第1話 入隊
3年後……沙羅は兵士になれる歳になり、自ら志願してカセドリア軍の兵士となった。
沙「…これで私も、カセドリアの兵士になったんだ。」
宿舎に向かえ、というマネージャーの指示に従い、宿舎【静かな森】を目指した。
宿舎【静かな森】には、カセドリア軍所属の部隊等が集まっており、
新米兵士が最初に向かう場所とされている。
宿舎に着くと、多くの兵士が戦争での疲れや傷を癒していた。
沙羅は、宿舎の従業員らしき女性に声をかけた。
沙「…すみません。」
理「はい。何か御用でしょうか?」
沙「さきほど兵士になったばかりで、
ここに向かうように指示されたのですが?」
理「分かりました。では、こちらの紙にご自分の御名前を記入してください。」
沙羅は手渡された紙に自分の名前を書き、それを渡した。
理「えっと…沙羅……様ですね。それでは、ご案内致します。
申し送れましたが、私はこの宿舎の従業員の理奈と申します。」
沙「はい、よろしくお願いします。」
理奈に案内されて、フロントを過ぎてすぐの部屋へ着いた。
理「こちらの部屋でお待ちください。」
部屋の中に入ると、そこは何かの集会所のような感じだった。
沙羅は部屋の中を見渡すと、暖炉の上に写真が飾ってあるのに気付いた。
近くまで行き、その写真を覗いてみた。
写っているのは兵士の様で、皆笑顔で肩を組んだりしている。
部隊か何かの集合写真かな?
そう思って沙羅が写真に写った人を見ていると、その中に見た事のある兵士が写っていた。
沙「この人、スモーキー……さん?」
昔自分を助けてくれた兵士によく似ていた。
沙羅が写真を手に取ろうとした瞬間、部屋の扉が開いた。
沙羅は驚き、扉の方を向くと、一人の女性が入ってきた。
や「初めまして、私の名前はやふやふ。 カセドリア連合軍所属部隊
アマテラスの隊長です。」
沙「は、初めまして、沙羅と申します。
さきほど兵士になったばかりの新米ですが、よろしくお願いします。」
やふやふはニコニコと微笑みながら沙羅に近づいた。
そして沙羅の近くまで来ると、顔を近づけて沙羅の顔をじっくりと観察した。
沙「な、何か私の顔に付いてますか?!」
いきなり顔をじっと見られ、驚いた沙羅は後ろに下がってしまった。
ドンッと暖炉に体が当たり、先ほどまで見ていた写真が落ちそうになった。
沙羅が慌てて写真が落ちるのを防ごうとしたが、その前に写真の動きが止まった。
沙羅は驚いて写真を触ってみたが、写真はビクともしなかった。
沙「あれ?」
や「危ない危ない、この写真は大切な物だから大事にしなきゃ。」
沙羅がやふやふの方を向くと、やふやふは何やら指を動かしていた。
やふやふが指を動かすと、先ほどまでビクともしなかった写真が急に動き出した。
そして、ゆっくりと元あった場所に戻った。
沙「え?なんですかこれ、魔法か何かですか?!」
や「…貴方って本当に新米さんなのね。
私はソーサラーだから、今みたいな魔法はお手の物よ。」
初めて魔法を目の当たりにした沙羅には驚き以外の何物でもなかった。
そういえばさっき…大切な物って言ってた様な。
沙「あの、この写真はやふやふさんの部隊の写真ですか?」
や「ええ、そうよ。でもその写真はもう3年も前の物だけどね。」
3年前…という事は、この写真に写ってるのはやっぱりスモーキーさん?
沙「あの、この人はもしかしてスモーキーさんですか?」
沙羅はその兵士を指差して聞いた。
や「よく知ってますね。もしかして何処かでお会いしましたか?」
沙「3年前、私の母が病気になり、私が薬草を取りに行った時に、
スモーキーさんに大蜘蛛から命を救われました。」
やふやふは一瞬ハッとした顔をした。
や「3年前にスモさんが助けた少女って、…貴方だったのね。」
沙「はい。それで自分もカセドリア軍の兵士になろうと思いました。」
やふやふはニッコリと笑い、そして手を出した。
や「分かりました。それでは、アマテラスに入隊してくれますか?」
沙羅は差し出された手を握った。
沙「はい!まだ兵士になり立てですけど、早く一人前の兵士になれるよう努力します。」
こうして沙羅はアマテラスに所属する事となった。
その日の夜は、入隊者への
歓迎会が開かれ、アマテラスの部隊員が招集されていた。
しかし、その中にスモーキーの姿は無かった。
部隊員を招集と言っても、戦場で戦っている者は欠席している。
スモーキーもその一人の様だった。
何やら騒がしかったが、それはまた別のお話。
沙羅には宿舎の一室が与えられた。
二人部屋らしいのだが、新しい人が来るまで一人で使う事になった。
これからの兵士としての生活等を考えながら、沙羅は眠りについた。
今回はここまで。まあ、次回に期待っつうことでb byスモーキー
最終更新:2008年03月25日 23:43