催眠標準テキスト@Wiki

条件付け説

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催眠はある種の条件づけだという説があります.条件付けで有名なものは,パブロフの犬でしょうか.実はそのパブロフも催眠の研究をしていたことがあります.そのパブロフの犬の理論とは次のようなものです.犬にエサを見せるとヨダレがでます.このとき,エサが刺激でヨダレが反応です.次に,エサを見せると同時に,ベルを鳴らします.このベルはヨダレとは全く関係ないので,中性刺激と呼びます.そして,ベルを鳴らしながらエサを与えることを繰り返すと,エサが無くてもベルを聞いただけでヨダレが出るようになります.つまり,最初のエサという刺激が,ベルという中性刺激と結びついてベルが直接ヨダレを引き起こす刺激になってしまうということです.

これを催眠に置き換えると次のようになります.身体の仕組みから,必ずそうなってしまう反応があります.例えば,指を互い違いに組んで,人差し指だけを伸ばし指を開くと,必ずこの指は閉じてきます.こういった,当たり前に起きる反応を被催眠者にさせながら,催眠者は言葉という暗示を言います.これを先の例に当てはめると,身体の仕組み=エサ,当たり前に起こる反応=ヨダレ,暗示=ベルとなります.そして,暗示と反応を繰り返すことにより,暗示だけで様々な反応が起こせるようになるわけです.

また,身体の仕組みだけでなく,観念運動を使い条件づけをして催眠にするというのもあります.観念運動とは,ある観念を頭の中に浮かべることによって,それが身体の運動として現れる事です.これは,人間の性質としてその差はあれど誰しもがもっているもので,催眠で有名な振り子をつかった催眠誘導や,被催眠者を立たせておいて後ろに倒すというものもそうです.本来観念運動は,自分でその観念を考えるから身体が反応するのですが,それと同時に催眠者が暗示を言うことにより,観念運動と暗示を条件づけによって結びつけることにより催眠にするのです.
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