リターン・オヴ・ザ・ルーンローズ・アドベンチャー・パスは、亡霊の町
ロデリックス・コーヴにおけるささやかな序章から、ヴァリシアの未来をかけた壮大な戦いまでを描く。PCたちは互いに知り合いであり、キャンペーンは
ロデリックス・コーヴで始まるが、それ以外の君のキャラクターの経歴については、君が決定することができる。
本キャンペーンは、各PCが以下のキャンペーン特徴のうち1つを取得していることを想定している。これらの特徴は、君のキャラクターに小さな恩恵を与えるのみならず、君のキャラクターが何故ヴァリシアにおける新たな英雄の役割を担う運命にあるのか、考える手助けになる。また、これらの特徴は、本アドベンチャー・パスが進むにつれて展開されるイベントとリンクしており、いずれ予期せぬ機会が与えられるかもしれない。こうした機会が訪れたなら、君のGMはその情報を示してくれるだろう。
不慮のクローン
君が覚えている限り、冒険に挑まんとする意志は常に君の血の内に宿っていた。世界を旅して探索したいというこの衝動は抑えがたく、君は(愚かしくも、あるいは勇敢にも。いずれかは君の見方次第だが)、故郷の町の近くにあるサーシロンの古代遺跡を探検しようと決意した。この冒険の終わりは悲劇的なものであった。サーシロンの古のルーンロードの1人と思しき美しい女性の像を調べている時、君は恐ろしい罠を作動させてしまったのだ。罠により君のパーティ全員が虐殺された。君も含めて。
しばらくして君は死から目覚めた。記憶はそのままだが、肉体は変化していた。かつての自分自身とは似ても似つかぬ姿だ。君の姿は、件の彫像が象る女性のものへと変化していた。今、君は新たな冒険者の一団へ加わっている。最初のダンジョン探検は悲劇に終わったが、君の冒険への渇望はかつてないほど高まっている。今度は探検家仲間を生き延びさせることができると確信し、君が新たな肉体(君の研究によって、この肉体は本来、色欲のルーンロード、ソルシェンのクローンとなるべきものであったことが明らかとなった)を得て蘇って以降見る奇妙な夢は、君とその仲間が偉業を成す運命にあるという信念を一層強固なものとした。
この特徴を取得するならば、君のキャラクターは人間でなくてはならない(ただし、蘇る前の性的アイデンティティを保持することができる)。君の人種はアズラント人となるが、純血ではない。能力値への修正は、通常の人間と同じである。君がソルシェンに似ていることで、キャンペーンが進むにつれて、良かれ悪しかれ、予期せぬ副作用が生じるかもしれない。いずれにせよ、君は〈はったり〉および〈交渉〉判定に+1の特徴ボーナスを得る。いずれの技能も、君にとっては常にクラス技能として扱われる。
冒険につき1回、君は、精神作用効果に対するセーヴィングスローに+20の特徴ボーナスを得ることができる。これは、そのセーヴィングスローの結果が明らかになった後に、遡及的に適用が可能である。セーヴィングスローの出目が1であった場合には、やはり自動的失敗となるが、この+20のボーナスによってセーヴが成功する値に修正された場合、失敗のセーヴィングスローを成功として扱うことができる。
GMが許可しない限り、グループに1人のPCのみが「不慮のクローン」特徴を取得できる。
オードラーニの友
すべてのPCは、エルフの墓掘りオードラーニと少なくとも顔見知りではあるが、君は、彼女がこの町で真の友人と認める数少ない人物の1人である。GMと協力し、君とオードラーニの間にどのような共通点があるか決めること。君は、彼女の生業と関連した教えを持つ(アシャヴァやファラズマのような)神格を信仰しているかもしれない。君がForlorn elf(注:非エルフ共同体で育ったエルフをいう)であり、共感するところがあったのかもしれない。GMが許可するならば、君はマグニマールで彼女と知り合い、
ロデリックス・コーヴにたどり着いた時に再会したのかもしれない。あるいは単に、秘術、踊り、歴史、魔術、あるいは宗教などについて、同種の情熱を共有しているのかもしれない。オードラーニについての詳細はシナリオに記載があるが、彼女は自身の過去について口を閉ざすミステリアスな女性であるため、君とGMは協力して、キャンペーンの開始時に充分な関係性を持たせておくべきであろう。
オードラーニは君を信頼し、君と友人となってから、彼女の過去の一部について君に教えてくれた。これに関し、以下の彼女への質問から1つを選ぶこと。キャンペーンの開始時に、GMがオードラーニの過去について、この質問に簡単に答えてくれるだろう。それを知ったなら、君は自身のPCの経歴における類似の出来事を構築し、オードラーニと共通の苦悩や記憶を作り出すこと(注:実際には、キャンペーンの開始前、質問を最終的に決定した時点で、彼女の過去について開示する予定)。同じような過去を持つ人物に出会ったことで、君の決意は強固なものとなった。君は、選択した質問により決められたセーヴィングスローに+1の特徴ボーナスを得る。
「君の両親に何が起きたか?」:頑健セーヴィングスローに+1の特徴ボーナスを得る。
「君はどこで育ったか?」:反応セーヴィングスローに+1の特徴ボーナスを得る。
「君に最も影響を与えた歴史上の人物は?」:意思セーヴィングスローに+1の特徴ボーナスを得る。
冒険につき1回、1回の標準アクションとして、君はオードラーニと共有する絆に集中することができる。その記憶がもたらす強烈な感情によって、達成と生存を願う気持ちが高まり、君に以下の呪文のうち1つの効果を与える:カームエモーションズ、キュアモデレットウーンズ、レッサーレストレーション。術者レベルは君のキャラクターレベルに等しい。
近しい仲間たち
君ともう1人のPCは、近しい間柄である。きょうだいか、恋人同士か、あるいは双子かもしれない。もう1人のプレイヤーと協力して、共通の経歴を構築すること。君ともう1人のプレイヤーの双方が、本特徴をキャンペーン特徴として取得しなければならない。また、双方のプレイヤーが、両キャラクターの関係性について同意していなくてはならない。(GMの判断により、2人より多くのPCをこの特徴で結びつけることも可能である。) 君と君の「近しい仲間」は、常に互いを支えあって来た。君たちには、互いに相手の発言の結びの部分を発する傾向があるかもしれない。同じような衣服を身に着けるかもしれない。同じ宗教や信条を共有するかもしれない。過去に危険な出来事を共に切り抜けたかもしれない。君ともう1人のプレイヤーが同意するならば(そして以下の選択肢のうち、きょうだいか双子を選択したならば)、君は相手の「近しい仲間」を特別に好きではないかもしれないが、それでも君は相手を尊敬しており、この特徴の利益を同様に得ることができる。
君と「近しい仲間」との関係が(死、別離、大災害などの結果によって)終わりを迎えたなら、君は直ちに、精神的な苦痛の結果としてこのキャンペーン特徴を失い、この特徴を以下の「霊との接触」特徴に置き換える。
君ともう1人のプレイヤーがこの共通の特徴を取得することに同意したなら、君たちは、両キャラクターの絆の性質についても同意しなくてはならない。以下から1つを選択すること:友人同士、恋人同士、きょうだい、双子。君たちが双子を選択したなら、両PCは同じ種族でなければならない。君たちがきょうだいを選択し、両キャラクターの種族が異なるなら、君たちのいずれか、あるいは両方が、養子であったことになる。
君が「近しい仲間」と隣接しているなら、君はすべてのセーヴィングスローに+1の特徴ボーナスを得る。
冒険につき1回、1回の割込みアクションとして、君は「近しい仲間」の1回のd20判定に、1d6の結果に等しいボーナスを与えることができる。この能力を使うためには、「仲間」に対して視線が通っていなくてはならない。君は、このボーナスを「仲間」が判定を行った後に与えることができるが、判定の結果が明らかになる前に適用しなくてはならない。
サーシロンに魅せられて
数年前にサーシロンの遺産が再発見されたことは、君を含む多くの人々にとって、目を見張るような出来事であった。長年こうした巨大な遺跡の陰で暮らして来た君は、それが想像を絶するほどに古く、それらを建設したルーンロードが未だに存在しているかもしれないと知り、興味をそそられた。君は、サーシロン、ルーンロード、サーシロンの古代文明の謎に満ちた歴史について、出来得る限りすべてを明らかにすると誓った。
君は、ボーナス言語としてサーシロン語を習得する。また、1レベル時およびそれ以降の2レベル毎に、1ポイントの技能ランクを得る。この技能ランクは、〈知識(神秘学)〉、〈知識(歴史)〉、〈言語学〉、〈魔法装置使用〉にのみ適用が可能である。
冒険につき1回、君は〈魔法装置使用〉で出目20するか、チャージのある魔法のアイテムをチャージを消費することなく起動することができる。
伝説を継ぐ者
君のキャラクターは、ヴァリシアにおける伝説の英雄1人と個人的な繋がりあるいは関連を持つ。この英雄は、以前のキャンペーンでプレイしたPCであるべきだ(
シェードロンの英雄であってもよいが、そうでなければならないわけではない)。君のキャラクターは、この英雄のきょうだい、年下のいとこ、あるいは弟子であってもよい。充分な時間が経過していれば、君は英雄の子であるかもしれない。あるいは、君のキャラクターが生まれる以前に死亡した英雄の魂が、君のキャラクターとして転生したのかもしれない。
君は、関連する英雄が技能ランクを有する技能を2つ選ぶ。君は、この2つの技能の判定に+1の特徴ボーナスを得る。この2つの技能は、君にとってクラス技能となる。
冒険につき1回、1回のフリーアクションとして、以前に関連する英雄から与えられたが忘れていたアドバイスや知識を思い起こすことができる。これにより君は、1回の技能判定に君のクラスレベルに等しい(最大+10)洞察ボーナスを得ることができる。このボーナスは、君が技能判定を行った後に適用することができるが、判定の結果が明らかになる前に適用しなければならない。
霊との接触
君は子供の頃、死や不死に関連した圧倒的な感情的トラウマの影響を受け、その影響は、君の残りの人生に傷痕を残した。君は、ゴーストに憑依されたかもしれないし、不気味な屋敷にいる奇妙な夢を見たのかもしれないし、アンデッドが原因の心身の不調に悩まされたのかもしれない。あるいは、死に瀕した経験があるかもしれないし、実際に死亡し蘇ったかもしれない。GMと協力し、君がいかにして「霊に接触」されたのか決定すること。GMは、君の体験を、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズのテーマと緊密に結びつける提案をしてくれるかもしれない。
君は、アンデッドクリーチャーの超常攻撃、呪文、擬似呪文能力に対するすべてのセーヴィングスローに、+2の特徴ボーナスを得る。
冒険につき1回、君は、安定化のための耐久力判定か、負のレベルを1レベル取り除くための頑健セーヴに、自動的に成功することができる。
失われた時間
君は常に、自身の生まれた時代から切り離されていると感じてきた。君は、自分が生まれるのが遅すぎたと感じているかもしれない。君や君の関心がもっと前の時代にあうように感じているのかもしれない。君は、その間の記憶のない、数時間、数週間、あるいは数ヶ月の時間の喪失を体験しているかもしれない。あるいは、実際の年齢よりずっと年上や年下に見える友人や敵について、一瞬の幻視を垣間見ることがあるかもしれない。君がこうした奇妙な症状に慣れて久しいが、その理由については未だに分からない。君のGMは、この特徴の奇妙な性質について、リターン・オヴ・ザ・ルーンローズの3冊目から追加の情報を得るだろう。
君は、いつ動くべきかを数瞬前に悟るためのコツを知っている。君は、イニシアチヴ判定に+2の特徴ボーナスを得る。
冒険につき1回、1回の割込みアクションとして、君は時間の流れに対する奇妙な繋がりを利用し、GMに1回のd20判定を振り直させることができる。君はこの能力の使用を、GMがそのd20を振った直後に宣言しなければならないが、その判定の結果を知った後に使用することができる。
注:「冒険につき1回」は、シナリオ1冊につき1回だと思われる。
最終更新:2023年02月14日 12:29