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第4話 束の間の平和





スモーキーさんが軍法会議にかけられたという話を聞いた私は、宿舎に走った。
宿舎に着き、まっさきにやふやふさんの部屋に向かった。
やふやふさんなら詳しい事情を知っているかもしれないと思ったからだ。
部屋の扉をノックしても、返事は無かった。
そこへ、理奈さんが通りかかった。

理「どうかしましたか?」

沙「理奈さん、やふやふさんは何処に?」

理「先ほど副隊長格の皆さんと共に会議室の方へ…。」

沙「分かりました。」

私はそう言うと、一目散に会議室へ走った。
ただの隊員でしかない私が、会議の中に入って良いはずがない。
しかしそんな事よりも、どうしてスモーキーさんが軍法会議にかけられたのか知りたかった。
会議室の中からはやふやふさん達の声が漏れていた。
私はノックをする事も忘れ、会議室の扉を開けた。
すると…。

エ「よし、俺は決めたぞ!三日だッ!」

二「ほほう、後悔はしないんだろうな?俺の二日の方が現実味があると思うぞ。」

リ「何を言う、俺の即日の方が確実だろう!」

三日に二日に即日?
どうやら何かの日数を言っているようだった。
そんな中、やふやふさんは私に気付いたらしい。

や「沙羅さん、何かあったんですか?」

やふやふさんは焦りも心配事も無いような顔をしていた。

ア「ダメよ沙羅ちゃん。会議中は副隊長以上じゃないと入ってはダメなのよ。」

沙「皆さんなんでそんなに余裕なんですか?
  スモーキーさんが軍法会議にかけられたっていうのに?!」

一瞬静まったかと思うと、全員が一斉に笑いだした。
私が訳が分からないといった感じで立っていると、やふやふさんが近づいてきた。

や「それぐらい分かってますよ。だからこうやって会議をしてるんじゃないですか。」

剣「そうそう。スモさんが軍法会議にかけられるなんてよくある事だよ?」

タ「まあでも、沙羅ちゃんは初めてだから気が動揺してるのかもね。」


軍法会議にかけらえるのがよくある事だからって、皆のこの余裕は何?

恋「何か混乱しちゃってるみたいだし、私が説明するね。
  軍法会議といっても幅広くてね、重い物もあれば軽い物もあるの。
  今回スモさんがかけられたのは、昨晩夜遅くにアズルウッドに帰ってきたからなの。
  今カセドリアは盗賊とかが出てて、昨日も何処かの国に出たらしいの。
  しかもその夜に帰ってきたから、賊の一味じゃないのかって疑われてるの。」

や「こうゆうのは何処の部隊でもあってるみたいなので、あまり心配はしてません。」

ヌ「それに、スモさんが無罪だって事は……貴方が一番知ってるじゃない。」

シュリッツ城を襲った賊を全滅させたのはスモーキーさんなのだ。
賊の一味であるはずがない。
私が納得したのを確認したのか、アイさんが話しかけてきた。

ア「ところで沙羅ちゃん、スモーキーさんが戻ってくるまでの日数は何日だと思う?」

沙「……よく分かりませんけど、明日には戻ってくると信じたいです。」

ア「分かったわ、それじゃ皆決まりね!」

や「当たった人にはプリン一週間分ですッ!」

リ「ちょ、全員が賭けたリングを総取りで決まりだったろ!」

タ「まあまあ、当たったらその人が望む物で良いじゃない。」




会議室を出た後、私が多目的クリスタルでベルクさんに話しかけた。
スモーキーさんが軍法会議にかけられたこと。
どうしてそうなったのかも説明した。

べ「…なるほど。分かりました、父に相談してみます。
  ちょうど父も教官を呼び出そうとしてましたし。」

沙「うん…。まだ盗賊とかが出てるみたいだから、気をつけてねベルクさん。」

べ「はい。それでは、また後ほど。」



私は宿舎を出ると、自分の家に向かった。
家ではお母さんがお昼を作っていた。

母「おかえりなさい、沙羅。お友達の家の人に迷惑をかけてないでしょうね?」

沙「…うん。」

母「どうしたの、何時もの元気がないじゃない?
  何かあったのかい?」

沙「何でもないよ。もうお腹ぺこぺこ、早く御飯にしよう。」

母「…そう、なら良いんだけど。何でも盗賊が出てるらしいわね、首都は安全だと思うけど。」

お母さんと二人で昼食をとる。
お父さんは私が幼い頃に亡くなったらしい。
だから我が家の食卓には、いつもお母さんと私の二人だけ。
それを寂しいと感じた事は無い。
スモーキーさんみたいな兵士になりたい。
そう思っていた。
私が兵士になりたいと言った時、お母さんは泣いた。
しかしお母さんの涙を見た時に、それとは別の事が頭を過ぎった。
今この瞬間にも人が死に、誰かが涙を流している。
私が兵士になったからといって、それが減るとは限らない。
ベルクさんと二人で城から脱出する時も、賊を斬った。
あの賊にも家族が居ただろう。
その人達は泣いたのかもしれない。
戦場に立てば、嫌でも戦わなければならない。
…私は、涙を増やしてしまうのかな?




夜になり、ベッドに横になっても、私はすぐには眠れなかった。
…私は、間違ってたのかな?
そんな時だった。
不意にベルクさんの声が聞こえた。

べ「沙羅さん、聞こえてますか?聞こえたら返事をしてください!」

沙「な、何、どうしたの?!」

べ「やられました。まさか今夜も賊が来るなんて…。」

沙「賊が?!ベルクさんは大丈夫なの?」

べ「父は出て行ってるので、城の兵士だけでは無理です。
  今は隠し部屋に隠れていますが、このままでは見つかるのも時間の問題でしょう。
  沙羅さん、助けてッ!」

沙「分かったから落ち着いて、必ず助けるから!」

それ以降、ベルクさんは反応しなかった。
私はベッドから起き上がり、宿舎に向かった。
お母さんには友達が危ないとだけ告げた。
宿舎に着き、やふやふさんの部屋に向かった。
私だけでベルクさんを救う事は無理だと思ったからだ。
やふやふさんの部屋に着くと、一度深呼吸した後に扉をノックした。

や「はい、どちら様でしょうか?」

沙「沙羅です。やふやふさん、ベルクさんが!」

や「…とにかく中へ。」

部屋の中に通されると、部屋の中には副隊長格の人が数名居た。

張「御主も呼ばれたのか?」

二「まさか隊長、新兵を連れて行く気じゃないだろうな?」

や「どうやら私とは別の形でコンタクトをとったみたいです。
  事態は急を要するようになりました。各員、至急戦闘準備をッ!」

「「「了解ッ!」」」

沙「私も行きます!」

ア「沙羅ちゃんはお留守番をしててね。」

剣「大丈夫だから。」

沙「でも、此処からシュリッツ城までは馬車でも数時間かかりますよ?!」

すると、やふやふさんがクリスタルを取り出し扉に付けた。

や「沙羅さん。もしも私達が2時間以内に戻ってこなかったら……、その時はよろしく。」

そう言って、皆は扉の向こうに消えていった。
扉が閉まった後に私が開けてみると、外には誰も居なかった。




1時間くらい経った頃、不意に扉が光った。
すると、やふやふさん達が帰ってきた。

や「只今戻りました。」

沙「あの…、ベルクさんは?」

私の言った事が聞こえなかったのか、やふやふさんは反応しなかった。
…まさか!

二「隊長!」

や「…え?あ、ごめんなさい。ベルクちゃんは無事よ。賊も全滅してたわ。」

沙「そうですか。」

しかし、やふやふさんの言った言葉が少し引っかかった。
……全滅してた?

沙「あの…、全滅してたって?」

ア「さっ今日はもう遅いから、早く帰って寝なさい。」

張「うむ。では、各自解散という事で。」

や「事情は明日説明します。今日は帰って寝てください。」

明日説明するっという事で、私は宿舎を後にした。
帰り道で、ベルクさんと話してみた。
どうやら無事のようだった。
家に着くと、母はまだ起きていた様だった。

母「友達は大丈夫だったのかい?」

沙「…うん。やふやふさん達が迅速に対応してくれた。」

母「そうかい。夜も遅いし、早く寝なさい。」

ベッドに横になっても、やはりすぐには寝付けなかった。
いったい、シュリッツ城で何があったんだろう……。


ユグさん絵サンクスですッ! byスモーキー

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最終更新:2008年10月05日 23:53
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