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砂漠の騎士サウド(ACE) - (2007/07/13 (金) 14:32:42) のソース
*砂漠の騎士サウド(ACE) **開示要点 名前:・砂漠の騎士サウド(ACE) 要点:・シャムシール・盾・ゆったりとした服・ターバン・アラブ系の顔立ち 周辺環境:・礼拝用絨毯(方位磁石月) **設定 #image(center,http://eastnw.x0.to/bbs2/img/1914.jpg) #center{(イラスト:シコウ)} 「これは凄い」 ターバンを巻き、ゆったりとした服を着た男がそれまでいた国からゲートを通った瞬間、それまでの砂漠だった世界が一遍して熱帯雨林の視界一杯の緑の世界に、驚きのつぶやきを発していた。 豊かな口髭を蓄えたアラブ系の顔立ちをしたその男はね賛美の絢爛舞踏。サウド・モハメッド・アル・サウードその人であり、彼がリワマヒ国を訪れたのは、何かが共感したのかもしれない。 ―いや、ただグルメだったから来ただけではないかという噂もないわけではないけれど。 しばらく前の事だ。夜明けの船クルーの中でも公明正大で度量の大きさで知られる彼は、しばらく前にリワマヒ国藩王室賀兼一が発布した、炊き出し大会「食の大博覧会」のポスターを見ていた。 世界中で食糧恐慌が起き、それはそれまで滞在していたこの砂漠の国でも例外ではなかった。各国は国庫を開き、食糧を放出する事で暴動を回避したが、そんな物々しい空気の中で、収穫できなくなる事などまるで意に介さず、自らの国の食糧の全てで、飢える全ての者の胃袋を満たしてやろうと言う物好きな国が居ると言うのである。 『おなかが減ったらリワマヒへ!』 まるで、どこかの飲食店の宣伝文句にも見えるが、来場無料・代金無料と書かれたポスターを眺め、 「この世界にも、慈悲深き心がある者がいるのウ」 微笑むと、ポスターを指さして近くにいた旅の同行者である晋太郎に声をかけた。 「次はここへ行ってみよう」 「南国ですか?」 今いる国でも客人として、待遇としては十分な食事をしていただろうに、彼は笑ってこう答えた。 「きっと美味いものが食えるじゃろうナ」 旅支度といっても、大したものがあるわけでもない。人類の文明圏を旅する限りにおいてはさほど大した準備がいるわけではなかった。特にこのニューワールドは各国がリンクゲートでつながっており、正規の手順さえ踏めば、あっというまに移動することができる。足下に置いてあった自分の荷物であるシャムシールと盾、そして礼拝に使う為の携帯用の磁石付きの絨毯を取り上げさっさと身につけると、簡単な旅支度を終わらせ、歩き始めた。 たしか行き先の国はFEGの隣国なので、ゲートでつながっていて簡単に移動できると聞いている。 「知恵者さんは?」 「なに、いずれ追いついて来るじゃろう」 口髭の下から、白い歯を見せて笑うと、さぁ、行こうとゲートの奧へと歩き出した。 そして、ため息をついたシーンに戻る。むっとした湿潤気候の南国の暑さが彼らを襲う。目にも鮮やかな緑の木々と、色とりどりの花、そして、褐色の肌に太陽の光を受けてキラキラと輝く金髪をもった、この国の国民達が彼らを出迎えていた。遠目に収穫を行っていた国民達も彼らの元に集まってくる。 「お客さんだ!」 「久しぶりのお客さんだ!」 小柄で、日に焼けた健康そうな彼らが、新しい客人達の回りをぐるぐる嬉しそうに回るりながら、口々に歓迎の言葉が紡がれる。中にはコタツを背負っていたり、青い軍服のズボンを履いていたりと様々な格好をしている事に気がついた。 「いらっしゃい、コタツの国リワマヒへ!」 「いらっしゃい、ご飯の国リワマヒへ!」 早口でこちらが訊ねようとおもった事を全て言われてしまって、おやおやと思いながら、 背の低い彼らに目線を合わせ、 「この国の主に入国の挨拶をしたいのじゃがな」と訊ねれば それじゃあ、王城まで行きましょうと、晋太郎と一緒に両手を引かれ歩き出す。 「一緒にご飯食べられる人が増えて嬉しいです」 緩んだ笑顔がかつての仲間のようだった。 「藩王様にしらせなきゃ! 先にいってくるね!」 駆け出す猫耳の子 「今日はリワマヒロイヤルホテルで大宴会だね!」 「あ! 急いで宴会芸用のお面引っ張りださなきゃ」 わいわい、と手には食べ物を、回りではキャイキャイとうわさ話と、 今日のメニューの想像の喧噪が広がる。 賑やかな国じゃな、と思いながらしばらくこの国に滞在しようと彼は思ったのである。 ----