もう何も見えない
「ま、マジかよぉ………ぅぅ……」
ただ一人の少女が洞窟を歩……けずに蹲っていた。
先ず変な会場では中心に明かりがあったから耐えれた。
それでも人の首が飛ぶという事には目を背けたかったが……。
その後に意識を飛ばされて気がつけばこんな洞窟の中。
少女は薄暗い所でも無理なほどの怖がり。故にこんな場所で行動
できる程の気力などは残っておらず、ただ怖いという感情に邪魔されたまま、
今現在、壁に背を当てて何も見えないように下を向いて目を瞑っている。
殺し合いなんて頭には入っていない。今は暗いのが嫌。
早く誰か助けて、そう願うのみ。
(早く……誰でもいいから……すばるん……紗季……夏陽でもいいから……)
そう願う少女は、
三沢真帆。まほまほである。
慧心学園初等部6年C組の生徒、身長145cm。
7月2日生まれで血液型はAB型。
ハンバーガーと牛丼が好物で成績は『もっと頑張りましょう』
物怖じしない天真爛漫な性格だが極度の怖がりである。
運動神経抜群で飲み込みが早く何でも器用にこなせる。
昴曰く「生粋のフォワード」と評す程。
二つ名は「打ち上げ花火(ファイヤー・ワークス)」
そんな小学生は今、洞窟にいる。
何にも聞こえないし何にも見えない。
誰か傍にいれば、少しは安定するかもしれない。
だが都合良く誰かが現れる訳でも無い。
真帆は暗闇の中、一人ぼっちだ。
こんな暗い洞窟では、花火は打ち上げられない。
打ち上げれる場所に持っていく必要がある。
それがどんな所なのか?勿論、それは作った女バスの場所。
あの皆がいるあの場所ならば打ち上げる事は可能だ。
毎日朝晩200回ずつシュートの自主練習をした彼女だが、真っ暗に勝てない。
明かりの一つも灯らないこの場所には敗北した。
殺し合いをしている。そんな事も忘れかけていた。
警戒心は薄くはなかった。幽霊が出るかもしれないから。
心霊スポットのようなこの洞窟という場所なら尚更である。
真帆はただひたすらこんな場所で怯えるしかできなかった。
帰りたい、その気持ちで一杯になった。
早く家に帰って明るい部屋で落ち着きたい。
いや落ち着くというか、自室で仲間の皆と喋りたい。
今頃は自分の不在を珍しく思いながら話してるのか?
若しくはもう眠っているかのどっちかだろう。
明日、いけなくてすまんと謝らないとならないな。
そんな余裕が生まれるのもおそらくはだいぶ後。
真帆は目を瞑ってはいるが耳は塞いでいない。
故に足音ぐらいは聞こえる。………筈だ。
だが、初めて洞窟内で聞こえたのはそれじゃなかった。
もっと違う、はっきりと聞こえるものだった。
◆◇
「う、嘘……夢じゃ、ない……んだよね……」
彼女は目の前で見た事に夢だと信じたかった。
何せ人の首が飛んでは信じたくはなくなる。
………だが、自分は今ここにいるのは本当。
頬を抓れば痛く、それは夢じゃないということ。
夢じゃないと分かって、次第に涙が出そうになってくる。
だが泣き声は出さなかった。
彼女は今ここで泣くのは危険だと判断したのだ。
泣きたい現状を堪えて今、彼女は勇気を出して立ち上がる。
周りは真っ暗、人も誰もいない空間が広がっている。
そして、彼女は取り敢えず脱出を心掛けて歩き出した。
(絶対に、帰らなきゃ……このまま死んで人生が終わりたくないよー……)
帰って自分の
居場所が歩くかどうかは正直怪しい。
でも、あの場所はきっと自分がいなきゃ駄目なんだ。
一人でも欠けたらそうじゃなくなってしまう。
きっとそう、そうな筈………そうじゃないかも……。
いや、きっとそう。だから絶対に帰る。
(ここで終わったらもう出番は……頑張らなきゃ!)
そう、彼女こそは主人公な筈の
赤座あかり。
ごらく部の部員。彼女が言ったあの場所とはごらく部。
一人でも欠ければごらく部は変わってしまう。
三人だけでやっていける………多分やっていける。
いや、今は帰ることを重点に行動するべき。
出番が無くとも、あの場所に帰ることが出来たらそれでいい。
主催者は生き残れば願いを叶えると言っていた。
それはつまり、人を殺害していって人数を減らしていけということ。
……でも、あかりにはそんな事出来る筈が無かった。
彼女はいい子であり、凄くいい子なのだ。
人を殺すなんて事、絶対にしたくなかった。
だから人を殺害することもなく帰る方法、それを探す事にした。
そんな方法が在るようには思えないけど、きっとある筈。
希望を持つことで前に進める。
ということで前に進み続けたら、あかりは見つけたのだ。
―――栗色のツインテールの髪をした小さな女の子を
当然、こんな所は怖いに決まっている。
こうなるのも無理は無い。
あかりはとにかく優しく接してあげた。
絶対に襲われない、そういう自信も込めて。
あかりは言葉を発した。
「ね、ねえ。その……大丈夫、かな?」
少し引き攣ってはしまったが笑顔を見せてあげる。
目の前の子は一瞬ビクッと驚いたようだった。
でもあかりを見て、幽霊じゃないと小さく呟いた。
それからあかりはまた話し掛けた。
「え、えっと……一緒にここから出よっ?」
そういうと少女は頷いた。
良かった、安心してくれた。
あかりは上手くいってくれた事に安心した。
もしも取り乱してしまって逃げられた時にはどうなったか?
あまり考えたくない悪い方面の考え。
取り敢えず上手くいったならそんな事を考える必要は無い。
あかりは少女と手を繋いでから、名前を言うことにした。
硬い感じでやるよりここはもっと安心を持たせる為に、
あと存在感が出そうなので自己紹介にも一工夫を入れてみた。
「私は赤座あかりだよっ♪あかりんって呼んでくれたらいいよっ♪
よろしくねっ!」
「………うんっ!よろしくっ!あたしは三沢真帆!真帆かまほまほって呼んで~」
あかりの作戦は成功した。
怖さも薄れて緊張も解け、元気が戻ったみたい。
自分でも予想外な程に上手くいった。
このやり取りで、完全に二人は仲良くなった様に思える。
………だが。
「クク………」
「「!?」」
暗闇に目が慣れ始める頃。
その時に見えたのは、狂気を感じる顔をした男だった。
不気味な笑いをして手にはナイフを持っている。
二人はそれを見て、顔を青ざめた。
次に取った行為は当然―――逃走だった。
「出たぁぁぁぁぁ」
「いやぁぁぁたすけてぇぇぇ」
二人は直ぐに駆け出した。
手は繋いだまま、とにかく前へと走る。
それを黙って見過ごす筈は無い。
「逃がすか。殺してやるよ……!」
男も、あかりと真帆を追い始めた。
洞窟の地形を利用して、逃げ切ることは出来るのか?
恐怖に染まった二人の逃走に計画性の欠片も無い。
ただ殺されたくないという感情で動いてるものだ。
敗者には死を与える。それは二人にのみ。
この勝負の賭ける物の差はあまりにも大きい。
今ここで始まった逃走にあかりん達は勝てるのだろうか?
二人は帰りたいと強く思った。
すばるんや皆が待っているあの女バスへ。
京子ちゃん達が待っているあのごらく部へ。
そんな場所まで、逃げ続けるのだろうか?
もしくは、ここで男の手によって人生を終えてしまうのだろうか?
【D-2 - 洞窟内】
【三沢真帆@ロウきゅーぶ!】
【状態】健康 恐怖 あかりんと手を繋いでいる
【服装】慧心学園初等部制服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:すばるん達の所に帰る。
1、あかりんと一緒に男から逃げつつ洞窟からの脱出
※あかりとは自己紹介のみしました。
【D-2 - 洞窟内】
【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康 恐怖 真帆と手を繋いでいる
【服装】七森中学校制服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:人の殺害をせずにごらく部の元へと帰る。
1、真帆と一緒に男から逃げつつ洞窟からの脱出
2、人は絶対に殺さない
※真帆とは自己紹介のみしました。
【D-2 - 洞窟内】
【
刻命裕也@コープスパーティーBCRF】
【状態】健康 静かなる狂気
【服装】白檀高等学校制服
【装備】サバイバルナイフ@現実
【道具】基本支給品 不明支給品1つ 掃除機@ローゼンメイデン 日本の正月セット@ヘタリア Hetalia Axis Powers
【思考】基本思考:殺し合いを楽しみつつ、人間共全員の命を奪う。
1、終わらせてやる………。
2、二人を追い、殺害する。
※参戦時期は天神小学校内の模様です。
※ハルヒのデイパックを回収しました。
最終更新:2011年10月24日 23:11