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第2話 聖女王と反乱姫




家に帰ると、佐紀が新しく買った服を着ていた。

沙「ただいま。」

佐「おかえり!」

佐紀は服を自慢したいのか、どう?という感じで一度くるっと回った。

沙「似合うと思うよ。」

佐紀の頭を撫でてあげると、佐紀が笑った。
それから数日後、私は聖女王ティファリス様に呼ばれた。

「準備が整い次第、アズルウッド城に来るようにとの事です。」

沙「分かりました。」

私が部屋で正装に着替えていると、佐紀が入ってきた。

佐「今度は何処に行くの?」

沙「今日はティファリス様からのお呼び出しよ。」

佐「私も行く!」

沙「佐紀は駄目なの!」

私の言葉を聞くと、佐紀が少しだけ引いた。
どうやら強く言い過ぎた様だ。

沙「ごめんね佐紀、今日は私だけで来るようにって言われてるの。だから…。」

佐「…うん、無理言ってごめんね。」

残念がる佐紀をぎゅっと抱きしめた。

沙「ごめんね。次にベルから呼ばれたら、その時は佐紀も連れて行くからね。」

それを聞くと、佐紀が笑った。
そして私の部屋から出て行こうとしたが、扉を開けたまま振り返った。

佐「約束だよ!」

そう言って、扉を閉めた。



アズルウッド城に着くと、謁見の間に通された。
謁見の間にはティファリス様はもちろん、各国を治める王も居た。
その中には当然、ベルも居た。
私を見ると、小さく手を振った。
ベルが手を振るのを、隣に居たフレイヤ王が窘めた。
公の前という事もあり手を振らず、私も小さく会釈するだけに止めた。

「これより、星勲章授与式を行います。」


ティファリス様の前で跪き、頭を下げた。

テ「貴方のこれまでの功績を賞し、ここにフィフスの称号と星勲章を授与します。」

ティファリス様が近づいてきて、四つ並んだ星勲章の横に五つ目の星勲章を付けられた。
ティファリス様が星勲章を付けると同時に、拍手が沸きあがった。

テ「貴方のこれからの活躍を期待します。」

沙「はい。これからもカセドリアの繁栄の為に精進致します。」

星勲章授与式が終わると、各国の王達は謁見の間から出て行った。。
ベルが出て行く前に、佐紀がシュリッツ城に行きたいと思っている事を伝えた。
ベルは少し悩んだが、快く受け入れてくれた。

べ「良いですよ、あの子にはどれほど詫びても足りませんから。」

沙「佐紀はベルの事を怨んで無いわ。だからそんなに自分を苦しめないで。」

べ「そうだと良いのですが…。」

沙「大丈夫だよ。この5年間、佐紀は一度だってベルの事を悪く言った事は無いわ。」

べ「そうですか。」

ベルの表情が少しだけ明るくなった。

べ「それでは今度の休日にでも、城に来て下さい。」

沙「うん、そうする。」

フ「ずいぶんと仲が良いのね。今度は私の城にも来てね。」

何時の間にかフレイヤ王が隣に居た。
城に来てねって、私とベルを聞いていたのかな?
よく見ると、首からあのロケットを付けているの気付いた。

沙「そのロケット。」

私が言うと、フレイヤ王がロケットを手に持った。

べ「そういえば前から気になってましたが、そのロケットの中身は何が入っているんですか?」

それを聞くと、フレイヤ王は笑った。

フ「知りたかったら私の城に来るといいわ。」

そう言って、謁見の間を出て行った。
それを見送った後、二人でヒソヒソと話だした。

沙「そんなにお城に来て欲しいのかな?」

べ「しかし気になりますね。あのフレイヤ王の考えを変えさせるほどの物…。
  これは言われたとおり見に行くしかありませんね。」

沙「その時は佐紀も連れて行かないとね。」

べ「ではまた、私の暇な時に使用人を行かせますのでその時に。」

そう言って、ベルも謁見の間を出て行った。

テ「本当に沙羅さんはグリュンベルク王と仲がよいのですね。
  少し庭を散歩しますが、ご一緒にどうですか?」

振り返ると、ティファリス様が近くに居た。
散歩?
よく分からないけど断るのは辞めておこう。

沙「はい。ご一緒させていただきます。」

ティファリス様に連れられて、城の中の庭に向かった。
庭に着くと、まるで森にでも入った様な感覚になった。

テ「私が何度も城から出て森に行っていると、ウィンビーンが庭を造ってくれたのです。
  私の為にこんな庭まで造ってくれるウィンビーンには、いくら感謝しても足りません。」

さすが、建国以来ティファリス様を支えて来た人だね。
だからこそ、ティファリス様の森が恋しいって気持ちが分かったのだろう。
それにしても、此処はまるで森の中みたいだね。
とてもお城の中とは思えない。
木々を見ると、元気な物や弱っている物も居た。
コノバショデハキガカワイソウダ。
珍しくエフリシアが嘆いた。

テ「この木は他の木と違い、弱って行く一方です。」

ティファリス様が弱っている木に水を与えてた。
キギノコエヲキイテアゲテ。
私は木に近づき、耳を澄ませた。
すると、木々の会話が聞こえだした。

木「こんな土壌で水をたくさん与えられては、根が腐ってしまう。
  このエルフにはわし達の声が聞こえないのかのう?」

なるほど、水の与えすぎが問題なんだね。

沙「ティファリス様、その水を与えるのを控えてはどうでしょうか?」

テ「何故ですか?」

ティファリス様が不思議そうに尋ねてきた。
私はどう説明したものかと思ったが、素直に伝える事にした。

沙「木々は、お城の中の土壌で水をたくさん与えられては根が腐ってしまう。
  そう言ってます。」

テ「沙羅さんは神霊達の心がわかるんですね!
  エフリシアもきっと貴方のような方だったのでしょう。」

コノコハムカシカラシンレイタチノコエガキコエテイナカッタ。
きっとエフリシアが特別だったんだよ。
エルフハミンナシンレイタチノコエガキコエテイタ。
そんな風に言っちゃ駄目だよ。
ティファリス様だって色々あったと思うし。
…ゴメン、スコシダマルワ。
そのままエフリシアは黙った。
ティファリス様と散歩をしていると、小屋の様な物が見えた。

テ「あそこで少し休憩しましょうか。」

沙「はい。」

小屋に入ると、テーブルと二人分の椅子があった。

テ「どうぞお掛けになってください。」

ティファリス様に促され、椅子に座った。
小屋を見渡すと、まるで家の様だった。
少しすると、ティファリス様がお茶を持ってきてくれた。

テ「お茶しか出せなくてすみません。」

沙「いえそんな、お茶を頂くだけでも嬉しいです。」

テ「そうですか、それは良かったです。」

沙「この小屋へはよく来るのですか?」

テ「はい。暇を見つけてはよくウィンビーンと此処に来ます。
  そういえば、沙羅さんは諸王の間でもよく噂になっています。
  皆さん自国にお誘いしたいようですが…。」

確かに、ベルから何度も自分の国に来て欲しいと言われたことはある。
しかし私はカセドリアの兵士だからと断ってきた。
でも本当の理由は、佐紀を匿う為だった。
そこをベルも理解しているのか、あまり強くは言ってこなかった。
ティファリス様はお茶を一口飲んだ後、悩む様な顔になった。

テ「何時になったら平和な世になるのでしょうね…?」

沙「僭越ながら申し上げますが、争いは争いしか呼ばないと思います。」

テ「戦は憎しみを生みます。わかっています…。でも、私にはすべき事があるのです!」

沙「はい。申し訳ありません。」

テ「沙羅さんは、自分が正しいと思ったことをしてくださいね。」

沙「はい。私は、自分が世界に光を齎す者だと信じてますから。」

お茶を飲み終わると、ティファリス様に一礼し小屋を出た。
そしてそのまま自宅へと帰って行った。
私は世界に光を齎す者…。
何故だがスモーキーさんの事が気になったが、それを振り払った。
私は私、自分が正しいと思ったことをするだけよ!


来週からテスト期間だぜ\(^o^)/ byスモーキー

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最終更新:2009年01月31日 10:08