6時、食糧生産地
(文:ダムレイさん)
6:00
「あ、ああ…」
絶望に打ちひしがれ、膝をつくタムラを町内会長のヨシダさんが発見したのは丁度太陽がその丸い姿の全貌を東の空に見せ始めたころである。
「どうしたんじゃ、タムラさん?」
「ああ、ヨシダさん、見てくれ。もやしに散水しようと思って起きてきたら俺のもやしハウスがめちゃくちゃだ…」
「ああ、ヨシダさん、見てくれ。もやしに散水しようと思って起きてきたら俺のもやしハウスがめちゃくちゃだ…」
もやしハウスとは、元は自称世界一のミカン農家だったタムラが、砂漠化したリワマヒ国で今度は世界一のもやしを作ろうと自分で立てたプレハブ小屋である。
きれいな水、良質な豆、そして何よりももやしに対する愛情と情熱が世界一のもやしを作り上げるという理念のもと栽培容器から地下水くみ上げ設備、散水設備、温度湿度管理など今のリワマヒでできるかぎりの創意工夫を凝らしている。
きれいな水、良質な豆、そして何よりももやしに対する愛情と情熱が世界一のもやしを作り上げるという理念のもと栽培容器から地下水くみ上げ設備、散水設備、温度湿度管理など今のリワマヒでできるかぎりの創意工夫を凝らしている。
「もやしってのは、放っておいたら勝手にうまくなるようなもんじゃないんだ。水をやりすぎれば腐る、変な水をやればえぐみが出て食えたもんじゃない。水やりを怠ればすぐに死んでしまう。だから水の設備には十分に力を入れたのに・・」
そう言って指差した方向には、散水用のパイプが通っている。が、ところどころから赤茶けた液体が流れ出し、肝心のノズル部分からは水が出ていなかった。
「昨日の嵐のせいで砂も吹きこんじまって、もやしにかぶっちまってるし…このままじゃ俺のもやしが全滅しちまう…ちくしょう!ちくしょう!」
「むむむ、待っておれタムラさん!今人を呼んでくるからの!」
「むむむ、待っておれタムラさん!今人を呼んでくるからの!」
そう言うと、ヨシダは町内をかけ始めた。