短編集『戦場の中にあったもの』(視点系)
昔は体は強かろうが何だろうが病人だった。
そんな人が軍人であったのにもわけがある。
ある人物が誘いに来た為だ。
アリーの、その存在と共に。
ベトナム「…種族も恐ろしいな。」
だが、あの日、アリーは突然反乱を起こした。
それを止めようとするが、苦戦したのだ。
そんな時現れたのが、あの種族だった。
…ふと視線を向けると、カー坊が居た。
その事を語ったのだ。
カー坊「アリーだって未来を変えようとしたんだ。だけど、変え方が違っていた。」
確かにそうだった。
だが、あの時、既に止めようと頑張っている時には、病気は進行していたのだ。
足手まとい―――…。
それでも努力はした。だが、吐血したのだ。
無理して、アリーのいる拠点へやってきた。
そこまで言うと、カー坊は辛い表情を浮かべたのだ。
カー坊「…そうだろうな…。でも、できる範囲での事はやったんだ。」
そうだった。出来る範囲でやったんだ。
あの日、アリーは真実を求めて戦っていたのだ。
それで、アリーは俺が倒れた後でもとても慌てていたのだ。
けれど、あの日、あの“平和な光”を見て、思わず涙が流れていった。
何故涙が流れたのか、それは今もわからない。
けれど、何かの思いがよぎったのには違いない。
そして、蘇った日から、決意した思い―――…。
そこまでを言うと、ふ、とカー坊は笑う。
カー坊「でも、必要だったのもあったしね。」
ベトナム「そうだな。」
カー坊「でも、未来はあるのだろう?」
ベトナム「ああ、そうだよ。」
今は、平和のために戦う。
今はそれだけしか思えないけど…。
でも、アリー将軍も、頑張ってくれている。
だから…。
ベトナム「カー坊、いつか平和になったら遊びに来いよ。絶対に。」
カー坊「ああ。約束だ。」
そう、まずは今を生きよう。
今を一生懸命生きよう。
それが最優先だからな…。
終わり。
ベトナム・カチューシャ=琉球視点です。
意外と彼の過去は掲載されないもので出来上がっていました。
今回の展開は、掲載されないものを振り返る形にしました。