままでは蓄えていた物資も長く持たず、かといって敵の内情や混沌に乱された自軍の状況も分からぬままに戦うことはできない。五人の英雄たちは可能な限りの手を尽くし、主のための決戦に赴く。
ハンドアウト
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長いので読みたい人はどうぞ |
トーベル・スクア 因縁:クレア・ウィンスロー 感情は任意
ギルフィアの軍勢が迫っている。だが、彼女のために戦ってきた君のやるべきことは変わらないだろう。彼女のために、そして君の望む未来のために決戦に臨めばいい。
「貴方の願いを受けましょう。だからあなたは変わらないままで…」
カズィ・クル 因縁:クレア・ウィンスロー 感情は任意
再び、大軍がミスタリアに迫っている。けれど今度は前回とは違う。君のなすべきことは時間を稼ぎ敗北を先延ばしにすることではない。君の主に、勝利をもたらすことだ。
「お前にはまだ時間がある。故に不死者、汝はその生を謳歌せよ。」
ブルース・トランスポルテ 因縁:スュクル・トランスポルテ 推奨感情 猜疑心/有用
決戦が迫る中、君は同門と名乗る男からの通信を受ける。彼は君に取引を持ち掛けた。それは危険ではあるが、有用な提案でもある。
「対価は貴方の意のままに。されど私は申しあげましょう。全ては等価になるのだと。」
アルベール 因縁:ウォルター・クロムウェル 推奨感情 連帯感/任意
君のもとにクロムウェル大臣が訪れた。彼もまた戦士として戦うことはできない。そんな彼は、戦場に立てる貴方に餞別の言葉を送る。
「我らにできる事を以って勝利を得ることとしましょう。その為の総てを尽くして。」
百地真子 因縁:モンタギュー・モ-ド 推奨感情 憎悪/不安
君はついにモンタギューに対面することになる。多くの民を我欲のために犠牲にした男、捕えられた「彼」と同じように、身勝手な理由で大切なものを壊していく男に。
「そこを退け、忌まわしき投影体よ。私が今喰らいたいのは、この地の君主である。」
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最終更新:2015年11月26日 11:19