ヴァリシアという開拓地の国家は、近年様々な脅威に直面してきた。ゴブリンや巨人の蜂起、自然災害、人為的な災害、専制的な簒奪と絶望的な反乱、そして古代サーシロンの遺物がもたらす脅威がそれだ。3つのアドベンチャー・パスがヴァリシアを舞台とし、さらにもう2つのアドベンチャー・パスがこの地から始まっている。この他にも、この開拓地を舞台とした数多くの冒険を通じて、様々な出来事が記録されている。コミックや小説等を含めれば、さらに多くの物語が語られている。これらの全てが、ただ1つの最後の物語へと収束していく。リターン・オヴ・ザ・ルーンローズへと。
 全ての先行作品のうち、ライズ・オヴ・ザ・ルーンローズとシャタード・スターはリターン・オヴ・ザ・ルーンローズの背景の中心となるものである。本キャンペーンはこれら以前の2つのアドベンチャー・パスに記された出来事が起きたことを前提としており、それぞれの物語の中で、英雄たちによってルーンロードのカルズークが倒され、その後シェードロンと呼ばれる古代のアーティファクトが回収され修復された事を想定している。これらのキャンペーンで始まった出来事は、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズの中で実を結び、そこでプレイヤーたちは、ヴァリシアやゴラリオン世界への新たな脅威に立ち向かう新たな英雄たちの役割を担う。

シェードロンの英雄

 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズは、作りたての1レベル冒険者パーティのために書かれているが、独立して存在しているわけではない。本アドベンチャー・パスは、以前に2グループの英雄たちが、カルズークと戦い、シェードロンを再生させるという難事に挑んだことを想定しており、彼らの名と事績は、近年の伝説としてヴァリシアの人々に広く知られており、この地域の新たな歴史の一部となった。これらのキャラクターのプレイヤーは、君の卓でプレイした人たちかもしれない!
 ライズ・オヴ・ザ・ルーンローズとシャタード・スターのアドベンチャー・パスに参加した英雄たちの数は様々であろうが、その人数に関わらず、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズは、彼らの一部がヴァリシアの守り手としてこの地域に留まり続けることを選んだと仮定している。この英雄たちの集団は、本ガイドおよびリターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいて、「シェードロンの英雄」と呼ばれる。
 君が、ライズ・オヴ・ザ・ルーンローズやシャタード・スターを遊んでいないグループとともにリターン・オヴ・ザ・ルーンローズを遊ぼうとしているならば、GMはこのアドベンチャー・パスを運営するための準備の一環として、シェードロンの英雄たちのアイデンティティを決定する必要がある。これに必要なアドバイスはキャンペーン2本目の「It Came From Hollow Mountain」に書かれている(シェードロンの英雄たちの実際のアイデンティティは、特定の地域に限定される最初の冒険には関係がない)。
 しかし君がライズ・オヴ・ザ・ルーンローズかシャタード・スター、あるいはその両方を遊んでいるのならば、君の以前のPCのうち1人が、シェードロンの英雄の1人となる。

シェードロンの英雄を選ぶ

君と他のプレイヤーとGMは、君のリターン・オヴ・ザ・ルーンローズ・キャンペーンにおいて、シェードロンの英雄たちがどういった者たちであるか、協力して決める必要がある。ヴァリシアで名高いシェードロンの英雄たちの人数は、キャンペーン参加者の人数と同数であるべきだろう。各プレイヤーは、以前のアドベンチャー・パスで遊んだキャラクターの1人を選択するとよいだろう。以前のPCのうち誰をこの一団に加えるか決めて、GMに知らせること。リターン・オヴ・ザ・ルーンローズのGMが以前のキャンペーンを運営したGMでないならば、このキャラクターのデータと情報を提供すること。
 君のグループのプレイヤーの中には、以前のアドベンチャー・パスを遊んでいない人がいるかもしれない。この場合、GMと協力して、シェードロンの英雄の名前、クラス、設定を考えよう。君が望むなら、この英雄の詳細なデータを作成することもできる。このキャラクターは17レベルか18レベルであり、ライズ・オヴ・ザ・ルーンローズあるいはシャタード・スターを完遂した者たちと同等のレベルとなる。
 以前のアドベンチャー・パスやキャンペーンで君がプレイした他のPCは、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいて直接担うべき役割を持たない。これが何故かを説明する理由は、君が考えるべきだろう。以前のPCは冒険から引退したのかもしれないし、世界や大いなる彼方の別の場所に移動したのかもしれない。死んだり、行方不明になったりしたかもしれない。こうしたことについては、君が決定を行うべきであるが、GMがストーリーラインに組み込む英雄たちの数を増やそうと思わない限り、シェードロンの英雄はプレイヤー1人につき1人に制限することが最善である。
 いずれにしても、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズの開始時点では、シェードロンの英雄たちの現在の所在は不明である。冒険者が突然尋常ならざる旅路へと向かうことは珍しくなく、シェードロンの英雄ほどに強力な者たちであれば、彼らの決定や旅立ちについて、全てを周囲に知らせる必要を感じない事もあるだろう。君のリターン・オヴ・ザ・ルーンローズのキャラクターが、以前のキャラクターとより直接的な結びつきを持っていることにしたい場合、GMと相談し、〔伝説を継ぐ者〕のキャンペーン特徴(11ページ「キャンペーン特徴」参照)の取得を考えるとよい。しかし、このキャンペーンが始まると、君も君のPCも、君の以前のPCの所在地や現況を知らないことに留意して欲しい。この不在には2つ目的がある。第一に、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズ・アドベンチャー・パスの進行に伴い明らかになる特定の物語要素を保護するためである。第二に、状況が困難になった時に低レベルの英雄を救済する(極めて強力な)以前のPCではなく、現在のキャラクターへゲームの焦点を当てるためである。
 いずれにせよ、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズ・アドベンチャー・パスの一冊一冊に、シェードロンの英雄が新しいキャンペーンでどのような役割を果たしているかについて、GM向けの様々な情報が記されている。

英雄、相集う

 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズは、ヴァリシア湾北東の端にあるロデリックス・コーヴという小さな町から始まる。最初の冒険はこの町を舞台に進むが、この壮大なスケールのアドベンチャー・パスにおいて、君のPCは様々な場所を旅することとなり、キャンペーン中にロデリックス・コーヴへと戻ってくることは想定されていない。このため、キャラクターを作成する場合、故郷に固執するのではなく、ヴァリシア全土に目を向けられるキャラクターを目指すのが最良であろう。とはいえ、ロデリックス・コーヴの住人を作成するのは、君のキャラクターにコーヴとその市民(他のPCも含む)の幸福に気を配る理由を与える素晴らしい方法だと言える。
 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズのプレイ開始時には、PC全員が互いに知り合いである事が想定されており、君は物語にすぐさま飛び込むことができる。が、君や他のプレイヤー、GMが望むなら、PCたちがどのように知り合ったかを決めるために、少し前から開始することもできる。本プレイヤーズ・ガイド後半に掲載のキャンペーン特徴は、PCがロデリックス・コーヴに少なくとも一ヶ月ほど滞在し、全員が知り合いである想定で書かれている点に留意して欲しい。君のキャラクターはパーティの他のメンバーと親友である必要はないが、すべてのPCがグループとして共に連携する必要があるだろう。

参考資料

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最終更新:2023年02月14日 11:50