SHOOT!
―――秒針は、真上に来る。
開始時刻、00:00。
その時がやって来た。
ついに、バトルロワイアルは始まった。
一斉に起きる参加者一同、少年も少女も起きる。
例外など一人もいない。平等な
スタートだ。
00:00
目を覚ます。視界がぼやける。
次第に周りが見えだすと、ここが何処か疑問に思う。
緑色が良く見える為、建物内ではなく自然の中なのは確か。
さて、大体周りを把握すると記憶を辿る。
今さっきまで何が行われていたのか。
そして自分がこんな所にいる理由とはなんなのか。
―――思い出したくもなかった。
その過去は、一種のトラウマにもなる。
だが今この一人はそれ以上に大きな衝撃を与えられた。
目の前で首が飛び、血も飛び、命あった者が一瞬にして消滅。
突然の殺し合いをしてもらう宣告、色々な事があった。
色々あった、でも一番表に出てくる映像は一番の衝撃のシーン。
直ぐ傍だった。少しでも足が動けば助ける事が出来たかもしれない距離だった。
でも動かなかった。固定されていた。そう行動に出ると予測されていた。
対策、よって一歩も近付く事は出来ず相手の想うがままに時間は過ぎた。
完全敗北、悔しさも悲しさも怒りも、色々な感情が混ざったまま気を失った。
そして今、目覚めた。大事なものを失った状態で目覚めた。
どうしてこんな事が始まったのか、全てが意味不明。
黒井、そんな名の主催者の意図がまったく読めない。
正直初対面だ。見たことも聞いたことも一度も無い。
961プロなんて言葉は何処からも聞いたことがない。
じゃあ、あれは誰?弱小な会社で働く者?それはない。
弱小な会社が、こんな大掛かりな事をしてもメリットなどなく、
逆にデメリットのみ、会社への悪印象を齎す筈だ。
では何だ。会社の為じゃないのなら個人の為?
黒井という者がどれだけの資産を持ってるか知らない。
それに人類が嫌だというのなら、厳選する意味も何もない。
そう、やっぱり何も分からない。
黒井という者がこれを開催する意味がまったく分からない。
………いや、そんな意味は今考える必要はない。
今始まっているのは殺し合い。いつ襲われるかも分からない場所だ。
生き残りを掛けて殺害を犯す。そんな事をしろと言われた場所。
人と人が殺し合って、最後の一人になるまでそれを続けるゲーム。
まったくやる気になれないゲームだ。
ルールに従ってやる、それが人間として大きく失う方向へと導く。
生き残ったとしても、他の49名は皆死亡した。
それはあまりにも虚しく、色々と失い過ぎている。
つまり勝利しても勝った気分になどなれやしないゲームだ。
そんなゲームはやる価値すらない。
なら、ルールを粛正してやればいい。
無理矢理にでもルールを変えてやれば、勝利の気分を味わえるかもしれない。
そのルールを変える方法とは簡単なことだ。
言われた通りのルールとは真逆の行為を取っていればいいのだ。
つまり最後の一人になるまで殺し合いをするのではなく、
皆で一丸となるため、助け合ってここからの脱出を図るか主催を倒すか。
どちらでもいい。ルールを変更させれるならそれでいい。
正直、不思議な感覚ではあった。
今までスポーツに打ち込んできたからの感覚だ。
スポーツには必ずしもルールというのが存在しており、
それを破ればペナルティが与えられる訳だ。
故にスポーツは正々堂々とルールに従って打ち込む。
だが今回はスポーツとは言えないもののルールを敢えて破るのだ。
破った場合のペナルティは何かあるのかは分からない。
もしかすれば、さっきの首輪みたいに爆発が起きてしまうのかもしれない。
ルール違反によって退場。その可能性は大いにある。
だが面白くない勝利を目指すなら、ルールに背いた方が面白そうだ。
主催打倒か脱出口の探索。人と助け合いながら打開する。
やっぱりこの方が面白いと、思った。
それに、自分は殺し合いに乗る訳にはいかなかった。
この殺し合い開催の為に騙され、そして命を奪われた二人。
犯罪だ。黒井という男は立派な犯罪を犯している。
許されぬ行為、公衆に情報が届けば直ぐ逮捕されるだろう。
この場所は何処か分からないが、警察が男を捕まえればこれも終わるかもしれない。
時間を稼ぐ、それもルール反逆の際の勝利法の一つなのかもしれない。
ただ、どうしても急がないとならないことがある。
起きた時に見つけた鞄――デイパックと呼ばれるものの中身。
正直、自分の身を守るものとしては大ハズレではある中身であったのだが、
その中に同封されていた名簿と呼ばれるものを閲覧したのだ。
そこで見つけた名前―――勿論、自分の名前もあったがその下には………。
もう、嘘であって欲しかった。
夢でもいい。何でもいいから信じたくなかった。
またこれ以上、自分からものを失わせるつもりなのだろうか。
いや、違う。自分だけではなく全員だろう。
全員最低でも一人は知っている人はいる、そんな感じ。
これは全員を対象に、色々なものを失わせる儀式の一つだったのか。
―――そう、名簿には存在した。
自分の―――――。
慧心学園初等部女子ミニバスケットボール部の部員がいた。
唯一存在しないのは愛莉。………だが、愛莉は既に………。
駄目だ、考えては駄目だ。
深く考えると、余計に思い出して悲しんでしまう。
とにかく、これは嘘であってほしかった。
殺し合いなんていうゲーム、これを小学生にまでさせるのか。
まだ人生経験の少ない少女達を、あの少女達のバスケを俺から取る気なのか?
いや、既にもう取られていた。愛莉がいなくなった時点で部員は4人。
もう
居場所はなくなったも同然。………つまり、あの時の約束が果たせなかった。
智花とまだ会って一週間もしない内、家で練習させたあの日に過去の事を聞いた。
もう智花がバスケを続けれる場所はあの5人のチーム、あれが最高の場所だったのだ。
あれを失わない為に守ってやると約束した。………だが、出来なかった。
あのチームから愛莉が消える。………なら、誰がセンターをやってくれる……。
愛莉はセンターとして成長していった。何れは世界にも並べる実力にもなると思った。
その俺の期待をあいつ等は踏みにじった。一瞬にして、それを消した。
愛莉程のセンターの代理なんていない。ウチの部員にはそれぞれのポジションがある。
たまには入れ替わっても貰ったが、センターに
向く人材など一人しかいない。
愛莉―――どうして、こうならなくちゃいけなかったんだろうな………。
皆でバスケしてる姿、そして成長していく姿。
俺は実にそれが楽しくて、毎日見たいとも思った。
愛莉は水泳も練習して、結果あんなに上手くなった。
皆、成長していた。俺だって、皆のおかげで成長していた。
お互いにプラスとなる日々だった。それなのに………。
もう、見る事が出来ないのか。慧心学園初等部女バスのいつもの光景が。
寂しいというより、逆戻り……それも今度はもっと大きい傷を負って。
アイデンティティの大半というより、ほぼ全てを失った気分だ。
愛莉は手遅れになってしまった。もう取り戻すことは出来ない。
悔しさが溢れるぐらいに溜まっている。でも、まだ全ては失ってない。
まだ、俺にはいる。守るべき慧心女バスの部員達が。
男バスの試合では誘惑を、その後はトリッキーな動きを磨かせたひなたちゃん。
いつも事務的な事を手伝ってくれる、そして的確な判断を見せる俺と同じポイントガードの紗季。
女バスのムードメイカーともいえる元気さに備わった身体能力は凄い、真帆。
そして、女バスのエースとして、俺がここにいれるのも全てはエースのおかげだ。
その華麗なジャンプシュート、それだけは失う訳にはいかないからな、智花。
愛莉の事もあって、皆耐えられないぐらい怖いし不安だろうな。
正直精紳面が無事でいてくれて欲しいが、小学生にはキツ過ぎる内容だからな。
早く見つけて落ち着かせてやらなくちゃいけない。
そうと決まれば直ぐ行動に移らないとな。
(絶対にこれ以上には失わせない……!俺が命を懸けてでも……!)
そう言って駆け出す少年の手には一つ。
殺し合いには完全不向きとも思える武器があった。
それは箒。乗っても空は飛べないただの箒。
そんなのが一つと、もう一つの支給品はねるねるねるね。
色が変わって、テーレッテレーするうんまい!食べ物。
つまりは昴の支給品はダメダメだったということである。
それでも、昴は女バスの皆の救助で頭が一杯だった。
今も不安で怯えてるかもしれない皆の姿。
それを安心しきった笑顔にへと変えたくて。
小学生には辛い、こんな残酷なゲームをさっさと終えたくて。
昴は正義の心となって、バトルロワイアルの世界を歩き始めたのだ。
【C-6 森深部地帯・一日目/深夜】
【長谷川昴@ロウきゅーぶ!】
【状態】健康
【服装】七芝高等学校男子制服
【装備】箒@現実
【道具】基本支給品 ねるねるねるね@現実
【思考】基本思考:女バスの皆を探しつつ殺し合いのルールに背いて行動。
1、もう何も失いたくはない。
※【箒@現実】
空を飛ぶことはできないただの箒。
※【ねるねるねるね@現実】
色が変わって、うんまいっ!
チョコクランチをつけて、うんまいっ!
テーレッテレー♪
ねっておいしいねるねるねーるねっ♪
最終更新:2011年12月06日 18:59