生きる意味を見失いました。催眠は私を導いてくれますか？ - 催眠標準テキスト@Wiki

催眠とは、ある種の身体・精神状態のこと、あるいはそれをつくりだす技術のことですから、誰かを導いたりできません。
　
　もっとも、人間 にとって〈意味が無いこと〉はとても堪え難いことなので、「生きる意味を見失った人」は誰かに（何かに）とても導かれやすいです。「あんた、まだそんなこ とやってるの！？たいへんなことになるよ。すぐ○○しなさい」と怒鳴って脅して押し付けるだけの占い師の言うことを受け入れ、ひょっとしたら「この人は私 を救ってくれた」と崇拝さえするでしょう。言うまでもなくカルト教団なども、よく使う手です。アホらしい手法に見えますが、「生きる意味を見失った人」、 人生の意味や生きる意義・実感に餓えている人は少なくないので、こんな見え透いた手も相変わらず用いられています。
　
　催眠術師の中に は、人を操りたいと思っている人も少なくありません。そうした連中にとっては、「生きる意味を見失った人」はよいカモです。連中のヘッポコな催眠術など使 わなくても、「生きる意味を見失った人」を操ることは容易いのですが、少しばかり劇的な幻想を見せて、それがあなたの前世だ、来世だ、使命だ、ビジョン （？）だ、と適当に解釈し意味付けて方向付けてあげれば、「生きる意味を見失った人」は意味と実感とを手に入れ、感謝してくれるかもしれません。
　
　もっとも夢は醒めるから夢なのであり、幻想は実際にはあり得ない（しかし素材は現実からの借り物）から幻想なのであって、あなた自身もあなたを打ちのめしてきた周囲も、催眠に入って出てきたからといって、ほんの少しも変わっているわけではありません。

（くる）