Give Up




「は、はは……岡崎ぃ……僕は今、最大の不幸を味わってるよ……」

住宅街を、歩く金髪の男子生徒。
不良である春原陽平であった。
普段から何かとボコボコにされてる男である。
親友である筈の岡崎からですら裏切ったりもする。
何かと、色々と不幸な男だが根はかなりいい男なのだ。
妹の芽衣は当然、どんな子であれ相談にはしっかり乗ってくれる。
春原はそんな男であった。
その男は今、住宅街をフラフラと歩いている。

(参ったよ……殺し合いなんか信じられない、けどよ………。
 どうも嘘とも夢とも思えない、現実感のあるこの感じ……)

殺し合いは本当に実際、行われているのか?
とにかく静かな土地の中を自分は歩いてる今、信じがたい。
だが逆に、静か過ぎて本当に殺し合いの中だとも思える。
春原の頭は次第に混乱してくる。

(あああ、もう!とりあえず、夢でも僕は死にたくないね!)

当然だが、命は大事だ。
とにかく死にたくない。
春原はそう考えて、ふと思った。

(……待て、僕だけが本当に殺し合いをさせられているのか?
 もしかすれば岡崎とか渚ちゃんとか………またまた芽衣までが?
 夢でも知人の死を見るのは………ダメだ!それは絶対に!!)

他の誰かがいるのではないか?
そう考えると、急に顔が青ざめる。
岡崎を失う……妹の芽衣を失う……。
春原にとっての大事な人達がいなくなる。
それは絶対に嫌で、夢じゃないとすればと考える程、不安になる。
でも自分が不安に負けて、焦ってはいけないのだ。
今も芽衣が殺し合いの中で絶体絶命のピンチに立っているなら?

(今すぐにでも、芽衣を見つけねぇと!)

フラフラと足ついていた春原の足はダッシュになる。
顔は先程の気を抜けた感じから、焦りの顔だ。
焦ってはならないと分かってて、焦らざるを得なかった。
現在進行形で岡崎や渚、芽衣がピンチなら?
直に死が彼等、彼女等に巡ってきてしまうのなら?
それなら、焦る理由も十分にあった。

「おい、ちょっと待て!」

後ろからふと、声がした。
足を止める気が起きないが、春原は無視出来ない。
もし岡崎や芽衣を目撃しているのならば?
情報からの推理で、知人達の居場所が突き止める可能性を考えるなら、
知らない人であろうが春原は足を止める理由があった。

「な、何でしょうか?」

敬語で、春原は後ろを振り返る。
その時にここが殺し合いというのを思い出す。
もしかするなら、その人は殺し合いを乗っていたかもしれない。
こう考えると、足を止めたのは一つの賭け事であった。
後ろを振り返って先にあったのは―――

「ひ、ひぃっ!」

全体的に青い人間の様な存在があった。
自分の脳が危険信号を発している。
ここは逃げるべきであると、指令してきている。

「お前には何にも出来ない!だから、その気持ちはGive Upだ!
 だがその強い根っこは確かに感じる!だからこそ殺し合いが出来る!
 その目的を捨てて、殺し合いをする!って思ってみるんだよ!
 絶対に優勝出来る訳は無いが、それなりにやれるかもしれないぞ!」

意味不明な事を言ってくる。
確実にこの男から逃げるべきだと春原は感じる。
殺し合いをしろ?冗談じゃない。
その殺し合いを命令するこの男は非常に危険だと春原は感じて――

「他を当たってくださぁぁぁぁぁい!!!」

叫びながら逃げて行った。
残った青い男は、後を追う事もせず家の中へと入って行った。


【B-2 - 住宅街 家の中】
【鬱岡修造@現実-派生】
【状態】健康
【服装】半袖の服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:他人に殺し合いをさせる様に指示していく。
1、他の人達を動かしていく。


「はぁ……はぁ……こ、ここまで来れば……」

「ど、どうしたんですか!?」

「っ!?」

春原は鬱岡から逃げて来た。
ここまで来た、だから大丈夫。
そう思った矢先にまたも新たな誰かの声がした。
嫌気がさしてくる。
何で自分は殺し合いに参加させられたんだと、泣きそうになる。
だが、こんなところでは泣いてられない。

「心配しないでください!私は何もしません!」

春原に声をかけた者はそう言った。
女の声、それに嘘とは思えない様な気が不思議として、
春原は顔を上げてみた。
先程の青い人を見た後だと、それはまさに天使だっただろう。

「おお……女神様ぁ……」

「え、は、はい?」

春原からすると、彼女はかなり輝いていたであろう。
困惑しながらも彼女は言葉を発する。

「とりあえず落ち着いてください」

それは最もな事だった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「えーと、貴方は佐天涙子さん……なんですね?」

春原が確認にそう言った。
ええ、と佐天さんは縦に首を振った。
春原が落ち着いてから、二人は取り敢えず現状を語った。
ここが殺し合いであるという事は互いに聞いていた模様で確信。
知人がここにいるかは互いにまだ不明だと言った。
もしいるなら、と不安な気持ちがありつつ自分の事を話していく。
春原の話は普通な感じだったが、佐天の方は学園都市の事だ。
能力者がいるとか、春原には完全に信じがたい話だった。
まず、春原は学園都市が本当に存在しているかすら信じ難い。

「えっと……その学園都市は本当にある訳?にわかに信じられないんだけど」

「ありますよ!私の友人である御坂さんや白井さんはかなりレベルが高いんですよ!
 そりゃあんな未来的な場所だと現実感が離れそうですけど……」

「へぇ~……世の中は広いねぇ……」

そんな、のんびり会話をしながら二人は歩いていたのだった。
と、真っ暗な中を歩くのは危険な気が急に春原にしてきた。
先程の青い男の様な奴がいると考えるとかなり怖い。

「取り敢えず、家の中にでもお邪魔してみようか」

「そうですねー」

そうして、二人は家の中へと入って行ったのだった。


【B-1 - 住宅街 家の中】
【春原陽平@CLANNAD AFTER STORY】
【状態】健康 不安
【服装】制服@CLANNAD
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:岡崎や芽衣を探す。殺し合いはしない。
1、取り敢えず住宅街はあまり歩きたくない。
2、芽衣は大丈夫だろうか?
※鬱岡の姿だけ目撃。鬱岡に恐怖
※佐天と情報交換しました。


【B-1 - 住宅街 家の中】
【佐天涙子@とある科学の超電磁砲】
【状態】健康
【服装】柵川中学の制服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:御坂さんや白井さん、初春を探す。
1、春原さんについていく。
※春原と情報交換しました。鬱岡の姿も伝えられています。


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最終更新:2011年03月14日 19:36