+ | エフ / デルタ PL: kvkv |
エフ(20代前半の見た目、日本人の容姿)
【変身!】共通
【アームズウェポン】シンクロス 【スマートガン】シンクロス 【テックウェポン】テックスーツ 【スピードウェポン】テックスーツ 【ベルトチャージ】ベルトアーマー 【ベルトリンク】ベルトアーマー 【全力の一撃】シンクロス 【逆転撃】シンクロス 【身体改造:力と技】シンクロス 【反転アタック】シンクロス 【オーバーロード】シンクロス 【エネルギー放出】シンクロス
自身に施された身体改造とベルトの力を武器に戦うヒーロー。
一年ほど前に目覚めた際にはそれまでの記憶は残っておらず、一般知識以外で唯一メモリに残されていた『ヴィランを倒せ』という命令に従って、チバシティで悪さをするヴィラン達を撃退してきた。当初はヒーローであるという自覚やヒーローそのものがなんであるのか分からずにヴィランと戦っていたが、【総帥ブレイド】や【道玄坂かおる】そして他のPCたちとの交流を通じてヒーローとは何かを模索している。 第三話、第四話にてエフは【Black Heaven計画】によって生み出されたヴィランであったことが判明する。また、エフの体の以前の人格はエフとはかなり異なり荒っぽい口調の猫舌さんの模様(つまりツンデレたっry) |
+ | 沖 ムサシ / シリウスホープ PL: シバタ |
+ | 鬼龍院 ガイ / スノーオメガ PL: 田中山 |
鬼龍院 ガイ(19歳、日本人)
*アーマメント
《煌めく庇護》 《光彩バリア》 《異次元対応機能》←new! *ジェミニィハート 《タイプ:データソウル》 《ナビゲート》 《正確無比の一撃》 《放電シャッター》 《バトルナビゲート》←new! *エンシェント 《対奈落因子》 《古代の盾》 《古代金属》 《エレメンタルアーマー》 《対奈落障壁》 《古代の知識》←new! 《古代の盾Ⅱ》←new!
構成不明の古代金属により己を武装した、堅牢な防御を持ち味とするヒーロー。
ヴィランの実験体として作られた彼は早々に失敗作扱いされ、遺物を適当に埋め込むなど雑な実験を施されたのちに「将来性なし」ということで廃棄処分となった(本人はおぼろげな記憶しか持っていないが)。そこをシルバーソニックに拾われ、ヒーローとしての力を見込まれ転身する。 捨てられた際の絶望感だけは今もメモリに強く焼きついており、そのため”みんなの希望”を信条とする彼のポリシーは「捨てないこと」。彼は、助けを求めている人々を絶対に見捨てまいとしている。 |
+ | 東雲 暁 / ネームレス PL: under3 |
+ | 藤原 謙吾 / ニンジャスラッシャー PL: エイブ |
藤原 謙吾(20歳、日本人)
【変身!】共通
【影化】ニンジャ 【成敗!】ニンジャ 【追加ギフト】ギフトシーカー 【追加コネクタ】ギフトシーカー 【ファイナルギフト】ギフトシーカー 【正義の拳】ベルトアーマー 【フルフォース】ベルトアーマー 【ギフトコンビネーション】ギフトシーカー 【サポートギフト】ギフトシーカー 【忍具使い】ニンジャ 【忍具使い二Ⅱ】ニンジャ 【成敗!Ⅱ】ニンジャ
専用のベルト『ニンジャドライバー』と『ジツマキモノ』という巻物型ギフトを使用して戦うニンジャ。
『ヘンゲジツ』のジツマキモノで変身し、主にニンジャソードとカトンジツで戦う。また、ヘンゲジツで別の人間に変装することも可能。赤子の頃に神社の捨てられていたところをニンジャに拾われ、ニンジャとして育てられた。 『人との助け合い』を信条としており、力なき者をヴィランから守らなければならないと思っているが、他人からの支えがなくては戦えないとも思っている。 本人に自覚はなかったが、過去の記憶を失っている。第四話にて、過去にブラックヘブンに潜入し、木下光実と関わりがあったことが発覚した。 |
+ | 青山 メイ |
青山 メイ
「沖君だよね?久しぶり!」
シリウスホープの大学時代の友人であり、科学的な才能を持つ天才。両親はヒーローであり、彼女がまだ10もいかないくらいの時に殺される。ヒーローとヴィランの取引を目撃したための口封じと彼女は思っているが、真相はSB社の自作自演である。
SB社は青山メイにSB社がヴィラン組織であることを知られていないのをいいことにヒーローもヴィランも憎ませるように仕向け、彼女に破壊兵器を研究させてBH計画に利用した。 彼女の日記から、SB社に何らかの形で二重人格を埋め込まれた 二週間以上の眠りから目を覚ましたが、記憶喪失になってしまっている。自身のことやSB社のことなどはほとんど覚えていないが、『いつかヒーローに助けてもらったこと』だけははっきりと覚えている。 記憶喪失になってからも自分を助けてくれるシリウスホープの協力もあって、記憶を失う前の自身の罪と向き合い、罪滅ぼしの意味も込めてHAの技術研究員として働くことになる。 黒山メイにより過去の記憶を取り戻し、同時に自分がやったことへの罪悪感やヒーローへの不信感も蘇る。しかし、シリウスをはじめとするヒーローたちが自分を様々な面で助けてくれたことから、信じたいと思う気持ちもあり、激しい葛藤に苛まれる。最後にはシリウスの言葉を信じ、迷いを断ち切ってヒーローたちを支援する道を選んだ。 |
+ | 壇 黒斗 |
壇 黒斗
「私は神だぁ!!」
BH計画の科学者の中枢の一人で、主にDリーグの技術面担当。エフの肉体を改造したのは彼らしい。BH計画の一部しか知らないが、科学的な面は彼と青山メイ(本人はヴィラン組織と知らず)、そして木下光実の力が重要視されていたようだ。BH計画崩壊の際、彼はエフによって(?)殺されたが、その直前に自身の記憶や意識をデータ化し、情報生命体としてディスクに保存された。BH計画については加担する気はもうなく、聞かれれば知ってることはペラペラ話す。
現在はガシャコンバグヴァイザーツヴァイ内にてHA及びスノーオメガに管理されている。
|
+ | 木下 光実 |
木下 光実
「お前は変わらないな・・・」
壇や青山と同じくブラックヘブン計画の科学的な面で中枢を担っていた人物で、主にテラーの技術面担当。元々はヒーロー側の技術者であったが、テラーの生み出したカクテル、アビスエールの効果により洗脳されてしまった。当分はBHの技術者として働いていたが、あるきっかけで正気に戻る。彼はそこから、BH計画を破綻させるべく様々な介入を行っていった。
計画を台無しにされたヴィラン側は彼を殺害。彼の存在を抹消したつもり・・・だったが、実際は黒斗と同じ方法でデータを残しており、彼のデータは、人工生命体『木下徹』に埋め込まれている。木下徹としてSB支社で働いていたところ、ニンジャスラッシャーと出会い、偶然が重なってHAに至った。普段は木下徹の中に隠れているが、その気になれば木下徹の体で自由に会話等をすることができる。 過去にもニンジャスラッシャーに出会ったことがあるようだが・・・? |
+ | シャイニングマッスル |
シャイニングマッスル
「うむ。聞いていた通り、いい筋肉だ」
HA所属のヒーロー。初老の男性であるが、年齢を感じさせない凄まじい筋肉の持ち主。物事をその鍛え抜かれた肉体で解決し、美しく輝く筋肉でヴィランを打ち倒していく。
専用のベルト『マッスルドライバー』を装着し、『マッスル大変身!』の掛け声をすることによって変身する(その際、ベルトからは『バルクアップ』という音声が流れる)。 |
+ | クラン |
クラン
「・・・私は影。わたしなりのやり方で悪を倒す」
HA所属のヒーロー。黒装束を着こみ、顔に仮面、声はボイスチェンジャーで偽るなど正体を徹底的に隠しており、隠密と情報収集にたけている。
ニンジャ。 仲間にさえ正体を明かさず単独行動(しかし情報共有などはキチンとする)が多いためクランを信用しないヒーローもいる。 |
+ | 葉隠 |
葉隠
「最近はヴィランに情報を売ったりとかしてないべ!」
HA所属のヒーロー()。情報解析にたけており、彼の分析によって解決に導かれた事件は決して少なくない。
しかし、本人はどうしようもないクズで、HAで働いているのも収入がよいため。 以前、ヴィランに(お金に釣られて)肩入れしたことがあることから、またヴィランに(お金につられて)寝返るかもしれない。 |
+ | SBちゃん |
SBちゃん
「スマッシュボーイじゃありませんってば!」
第四話でネームレスの持つ端末にいつの間にか入り込んでいたバーチャルアイドル(?)。彼らの楽団の「50人目」と何らかの連関があるらしく、”それ”からのメッセージ動画をネームレスに見せ付けてきた。
第五話にてブラックヘブンとの関連性がより濃厚になり、記憶を取り戻してしまったネームレスたちとブラックヘブンとを取り次ぐ役目をネームレスに任された。
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+ | 風間 マーガレット |
風間
「あらあら、ムサシ君! 大きくなったわね~!」
沖ムサシが事件に巻き込まれる以前住んでいた家の、近所のおばちゃん。高貴な家の生まれらしいが、それを感じさせないフランクな話し口調や振る舞いが特徴。沖の失われた記憶を埋める一つのピースになってくれるかもしれない。なお、現在は細々と蜂蜜屋を営んでいるらしい。
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+ | アルファ |
アルファ
「姿は変わっても、やっぱりオメガはオメガだね」
数千年前、スノーオメガのコアに使われているオーパーツ『オメガシステム』と共に戦った『アルファシステム』がスノーオメガ同様に現代によみがえった姿。巫女服を改造したような衣服を着ている(アルファを作った人の趣味らしい)。
『ベータプログラム』を起動することでスノーオメガは彼女のデータを取り込み、更なる力を手に入れることができる。 奈落との戦いに敗れ、数千年間眠っていたが、『対奈落因子』を持たない彼女は長い時の中で奈落に蝕まれていた。完全に蝕まれる前にオメガに会いたいと思い立ち、チバシティにて再会を果たす。その後、上記のベータプログラムによってスノーオメガが彼女のデータを取り込んだ際に、彼の持つ対奈落因子によって彼女は奈落の蝕みから解放された。 数千年前からオメガにベタ惚れであり、彼にすぐに抱き着こうとする。 |
+ | 西園寺 響 |
西園寺 響
「君は相変わらずだね、暁」
ネームレスの『もう一人のメンバー』で指揮者。指揮棒を振ることで周囲の音や物体を操ることができる。ボクっ娘。
BH計画の際に『音』によって、他のメンバーよりも強く洗脳されており、現BHの幹部としてヒーローたちの前に立ちはだかった。『恐怖の大王の力』を使い、ヒーローたちを追い詰めるが、更なる力を手に入れたヒーローたちに敗北する。その際に洗脳は解けたが、再び暁たちと共に戦えるかはわからないらしい。 |
+ | 第一話(GM: under3) |
第一話
待ちに待った流星群。空から降り注ぐ無数の星々。チバシティの人々は、この美しい流星群に心を奪われていた。・・・といってもこの流星群、通常の流星群とは少し異なる。実際に地上に隕石やら何やらが降り注ぐのだ。普通なら危険極まりないところだが・・・ここは英雄の街チバシティ。多くのヒーローが一般人に被害がないように、隕石を打ち落とし、人々を護っていた。この流星群は数日にわたって降り注ぐそうだが、ヒーローたちの活躍もあって初日は大きな被害もなく終わった。
夜が明けて、流星群二日目。隕石は夜にしか降らないため、昼は隕石の破片で散らかった街の清掃が行われていた。そんな中、清掃をしつつ、街の様子に気を配る一人のヒーローがいた。彼の名は藤原 謙吾。『ニンジャスラッシャー』と呼ばれるニンジャヒーローだ。彼がそのニンジャ俊敏性を活用しながら清掃をしていると、ふとヴィランの気配を感じた。その気配を頼りに路地裏に入ってみると、白衣を着た研究員らしき男性が、『秘密結社テラー』というヴィラン組織の戦闘員に襲われている光景を見た。降り注いだ隕石には貴重な宇宙の鉱石などが入っているらしく、それを研究しようとする研究機関があるという。どうやら彼は、その研究員で、隕石を回収していたところを襲われたようだ。
ニンジャスラッシャーは即座に変身し、ニンジャソードを用いて戦闘員を薙ぎ払った。助けてもらった研究員は彼に礼を言うと、続けてこう言った。
「ヴィランに襲われるのであれば、この鉱石の研究はあきらめたほうがいいんでしょうか・・・」
その言葉を受けて、ニンジャスラッシャーは隕石を研究所まで運びきるまで、自身がボディーガードをすると提案する。研究員は彼に感謝しつつ、ボディーガードを依頼した。
清掃活動をしているヒーローの中に、一際目立つ大柄な男がいた。彼の名は沖 ムサシ。『シリウスホープ』と呼ばれるヒーローだ。彼がその巨体を活かし大きめの破片を片付けていたところ、破片に気を取られて道を歩いていた女性とぶつかってしまった。彼はすぐにその女性を抱き起し、安否を確認する。
「ごめんなさい、大丈夫です・・・って、あれ?沖君だよね?久しぶり!」
そう言われたシリウスホープは、彼女が自分の知人であることに気が付く。彼女は青山 メイ。シリウスの大学時代の友人である。旧友との再会に、シリウスも表情がほころんだ。青山は、久しぶりに会ったことだから、喫茶店で話でもしないかと彼に提案する。しかしシリウスは清掃活動のまっただ中。途中で放棄することは彼の信条に反するため、片が付くまで待ってくれと彼女に答えた。しかし青山もシリウスの手伝いをすると言い出し、結果として二人で清掃活動を開始するのであった。
最大のヒーロー組織、ヒーローアライアンス(以下HA)。そのチバシティ支部に足を運ぶヒーローがいた。彼はエフ。『デルタ』と呼ばれているヒーローだ。自身の記憶を失っており、何者かわかっていない。ただメモリに残された『ヴィランを倒せ』という命令のもと、ヴィランを打ち倒してきた。そんな中、『道玄坂かおる』という元ヒーローに助けられ、彼女の教えのもと、ヒーローとは何か日々模索している。そんな彼は、HAの総帥ブレードに呼び出されていた。ブレードはかおるからエフについて聞かされており、ヒーローについて教えてやってほしいと言われていたのだ。
「ヴィランを倒すことも重要だが、それだけではだめだ。『慈善活動』なんかもしなくてはならない」
それを聞いたエフは、素直にうなずきながらも、具体的にどうすればいいのか尋ねる。ブレードは、現在街で清掃活動が行われているからそれに参加してみること、そして他のヒーローにやり方を教えてもらうことを提案した。そして、その『他のヒーロー』として名が挙げられたのが、シリウスホープだ。彼はそういった慈善活動には積極的に参加するヒーローであり、現在大きな事件にかかわっているという情報も聞かないため、彼が適任だとブレードは思ったのだろう。エフは慈善活動を通してヒーローを探求すべく、シリウスホープを探しに街へ出かけた。
一通り清掃の片が付いたシリウスと青山は、近くの喫茶店へ足を運んでいた。二人は改めて、自身の近況や大学時代の話に花を咲かせていた(ちなみに、シリウスは大学時代ラグビー部に所属しており、青山はそのマネージャーであった)。青山は、沖 ムサシがヒーローになったことは知っていたが、大学時代と変わらない様子の彼に安心感を覚えていたようだ。
話は切り替わり、流星群の話題になる。すると青山は、自身の首にかけているペンダントについている緑色の石を見せる。
「これ、落ちてた隕石の中にあったんだよね。すっごく綺麗でしょ」
緑色に輝くその石は、確かに美しかった。しかし、鉱石の知識がないシリウスは、ただその言葉を肯定することしかできなかった。
するとそこへ、エフが現れる。慈善活動をするために探していたシリウスホープを見つけたのだ。エフがシリウスに清掃を提案し、連れ出そうとすると、ヒーローの仕事に戻らなくてはならない、と青山に別れを告げようとする。青山もそれに承知し、また会うことを約束して喫茶店を後にした。 喫茶店を出たころ、外は既に日が落ちていた。もう流星群が始まるころだ。彼方では美しい流星が見えている。その星々に、青山はただただ見とれていた。
一方、ニンジャスラッシャーはソラガケジツを用いて、隕石を運搬しているトラックと並走して研究所へ向かっていた。研究所までもう少し・・・と思ったその矢先。トラックの目の前に、多くのテラー戦闘員が立ちふさがった。戦闘員たちは、トラックに積んだ隕石を渡せと要求してきた。先刻研究員が襲われていたことと照らし合わせると、どうやらテラーも隕石の中の鉱石を求めているようだ。戦闘員は数が多いと言っても、ニンジャスラッシャー一人でも十分に対応できる数だ。だが、全て倒しきるには時間がかかりすぎるし、その隙に隕石を奪われてしまうかもしれない。
しかしそこへ、シリウスとエフが通りがかる。ヴィランを目にし、ただ事でないと判断した彼らは、ニンジャスラッシャーの助太刀に入る。ニンジャスラッシャーは、トラックの中の研究員に後方で待機するよう言ったうえで、シリウスホープとエフとともに戦闘に取り掛かった。 ニンジャスラッシャーのニンジャソードによる一閃、エフによる銃撃によって、戦闘員たちはなすすべもなく打ち倒されていく。そこに残された戦闘員がシリウスに襲い掛かるが、彼はそれをものともせず、拳で応戦する。しかし、不幸にもその拳は空を切り、再び向き直る形になる。そこへ再びニンジャスラッシャーによる一閃が飛び、戦闘員はあえなく撃沈した。
ヴィランを打ち倒し、再び誘導しようとトラックの方を向くヒーローたち。しかしそこで、白衣を着た幾人かが隕石を持ち去っていく光景が見えた。どうやら、研究員に扮した戦闘員が、隙をついて隕石を盗み去っていったようだ。だがそこはまだエフの射程圏内であった。エフの正確な銃撃が戦闘員の一人を直撃し、その場に倒れこむ。そのほかの戦闘員は足を止めることなく、路地裏へ逃げ去っていった。急な事態に戸惑いつつも、とりあえずシリウスホープは路地裏へ戦闘員を追うことにし、ニンジャスラッシャーとエフは倒れた戦闘員の取り調べを行うことにした。
路地裏へ入ったシリウスホープは、戦闘員を探していると、どこからともなく奇妙な声が聞こえてくる。
「俺様の名はアビスラッシャー!隕石はいただいていくぜ!」
どうやら、戦闘員たちを指揮していた怪人のようだ。シリウスは出てくるよう呼びかけるが、それに従う義理はない。シリウスが懸命に彼らを探している間に、アビスラッシャーと戦闘員たちは逃げてしまった。完全に見失ってしまったシリウスは、渋々トラックへ戻ることにした。
一方、戦闘員をインタビューしていたニンジャスラッシャーとエフ。『Yeee!』としかしゃべれない、ということにしてやり過ごそうとする戦闘員であったが、ニンジャスラッシャーの目をごまかすことはできなかった。だってさっき普通にしゃべってたから。ニンジャスラッシャーとエフは何とか情報を聞き出そうとするが、アビスラッシャーという怪人の指示のもとに隕石を求めていることしかわからなかった。そうしているうちにシリウスが戻ってきたため、一先ずトラックを研究所へ送り届けたのち、HAに報告へ行き、状況整理を行うことにした。
HAにて、総帥ブレードにこの事件の調査を依頼された三人は、エフの拠点(スポーツジム)に集まり、情報収集を行うことにし た。トレーニングを通してのコミュニケーションやニンジャネットワークなど、様々な方法で情報を集めていくヒーローたち。その集めた情報をまとめるとこうだ。
今回の流星群の隕石の中には、『銀河犯罪結社ヒドー』というヴィラン組織が収集していた隕石が含まれているらしい。彼らは特殊なエネルギーを持つ緑色の鉱石を含む隕石を収集し、運搬していたところでヒーローが止めにかかり、結果として宇宙にばらまかれることとなった。そしてその鉱石に興味を示したテラー。地上にばらまかれたその鉱石を、なんとか回収しようと奔走していたのだ。しかし彼ら自身は鉱石のエネルギーを扱うことはできないため、ヒドーに売却し、資金を得ようという目論見であった。今回この作戦の指揮にあたっているのは、怪人アビスラッシャー。『アビスエール』というカクテルによる洗脳作戦が計画段階で失敗に終わったため、この作戦に回されたそうだ。 シリウスホープは、この緑色の鉱石に心当たりがあった。青山 メイが所持していたものだ。テラーは様々な方法を使って鉱石を収集しようとしている。無論、そのために鉱石を所持している一般人を襲うことなど、彼らにとっては当たり前のことだ(現に研究員が襲われている)。青山の身に危険が及んでいると察知した彼は、青山に電話をかける。彼女は現在自宅にいて、幸いにもヴィランには襲われていないようだ。シリウスは彼女と通話しながらエフの拠点を飛び出し、彼女の自宅へ向かう。シリウスのただならぬ様子に危機感を覚えたのか、ニンジャスラッシャーとエフもそれに続いた。そこで、シリウスの電話の向こうから、ドアを叩く音が聞こえる。ヴィランが彼女を訪ねてきたと推理したシリウスは、『自分が行くまで絶対にドアを開けず、隠れていろ』と指示したうえで、脚を急がせる。青山もそれに従い、どこかへ移動したようだが、彼女は『大声で』こう言った。
「わかった!私、屋根裏に隠れてるね!!」
直後、何かが破壊される音と、青山の悲鳴が聞こえる。シリウスは必死に呼びかけるが、通話はそのまま途絶えてしまった。
青山の自宅に到着したヒーローたち。そこは無残に荒らされており、もぬけの殻であった。どうやら彼女はヴィランに連れ去られてしまったようだ。そして、窓に大きく『彼女を返してほしくば、鉱石を三つ持って廃工場まで来い』と書かれていることに気が付く。奴らの目的は鉱石。それをより多く手に入れるためにこのようにヒーローたちに要求したのだろう。シリウスホープは彼女を助けるべく、正面から挑もうと考えるが、それは無謀であり、むしろ彼女を危険にさらすことになるとニンジャスラッシャーに止められる。ニンジャスラッシャーは鉱石三つを実際に渡し、油断させたところで叩くことを提案した。正面からの戦いを好むシリウスとしては、あまり望ましくなかったが、仕方ないと割り切ったうえで行動に移すことにした。
まず、ニンジャスラッシャーは鉱石を集めるべく、先の研究所へ足を運ぶ。しかし、そこで拝借できた鉱石は一つだけであった。一人では集めきれないと判断した彼は、エフやシリウスにも一つずつ鉱石を収集するよう要求する。連絡を受けたエフは、落ちてくる隕石を撃ち落とし、そこから鉱石を探し出す作戦に出た。強力な彼の銃撃は巨大な隕石を破壊し、その中から鉱石を発見するに至った。シリウスホープは青山が拘束されている廃工場へ行き、工場周辺の様子を確認した後に鉱石を探し出す。そこで彼は、綺麗な鉱石は露天商が売っている可能性が高いと思い立ち、露店を見に行くことにした。彼の予想は大いに当たり、手早くその鉱石を購入するのであった。こうして、必要な三つの鉱石を揃えることができた。
青山 メイが拘束されている廃工場。そこには幾人かの戦闘員、そしてアビスラッシャーの姿があった。戦闘員が青山を煽りつつヒーローたちを待っていると、入り口に黒い影が忍び寄った。ニンジャスラッシャーのエントリーだ。ニンジャスラッシャーはアビスラッシャーの要求通りに三つの鉱石を見せ、工場の脇の台の上に置いたうえでその場を離れた。おかしな動きがないニンジャスラッシャーを確認し、アビスラッシャーはゆっくりと台に近づき、鉱石に手を伸ばす。その瞬間、窓の外から弾丸が飛び込んできた。外で待機していたエフによる攻撃だ。アビスラッシャーは突然の銃撃に対処できず、鉱石を落としてしまう。と、そこで天井から、青山の周りにいた戦闘員のうちの一人の頭上めがけて、巨漢が落ちてきた。シリウスホープだ。シリウスは青山を守るようにして、戦闘態勢をとった。
アビスラッシャーも鉱石のことは後回しにして、戦闘態勢をとった。その巨大な爪で青山ともどもヒーローたちを引き裂こうとするが、シリウスホープが青山を必死に守り、傷一つつかせない。ニンジャスラッシャーとエフはその斬撃に傷つきながらも、ニンジャソードと銃による攻撃でアビスラッシャーを追い詰め、戦闘員を撃沈させていく。アビスラッシャーもそのうちに限界が近づくが、シリウスが青山をかばうのに精一杯なのをいいことに、実質二人のヒーローを相手に苦しめていく。だがそこで、ニンジャスラッシャーが強力な一閃を繰り出し、それに続くようにしてエフがとどめと言わんばかりに、必殺キック『ルシファーズハンマー』を繰り出した。それを受けたアビスラッシャーにはΔの文字が浮かび上がり、あえなく爆発四散した。 辛くも勝利したヒーローたち。無事に青山を守り切ったシリウスホープであったが・・・ダメージを受けすぎたのか、そのまま気絶してしまった。ニンジャスラッシャーはHAに連絡を取り、救護班と事後処理の要請をするのであった。
数日後、シリウスホープはHAの医務室にて目を覚ます。どうやら何日も眠ったままだったようだ。傷はまだ癒えておらず、しばらくはヒーローとしての活動は休まなくてはならないようだ。するとそこへ、共に戦ったエフが見舞いに来た。エフはシリウスの体を心配しつつ、一つの疑問を投げかける。
「あなたはどうして、あの時青山さんを守っていたんですか?」
ヴィランを倒すということ以外、ヒーローとは何かまだよくわかっていないエフは、あの時何故シリウスが必死になって青山を守っていたのか理解できないのである。その問いに対し、シリウスは真っ直ぐエフを見つめて答えた。
「人を守るというのは、ヒーローとして当然だからさ」
現に多くのヒーローが、危険にさらされた人を守っている。ヒーローたちは降り注ぐ隕石から人を守り、ニンジャスラッシャーも襲われていた研究員を守っている。『ヴィランを倒す』ことと『人を守る』こと。対極にあり、すぐには結び付かないことのようだが、エフの中では確かに一つの答えとして心に刻まれた。
今回の事件について、ニンジャスラッシャーは総帥ブレードに報告していた。結果として解決され、被害も少なく済んだ事件であった。しかし、ブレードはニンジャスラッシャーに疑問を投げかける。
「その三つの鉱石はどのようにして集めたんだ?」
ニンジャスラッシャーは素直に、研究所、隕石、露天商から集めたと答えた。だが、そこでさらにブレードは眉をひそめた。ニンジャスラッシャーはその理由を尋ねるが、ブレードはきっと私の勘違いだ、と答えようとしなかった。
報告を終えたニンジャスラッシャーは、そのままドロンしようとする。しかし去り際に、総帥ブレードのつぶやきが確かに聞こえた。
「あの鉱石を研究させてくれと申請してきた研究機関はなかったはずだが・・・」
ニンジャスラッシャーはHAへの報告ののち、今度はシリウスホープへ報告に向かった。彼は倒れた時のことをほとんど覚えていなかったため、戦闘について改めて知らされる必要があったのだ。
戦いを通して、互いにヒーローとしての信頼を深めた二人。無論、エフも二人からヒーローとして期待されていた。これからヒーローとして共に戦う機会が多くなるだろうと感じた二人は、これからもよろしく頼むと言って、固い握手を交わしたのであった。だが、エフも含めて三人は知らなかった。彼らには、予想もしない形で関わりがあったことを。
鉱石を研究していた研究所。それがあったはずの場所はすでに更地になっており、看板が設置されていた。
「ヒーローの皆様へ。皆様のおかげで、我々は十分に有意義な研究を行えました。これで、素晴らしい『実験』が行えるでしょう。心より感謝申し上げます
スマッシュバッシュ社」
第一話 完
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+ | 第二話(GM: シバタ) |
+ | 第三話(GM: エイブ) |
+ | 第四話(GM: kvkv) |
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