第307話:Terrible Joker 作:◆Wy5jmZAtv6
ようやく一息ついた宗介ら一行が立っているそこは、草が生い茂る猫の額ほどの古びた墓地だった。
少し離れた場所にはぼろぼろの教会も見える。
宗介は腰を下ろすと、ポケットの中から一枚のハンカチを取り出す。
「これは…?」
「クルツから借りたままだった…死体を回収することは叶わないが、それでもせめて弔いくらいはしてやりたい」
ざくざくと素手で地面を掘っていく宗介。
「オドーさん…」
「そのことは今は考えるな」
かなめを窘める宗介、どうせあと少しで放送だ…。
少し離れた場所にはぼろぼろの教会も見える。
宗介は腰を下ろすと、ポケットの中から一枚のハンカチを取り出す。
「これは…?」
「クルツから借りたままだった…死体を回収することは叶わないが、それでもせめて弔いくらいはしてやりたい」
ざくざくと素手で地面を掘っていく宗介。
「オドーさん…」
「そのことは今は考えるな」
かなめを窘める宗介、どうせあと少しで放送だ…。
しずくは無言で墓石にもたれかかっている、機械でも疲れるのだろうか?
(逃げ出す前に確認した時間が11時40分頃だったから…)
確かに10分も全力疾走を続けていただけに、もしそうだとしても不思議はないかもしれないと、
かなめが思った刹那。
きょろきょろと周囲を見回すしずく、
「どうしたの? ねぇ」
そう行って墓石を支えに立ち上がろうとしたかなめ、その時墓石が耳障りな音を立てて大きく前方にずれる。
「あわわわわっ」
(逃げ出す前に確認した時間が11時40分頃だったから…)
確かに10分も全力疾走を続けていただけに、もしそうだとしても不思議はないかもしれないと、
かなめが思った刹那。
きょろきょろと周囲を見回すしずく、
「どうしたの? ねぇ」
そう行って墓石を支えに立ち上がろうとしたかなめ、その時墓石が耳障りな音を立てて大きく前方にずれる。
「あわわわわっ」
たたらを踏んで前のめりに転びそうになるのをこらえるかなめ、体勢を整え下を見ると地下に続く階段があった。
「地下墓地か?」
音に気がついた宗介が階段の先を覗き込む。
「地下に何か反応があります…でもこれは?」
首を傾げるかなめ、しかし…
この奇妙な反応は何だろう? 人でもなければ機械でもない、今までにまったく覚えがない、そんな反応だ。
「地下墓地か?」
音に気がついた宗介が階段の先を覗き込む。
「地下に何か反応があります…でもこれは?」
首を傾げるかなめ、しかし…
この奇妙な反応は何だろう? 人でもなければ機械でもない、今までにまったく覚えがない、そんな反応だ。
「ここで待ってろ」
そう言ってソーコムを構え地下に入っていく宗介だったが、
「ここまで来てそれはないでしょ」
やはりというか何というか…かなめとしずくもそれに続いていた。
「どのみち安全な場所なんて無いんだから…だったら宗介のそばが一番安全だと思うから」
「何を言って…」
そう言ってソーコムを構え地下に入っていく宗介だったが、
「ここまで来てそれはないでしょ」
やはりというか何というか…かなめとしずくもそれに続いていた。
「どのみち安全な場所なんて無いんだから…だったら宗介のそばが一番安全だと思うから」
「何を言って…」
「頼りにしてるわよ」
それきり何も話さなくなったかなめ、宗介も無言のまま階段を下りていく。
そして突き当たりの扉を開けた時、眼前に広がった光景に思わず3人は息を飲む。
それきり何も話さなくなったかなめ、宗介も無言のまま階段を下りていく。
そして突き当たりの扉を開けた時、眼前に広がった光景に思わず3人は息を飲む。
そこは闇の中でもありありと見えるほどの荘厳な装飾に彩られた地下の礼拝堂だった。
「すごい…」
感嘆の言葉を口にするかなめ、それとは対象的に宗介は油断無く闇の中しっかりと身構えている。
「君の言う奇妙な反応とはどこのことだ」
「あそこです…」
しずくが指差した先には巨大な十字架が立っていた、そしてその袂には…。
十字架にもたれるようにして眠る美女の姿があった。
銃を構えじりじりとにじり寄る宗介、しかしその手はぶるぶると小刻みに震えている。
「すごい…」
感嘆の言葉を口にするかなめ、それとは対象的に宗介は油断無く闇の中しっかりと身構えている。
「君の言う奇妙な反応とはどこのことだ」
「あそこです…」
しずくが指差した先には巨大な十字架が立っていた、そしてその袂には…。
十字架にもたれるようにして眠る美女の姿があった。
銃を構えじりじりとにじり寄る宗介、しかしその手はぶるぶると小刻みに震えている。
聖母マリアのごとく安らかに目を閉じている美女、その美しさには宗介といえども、
息を飲まずにはいられなかった。
「きれいな人…ですね」
しずくも感嘆の言葉を隠さない、いつの間にかかなめも彼らのそばにまでやって来ている。
息を飲まずにはいられなかった。
「きれいな人…ですね」
しずくも感嘆の言葉を隠さない、いつの間にかかなめも彼らのそばにまでやって来ている。
「死んでるの…かな?」
「わかりません…こんな反応は初めてですから」
3人はまるで魅入られたように美女の顔を眺めている、惜しむらくはその美女の顔半分は、
長い緑の黒髪によって隠されているということだ。
「わかりません…こんな反応は初めてですから」
3人はまるで魅入られたように美女の顔を眺めている、惜しむらくはその美女の顔半分は、
長い緑の黒髪によって隠されているということだ。
宗介が人差し指を口に当てる、静かに、のサインだ。
そして彼がゆっくりと美女のこめかみに銃口を突きつけた…その刹那だった。
「!!」
瞬きよりも速き鋭さで繰り出された拳がしずくの腹部を貫き、
悲鳴を上げることさえ出来ずぶっ飛ばされるしずく。
「逃…」
言葉を放つ暇さえなく宗介もまた蹴りを受けて吹っ飛ばされる。
彼ですらまるで反応できぬこの所業、何が起こったのであろうか…
そして彼がゆっくりと美女のこめかみに銃口を突きつけた…その刹那だった。
「!!」
瞬きよりも速き鋭さで繰り出された拳がしずくの腹部を貫き、
悲鳴を上げることさえ出来ずぶっ飛ばされるしずく。
「逃…」
言葉を放つ暇さえなく宗介もまた蹴りを受けて吹っ飛ばされる。
彼ですらまるで反応できぬこの所業、何が起こったのであろうか…
げほげほと息を整え立ち上がる宗介、そこで彼が見たもの、それはかなめの体を小脇に抱え、
嫣然と微笑む美女の姿だった。
「わたしの眠りを妨げた以上、覚悟はできておろうな?」
そして時計の針が11時50分を指した。
嫣然と微笑む美女の姿だった。
「わたしの眠りを妨げた以上、覚悟はできておろうな?」
そして時計の針が11時50分を指した。
【D-6/地下/1日目/11:50】
【美姫】
[状態]:通常
[装備]:なし
[道具]:デイパック(支給品入り)、
[思考]:寝起きでかなり不機嫌
[状態]:通常
[装備]:なし
[道具]:デイパック(支給品入り)、
[思考]:寝起きでかなり不機嫌
- 2005/05/11 修正スレ92
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