短編集『希望は…無いのだろうか』(視点系)
希望というと、あまり無いかもしれない。
親友はずっと苦しめられてきた。
炎が立ち上る。そこに、彼はいつも思い浮かべている。
いつもいつも、寂しげに見つめている。
家が火事になると、いつもそう。
火事は嫌なイメージがあるみたいだ。
その視線は、辛さが完全にわかる。
番人「迅帝。人が死んだ場合は…泣くのだろうな?本当に、笑わないだろうな?」
迅帝「勿論だ。」
けれど、寂しい視線を向けているのはわかる。
そんな会話になると、いつもそうだ。
泣いている時だってあった。
けれど、笑ってくれる時もある。
だから、不安はあまりない。
それで何がわかるかというと、何もわかっていない。
迅帝「…悲しい…悲劇か。」
番人「そうだな。」
番人が辛い時は、周りが辛い時などである。
自分の思いが悲しみを呼ぶ時もあると思う。
けれど、泣いていても問題は消えていかない。
迅帝「死者は蘇らないから、必死に生きよう。」
そう告げておく。
迅帝「その人の分まで生きるといいと思うよ。」
それはいつもの言葉。
番人「…お前のお陰だよ、少し。」
迅帝「これからも努力するよ。」
そう、努力するよ。
絶対に、絶対に。
終わり。
迅帝・スファルグ=グランドの過去です。
迅帝も大分過去は…。