アットウィキロゴ



第1話 世界の変化





何かに起こされる様に、私は起きた。
時計を見ると、もうすぐ朝の5時になろうとしていた。
そういえば、今日から佐紀に稽古をつける約束だったね。
私は服を着替えて、佐紀の部屋へと向かった。
部屋に入ると、佐紀はまだぐっすりと寝ていた。

沙「朝だよ、起きろー!」

耳元で叫ぶと、佐紀は飛び起きた。
佐紀は寝ぼけ眼で私を見ている。

沙「今日から朝練するって約束したでしょ。」

朝練の約束を思い出したのか、佐紀は慌しく着替えた。
佐紀を連れて、兵士育成機関のグラウンドに向かった。



兵士育成機関のグラウンドに着くと、まず準備運動をした。
そして、素振りなどの訓練をした。
朝練を終えると、佐紀は肩で息をしていた。
私は息一つ乱れなかった。

佐「お姉ちゃんは凄いね、息一つ乱れないなんて。」

沙「そう?それにしても、どうして急に朝練するって言ったの?」

佐「だって、早く強くなってお姉ちゃんと一緒に戦いたいんだもん!」

疲れて地面に腰を下ろしている佐紀を見て、私は昔の自分を思い出した。
あれから5年…、当時ダブルだった私は、今やフォースとなった。
ベルは今、女王としてシュリッツ国を治めている。
国を治めるのは大変らしく、最初の内はよく呼ばれたっけ。
でも今では立派に国を治めている。
とても同い年とは思えないな…。
ゼノ君は顔から幼さが抜け、背も高くなった。
それでも未だにヌアージュさんに弄ばれている。
アイさんとエミヤさんが結婚し、アイさんが兵士を引退した。
幸せになってくれると良いな。
タナティエさんは兵士を引退した。
引退後は宿舎の従業員になり、理奈さんと同じくらい兵士に人気となっているらしい。
そういえば、のーくんでぃさんが女の子を出産したらしい。
張文遠さんに似なければ良いけど…。
良い変化ばかりではなかった。
あれ以来、スモーキーさんは消息不明となっている。
新兵を逃がそうと、桜塚恋さんが単身敵陣に特攻し…戦死した。
剣心さんは敗走中のやふやふさんを守ろうと、身を盾にして散った。
他にも多くの兵士が戦場に行き、そして散って逝った。
度重なる部隊員の死に、やふやふさんは心を痛めたらしい。
この頃は部屋に閉じ篭りっきりだ。

佐「もうすぐ朝食の時間だね、早く帰ろう。」

考え事をしている間に、少し時間が経ったようね。

沙「それじゃ、帰ろうか。」

佐「うん!」

佐紀は、さっきまで肩で息をしていたとは思えない程軽快に走っている。
やはり、佐紀もスモーキーさんと同じなんだと思った。
しかしそれは、恐れでも軽蔑でもなかった。
この子なら、私以上の兵士になると思う。
そうゆう期待の念だった。
もしかしたらスモーキーさんも、私に同じ物を見たのかもしれない。

実は違っていて、ただの謝罪の念だったのかもしれない。
スモーキーさんが消息不明となった今では、確かめようがなかった。



家に帰ると、お母さんが朝食を作ってくれていた。

沙「ただいま。」

佐「ただいまー。」

母「おかえりなさい。朝食の準備ができてるわよ。」

佐「やったー、もうお腹ペコペコだよ!」

3人で食卓を囲む。
佐紀が来てから、我が家の食卓は賑やかになった気がした。
その時ふと、佐紀が言った言葉を思い出した。
早く強くなってお姉ちゃんと一緒に戦いたい。
嬉しいと思うと同時に、何故か心配になった。
私と一緒に戦うという事は、死と隣り合わせになるという事だ。
しかし、佐紀なら良い相棒になるだろうと思った。
どれだけお互いの事を理解できているか。
これが少数戦の時には効いてくる。
何より、5年間家族として生活してきたのが大きいだろう。
身体能力も、これから鍛えて行けばどんどん良くなるだろう。
朝食が終わり、食器を片付けようとした時だった。
玄関の扉をノックする音が聞こえた。
私が出ると、ベルの所の使用人さんだった。

「おはようございます。突然ですが、グリュンベルク王が貴方にお会いしたいとの事です。」

ベルが私に会いたい?
別に不思議とは思わなかったが、今は国を治めるのに忙しい時期のはず。
久しぶりに会いたいと思ったのかそれとも…。

沙「分かりました。後程お伺いします。」

私の返事を聞くと、使用人の人は帰っていった。

佐「またお城に行くの?」

ベルの使用人を見ていたのか、佐紀が不満そうな顔で話しかけてきた。
そういえば、一度も佐紀を連れて行ったことが無かったね。

沙「佐紀も行く?」

母「駄目よ、佐紀はお母さんと一緒にお買い物でしょう?」

佐「う…、大人しく家で留守番してる。」

沙「そう。」

佐紀は残念そうな顔で私を見る。
佐紀の頭を優しく撫で、私は準備をした。


部屋の扉にクリスタルを当て、扉を開いた。
シュリッツ城に入り、謁見の間に向かった。
謁見の間に着くと、衛兵が扉を開けた。
中に入ると、玉座にベルが座っていた。
私が来たのを確認したのか、私の所へ近づいてきた。

べ「お久しぶりですね。」

沙「久しぶりね、ベル。それにしても、どうして急に会いたいって言ったの?」

べ「はい、少々沙羅さんに頼みたい事がありまして。」

ベルが手を2.3回叩くと、扉から3名程の兵士が入ってきた。

べ「この3人の力を試して欲しいのです。」

沙「試すって?」

べ「より良く国を治める為にはまず、国を守る兵を強くする必要があります。
  しかし私は、先王ゲイルの様な実戦経験はありません。
  そこで、連合王国内部で腕に覚えのある勇士を募集したのです。
  そして厳選なる審査の基、この3名が残ったのです。」

沙「なるほどね。つまりこの3人の中で誰が一番適任か判断して欲しいのね?」

べ「別に3人の中から選ぶ必要はありません。駄目なら駄目と言ってください。」

「お言葉ですが女王様、彼女が私達に勝てるとは思えませんが?」

3人の中で唯一女性の兵士が前に出てきた。
確かにこの人たちから見れば、私はただの若者だろう。
しかし3人を見ても、まったくと言って良い程恐怖を感じられなかった。

沙「試してみますか?」

私の言葉を聞くと同時に、女性が襲い掛かってきた。
多分スカウトなのだろう。
素早い動きで私に迫ってきた。
しかし

沙「…遅い。」

確かに、他の人から見れば早いだろう。
しかし私から見ると、まるでスローモーションの様だった。
女性の攻撃を最小限の動きで避けて、後頭部に軽く手刀をした。
すると、女性は気絶した様だった。
それを見ると、他の二人の目が変わった。
私の事をただの若者では無いと悟ったのだろう。
二人とも警戒しつつ接近してきた。
私まで後3歩という所で、一人が痺れを切らしたようだ。
私に殴りかかってきたが、大振りだった為簡単に避けることが出来た。
避けると同時に、がら空きになった腹部を殴った。
軽く殴ったつもりだったが、壁まで飛んだ行った

べ「手加減無しですね。」

ベルは苦笑いしているが、これでもかなり手加減しているつもりだった。

「…どうやら俺が敵う相手では無いな。」

最後の男の人は、自分から敗北を認めた。

べ「決まりですね。」

…少し暴れすぎたかな?
ダイジョウブデスヨ。
エフリシアの力も、自在に使えるようになった。
しかし今スモーキーさんと戦って、勝てるかどうかは不明だ。

べ「沙羅さん、私の部屋に行きましょう。」



ベルと二人で部屋に向かう途中で、元研究室の前を通った。
結局アーシェスさんの死体は見つからなかったらしい。
ベルの部屋に着くと、衛兵が扉を開けた。
部屋の中に入ると、ベルはテーブルに座った。
私はベルの向かいの椅子に座った。

べ「急に呼び出してすみませんでした。
  実は沙羅さんにお伝えしたい事があったんです。」

沙「さっきの頼み事が全てじゃなかったのね。」

べ「はい。実は最近、奇妙な事を聞いたのです。」

沙「奇妙な事?」

ベ「今まで戦争等の時には、モンスター達は物陰等に隠れて居ました。
  しかし最近、そのモンスター達が終戦と同時に襲い掛かって来るらしいのです。」

…聞いたことがある。
終戦し、国に帰ろうとした兵士達がモンスターに襲われた。
それは勝敗に関係なく、両国の軍に襲い掛かったらしい。
上層部は原因を調べているらしいが、未だに不明のままだ。

沙「それは私も聞いたことがあるよ。
  でも原因は未だに不明らしいわ。」

べ「沙羅さんが知っているのは予想していました。
  しかし、この話はご存知でしょうか?」

沙「この話?」

ベルは暫しの沈黙の後、深呼吸を一度した。

べ「そのモンスターを、何者かが操っているらしいのです。」

沙「え?」

それは初耳だった。
しかし、中央大陸の強力なモンスター達を統べる者。
…いったい何者なんだろう?

べ「聞いたところによると、モンスターが襲い掛かってくる時に現れるらしいです。
  しかもその者は、人型らしいのです。」

沙「つまり、何処かの国が操っていると?」

べ「国に関係無く襲撃しているので、それは無いと思います。」

国に属さず、モンスターを統べている。
いったい何が目的なんだろう…?

べ「そういえば今度、新たにフィフスになる人が居るそうです。」

フィフスは兵士の最高位だ。
それだけに、容易な事ではなれない。

沙「へぇ、誰がなるの?」

すると、ベルがニコニコした顔で私を見ている。

沙「まさか…私?」

べ「フィフスになる為には功績はもちろんの事、2名以上の王の承認が必要なのです。
  承認したのは私とフレイヤ王、さらに聖女王ティファリス様も承認したそうです。」

沙「ティファリス様が…私を?」

べ「沙羅さんなら功績も申し分無いので、期待に答えてくれると仰っていました。」

沙「それは責任重大ね。」

その後はお互いの近況等を話した。
とうとう私もフィフスかぁ…。
これまで以上に気を引き締めないとね。



これからはもうちょっとまったり執筆するよ(=w= byスモーキー

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年01月18日 13:20