イイ男はどこでも優しい(男にだけ)
「戦人君。大丈夫なのか?体調が悪いみたいだが」
「ああ平気だ。……もし悪くてもジッとはしていられない。
今は、親父達を殺した犯人と殺し合いの主催者への怒りが有頂天だ」
情報交換をしたあれからも暗い洞窟を歩き続けている。
その内容は戦人が直面した最悪な殺害現場、阿部さんがいた場所。
道下という大切な人物。どんなにクソ親父でも大切な家族。
色々と失われた二人の気分でもまるで現わしてるかのような暗い道。
………だが、本当に気持ちを表す洞窟であるなら色は黒ではなく赤だろう。
戦人が言った通りに、今は怒りの気持ちの方が上。
でも阿部が言った通りに戦人の体調も良くはなかった。
当たり前だろう。殺人現場を見た後にさらには殺される瞬間を見せられた。
嫌でも記憶には強く残る。それを思い出すと怒りと共に吐き気もするだろう。
阿部が出来る事といえば戦人の気分を良くはいかなくとも落ち着かせることだ。
以前の環境とは違う。だからどんな男でも簡単に掘る事にはいかない。
本当なら無理矢理でも頼みたいところでもあるのだが………。
「辛いようなら、休憩を挟んでもいい。どうする?」
阿部が戦人を気にしてそう言葉を放つ。
返答は礼の言葉と共に戦人は遠慮した。
のんびりする時間さえも使用して今は何とか行動を起こしたい。
そんな戦人の強い想いは阿部にしっかりと伝わった。
ならばと、阿部は戦人に話し掛ける。
「これは一つ、俺の予想ではあるんだがいいだろうか?」
「………どうぞ」
「では簡単に言う。戦人の家族を殺害した犯人がこの殺し合いの主催者かもしれない」
「んなっ……!」
これはただの予想。阿部が考えた一つのパターン。
戦人はまさかと思いつつも、その線も考えれる事は考えれると納得。
成程と口にして戦人は少しは考えた後に言葉を発した。
「確かに、その線は良いと思います。……だけど、じゃあ何故俺以外の人を連れなかったか?
人材が欲しかったのなら自分以外にも生存者はいた筈……。やっぱり不自然な気も……」
「それは簡単だ。戦人君は選ばれたのだよ」
えっ、と戦人が驚くのも無理は無い。
かなりの暴論でもあるが、選んだのなら戦人が連れられて他の者がいないのも納得。
………いや、その前にあの場にいた人物が全員いないという訳じゃないかもしれない。
本当は朱志香とか譲治兄貴もこの殺し合いという悪夢を見せられてるのかもしれない。
そうだ。自分だけがここにいるという保障は無い。
それならここに連れた犯人が殺人の犯人というのもアリだ。
……でもそんなに都合良く話が出来てるとも考え辛い。
わざわざ人を集めて殺し合いを開催させる。どう見ても悪人しか見えないこの行動。
犯人がこんな事をしてしまっては、自分がやりましたと言ってるようにも見える。
阿部さんみたいな認識の無い人達までも集めたのならこの殺し合いの意味は何?
ただ単に人が殺し合う姿を見たいだけではない筈。何か意味が込められている筈。
何だ……?…………っく、悔しいが読めない。
チェス盤をひっくり返して考えてみれば、自分を悪人と見せたいからこんな事をしたという論も……。
悪人と見せる事で参加者の内でも自分みたいな殺し合いをせずにただ主催者を倒すか脱出する意見の者も出るが、
そんな善人のような存在の自分達の何かを知りたいか。量っているのか?
………駄目だ。全然駄目だ。まったく意図が読めない。
「……しかし、出口が見えないな戦人君」
「……そうっすね」
言う通り、出口の一つも前に現れない。
無限にでも続いてるかのような洞窟だ。
本当にそんな魔法でもかけられてるんじゃないだろうか?
………信じる気にはならない。魔法なんてありはしない。
長いだけか迷っている。現実的に考えればそうとしか考えられない。
「こんなに暗い所でヤるのも………」
阿部さんが何か言ってるが気にしないことにした。
魔法………本当にあるなら真里亞の奴はどうするんだろうな……。
あれ程に好きなものが実在してるなら相当に喜ぶのは目に見える。
もし真里亞がこの殺し合いにいれば、どう感じているのだろうか?
魔女に連れてこられたとでも言い出すのだろうか?
………そうか、他の皆もいるかもしれないのか。
真里亞だけじゃない。朱志香も譲治兄貴もいるのかもしれない。
殺し合いをしろと言われて、賢いなら本当に乗ってしまうんだろうか?
俺は別に頭良い訳じゃないから軽く考えた末にこうやって一緒に行動している。
いや、考えたかも分からない。即決というより決定していたかのようだ。
自由、この殺し合いは自由である。するかしないかも自由。
それが恐ろしい。あんな頼れる兄貴でも殺し合いに乗る可能性がある。
人を信じる事が怖くなってしまう。疑心暗鬼に陥れさせるこの悪魔のゲーム。
本当に魔女が主催していそうな悪趣味なゲームだ。
犯人が見せたあの殺し方も悪趣味だ。もし主催者と別人なら気が合いそうだ。
やっぱり主催者と犯人は一致するのか……?こうも悪趣味同士だと可能性がある。
その線でこれから考えてみるのも良いかもしれないな……。
「阿部さん。俺、決めました。主催者と親父達を殺した犯人……。
この二つの存在が同一人物と仮定することにする。」
「……そうか。戦人君、君はその犯人と出会ったらどうするつもりかな?」
阿部さんの質問。当然、そんなの………。
……いや、正直考えていなかった。
捕まえるっていうのなら簡単にはいかないから作戦が必要だ。
それ以外の選択なんてない。間違っても殺すなんてことだけは絶対……。
「捕まえます。……で、親父達を殺した動機とか方法とか色々訊きます。
俺……絶対にそいつのこと許せないから…………」
「……ふむ。戦人君の想いは強いみたいだな。よし、俺も協力しよう。
困ってる男を放っておく訳にはいかないからな」
「阿部さん…………」
戦人は感謝する。阿部の善人さにも驚く。
男に限るのは内緒だが………戦人はとにかく感謝した。
これ程、頼れる肉体を持っていてイイ男なのだ。
阿部がいれば何とかなる。そんな気すらしてくる。
「さあ、丁度良い所に見えたぞ」
「………出口っすね」
そう、出口。
周りが暗く外も暗い為に分かり辛いが確かに出口だ。
ようやく念願の出口に出会えた喜びが沸き上がってくる。
直ぐに出ようと思った矢先の事であった。
連打音かのような足音が別の方向から聞こえてくるのであった。
明らかに人とは思えない連打音の足音。
二人は危険信号を出す。この存在は危険に違い無いと。
阿部と戦人は直ぐに脱出はせず、近くの岩に身を潜めて様子を伺う事にした。
足音の音量は近付いて来て、そして姿を一瞬前に表した。
翼の生えた女の子と、小さな女の子が目の前を通った。
二人共異常なまでの速度で走っていた。
戦人は人間とは思えないその動きに固まっていた。
一体あれは何だったのか?
「……阿部さん、今のは………って、あれ?」
振り返って阿部さんにさっきの物体について聞こうとした。
………だがそこに阿部の姿は無く、今ここにいるのは一人。
もしかして道でも戻ったのかと思って、戦人は戻ってみることにする。
そんな行動をした途端、目の前から少女が現れた。
緑髪の高校生くらいの女の子。背はそれなりに高い方だと思う。
「あの………」
戦人は声を掛けたが無視して緑髪は出口へと向かう。
何だよアイツと戦人は小声で言いつつ来た道の方を見た。
そこには阿部さんがいた。何をしていたかは少し予想出来た。
あの少女と何かあったんだろう。詳しい事は分からないが。
「阿部さん。さっきの子と何があったんですか?」
「ん、俺達を殺そうと企んでいたらしい。後ろから襲いかかられる所だったんだ。
まあ対処は出来たから良いんだが………」
「へぇ……そうっすか」
驚いた。あんな子が殺し合いをしているなんて………。
やっぱり狂っているようにしか見えない。
こんなゲームはやるだけ最悪だ。直ぐに中止しないとならない。
そんな想いが高まるが今は取り敢えずやる事が一つ。
直ぐそこにある出口へと向かって歩くのみであった。
◆◇
「……………」
何故、気付かれたのか良くは分からなかった。
あの男は一体何者?人間なのか疑わしい。
……いや、人間。少し勘か反射神経が優れているぐらいに違い無い。
でも一切の攻撃もしていないのに気付かれるなんて……。
更には中で考えてる事すらバレている。あの男は野放しには出来ない。
とにかく危ない。直ぐに排除しなくてはならない。
守る。大切な友達に触れさせない為に守る。
大切な友達………そう、ゆたか。
あんな優しい子、騙されてしまうかもしれない。
だから出来るだけ自分が何とか支えてあげなくちゃいけない。
………みなみは願う。強く、願う。
どうかあの子だけは、ゆたかだけは無事でいて、と。
【F-2 - 洞窟出口】
【右代宮戦人@うみねこのなく頃に】
【状態】健康 怒り
【服装】白のスーツ
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:主催者を捕まえ、ここから脱出する。
1、阿部さんと共に取り敢えず洞窟から抜ける。
2、主催者と親父達を殺した犯人は同一人物の筈……。
※参戦時期はEP1で第一の晩に直面している時です。
※阿部と情報交換しました。
※緑髪の女の子(みなみ)を警戒。
【F-2 - 洞窟出口】
【阿部高和@くそみそテクニック】
【状態】健康
【服装】青のツナギ
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:戦人君の手助けをする。
1、戦人君と共に行動。
2、洞窟からの脱出。
※戦人と情報交換しました。
【F-2 - 洞窟外】
【岩崎みなみ@らき☆すた】
【状態】健康
【服装】陵桜学園制服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:ゆたかの為に参加者を減らして行く。
1、あの男(阿部)は直ぐに殺さなくては………。
※戦人、阿部の情報交換を盗み聞きしました。
「まさかこのTASと互角とはな……驚いた」
「嬉しいようで嬉しくありませんねぇ。同等の実力がいるよりも、
自分より上がいない方が気持ち良いですからねぇ。そうは思いません?」
「当然だ。TASよりも上回る者など誰もいない。気持ち良いものだ」
洞窟から出ても二人の勝負は続いていた。
TASと文。最速同士の最速争いは終わりを見せない。
このような会話を交わし続け、何分経っているのか?
そんなの数えてたら追いつかれるか追いつけなくなる。
とはいえ、そろそろこの勝負にも決着をつけたい頃ではあった。
二人の速度は最速級。洞窟からある方へ暫く進めば見えるのは一つの建物。
この殺し合いにて最大に大きい中心となるその建物。
アニメでも舞台となり易い、そう……School。学校。
(ここを利用する他、ありませんね……)
文とTASの競争はどんどんと学校の方へと近付いて行った。
………だがその計画はとある存在によって変更された。
前から見える人影。これを見て利用せざるを得ない。
自分の生存の為なら何だって利用する。それが文のやり方。
方針が定まっていない今はそれがやれる事だ。
「ひっ―――」
前の人影がそんな声を上げた。構わない。
文は風を起こして速度を上げる。
能力制限で使用しなかったが今ここで使用して速度を上げる。
少し、ほんの少しだけTASとの距離が開いた今だ。
その人影を追い越して直ぐ、文は後ろへと風を起こした。
精一杯の強風を起こして人を飛ばす。TASの方へと。
「っ!」
TASも突然の物体に困惑して動きを止めざるを得ない。
今が逃げるチャンス。文は一気に学校へと急いだ。
後ろも振り返らずに、ただどうなったかなんて想像はつく。
あれだけ最速を言い張った相手。邪魔された存在を許せる筈は無い。
おそらくは利用したあの人は………まあ仕方ない。
学校の内部へ入ろうとした時、何かを踏んだ気がするが気のせいだったに違い無い。
◆◇
「チッ………」
突然前へと降りかかってきた存在を蹴散らせば姿は無し。
最速と名乗ったあの少女に、最速勝負で敗北した。
TASにとってこれ程悔しい事は無い。屈辱だ。
目の前の地面に転がる惨殺死体。
これだけじゃつまらない。せめてデイパックは回収したが……。
もっとだ。もっと行動を起こさないとならない。
幼女は、静かにその場から移動した。
読みで次の目的地を決める事にした。
向かう先は一つ。あの建物……学校だった。
【初春飾利@とある科学の超電磁砲 死亡確認】
【F-4 - 学校内 校舎外】
【射命丸文@東方project】
【状態】背中に打撃 疲労(小)
【服装】文の服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:自己保守しつつ、どうするか考える。
1、真っ暗な此処から抜け出す
2、TASからとりあえず逃げる
3、あの人間がどうなったかなんてもう分かりきったこと。
※幻想郷の住人としては、レミリア・フラン・天子・幽香・こいし・咲夜・藍を警戒
※八雲紫が幻想郷からこの殺し合いに参加させたと推測しています。
同時に、八雲紫が主催者側に潜んでると推測しています。
※此処が幻想郷ではないと推測しました。
※能力制限に気がつきました。
※TASを危険人物だと認識。
【F-3 - 学校内 校舎外】
【松田桃太@DEATH NOTE】
【状態】頭から血 気絶
【服装】スーツ
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:一般人の保護と、計画の打破。
0、……………。
1、このゲームはキラが絡んでるに違いない。
2、この学校は一般人の収容に使おう。
【F-3 - 学校外】
【TAS@TAS動画シリーズ】
【状態】健康 服に血
【服装】???
【装備】???
【道具】基本支給品×2 不明支給品1~3 初春のデイパック(不明支給品1~3)
【思考】基本思考:???(殺し合いには乗っている)
1、文は後々見つけたら必ず殺す。
2、取り敢えずあの場所(学校)へと向かう。
※初春のデイパックを回収しました。
最終更新:2011年10月06日 00:29