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暗闇の山道の中で




「いきなり走り出すなんて、男としてするべきですの?!」
「あ……ああ……悪かった」

良樹は警戒する存在から離れたい気持ちだけで動いた。
だから、黒子という女の子がいるのに気にせず走った。
そんな良樹に、黒子は今、説教をしようとしていた。
恋に関してのアドバイス的な感じも込めて………。
もっとも、良樹と黒子の間に恋などはうまれないのは明らかだが……。
黒子は自分の恋の知識には自信がある為に、それだけ話したかったみたいだ。
幾らしっかりした女の子であっても、やはり年齢は年齢だなと良樹は内心思いながら、
話し続ける黒子の話を聞いたフリをしていた。

ついでに、黒子の待つですのという声を聞いてから二人の進むスピードは低下した。
落ち着いて歩きながら、黒子は良樹に坦々と話を続ける。
黒子の話を無視して良樹はずっとあゆみ達の心配をする。
あの時、背後から何かで叩きつけられた感覚を忘れる事は出来ない。
周りの資料から天神小学校というのは分かった、だから後は何故あんな所に?
そして叩きつけたのは誰?小学校からいきなりこんな場所にいるのは?
謎だらけの今、良樹は頭を抱えたくなるくらいに頭が痛かった。
……そう、更には目の前で知人である鈴本の死を……そして知らない女性までもが……。
何故、こうやって人は殺されなきゃいけない?!人は殺し合うものじゃない。
訳が分からない事だらけだ。先程の小さな女の子も自分を妖怪だと言っていた。
気が狂ってるとしか思えないこの場所は、下手すればあの天神小学校よりも狂気の場所になるだろう。

「ちょっと!聞いているんですの?」

黒子が、良樹が話を聞いていない事を察して言ってきた。
考えていた為、それの反応に遅れてしまい、対応した時には聞いていないと確信されてしまった。
その良樹の対応に、黒子は話す気も失せてしまった。
それに、のんびり話をしている場合じゃない。ここは殺し合いだ。
こういう話は、生きて帰れた時に幾らでも聞ける様なもの。
今、本当に命が危ない現状で話をするのは人を引き付けるも同じ。
つい夢中になって話し続けていた黒子も、今になって話す事の危険さを改めて理解した。

「……それより、さ。誰かと出会ったらどうする?決めておいた方がいいと思うんだよ」

良樹の提案に、黒子は同意して頷くと考え始めた。
人と出会った際に、先ず相手の方針を確認するのが第一。
殺し合いを本気にして従っているなら、まだ関わるべきではない。
……だが、後々必ず障害となるのは分かるからその時に対処すべきでもある。
殺し合いに乗らない、まったく自分達と同じ思考を持っているなら簡単。
あまり怖がらせない様に会話等で情報交換をしつつ共に行動する。
………厄介なのは、どちらでもない人。つまり恐怖で何をすればいいか分らない人だ。
大体、それは子供や小心者に当て嵌まる。人と出会うのが怖くて、姿を見た瞬間に逃げる可能性がある。
逃げるのを追いかけては余計に恐怖を与えてしまい、放置しても又、他人と出会えば同じ。
いずれ精神が崩壊して暴走して、危険人物として始末されるかもしれない。
追いかけても駄目、見過ごしても駄目、そんな難しい人物………。
気付かれない様に近付いてみるのも、例え成功して話せても下手すれば攻撃される。
本当に、困った方針だ。

「……取り敢えず、落ち着かせるのが鍵だよなぁ………。
 多分、俺だと子供は怯えるかもしれないし、子供の時は任せていいか?」
「構いませんわ。……それに、私は風紀委員……人との関わりはお手のものですの」

黒子の言葉に、良樹は大丈夫そうだなと思った。
心強い方だなと、改めて良樹は黒子の様な人に出会えて良かったと思った。
思えば、一番初めに出会った小さな女の子も話しの仕方次第で一緒に行動していたかもしれない。
もしかしたら、お腹は減っているだけで冗談のつもりだったかもしれない。
それにしては少し度が過ぎているとも思えるが……これ以上は気にしない方がよさそうだ。

「………早速、対処のテストの時間のようですの」

黒子の言葉通り、前方から足音が聞こえた。
足音から判断するに、歩いてる様子なのが窺える。
落ち着いて、先ずは唾を飲み込む。
下手すれば襲撃に遭って、命を落とすかもしれない。
緊張の中………後方から来る存在への注意の薄さに後々後悔した。



「いただきまーす!」



背後から聞こえた声と同時に、前方から人影が現れた。
聞こえた声は、幼い子供の声で元気な声だった。
こんな時に恐怖の欠片も無い幸せな声―――。
………そして、前方から現れた者は前の状況が判断出来なかった。
二人の人影……だが、男の方の肩から何かが見えて―――。
カオスな空間だが、決定的な瞬間でもあった。

「う、うわぁぁぁああぁあぁぁああぁぁぁあ」

関わっては駄目だという感情が高まって逃走する。
紙袋の男は、ただ死にたくないという感情だけで走った。
背後も振り返らない、ただ暗闇の山道を走るだけ。
紙袋、暗闇で見え辛い視界、山道の険しい道。
すべてが障害となって彼の行く手を阻んだ。
……ただ、死ぬのが怖いだけで走る。
どこまでも――道が続く限りどこまでも―――。


道が途切れようとも、走り続けた。


違和感があっても―――走った。



              ◆◇



「がっ………ぁ?!!」

瞬間―――肩に激痛が走ったかと思うとボリボリという音が鳴る。
骨を食べる様な音か?異常な激痛と共に肩からは血が噴出する。
一体、何が起きたかわからない……?!!

「わぁっ?!」

黒子が、良樹の肩を食べた何かを思いっきり叩き飛ばす。
軽い体重だったからこそ飛ばせただけで、威力は大した事は無い。
……離れると同時に、良樹の身体が地へと倒れて行く。
良樹の心配も大事ではあったが、今はそれどころではない。
横目で見た彼の姿は、左肩の骨が剥き出しとなっており、吐気を催すものだった。
あまり見ないようにして、前の存在に注目する。

「おおっと、これはこれは……もう一人も餌があるなんてねぇ……。
 運が良いなぁ~、ルーミア
「そーなのだー♪」

吹っ飛ばされたにも関わらず、食べれた事に満足する金髪の女の子。
不気味な笑みを浮かべつつ言葉を放つ男。
狂ってる、本当に狂っていると思う他ない。
人数は良樹が戦闘不能の為にこちらは不利。
初めにデイパックを確認してみても、入っていたのは役に立たないもの。
イカの様な小さな女の子の写真集に、文々。新聞という聞いたこともない名の新聞。
どうやっても武器になりそうにない物ばかりで、失望した!!
良樹のデイパックを調べる時間もない今、この状況の打破は非常に厳しかった。
いつも持っている筈の物も、今では没収されてしまっており黒子のやる戦法は出来ない。
絶体絶命とはまさに今の状況、相手が持つ武器もまだ不明、少なくとも銃器はないみたいだが………。

「お姉さんも、食べていいんだって!ねえ、お姉さん?今から食べてあげるよ?」

何も理解せず、ただ笑顔でそう言う子供が凄く悪魔に見える。
これが、先程良樹の言っていた奴だったんだろうか?
………いや、今は取り敢えず前の状況をどうにかしないとならない。

「おとなしく食べられる訳がありませんの!!」

近付いて来たルーミアを黒子は蹴り飛ばした。
見え見えの攻撃でも、それはルーミアに命中した。
殴りよりは威力があったらしく、ルーミアは小声で痛い……と呟く。
抵抗する黒子、そして食べようとするルーミア、肩を食われて倒れている良樹。
………その中、岡本は何一つやろうともせずに時期を見計らっていた。
ギャンブルは運―――だが、タイミングも大事だったりもするもの。
先に出る方が良い時、後に出る方が良い時、様々なやり方がギャンブル。
確実に仕留めるタイミングを計るならば―――――。


数分が経過、黒子のルーミアは未だに対峙している。
岡本はそろそろだと思い、隠し持つ何かを握る。
ゆっくりと足音を立てない様に黒子へ近付いていく。
ルーミアに集中した彼女の油断を突く、非常に汚い戦法ではあった。
………だが、必勝の為には必ずしなくてはならないこと。

(覚悟!!)

岡本が、動いたその時―――同時にもう一つ動き出す。


「悪いが………俺も、いつまでも倒れてる訳には………いかねえんだよ!!」

そんな声が聞こえたかと思うと、岡本の視界は変わった。
黒子が映っていたその視界は一変――何もない暗闇になった。
気付きにくいが、世界は逆になっており、地のない天井がそこにある。
………つまり、地面に今倒れているということになる。

(何で!??)

分からない、手に握っていた物も手放して―――何をやっている?
あの女子は気付いていなかったのに、何故自分は?
起き上がって周りを確認して、やっと把握した。
肩が抉れた男が、あの女子の前に出てこちらを見下していた。
………そう、同じ様にあの男もタイミングを計らっていた。
賭け合いに敗北した事を感じたと思うと、次に岡本が取った行動は簡単。
何よりも大事な命の保護だった。

「く……!後は任せた!ルーミア!!」

そう言って、岡本はその場から逃走した。
暗闇の中の為、その姿は相手には見える事もない。
誰もそれを追う事は出来ずに、岡本の逃走は許された。


「……あれ?岡本……?」

残されたルーミアは、見えない岡本の姿を探す。
さっきまでいた筈の場所にいない事に疑問を感じつつ、
次なる黒子の攻撃を受けて、地面へと倒れる。
起き上がろうとする所を、良樹が痛みを堪えて抑える。
動けない状態となって、黒子がルーミアに話し掛ける。

「……さて、どうしてくれますの?この傷、直してみなさい!!」

ドン、と黒子は地面を大きく蹴ってルーミアを脅す。
良樹の肩を大きく傷つけた存在故に危険。
直ぐに始末すべきだが、やってくれる事はやってもらいたい。
答えは知ってる様なものだったが、一応聞いたのだ。

「う………ぅぅ………」

答えれないという事は、無理という事。
つまり、もう彼女にやらせる事はない。

「……じゃあ、おとなしく始末されなさい!!」
「ま、待て!そこまでしなくてもいいだろ?!」

黒子がルーミアを攻撃しようとした時、良樹が止めた。
命の危機に晒した張本人だというのに………。
始末出来る様な武器は持ってないものの、おそらくこれは痛い事。
止められた攻撃を引き返すと、黒子は良樹に言う。
当然の様な疑問だった。何故止めると。何故許すのかと。
殺し合いに乗った危険人物、放っておいては死者を増やすのみなのに。

「だって……さ。幾ら俺の肩を食べる様なおかしすぎる子だったとしても……。
 何も分からない状態の子供を殺す事はないじゃないか……。そりゃ、俺だって
 許せねぇと思ってる………だが、アイツは教えてくれたからさ。暴力じゃ解決しねぇってこと。
 ……だから、一緒に戦えば分かる筈だ。一緒にいれば分かる筈だ。
 この子は分かる筈だ、本当にやるべき事を。それを気付かせてあげる様に俺達がやればいいと思うんだ。」

良樹の言うアイツとは、篠崎あゆみの事。
保健室での事が頭に浮かんでくる。
鈴本を殺しやがった幽霊達が、子供の幽霊達が。
………それを力で取り戻そうとした自分を篠崎は止めた。
力でやろうとしては駄目という事を篠崎は教えてくれた。
アイツが見てない場所でも、そうやらなきゃ駄目だって止められそうで。
だから良樹はルーミアを許したのだ。

「……そこまで言うなら仕方ないですわねぇ………でも、変な行動したら
 直ぐに始末する。そういう条件で許しますけど、いいですのね?」
「ああ、それでいい。変な事をしたら即始末でいい。………分かったか?」

良樹が確認の為にルーミアにそう言う。
頭に?を浮かべる姿に、分かっていない事は明らか。
分かりやすく説明するのならおとなしくしろという事。
それを言うと、ルーミアはうん、と頷いた。
ルーミアが立ち上がると、黒子が言葉を放った。

「でも貴方、私達に言う事がありませんの?」
「そうだな。せめて、それぐらいしてもらわないとな」
「???」

やはり何も分からない様子のルーミアに、二人は溜息をしつつ
二人で同時に言葉は放った。それはルーミアへの説明。

「謝るべきじゃありませんの?」
「謝らないといけないよな?」

二人の言葉を聞いて、ルーミアは理解した様子を見せる。
前の二人の姿を見て、肩が欠けている痛々しい姿の彼を見て――
改めて感じるのは、罪悪感というか何かの感情か?
このお兄さんは、食べてはいけない存在だったらしい。
………つまり、あの岡本は嘘吐きだったという事になる。
騙されて食べてしまった肩の分……反省しつつルーミアは言った。


「ごめんなさい……」


(何だ……ちゃんと謝る事が出来るんだな……やはり子供は子供ってことか。
 ………かくいう俺も子供なんだけどな)

良樹はルーミアの事を知ると共に、肩から噴出し続ける血によって意識が薄れてきていた。
……だが、そんなのを見せれば二人に心配を更にかける事になるというなら頑張るしかない。
激痛が続くこの肩、何か痛みを和らげる何かを欲しいとは思ったが………。


―――そんなに甘くない事を知るのはまだまだこれからである。


【G-8 - 妖怪の山】
岸沼良樹@コープスパーティーBCRF】
【状態】心配 左肩が骨剥き出し 疲労(中)
【服装】如月学園の制服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:殺し合いに反対、今は友人達を探す。
1、友人達と、白井さん達の友人を探す。
2、ルーミアが変な事をした際は始末のつもりだが、あまりそんな気は(ry
3、肩の激痛を抑える何かはないか?

※黒子と情報交換しましたが、能力と美琴の事や詳しい事は聞かされてません。


【G-8 - 妖怪の山】
【白井黒子@とある科学の超電磁砲】
【状態】健康
【服装】常盤台中学の制服
【装備】なし
【道具】基本支給品 文々。新聞@東方project イカ娘写真集@侵略!イカ娘
【思考】基本思考:殺し合いに反対、友人達を探す。
1、能力制限があるなら、お姉様も……?
2、良樹の友人達とやらを探す。
3、ルーミア?っていう子が変な事をしたら始末。

※能力の制限に気付きかけてる段階です。テレポートの使用範囲設定は気付いてません。
※良樹と情報交換しました。


【G-8 - 妖怪の山】
【ルーミア@東方project】
【状態】健康 口元に地 悪い気持ち
【服装】ルーミアの服
【装備】なし
【道具】基本支給品(食料 無) 不明支給品1~3
【思考】基本思考:岡本と一緒に食える人間を食す。(殺し合いだと気付いていない)
1、食べれる人間を探し、食べる。
2、岡本は嘘吐きだったのかー………。
3、この男の人は食べちゃいけなかったんだ………。

※ここが幻想郷であると思っています。


【イカ娘写真集@侵略!イカ娘】

早苗がイカ娘を家に入れた際に撮りまくった写真。
着せ替えまくったから、イカ娘コスプレ写真集ともいえる。
早苗の宝物だろう。

【文々。新聞@東方project】

射命丸文が最速で情報をお伝えする。
ただし、書いてる内容は捏造ばかりである。

(今頃はルーミアは殺されてるとしましてー、はー!どうしよう……)

逃げたはいいものの、失敗した岡本は悩む。
この失敗は後々殺し合いで大きく響くに違いない。
どうしようもない失敗をいつまでも見つめる場合ではないが……。
ルーミアは死亡した、次なる相棒を見つけるしかない。
そんな岡本が見つめた暗闇の向こうで――神を叫ぶ声。
………完全な変人の予感しかしない岡本だが、取り敢えず向かう事にはした。
その者が、どれだけおかしな人か……岡本は注意が足りなかったと知るのは後々の事であった。



「神ィィ!!私は、オーセノトーリニー!!!」



【F-8 - 妖怪の山】
【岡本@ニコニコ生放送 マリオ64RTA】
【状態】健康
【服装】私服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:人を利用し、ギャンブラーとして優勝する。
1、ルーミアは死んだとしますー。
2、優勝出来るだろ
3、声がする方へ………。

※ルーミアは殺されたと思っています。


【F-7 - 妖怪の山】
【魅上照@DEATH NOTE】
【状態】健康 冷静
【服装】黒っぽい服
【装備】何かの銃
【道具】基本支給品
【思考】基本思考:他人を利用しつつ、神の試練をクリアする。
1、デスノートを探す。
2、人は利用するだけ



何故か知らない、前へと進まない気がする。
前方には何があるか見えない。
この紙袋が邪魔なのか、暗闇のせいなのか。
何も分からない。

ただ、足から感じない地面の感触。
ここは何処だったか………あんな険しい道。

―――あるとすれば。

(ま、まさか!!?)

今、すべてが理解出来た。
瞬間――視界が暗闇から少し見えてくるようになる。
見えて来たそれは、どんどんと近付いていく地面。
……そう、地面の感覚がないのは崖から落ちたからだった。

(マジ!!??)

信じられない前の状況。
何も出来ないままに、彼は地面に身体を叩きつけられて―――


身体は粉々に粉砕されて、残ったのは血だらけの紙袋だった。


【すけいす@ニコニコ生放送 マリオ64RTA 死亡確認】


※すけいすのデイパックと紙袋はG-7に残ったままです。


sm049:人殺しは愛する彼のために 投下順 sm051:真・里亞無双?
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sm022:お前等、食べれる人間じゃねぇから! ルーミア sm000:[[]]
sm022:お前等、食べれる人間じゃねぇから! 岡本 sm000:[[]]
sm018:神は言っている、ここで乗るべきだと 魅上照 sm000:[[]]
sm018:神は言っている、ここで乗るべきだと すけいす 死亡


最終更新:2011年10月05日 21:42