キャラクター作成の秘訣

 君のキャラクターが、ロデリックス・コーヴで生まれた地元民であるか、数ヶ月あるいは数年前に近隣の都市からやって来た新参者であるか、成功を求めてこの町にやって来た旅人であるかに関わらず、君のPCは冒険者としてのキャリアをスタートする覚悟と意欲を持っているべきである。本アドベンチャー・パスは、PCたちがNPCから仕事を持ちかけられるのを待つよりも、積極的に冒険を探し求めることに依存する傾向がある。最初の2つの冒険においては、ある程度の「クエスト付与」があり得るだろうが、PCたちがプロットや陰謀を明らかにするたびに、次のステップや冒険の目標が自ずと示される傾向にあり、誰かがPCたちへ何を為すべきか指示することは少ない。(勿論、君のグループがよりはっきりした筋道を好むのであれば、GMがいつでも調整することができる。リターン・オヴ・ザ・ルーンローズに登場するNPCには、クエストを示し得る者が大勢いるからだ。)
 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズの特徴は、冒険における様々な古典的テーマのミックスと言えるものである。このアドベンチャー・パスのキャラクターについて、富と名声を求め、古の脅威からヴァリシアを守るということ以外には、特定のテーマは想定されていない。
 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズは、「ルーンロード三部作」を締めくくる壮大な物語に参加したいと望むプレイヤーのためのキャンペーンであり、古の時代のヴァリシアについてさらに学び、可能な限り強力でありたいと望むプレイヤーのためのキャンペーンである。うまくいけば、本キャンペーンが完結する前に、君のキャラクターは20レベルに到達していることだろう。

属性

 PCたちが協働している限り、属性が本アドベンチャー・パスにおいて大きな問題となることはない。悪のキャラクターであっても、理論上はリターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいてプレイ可能である。ただし、悪のPCでプレイする上ではよくあることだが、こうしたキャラクターがグループの結束を乱すことがないよう、GMや他のプレイヤーと協力する必要があるかもしれない。リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおける個々のプロットラインは、利他的かつ協力的なテーマを持つ傾向にあり、悪のキャラクターは、一部のストーリー要素において、参加するモチベーションが低くなる可能性があり、注意が必要である。

クラス

 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいては、どのクラスのキャラクターにも充分な活躍の機会が与えられるが、本キャンペーンを構成する要素のうち最大のものが、戦闘と古代遺跡の探索であることに留意して欲しい。荒野を探検し、都市における陰謀劇を味わい、社会的な挑戦やロールプレイを行う機会はあるが、これらの要素は、すべての冒険において、中心的に扱われる要素とは言えない。プロットの進行に伴い、休息期間やリラクゼーションなど、様々な機会が要素として盛り込まれ得るが、ストーリーの進行にあわせ、冒険の焦点は変化していく。リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいては、PCが同じ場所に長く留まることはない。
 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおける重要なテーマは、サーシロン帝国(あるいはそれ以外の事柄)に関する、古の知識と失われた秘密を明らかにすることである。この世界の隠された秘密を知ることに僅かなりとも興味を抱くキャラクターであれば、本アドベンチャー・パスに参加する充分な理由があると言える。
 本キャンペーンは、多様性に富む開拓地として知られるヴァリシアを主な舞台とする。この地域においては、最も一般的なクラス(ファイター、クレリック、ローグ、ウィザード)について確たる伝統を見出すことができるが、サムライ、アーケイニスト、ガンスリンガー、キネティシストといったあまり世に知られていないクラスの者も、存在していないわけではない。特定のクラスオプションについてのアドバイスは、以下のページに記載されているが、それが従来のアドベンチャー・パスのプレイヤーガイドにおけるそれに比べ、短いものであることに注意して欲しい。これは意図的なものである。リターン・オヴ・ザ・ルーンローズは、ほぼいかなるキャラクターでも使用可能な、幅広いテーマを持ち得るからだ。

アーキタイプ

 君のキャラクターを特化させるアーキタイプは無数に存在しているが、いずれを選んだとしても、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズが持つ古典的なテーマのために、ほとんどのアーキタイプが、活躍の機会を得ることができるだろう。古代遺跡や失われた王国の探索に焦点を置くアーキタイプ(考古学者(UC)バード、occult historian(UW)オカルティストなど)や、キャラクターを特定地域(この場合はヴァリシア)の守り手とするのを支援するアーキタイプは、特に適した選択であろう。
 ヴァリシア地域に関連するアーキタイプには、以下のものがある(ただし、以下に限定されるものではない):

  • Masked maiden vigilante (AG)
  • Runesage wizard (AG)
  • Shoanti burn rider barbarianI (SC)
  • Sigilus magus (AG)
  • Sister-in-arms cavalier (AG)
  • Tattooed sorcerer (ISM)
  • Varisian pilgrim cleric (ISM)

秘術の伝統

 サーシロンの知識と伝統が現代に蘇ったことで、自身の専門分野への献身の一手段として、サーシロン秘術への専門化を選択するウィザードが増えてきている。サーシロン秘術の専門化のための完全なルールは、Pathfinder RPG Adventurer’s Guideの63ページに記載されている。これらの伝統は、何世紀も前にルーンロードらによって産み出されたものであるが、これらの伝統を取り入れるウィザードに妥協を強いたり利点を与えたりするような、倫理的、道徳的な要素を孕んではいない。
 血脈:以下の血脈は特に本キャンペーンに適している: 秘術、運命の子
 守護者:以下の守護者はリターン・オヴ・ザ・ルーンローズに特に適している: 祖霊(UM)、時(UM)

相棒

 相棒と旅をするキャラクタークラスは、以下のアドバイスについて考慮しておくといいだろう。以下は、ヴァリシアに適したテーマの選択肢と言える。水棲の相棒は、本アドベンチャー・パスに適した選択ではないことに注意して欲しい。
 動物の相棒:以下の動物はヴァリシア全土に見出され、テーマ的に動物の相棒として適切である。Pathfinder RPG Core Rulebookの動物の相棒:べア、バード、ボア、スモールキャット(特にファイアペルト・クーガー)、ドッグ、ホース、ポニー、コンストリクター・スネーク(特にナイトベリー・ボア)、ヴァイパー、ウルフ。Pathfinder RPG Ultimate Wildernessにおける良い選択肢は、以下が挙げられる:キャトル、ファルコン、ジャイアント・フリルド・リザード、ジャイアント・ポーキュパイン、ジャイアント・サラマンダー、ジャイアント・スカンク、グリズリー・ベア、ムース、セイバートゥース・キャット。Ultimate Wildernessの植物、蟲の相棒はすべて、適切な選択肢である。
 使い魔:Core Rulebook記載の使い魔は、モンキーを除けばすべて、ヴァリシアに生息している。Ultimate Wilderness掲載の拡張版使い魔リストからは、テーマに沿った選択肢として以下が挙げられる:バタフライ/モス、チキン、コックローチ、クリーパー・アイヴィー、ファイア・サラマンダー、ホーンド・リザード、レパード・スラッグ、モール、オスプレイ、ピーファウル、ラビット、ラヴェナス・タンブルウィード、レイザー・ファーン、シマーウィング・ドラゴンフライ、スクワール。最後に、Pathfinder RPG Ultimate Magicからの良い選択肢は、以下が挙げられる:ドンキー・ラット、フォックス、ゴート、グリーンスティング・スコーピオン、ヘッジホッグ、ハウス・センティピード、ピッグ、スカーレット・スパイダー、スラッシュ、タートル。
 守護霊:リターン・オヴ・ザ・ルーンローズは別のキャンペーンの続編であるため、スピリチュアリストのPCには、ユニークな機会が与えられる。スピリチュアリストの守護霊は、ライズ・オヴ・ザ・ルーンローズ、シャタード・スター、他のヴァリシアを舞台にした冒険で死亡したNPCや、PCである可能性がある。

レンジャーのオプション

 君のPCは、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズ・アドベンチャー・パスを通じて、様々な敵に遭遇し、様々な地形を旅することになるだろう。
 得意な敵:人類が主な居住者の国であるため、レンジャーの得意な敵として、人型生物(人間)は強力な選択肢であるが、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいて、以下の選択肢も有力であろう:異形、人造、人型生物(ゴブリン類)、魔獣、人怪、来訪者(混沌)、来訪者(悪)、来訪者(秩序)、アンデッド、蟲。
 得意な地形:リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいて、得意な地形の最良の選択肢は、森林、地下、都市である。キャンペーンの後半では、追加の選択肢として、寒冷地、山岳、他次元界が挙げられる(どの次元界が良い選択肢か、公開してもらえるかどうか、GMに相談するとよい)。

言語

 リターン・オヴ・ザ・ルーンローズの主な舞台はヴァリシアであるため、地域言語であるヴァリシア語は有力な選択肢である。また、キャンペーンの大半は古代サーシロンの遺産に関わるものであるため、サーシロン語も賢明な選択であろう。この2つのオプション以外にも、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいては、以下の言語が様々なレベルで使用され得るが、極めて重要というほどではない:奈落語、アズラント語、巨人語、ゴブリン語、地獄語、ネクリル語。他の言語を使用する機会もあり得るが、本キャンペーンを通じて重要な役割を担うわけではない。

種族

 全てのコア種族は、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズのキャラクターにとって、適切な選択肢である。ヴァリシアは多様性に満ちた地域であり、Pathfinder Campaign Setting: Inner Sea Racesに記載のあるすべての種族が選択肢になり得るが、以下の種族は、ヴァリシアに居住していたり、伝統的にその姿が認められる種族である:アアシマール、チェンジリング、ダンピール、ドラウ、ゴブリン、ティーフリング。特にゴブリンのPCをプレイする場合には、GMの許可を得るべきである。冒険の初期において、このアドベンチャー・パスの特定の要素を問題のあるものにしてしまう可能性があるためだ。

宗教

 Core Rulebookに掲載されている悪でない神格はすべて、本キャンペーンで信仰するのに適している(悪の神格を信仰したい場合、まずGMに相談すること)。上記のCoreの神格以外にも、ヴァリシアには数多くの神格が信仰されていることが知られており、テーマ的にも信仰すべき神格として良い選択肢になり得る。これらの神々には、ブライ、ミラーニ、ドワーフ、エルフ、ハーフリングの神々、至高天の王(特にアシャヴァ、ブラック・バタフライ、ソラリオン、イリマンチャ)、ニヴィ・ロンボダズルが挙げられる。これらの神格についての更なる情報は、Pathfinder Campaign Setting: Inner Sea Godsを参照のこと。 本キャンペーンにおいて特異な存在であり、興味深く挑戦的な選択肢となり得る3柱の神格について、以下に補足する。また、古代サーシロンの信仰と、オラクルとシャーマンの選択肢についてのアドバイスも以下に示しておく。
 アシャヴァ:リターン・オヴ・ザ・ルーンローズで最初に出会う仲間の1人は、オードラーニという女性である。彼女はロデリックス・コーヴの墓所の管理人であり、至高天の王アシャヴァの信者であると噂されている。アシャヴァを信仰するPCは、オードラーニと何らかの関係性を持っているかもしれないし、本キャンペーンの前半三分の一において、追加のテーマ的要素をを楽しむことができるかもしれない。また、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズの2冊目には、至高天の王についての記事が掲載され、アシャヴァのboonsについて追加の情報が記されている。
 ノクティキュラ:Wrath of the Righteousアドベンチャー・パスで起きたことが、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズに直接的な影響を及ぼすことはないが、Wrath of the Righteousにおける特定のイベントが、本キャンペーンで引き続き進展する。特にある学術界隈で噂されることであるが、長らく暗殺者、暗黒、色欲の守護者であったデーモンロード、ノクティキュラが、自身の領域Midnight Islesを放棄したという。今のところ、彼女のクレリックは、その呪文や力を保ち続けているが、異端者の一派がその勢力を増している。Cult of the Redeemer Queenと呼ばれるこの異端者たちは、ノクティキュラがデーモンの遺産を放棄し、芸術家、真夜中、追放者を司る真の女神へと昇神しつつあると主張している。GMの許可があれば、君のキャラクターがこの異端者の1人となることも可能である。今のところ、この異端者たちの属性は、混沌にして中立なのが普通である。君がノクティキュラの異端のクレリックであるならば、工匠、混沌、闇、旅、Void (BoD)の領域、また、探検(APG)、Isolation (BoD)、Moon (BoD)、夜(APG)、Revelry (BoD)、Whimsy (ISG)の副領域を選択することができる。Cult of the Redeemer Queenのシンボルは、一対の唇を中心とした月であり、その背後には、7つの尖端を持つ王冠が描かれる。カルトの好む武器は、ダガーである。
 ヨグ=ソトース/タウィル・アト・ウムル:時間、その経過、そして遠い過去から生じる危機というテーマによって、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいて時間に関連した神格を信仰することは、非常に適切な選択肢であろう。しかし、外なる神ヨグ=ソトースあるいはその化身タウィル・アト・ウムルを信仰するには、特別な注意が必要である。「門にして鍵」は、大いなる彼方において、最も解しがたく強力な神格の1柱であるからだ。ヨグ=ソトースとしての信仰であるにせよ、より人に近い形を持つ(それでも根本的には異質な)化身、タウィル・アト・ウムルへの信仰であるにせよ、その教団は組織的な宗教ではなく、この外なる神を崇拝する者たちは、他人であるかのように信仰を同じくする者と口論や諍いを引き起こす、孤独な存在となりがちである。ヨグ=ソトースまたはタウィル・アト・ウムルの信者は、混沌にして善、混沌にして中立、混沌にして悪(悪のPCについての追加のアドバイスは、「属性」を参照すること)であり得る。君が君のキャラクターにヨグ=ソトースまたはタウィル・アト・ウムルを信仰させたい場合、まずはGMに相談し、問題がないか確認すること。この外なる神を崇拝する者は、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいて、興味深い体験を味わうことになるだろう。
 古代サーシロンの信仰:リサーラや、孔雀霊への失われた信仰のような、古代サーシロンと結びついた信仰や哲学を信奉することは、本キャンペーンのPCにとって適切な選択肢ではない。
 神秘と霊:リターン・オヴ・ザ・ルーンローズ・アドベンチャー・パスのテーマと最も強い結びつきのあるオラクルの神秘とシャーマンの霊は、祖霊(UM)、伝承(APG)、時(UM)である。

技能と特技

 君のパーティには、バランスの取れた技能と特技の組み合わせが推奨されるが、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズにおいては、他の技能や特技よりも特別に重要な技能や特技はない。このアドベンチャー・パスで最も重要な〈知識〉は、神秘学、歴史、地域、次元界、宗教であるが、本キャンペーンにおいては、あらゆる〈知識〉技能を使用する機会があるだろう。〈製作〉や〈職能〉など休息期間に使用するための技能が役立つ機会は多くはない。PCたちは移動することが多く、商売を始めたり、家を建てたりするほど長い時間同じ場所に留まることはないだろうからだ。 魔法のアイテムを作成する機会はあるが、冒険と冒険の合間となるだろう。君が魔法のアイテム作成に焦点を当てたキャラクターを作りたい場合はGMと相談すること。

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最終更新:2023年02月12日 12:04