+ | 一騎討ちの戦績 |
◯馬超vs韓遂●
◯馬超vs馬鉄● ◯馬超vs馬休● ◯馬超vs程銀● ◯馬超vs成宜● ◯馬超vs馬頑● ◯馬超vs兀突骨● ◯馬超vs呂布● ●馬超vs兀突骨(閻行融合状態)◯ ◯馬超vs曹仁● ◯馬超vs李堪● ◯馬超vs張飛● ◯馬超vs張宝● ◯馬超vs張梁● ◯馬超vs龐徳● ◯馬超vs曹洪● |
+ | 一騎討ちの戦績 |
△曹操vs韓遂△
●曹操vsメカ馬雲騄◯ ◯曹操vs龐統●(舌戦勝負) △曹操vs張角△(演奏勝負) |
+ | 一騎討ちの戦績 |
△董卓vs韓遂△
◯董卓vs馬鉄● ●董卓vs馬休◯ ◯董卓vsメカ馬雲騄● ◯董卓vs兀突骨● ●董卓vs呂布○ ◯董卓vs馬岱● |
+ | 一騎討ちの戦績 |
△卞喜vs韓遂△
●卞喜vs馬鉄◯ ●卞喜vsメカ馬雲騄◯ ●卞喜vs兀突骨◯ ◯卞喜vs成宜● ◯卞喜vs呂布● ●卞喜vs兀突骨(閻行融合状態)◯ ◯卞喜vs関羽● ◯卞喜vs曹洪● |
+ | 第一話「前世の因果は途切れない」 |
西暦20XX年、秦の始皇帝による世界支配が進む一方で、一部の武将達が始皇帝の洗脳から解放され、日本を中心に世界各地で叛逆の炎が燃え上がりつつあった。
そんな中、日本の中北郡の中心地である愛知県の支配者・馬騰(転生三国志2』p.160)が、秦の始皇帝に対して謀反を企てているという噂が広がる。どうやら彼は、秦軍が指名手配している「謎の少女」を匿っているらしい。
その噂の真偽は不明だが、長野の支配者にして馬騰の長年のライバルでもある女傑・韓遂は、この期に馬騰を叛逆者として討伐すべく、軍備を整えつつあった。
これに対して、馬騰団(バトウライダーズ)の下級兵達は韓遂派との決戦に備えて県内全ての涼州ういろう(活命玉相当の回復薬)を強制接収すべく、輸送用トラックへの襲撃作戦を開始する。その一環として、偶然にも馬騰の長男・考苗が(運送屋のバイトとして)運転するトラックを彼等が襲撃しようとしたところへ、それぞれの思惑に基づいてこの地に乗り込んでいた曹操・董卓・卞喜の三人が現れ、なし崩し的に武力衝突が発生する。その混乱の最中に曹操から武将魂(ソウル)を叩き込まれた考苗は、自身の中に眠っていた「馬超」の魂相を覚醒させることになった。
その後、ひとまず共闘することになった四人はそのまま馬騰団の下級兵達を倒し、更に県内に潜伏していた韓遂派による「ういろう工場爆破計画」の阻止にも成功する。また、この過程で馬騰の動向について調べていた彼等は、馬騰が数日後に「謎の女性」と「バトウ喫茶・尾張瀬戸店」での密会を計画していること、そして同日に韓遂派がその店の急襲を企んでいることを知る。 更に、名古屋のゴールデンバトウキャッスルの近くで馬騰が匿っている「指名手配中の少女」の思念体と遭遇した彼等は、彼女との会話を通じて、彼女が漢朝最後の皇帝・劉協(献帝)の転生体であることに気付く。どうやら馬騰は(まだ始皇帝の洗脳自体は解けていないものの)前世の記憶から、彼女だけは何があっても守らなければならないと本能的に感じ取り、彼女を保護しているらしい。 そんな彼等の前に、卞喜の依頼主である「太極図のTシャツの少女」が現れる。彼女の正体は、かつて張角に「太平要術の書」を与えた南華老仙(荘子)であり、彼女は腐敗したこの世を正すために(彼女にとっては本来宿敵である)献帝の力が必要であると四人に解く(なお、南華老仙は他の転生体とは異なり、徐福の術ではなく荘子自身の力で転生を繰り返しているらしい)。
ひとまず馬騰と接触するために、瀬戸のバトウ喫茶へと向かった四人は、店内で馬騰が一人の妙齢の女性と会話を交わしている場面に遭遇する。どうやら彼女は始皇帝直属のエージェントで、馬騰に「韓遂派の侵攻を止めたければ、指名手配の少女を引き渡せ」と要求しているようだが、彼はその要求を一笑に付す。
これに対して、その女性は馬騰に毒入りピーナッツを食べさせようとするが、曹操がその企みを見抜いて介入したことで失敗し、彼女は店の近くで待機していた韓遂とその部下の兵士達に喫茶店への突撃を促す。そして彼女は、自分の正体が「賈詡」であることを彼等に告げた上で、どこからともなく現れたヘリから吊るされた縄ばしごに飛び乗ってその場から去って行く。馬騰はそんな彼女を追おうと強引に縄ばしごに飛びついて彼女を引き摺り下ろそうとするが、逆に自分が振り落とされて地面に叩きつけられ、重傷を追ってしまった。
一方、この場に残された四人は、突入してきた韓遂達と交戦することになるが、前世からの宿敵である馬超が最初の一騎打ちで韓遂を圧倒にしたのを皮切りに、他の三人も彼女からの直接的な攻撃を全て互角の武技でかわしきり、そのまま彼女の部下の兵士達もあっさりと屈服させ、戦いは馬超達の完勝に終わる。だが、韓遂はそれでも彼等の軍門に降ることを潔しとせず、長野へと逃げ帰って行った。 その後、馬騰は自分を謀略に嵌めようとした賈詡を探し出して「落とし前」をつけるための旅に出ると宣言し、愛知県の支配者の座は馬超が引き継ぐことになる(と言っても、実質的な政務は曹操が担当することになるのだが)。 その上で、ゴールデンバトウキャッスルの地下に匿われていた献帝は馬超達と改めて対面し、自身の真の力を発動させるには「伝国の玉璽」が必要であることを告げるが、今はまだその玉璽の在り処は分からないらしい。そして、玉璽の力を手に入れた彼女がどれほどの存在となるのかについても、まだよく分かっていないようだが、ひとまず四人は、当面はこの愛知の地に根を下ろした上で「献帝の保護」と「玉璽の情報収集」に務めるという方針で一致するのであった。 |
+ | 第二話「兄弟仁義は歌えない」 |
愛知県の支配者となった馬超は、曹操の進言に従い、ひとまず秦軍に対しても反秦軍に対しても、自分達の姿勢を曖昧にしたままの態度を取り続けつつ、県内の国力整備に取り組んでいた。
そんな中、馬超の実弟である静岡の支配者・馬休から「中北郡の安定のために、バトウ喫茶・豊川稲荷店で会談がしたい」という連絡が届く。一方、北西部の岐阜県境に位置する白帝城(犬山城)では、もう一人の実弟である岐阜の支配者・馬鉄の傘下の弩兵・銃兵達による断続的な攻撃に晒されていた。
まずは白帝城を攻撃していた馬鉄軍を討伐すべく岐阜県境へと向かった馬超達は、あっさりと敵軍を撃破した上で、彼等があくまでも陽動隊にすぎないことに気付く。どうやら馬鉄軍の本体は、カヌーを用いて木曽三川を降って伊勢湾へと出た上で、中部国際空港を「友軍(その実態は不明)」と共に襲撃しようと企んでいるらしい。
一方、馬休の動向についても調べてみたところ、どうやら馬休は会談の場には影武者を向かわせた上で、清水港に大量の兵を集めているらしい。この状況から察するに、おそらく馬休は豊川に馬超を連れ出した上で、その間に清水港から水軍を率いて知多半島へと向かい、馬鉄と合流して中部国際空港を襲撃する目論見なのであろうと彼等は推察する。献帝曰く、中部国際空港の地下には、馬騰がとある筋から入手した「超高性能航空兵器」が隠されているらしい(ただし、燃費が悪く、今のところは使い物にならない)。おそらく、彼等はその奪取を目論んでいるのであろう。 この状況を踏まえた上で、各個撃破戦術を選択した彼等は、まず木曽川の下流で馬鉄軍を撃破し、そして中部国際空港近海で馬休軍も粉砕した上で、二人を説得してそのまま傘下に加えて、岐阜と静岡の支配権を奪い取る(その後、岐阜には曹操が、静岡には董卓が支配者として派遣される)。 その後、中部国際空港の地下にあった 超高性能航空兵器 の正体が、数年前に早乙女博士が発明した後に何者かに奪われた三体合体兵器の一つであることが判明するが、博士曰く「あの機体は曹家の者でなければ力を発揮することが出来ず、しかも三体揃わないと大して意味がない」とのことだったので、当面はそのまま地下に封印させておくことになった。 |
+ | 第三話「酒と和菓子は馴染まない」 |
愛知・岐阜・静岡を傘下に収めた馬超達であったが、馬超が突然の体調不良で倒れてしまう。そんな中、三重県を支配する馬超の妹の馬雲騄と、山梨を支配する馬超の従兄弟の馬岱から、馬超を中北郡の支配者として認める旨を記した手紙が届けられる。そこに家督相続の祝賀品として、それぞれ「赤福」と「葡萄酒」が添えられていた。
一方、愛知県内ではイナゴドローンが出没し、県内の田畑を食い漁っているという情報が届く。卞喜達はこれらの討伐に成功するが、これらがどこから派遣された兵器なのかは分からない。ただ、兵器の構造上、海路からの侵入は考えにくいので、普通に考えれば、三重か長野のどちらかの県境経由のルートしかあり得ない(そして馬岱が韓遂と通じていた場合、山梨から長野経由で送り込むことも可能である)。
このような状況下において曹操達はこの手紙と贈答品を怪しみ、それぞれに細かく調べてみた結果、馬雲騄の手紙に関しては、筆跡が本人のものとは異なっており、届けられた赤福も、食べた者に天災が降りかかりやすくなる呪いが掛けられていることが分かる。一方、馬岱からの手紙には「自分達は実は裏では反秦軍と共闘している」という旨が「すかし文字」で記されており、葡萄酒には「飲んだ者の気力を回復させる(ただし、その代償として天災が降りかかる可能性が高まる)効果」があることが判明した。 現状、馬岱に関してはその手紙の内容が真実か罠かは確認出来ないが、少なくとも馬雲騄の方は明らかに敵対的な姿勢であることが判明したため、馬休・馬鉄に留守を任せた上で、曹操・董卓・卞喜は三重へと討伐に向かう。そんな彼等の前に姿を現したのは、馬雲騄そっくりに作られた謎の兵馬俑「メカ馬雲騄」に率いられた三重の秦軍であった。馬超不在ながらも三人はどうにか彼女を撃退し、そして馬雲騄が偽物だったことを知らされた三重の秦軍は即座に降伏する。 どうやら馬雲騄は何者かによって「偽物」にすり替えられていたらしいが、どの時点で誰の手によって入れ替えられたのかも、現在の本人の行方も、誰にも分からない。曹操はひとまず三重の支配者として馬休を指名した上で、馬雲騄の行方を捜す布告を各方面に通達するのであった。 |
+ | 第四話「レジスタンスは忍べない」 |
馬超も無事に体調不良から回復し、東海四県を完全に手中に収めたことで、次は反秦勢力への協力姿勢を密かに示している山梨の馬岱の元へと向かおうと考えていた曹操達であったが、世間の風評によれば、山梨では馬岱軍が反秦勢力のレジスタンスを激しく弾圧していると言われており、その真意は未だ謎のままであった。
そこで、事前に山梨の情勢について調査してみたところ、様々な事実が明らかになった。どうやら馬岱は山梨近辺で発見した反秦軍のレジスタンス達を、甲斐市の日本黄空高校(黄巾賊が経営する洗脳教育機関)から、その系列校である北海道千歳市の日本黄空専門学校へと空路で強制連行しているらしいが、その千歳の専門学校では現在、「劉備」を名乗る少年が反乱を計画しているという。つまり、馬岱は反秦勢力を弾圧するフリをしながら、千歳の同胞達の元へと戦力を集中させているようである。 一方、愛知との対立が続いている長野の支配者・韓遂の動向についても調べてみたところ、どうやら彼女達も既にこの馬岱の動きには気付いているようで、密かに山梨討伐の準備を進めているらしい。なお、彼女にそのことを告げたのは、始皇帝直属のエージェントである賈詡(第一話参照)であるという。 そんな中、岐阜県中津川市の練兵場が、韓遂派の手下八部の一人である西征将軍・程銀によって占拠されたという情報が入る。このままでは兵力増強が困難になると判断した馬超達は、すぐさま出兵し、瞬く間に鎮圧に成功した。
捕らえられた程銀は、曹操の説得によって洗脳を解かれ、馬超の傘下に加わることを了承する。程銀曰く、彼は韓遂から「馬超派を引きつけて時間稼ぎすること」を要求されており、その間に(おそらくは山梨討伐のための)「本隊」の指揮官として、新潟の支配者である閻行が呼ばれていたらしい。閻行は韓遂派のNo.2であり、暴走族集団である中北郡の支配者達の中では珍しい、良家の令嬢のような風貌の女性であるが、その中身は誰よりも殺戮を愛する狂戦士であった(前世では馬超を半殺しにした実績もある)。
ここまでの状況を踏まえた上で、馬超達は山梨の馬岱の元へと向かう。すると、その県境付近で彼等の前に、槍を構えた一人の青年が現れた。董卓はその男に見覚えがある。彼こそが、蒙古で董卓を発見・捕縛し、中部国際空港へと連れ帰った反秦軍の男であった。彼は改めて、自らが華雄の転生体であると告げた上で、自身と山梨の現状について語り始める。
華雄は元来、北海道の秦軍の将であったが、洗脳が解けたことで千歳の反秦レジスタンスに加わり、そして山梨との連携のためにこの地に派遣されてきたらしい(董卓もその一員としてスカウトするつもりで日本に連れ帰った)。馬超達の推測通り、馬岱は千歳の反秦軍と連動しており、馬超達が反秦軍として決起するつもりがあるならば協力したいという意向を示すが、馬岱軍の中には馬超に協力することに対して懐疑的な声もあるという。
というのも、ここ最近、山梨県内の軍事的な要所が次々と何者かの手によって破壊されており、それが馬超の仕業ではないかと疑われているらしい。身の潔白を晴らすために曹操がその件について調査してみたところ、どうやらそれは、韓遂派の手下八部の一人である南征将軍・馬玩の手によるものだと判明し、実際に馬玩と現場で遭遇するが、捕縛するまでには至らなかった。そのため、この時点で馬超達は華雄や馬岱達と全面的に同盟関係を築くことは叶わなかったものの、ひとまず彼等に協力する意思は示した上で、韓遂派による馬岱討伐軍を馬超軍の手で撃退すると宣言する。
そして長野と山梨の県境へと向かった馬超達の前に、閻行率いる韓遂派の大軍が現れる。彼女の傍らには、上述の馬玩と、そして同じく手下八部の一人である東征将軍・楊秋の姿もあった。
両軍は真正面から激しく激突し、乱戦が展開される中、やがて馬玩・楊秋は倒されるが、当初は後方で眺めるようにその殺戮の様子を楽しんでいた閻行が、楊秋が倒れた時の返り血を浴びたことで、自身の中に封印されていた「もう一つの魂相」を覚醒させる。それは、閻行よりも更に強大な力を秘めた南蛮の猛将・兀突骨の魂であった。
彼女は巨大な斧を振るって馬超に対して痛烈な一撃を浴びせるが、馬超はかろうじて倒れずに踏みとどまり、応戦の構えを見せる。だが、既に疲労困憊状態にあった馬超では厳しいと判断した卞喜・董卓が彼女の前に立ちはだかり、その間に馬超は涼州ういろうの力で万全の状態を取り戻した上で、満を辞しての兀突骨との一騎打ちに挑み、見事に勝利を納め、兀突骨は暴走状態のまま谷底へと転落していった。
その後、曹操が彼女の洗脳を解くために説得を試みようとしたが、その姿は見つからなかった(一方、馬玩・楊秋は彼の説得に応じて傘下に加わる)。そして、ようやく馬岱から仲間と認められて面会を果たすが、彼等はこれから、北海道の反乱に協力するために千歳へと向かうと宣言し、山梨の統治権を馬超達に委ねた上で、日本黄空専門学校へと飛び立って行くのであった。 |
+ | 第五話「リベンジマッチは叶わない」 |
中北郡十県のうち、旧馬騰派の納める五県は馬超の傘下に加わり、一方で、韓遂派のNo.2であった閻行(兀突骨)が失踪したことで、韓遂派の手下八部の間でも足並みの乱れが発生してきた。新潟は新たな支配者が決まらないまま無秩序の状態が続き、石川の張横は「中立」を宣言する。一方で、福井の梁興は馬超派に対して明確に敵対姿勢を示すが、富山の成宜は沈黙を続けていた。
この状況下において、曹操が成宜を籠絡するために彼の人となりについて調べてみたところ、彼を屈服させるには「実力」を示すことが一番の早道だという判断に至り、その話を聞いた卞喜は富山へと赴き、成宜に一騎打ちを申し出る。成宜はその申し出を受け入れ、張横の立会いの下で勝負に挑んだ結果、見事に卞喜が勝利し、成宜は馬超傘下に加わることを了承した。
更に、その成宜からの情報提供を受けて、福井の梁興が(馬超派への「人質」として)行方不明の馬雲騄を監禁しているということが明らかになる(どうやら彼女を偽物とすり替えたのも彼の仕業らしい)。その話を聞いた卞喜は単身で彼女の監禁場所へと乗り込み、無事に彼女の救出に成功した。 一方、韓遂の本拠地である長野に向かって、関東方面から 謎の未確認飛行物体 が飛来したという話を聞いた董卓が、現地に調べに向かったところ、どうやらその物体の正体は、早乙女博士が作り出した後に行方不明となっていた(セントレアの地下に眠っていた代物と同系列の)「三体合体兵器」の一つらしい、という情報を得る。 そして、その飛来の直後、韓遂が長野から姿を消したという話を聞いた馬超は、バトウ喫茶・郡上八幡店にて、ウェイトレスとして働く彼女を発見する。どうやら彼女は、馬超派に対する二度の敗戦を理由に長野国主の座を解任され、食うに困ってこの地のバイトに落ち着いたらしい。自暴自棄になりかけていた韓遂であったが、フリーター生活が長かった馬超はなぜか彼女と意気投合し、馬超の言葉に励まされた韓遂は「この店を日本一の喫茶店にする」という希望を胸に、第二の人生を歩む決意を固める。 そんな中、韓遂不在の長野において、始皇帝への忠誠心が強い松本城主・李堪と、韓遂に心酔する上田城主・侯選の間の対立が深まりつつあるという情報を知った曹操は、バトウ喫茶・郡上八幡店に侯選を呼び出して、直接会談することになった。韓遂が「岐阜の安寧」を願っていることを知った侯選は、関東郡からの侵略に備えるために中山道の防備を固めるという名目で、実質的にこの戦いからの離脱を宣言する。
一方、空路で長野に援軍に向かおうとする梁興軍を各個撃破することに成功した馬超軍は(その途上で通りすがりの兀突骨との戦いで馬超と卞喜が負傷を追いつつも)、唯一残った反馬超派の居城・松本城へと攻め登る。そこで城主・李堪と共に彼等を待ち受けていたのは、韓遂に代わって新たに長野の国主として関東から赴任した女傑・曹仁(字は橘翔)であった。
守りを得意とする曹仁の用兵術に苦戦する中、天に見放された董卓が厄災を引き起こし、(兀突骨との戦いの傷が癒えていなかったこともあり)卞喜が倒れ、馬超・曹操も瀕死の重傷にまで追い込まれるが、それでもどうにか最終的には薄氷の勝利を得る。こうして、遂に馬超達は中北郡の支配権を完全に掌握し、曹仁を含めた(放浪中の馬騰・閻行を除いた)中北郡の全ての武将を傘下に収めることに成功したのであった。
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+ | 第六話「北の大地は凍らない」 |
馬超達が中北郡の平定を完了した頃、北海道では函館で決起した劉備率いる反乱軍が秦軍を殲滅したという知らせが届く。その数日後に北海道から劉備傘下の女将・関羽(字は天仁)が来訪し、(パチスロ中で不在だった馬超に代わり)曹操が応対する。
関羽曰く、劉備は中北郡を平定した馬超軍との連携を望んでいるものの、その傘下には馬超達に対して不信感を抱いている者も多いという。そのことを踏まえた上で、関羽は自軍の軍師・諸葛亮の語る「始皇帝支配からの解放」のための秘策を伝える。
諸葛亮の研究によれば、現在世界各地を支配している秦軍傘下の武将達の魂を縛っている「始皇帝による邪魂支配」は、「(秦を倒した存在である)漢の皇帝の勅」によって無効化可能であり、そのためには「漢王朝の帝の魂」を持つ者の手で、「漢王朝の末裔の血」を朱肉として、「伝国の玉璽」を押印した手紙を各地の諸侯に送る必要があるという。 関羽曰く、諸葛亮は既に馬超の庇護下に「献帝の魂相を持つ少女」がいることを見抜いているが、諸葛亮の調査によれば、今の彼女自身は肉体的には純然たる日本人であり、血脈的には漢王朝の血を引いている訳ではない。一方で、関羽達の首領である劉備はその献帝(前世)の直系の子孫であるが、「(中国全土を支配した訳ではない)蜀漢の帝の魂」では始皇帝の支配を打ち破るほどの「勅」は発動出来ないらしい。逆に言えば、この「献帝」と「劉備」が手を組み、更に玉璽を手に入れれば秦帝国の支配から世界を救うことが可能であり、しかも諸葛亮はその玉璽の在処についても既に目星はついているという。 ただし、この「勅」の力は強大であるが故に、同盟関係の構築には慎重にならざるを得ない。その上で、どちらが主導権を握るのか、という点についても確認する必要はある。劉備達は「勅」の発動によって「秦帝国の出現以前の世界」に戻すことを目指しているが、今の馬超はなりゆきで盟主になっているだけで明確な目標がある訳でもなく、他の者達の目的もバラバラ(曹操は武将魂の研究、董卓は美味の追求、卞喜は「真の張三兄弟」の捜索)で、はっきりとした将来設計がある訳でもないため、今の時点で具体的な同盟条件を提示することも出来ない。 このような状況下において、ひとまず彼等は共闘することには概ね合意しつつ、「強い方が主導権を握る」という原始的な手法で、両軍の関係を決着させることにした。すなわち「武芸三番勝負」と「舌戦二番勝負」から成る「五番勝負」に勝ち越した方に主導権を与える、という単純明快な決定法である。こうして、馬超・董卓・卞喜・曹操・南華老仙の五人は、献帝を連れて(彼女の護衛として馬休・馬鉄も随行させつつ、留守の警備を曹仁に任せた上で)北海道へと向かうことになった。 北海道に着いた彼等は、この地の国主となった青年・劉備(字は刻史)から出迎えられ、翌日の決戦まで札幌の高級ホテルで宿泊するように手配される。この時、献帝と初めて出会った劉備は(魂相の共鳴により)彼女が確かに「本物」であることを確信し、その傍らに立つ南華老仙もまた、劉備が「漢王朝の血を引く人物」であることは間違いないと馬超達に告げる。
劉備は五番勝負の前に献帝と直接話がしたいと提案し、馬超側からは馬休・馬鉄に加えて南華老仙を、劉備側からは関羽と並ぶ北海道の(なぜか関西弁の)女傑・張飛(字は茅里)を護衛につけるという前提で、札幌市内の某所で極秘会談がおこなわれることになった。
一方、劉備と共に馬超達を出迎えた諸葛亮(字は宮冥)と龐統(字は豊喬)の様子に、曹操達はどこか違和感を感じる(なお、傍目には二人とも女性に見えるが、龐統は男性である。ただし、この局面において重要な違和感はそこではない)。伏龍と鳳雛の異名を持つこの二人に関して、実は不仲であるという噂を聞いた彼等は、明日の舌戦勝負に出てくるであろうこの二人の裏事情について調査を始める。
曹操の情報網から得られた話によると、どうやら諸葛亮は重病であることを隠しており、龐統はそんな彼女のことを心配して休養を勧めているが、彼女はそれを拒み続けているらしい。そして龐統は、諸葛亮が日本中の反秦軍全体の指揮を採るようになった場合、今以上に大量の仕事を抱え込むことで、彼女が過労で倒れてしまうのではないかと、本気で危惧しているという。
そんな龐統とジンギスカン屋で遭遇した董卓は、彼から(諸葛亮の今後の負担を減らすために)「翌日の舌戦勝負ではわざと負ける」という約定を得た上で、(一騎打ちにおいてのみ特殊な能力を発揮する)華雄を出場させないための秘策と、関羽・張飛・馬岱の過去の一騎打ちにおける戦い方を詳細に映した映像を受け取る(その後、華雄は龐統の策略通り、馬超の虚言によって「旭川の実家に危機が迫っている」と騙されて、翌朝には姿を消す)。 一方、諸葛亮が重病を隠してまで激務に没頭する理由に関して調べてみたところ、どうやら彼女は当主の劉備に片想いしており、彼から見捨てられるのが怖くて、「関羽や張飛よりも自分の方が役に立つ」ということを必死にアピールしているらしい。これに対して、曹操が劉備の近辺を調査してみたところ、同じように劉備の身辺調査をしていた「週刊文醜(滋賀県の支配者・文醜が発行しているゴシップ誌)」の記者と遭遇し、彼が持っていたデジカメを奪うと、その中から「劉備と献帝が仲良くデートしている(ように見えなくもない)写真」を発見する。 曹操は、これを諸葛亮に見せれば彼女が動揺して翌日の舌戦勝負で集中力を乱すであろうと確信するが、公的な場で年端もいかぬ少女の恋心をあげつらうのは「いい大人」のすることではないと考えた彼は、その写真を(翌日、諸葛亮と対戦予定の)南華老仙に手渡しつつも「よほどのことがない限りは使わないように」と釘を刺す。 また、これらの一連の調査と並行して、馬超達は札幌市内に拠点を構える糜竺・糜芳姉妹が経営する商店において、これまでの戦いで手に入れた武具を、より自分達の戦闘スタイルに合致した武具へと交換することで、更なる戦力補充を果たした上で、龐統から入手した三人の映像を念入りに確認することで、万全の状態を整える。
こうして翌日、両軍の命運を賭けた五番勝負が始まった。まず武芸三番勝負では、事前に対戦相手の映像を確認して戦術を見抜いていたこともあり、董卓は馬岱に、卞喜は関羽に、そして馬超は張飛に勝利し、舌戦勝負でも曹操に対して龐統は約束通りに暴論を並べ立てて自滅したことで、馬超軍が劉備軍を圧倒する展開となる。残された諸葛亮は、それでも最後の舌戦勝負を逃げるわけにはいかないと南華老仙に勝負を挑むが、そんな彼女に対して曹操は南華老仙から写真を回収し、正々堂々と論戦に臨ませる。結果、最後の舌戦は引き分けに終わり、馬超軍が「4勝0敗1分」で勝利することになったのであった。
対戦後、南華老仙から密かに真相を聞かされた諸葛亮は、曹操に対して「最後に花を持たせてくれたこと」への礼を告げ(実際には、写真があっても結果は変わらなかったのだが)、劉備達と共に馬超軍への全面協力を約束しつつ、「伝国の玉璽の在り処」を曹操に教える。 彼女曰く、現時点で玉璽を所有しているのは、張三兄弟のお膝元である関東郡でゲリラライブを通じて民衆の反秦感情を煽っている「二人組のミュージシャン」であり、彼等はそれぞれ「孫策」と「周瑜」の魂相の持ち主であるという。彼等の目的はまだ不明であるが、ひとまず劉備達は今後は東北制圧に専念する必要があるため、彼等の捜索と説得を曹操達に委ねることにしたのであった。 |
+ | 第七話「ゲリラライブは防げない」 |
曹操から「孫策(字:氷浅)と周瑜(字名:小晢)」に関する情報を聞かされた馬超・董卓・卞喜の三人は、不在中にたまっていた政務の処理で手が離せない曹操に代わって、彼等の動向を探るために(彼等とのライブ対決に備えて、それぞれ尺八・ケーナ・サンポーニャを購入した上で)関東郡へと潜入する。
三人が関東各地での路上演奏を通じて在野の君主(=ストリートミュージシャン)達の間での人脈を形成しつつ集めた情報によると、孫策と周瑜は「玉璽」の力を用いたゲリラライブを通じて反黄巾系勢力を増加させつつあるが、その上で何処かの国を乗っ取ろうとしている訳ではなく、彼等の最終目標は、孫策の弟・孫権(字:貴革)と共に三人組ユニットとして正式にデビューした上で、世界の音楽シーンで天下を取ることであるという。
ところが、予定していた新ユニットのデビューライブ直前に孫権が行方不明となってしまったことで、現在その計画は頓挫中らしい。その孫権の行方を捜して更に調査を進めた彼等は、数日前に神奈川県の支配者である張宝と孫権が密会しているのを目撃したという情報に到達する。どうやら今も孫権は張宝の拠点の一つである片翼港のどこかにいるらしいが、この港には張宝の妖術による結界が張られており、容易には近付けない。
そこで、三人の中で唯一、妖術に心得のある黄巾大方・卞喜が、その妖術結界を破って侵入した結果、事前にブロマイドで確認していた孫権の姿と良く似た風貌の少女を発見する。どうやら孫権の正体は、孫策の「弟」ではなく、「妹」だったらしい。孫権が張宝に捕らわれていると考えていた卞喜は彼女を連れ出そうとするが、彼女はそれを断る。どうやら彼女は、自分の意思でこの地に止まっているらしい。 孫権曰く、孫策が持っている玉璽は、元は孫策と孫権の父・孫堅が井戸の中から発見した代物であった。なぜ日本の片田舎の井戸にそんな代物が沈んでいたのかは謎だが、孫堅はこの玉璽の力で始皇帝の洗脳から解放され、反秦軍運動へと身を投じた後、玉璽を狙う始皇帝の刺客に襲われて命を落とした。その後、その玉璽を受け継いだのは周瑜であったが、彼はこの玉璽の持つ「人の心を動かす力」を、自らの音楽的成功のために利用しようと考えたらしい。 孫策と周瑜はもともと才能溢れるミュージシャンだったが、この玉璽の力に頼るようなったことで、ファンの数は増えたものの、以前のような輝きは失われてしまったように孫権には思えた。そして、この玉璽は「帝」が手にすることによってより大きな力を発揮することに気付いた周瑜は、(中国全土の3分の1しか統治していなかったとはいえ)「帝」の魂を引き継ぐ孫権をユニットに加えることで、更に多くのファンを獲得出来ると考えたのである。 孫権の中での自己評価としては、自分には孫策や周瑜のような音楽的才能はない。ただ玉璽を使うだけのために(主に周瑜の女性ファンの反感を買わないように男装させてまで)自分をユニットに加えようとする兄達の手法に納得出来なかった孫権は、あえて自ら黄巾軍に囚われれ、自分が人質となることで、自分と引き換えに玉璽を手に入れようとする張宝の企みに加担することにしたのである。兄達から玉璽を引き離すことで、再びまっとうなミュージシャンに戻ってもらうために。 だが、そんな彼女に対して、卞喜は張宝に玉璽を渡すことの危険性を説いた上で、自分が彼女を連れ出して、仲間達と共に孫策と周瑜を説得するという選択肢を提示する。突然現れた「謎の男」のこの提案に対して孫権は躊躇しつつも、黄巾党に協力することへの危惧は確かに彼女の中にもあったため、ここは彼の言葉を受け入れることにした(もっとも、その卞喜もまた本来は黄巾党の一員なのだが……)。 一方、ストリートミュージシャンとしての馬超達の評判を聞きつけた張宝の姉・張角(東京都の支配者)は、彼等に対バン勝負を申し込む。そんな彼女に対して、馬超・董卓・卞喜の三人を従えて現れたのは、横笛を手にした(政務を終えて駆けつけた)曹操であった。張角のファンが詰め掛けたライブ会場での二人の詩吟対決は、観客投票の結果、引き分けに終わり、張角は再戦の機会をほのめかしつつ、ひとまずその場を去る。 その後、孫権との約束通り、孫策と周瑜を説得するため、孫権と共に二人の次のゲリラライブの会場と思しき埼玉の三烏スタジアムへと向かった馬超達は、孫権の立会いの下で、二人に対して合奏勝負を挑む。馬超がフリースタイルラップで相手を挑発しつつ、それぞれが好き勝手に演奏するという、明らかに息が合わないスタイルではあったが、それでもどうにか多くの観客を魅了した彼等は、無事にこの対決に勝利を収める。そしてこの対決を通じて、自分達の音楽が固定観念にとらわれていたことを実感した孫策と周瑜は、孫権とも話し合った上で、音楽への取り組み方を改めて再考していく決意を固める。 その上で、秦軍打倒のためにその玉璽の力を用いて共闘することを彼等が約束したところに、この地の支配者である張三兄弟の三男・張梁と、そして張角・張宝が大軍を引き連れて現れた。だが、孫策と周瑜に守られる形で孫権が玉璽の力を発動させたことにより、張三兄弟の配下の兵達は次々と洗脳が解けて無力化していく。それでも、張三兄弟はその玉璽の力に屈せず孫権から玉璽を奪おうとするものの、その前に立ちはだかった馬超達四人によって倒され、そのまま玉璽の力を用いた孫権達によって洗脳を解かれ、反秦勢力へと転じることになる。 その後、中心人物であった張三兄弟の造反によって、関東郡の秦の武将達はなし崩し的に孫策達の傘下に収まり、それとほぼ時を同じくして東北郡を劉備軍が完全に制圧したことで、三重・福井以東の日本からは秦軍が一掃され、そして反秦三勢力の手に、秦軍打倒の鍵となる「帝の魂」「帝の血」「伝国の玉璽」が揃うことになったのである。 |
+ | 最終話「武将SOULは砕けない」 |
始皇帝の邪魂支配を無効化する力を手に入れた東日本三郡の将達は、その効果を確かめるために、ひとまず西日本三郡の支配者達(袁紹・呂布・孟獲)に対して「献帝の魂を込め、(本来の献帝の末裔である)劉備の血を朱肉として、伝国の玉璽で捺印した書状」を送りつける。そこに記されていたのは「始皇帝の呪詛から魂を解き放ち、本来の自分を取り戻すこと」を促す内容であった。
だが、もともと彼等三人は野心家であったため、その書状によって確かに洗脳からは解放されたものの、今度はそれぞれが自分自身の本来の魂相に基づいて、我欲を満たすための戦争の準備を始める。これに対して、献帝から更なる手紙を送ることによって、今度は献帝の命令に従うように再洗脳する選択肢もあったが、献帝自身も、そして馬超も曹操も董卓も卞喜も、今後の日本や世界をどうすべきかについての明確な展望があった訳でもなく、劉備軍や孫策軍との意思統一も出来ていなかたため、そこまで強力な力を発動することは献帝の中でもためらいがあった。 そんな中、その西日本三郡で異変が来た。中国本土の始皇帝から、より強力な邪魂を植えつけられた曹洪・賈詡・龐徳の三人が刺客として西日本三郡に送り込まれ、それぞれが裏切り者の袁紹・呂布・孟獲を粛清し、新たな支配者の地位に就いたのである(なお、ここで倒された呂布はルールブックに記載されている呂布であり、後述の外伝に登場する呂布とは別人である)。彼等に対しては、献帝と玉璽の洗脳解除の力が通用するかどうかも分からない。ちなみに、九州郡を支配した龐徳は元来は愛知県の前支配者・馬騰の側近だった人物であり、かつては馬超とも昵懇の仲であったが、今の彼がどのような人格となっているのかは不明であった。 こうして、日本列島が東西に二分される形で緊張感が広がる中、事件が起きた。ある日の深夜、ゴールデンバトウキャッスルの地下から、何者かがドリル(と思しき何か)で地下室の壁を破り、侵入してきたのである。自動防衛システムが発動したことで、侵入者達はすぐに撤退したが、その時点で城内にいた筈の献帝が姿を消していたのである。 だが、城外に設置されていた監視カメラの映像を確認してみると、その地下からの侵入者が現れる直前に、本来のこの城の主である(第一話以来行方不明であった)馬騰が城内に忍び込み、献帝と思しき少女をタンデムシートの後部に乗せてバイクで走り去って行く様子が映っていた。どうやら彼は、事前に危機を察して献帝を密かに城外に連れ出していたらしい。 その後、馬超達が地下室に残っていた敵軍の残骸の材質を調べてみた結果、侵入した敵軍の中に「早乙女博士の作り出した三体合体兵器」の最後の一体が含まれていたらしい、という推察に至る。その上で、曹操が博士から借りた探知機を使ってその行方を調べてみたところ、その兵器が岐阜県南西部(滋賀県境付近)の方面へ向かって地下を移動中であることが判明し、彼等がその地(関ヶ原)へと向かうと、そこで彼等の前に現れたのは、ミラーシェードで素顔を隠したサイボーグ女戦士・曹洪(字は白夜)と、彼女をここまで運んだと思しき黄巾ドリルを中心する黄巾軍の超兵器部隊であった(その中に、 上述の三体合体兵器の一つ と思しき機体もあった)。
そして曹洪の傍らには、縄で縛られた状態の「献帝」がいた。曹洪は馬超達に対して、「献帝」を人質にして何かを要求しようとするが、その次の瞬間、その「献帝」の姿が「南華老仙」へと変わる。どうやら南華老仙は、馬騰と結託した上で、献帝の身代わりとなって、あえて彼女達に囚われていたらしい(なお、この時点ではまだ本物の献帝の居場所は不明だが「馬騰に任せておけば大丈夫」と曹操は考えていた)。
だが、その直後に西方からは巨大飛空戦艦に乗った(第一話以来の宿敵であった)謀将・賈詡と、かつて中北郡最強と謳われた猛将・龐徳(字は宗勇)が現れ、更にその背後には無数の秦軍の大型兵器が控えていた。一方、それに対して、東方からは郡上八幡から駆けつけた韓遂と手下八部、そして危機を察して馳せ参じた劉備軍と孫策軍が到来し、ここに天下分け目の関ヶ原の戦いが勃発する。
曹操の指揮の下で東軍全体の戦陣を強化させつつ、董卓が弩で賈詡の巨大飛空戦艦を牽制する一方で、馬超と卞喜は曹洪率いる敵の本隊へと特攻するが、その前に龐徳が立ちはだかる。馬超にとっては喧嘩の師匠とも言うべき存在の龐徳であったが、これまでの戦いで目覚ましい成長を遂げていた馬超は、共に決死の覚悟で臨んだ一騎打ちで龐徳を破り、そして龐徳はその戦いの中で、始皇帝にかけられていた洗脳から自我を取り戻す。
そんな中、唐突に北方から一人の禍々しいオーラを放つ女傑が現れた。(今もまだ閻行を融合した状態と思しき)兀突骨が、殺し合いの匂いを感じ取って、この戦場に足を踏み入れようとしていたのである。暴走状態の彼女は、どちらに与することもなく、ただ手当たり次第に誰かと戦えれば良いと思っていたようだが、そんな彼女の狂気を感じ取った龐徳が、馬超を守るために彼女の前に立ちはだかったことで、その乱入は食い止められた。 その間に、馬超・卞喜との攻防を繰り広げていた曹洪は、二人との一騎打ちを通じてその身を守っていた装甲を失うが、自身の顔を覆っていたミラーシェードが壊れた瞬間、それまで抑えられていた彼女の中の潜在能力が覚醒する。
だが、そんな彼女の放った不気味な邪魂の込められた一撃を馬超が奇跡的な動きでかわすと、その傍らで奮戦する卞喜に加えて、後方から曹操と董卓もまたその標的を曹洪に絞って畳み掛けるように支援攻撃を仕掛け、そして最終的には馬超の一撃によって曹洪はその場に崩れ落ちる。
そして残された賈詡(を乗せた巨大飛空戦艦)は、他の戦場でも反秦軍が優勢となっている状況を確認した上で、董卓・卞喜の追撃に耐えながら、「次は『本物の兵馬俑』を以ってこの国を制圧する」と言い残して、戦場から離脱していくのであった(なお、その間に龐徳と戦っていた兀突骨は、またしても暴走状態となって断崖絶壁の下へと消えていったらしい)。 その後、曹洪を説得して呪縛を解いた曹操は、彼女と彼女の乗っていた「三体合体兵器の最後の一体」を手中に収める。そんな彼の前に現れた早乙女博士は、自らの正体が「李典」であることを告げた上で、いずれ曹家が再び天下を狙う時のために自らの手で作り上げた、三体のマシンを合体させることによって誕生する最強兵器「ゲッターロボ曹」の操縦方法を、曹操・曹丕・曹洪の三人に伝授する。 一方、献帝を匿った状態のまま行方不明となっていた馬騰は、無事に彼女を連れて馬超達の前へと現れる。そして馬超・馬休・馬鉄・馬雲騄・馬岱の五人を集め、旅先で手に入れた五体のバイクを彼等に授けた。これらは馬一族の末裔である伝説の走り屋集団「三国烈風隊」が騎乗していたマシンであり、通常時においては普通の大きさのバイクだが、侵駒龍(シンクロン)合身によって、巨大ロボット 「馬駒侵我亜」 へと変形する。秦軍の巨大兵馬俑部隊と戦う上で、ゲッターロボ曹と並ぶ切り札となるだろうと馬騰は考えていた。 そして、無事に助けられた南華老仙もまた、これまでの戦いで仙力を高めた卞喜に対して、今の彼ならば自分と同じレベルの陰陽力(マグネット・パワー)が使えると判断した上で、今まで隠していた超兵器をこの場に召喚する。それは、卞喜の「陽(プラス)」の気と、南華老仙の「陰(マイナス)」の気を組み合わせることによって発動する 「陰陽ロボ コ・キーン」 である。老荘思想の体現者である彼女がここまで一つの勢力に肩入れするようになったのは、それだけこの卞喜という存在に特別な興味を抱いていることの証でもあった。 こうして各自がそれぞれの超兵器を手に入れていく中、董卓は劉備軍の華雄から「もう一度、北海道に来てほしい」と頼まれた。ジンギスカン目当てで言われたままに現地へと向かった董卓は、札幌の旧秦軍基地の地下にある秘密兵器の格納庫へと案内される。そこで彼を待っていたのは、(北海道の支配者であった方の)董卓が、財に物を言わせて作らせた彼専用の黄金のモビルスーツ 「卓式」 であった。同じ董卓の魂を持つ彼(文至)ならば動かせるのではないか、と華雄は考えていたのだが、その期待通りに卓式は「董卓 文至」を自身のパイロットとして認証し、その黄金の装甲を輝かせながら北の大地に悠然と立ち上がる。 こうして、それぞれに巨大人型兵器を手に入れた四人は、この数日後に中国本土から派遣された秦軍の巨大兵馬俑との間で死闘を繰り広げることになるのであるが、それはまた別の物語である。そして彼等の活躍の末に、この日本が、そして世界が、どのような新時代を迎えることになるかについても、いずれまた別の機会に語られることになるであろう。
(2017年度後期キャンペーン『武将SOULは眠らない』・完)
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+ | 外伝「中華料理は譲れない」(時系列的には第五話の幕間) |
曹操が長野攻略のための策謀を巡らせていた頃、郡上八幡でのバイトを韓遂に先取りされてしまっていた馬超は、高時給の求人募集につられて、黄巾賊が支配する横浜中華街のレストラン「黄陽軒(きようけん)」へと向かい、店でバイトリーダーを務めていたウェイトレスの趙雲(ゲストPC)の面接を受けた上で、晴れて従業員として採用されることになった。
同じ頃、董卓は黄陽軒の看板料理人・貂蝉が作る絶品料理「傾国のシウマイ」の噂を聞いて、客として同店を来訪する。一方、そんな二人の動向を案じた卞喜もまた、南華老仙から「横浜の中華街に危険な魂相の気配がある」と聞かされ、現地へと赴くことになった。
だが、そんな三人が黄陽軒で遭遇したのとほぼ同時に、この地を支配する張宝の配下の黄巾兵達が、黄陽軒を「反秦軍隠匿」を理由に襲撃してきた(実際、この店は実質的にレジスタンスの溜まり場になっていた)。馬超・董卓・卞喜は趙雲と共に彼等を撃退するが、張宝に目をつけられたことを察した貂蝉は、店のオーナーである王允に店舗移転の相談を提案するため、彼に電話をかけようとする。
だが、この時既に王允は張宝の配下の手で囚われていた。絶望する貂蝉であったが、卞喜が仙術を用いて王允の救出に成功し、彼等は馬超達の勧めもあって、名古屋に店舗を移転するする方針で合意する(なお、この時点では馬超は「『愛知県の支配者の馬超』とは別の馬超」だと言い張っていた)。 しかし、その逃亡劇の途上で密かに立ち寄った片翼温泉にて、孤高の女武芸者・呂布と遭遇した彼等は、貂蝉のシウマイを独り占めしようとする呂布の手によって、彼女を攫われてしまう。
その後、呂布が神奈川北西部の山中に築いた自身の拠点(動物王国)にいることを察知した馬超達は、現地へと乗り込み、激戦の末にかろうじて呂布を倒し、最終的には卞喜の説得によって、呂布は名古屋に建設予定の「新・黄陽軒」にて、毎日貂蝉の作るシウマイをまかないとして提供することを条件に、趙雲や馬超と共に従業員として働くことになるのであった。
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+ | 愛知県 |
領地レベル:2
統治者:馬超 食:0(MAX20) 兵:10(MAX50) 両:400(MAX5000) 特産品:涼州ういろう 領地施設:地域商店、武器屋 |
+ | 岐阜県 |
領地レベル:5
統治者:曹操 食:0(MAX20) 兵:50(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:屠龍 領地施設:地域商店、お守り屋、商店街、薬屋、服屋、金庫 |
+ | 静岡県 |
領地レベル:1
統治者:董卓 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:涼州茶 領地施設:地域商店 |
+ | 三重県 |
領地レベル:1
統治者:馬休 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:玲瓏真珠 領地施設:地域商店 |
+ | 山梨県 |
領地レベル:1
統治者:馬休 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:アイムヒア 領地施設:地域商店 |
+ | 長野県 |
領地レベル:1
統治者:曹仁 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:涼州味噌 領地施設:地域商店 |
+ | 新潟県 |
領地レベル:1
統治者:侯選 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:ひとごろし 領地施設:地域商店 |
+ | 石川県 |
領地レベル:1
統治者:張横 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:涼州カレー 領地施設:地域商店 |
+ | 富山県 |
領地レベル:1
統治者:成宜 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:八部丸 領地施設:地域商店 |
+ | 福井県 |
領地レベル:1
統治者:梁興 食:-(MAX20) 兵:-(MAX50) 両:-(MAX5000) 特産品:八部グラス 領地施設:地域商店 |