たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
曇り空
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お仕事が終わった帰り道、空を見上げたら一面に雲。
だけど、こっちではたぶん…っていうか、絶対に雨。
だけど、こっちではたぶん…っていうか、絶対に雨。
ホワイトクリスマスどころか、12月に雪なんか降らない。
私の地元のなんか雪降ったら、異常気象扱いだし。
私の地元のなんか雪降ったら、異常気象扱いだし。
「うーっ…さむっ!」
隣で私より寒いトコから来たヒトがマフラーに口元をうずめてきゅって、体をすくめて自分の体を抱いてるから、そっと手を取った。
「梨華ちゃん?」
「冷たいね。手」
お昼はなんとなく暖かいかなって思うから手袋なんか持ってないし。
だから日が沈んでぐっと気温が下がって冷たい風にさらされた美貴ちゃんの手はちょっと赤くって。
「梨華ちゃんの手も、冷たいよ」
「あたし冷え性だから、ね。でも、こうしたらあったかいよ」
赤くなって冷たい手をもんであげながら、腕を絡めてさり気なく自分のコートのポケットに導くと、指を絡めて繋いだ。
「ほら。あったかいでしょ?」
「うん。あったかいね」
うれしそうに笑って、でもちょっと照れくさそうにはにかんで、あたしのコートのポケットの中の美貴ちゃんの手にきゅって力が入る。だから、しっかりと握り返した。
隣で私より寒いトコから来たヒトがマフラーに口元をうずめてきゅって、体をすくめて自分の体を抱いてるから、そっと手を取った。
「梨華ちゃん?」
「冷たいね。手」
お昼はなんとなく暖かいかなって思うから手袋なんか持ってないし。
だから日が沈んでぐっと気温が下がって冷たい風にさらされた美貴ちゃんの手はちょっと赤くって。
「梨華ちゃんの手も、冷たいよ」
「あたし冷え性だから、ね。でも、こうしたらあったかいよ」
赤くなって冷たい手をもんであげながら、腕を絡めてさり気なく自分のコートのポケットに導くと、指を絡めて繋いだ。
「ほら。あったかいでしょ?」
「うん。あったかいね」
うれしそうに笑って、でもちょっと照れくさそうにはにかんで、あたしのコートのポケットの中の美貴ちゃんの手にきゅって力が入る。だから、しっかりと握り返した。
ひゅーっ。
「うぅーーっ!」
「うわっ!」
「「さむーいっ!」」
声が揃って、顔を見合って、なんだかくすぐったくって笑う。
「うわっ!」
「「さむーいっ!」」
声が揃って、顔を見合って、なんだかくすぐったくって笑う。
通り過ぎていく北風。
空を見上げたら、雲の隙間にかすかに星が見えた。
「ねぇ、美貴ちゃん」
「ん?」
「ホワイトクリスマスって、どんな感じ?」
一瞬『何?』って顔をしたけど、すぐにちょっと考え込むような顔をすると、
「白いだけだよ。静かで」
「そうなの?」
「そうだよ。もっとロマンチックかと思った?」
「うーん…。でも憧れるなぁ。こっち、雪って降らないし」
「あぁ、そうだよね」
「ん?」
「ホワイトクリスマスって、どんな感じ?」
一瞬『何?』って顔をしたけど、すぐにちょっと考え込むような顔をすると、
「白いだけだよ。静かで」
「そうなの?」
「そうだよ。もっとロマンチックかと思った?」
「うーん…。でも憧れるなぁ。こっち、雪って降らないし」
「あぁ、そうだよね」
街のイルミネーション。
きらきら。きらきら。
その中を舞う白い雪。
きらきら。きらきら。
その中を舞う白い雪。
「誰かと一緒なら、いいのかもね」
美貴ちゃんはそう呟いて、
「ねぇ、梨華ちゃん」
「ん?」
何気なくその言葉に顔を向けたら、ふわりと唇に舞い降りたキス。
コートのポケット、しっかり繋いで絡まる指先に感じた力。
「クリスマスプレゼント」
ふふって笑って、美貴ちゃんの頬が赤いのは、たぶん北風の冷たさのせいじゃないよね。
美貴ちゃんはそう呟いて、
「ねぇ、梨華ちゃん」
「ん?」
何気なくその言葉に顔を向けたら、ふわりと唇に舞い降りたキス。
コートのポケット、しっかり繋いで絡まる指先に感じた力。
「クリスマスプレゼント」
ふふって笑って、美貴ちゃんの頬が赤いのは、たぶん北風の冷たさのせいじゃないよね。
だって、ほら。
心があったかい。
心があったかい。
すれ違う恋人達の甘い空気。幸せそうな笑顔。
あたしたちも、きっと幸せそうに笑ってるんだろうな。
あたしたちも、きっと幸せそうに笑ってるんだろうな。
お返しにはにかんで微笑んでいる唇にキス。
そしたら、ほら。またふわってあったかい。
なんとなくまた空を見上げたら、街のイルミネーションに照らされた灰色の空。
雪を降ってこないけど、愛しい人から降ってくるやさしい唇。温かいぬくもり。
街は白く染まらないけど、また一つあなたの色に染まって、私の色に染まるあなた。
雪を降ってこないけど、愛しい人から降ってくるやさしい唇。温かいぬくもり。
街は白く染まらないけど、また一つあなたの色に染まって、私の色に染まるあなた。
ひゅぅってまた冷たい北風が吹くけれど、ポケットの中の手はもうすっかりあったかい。
そっと寄り添うと、肩を寄せて、しっかりと手を繋いでまた歩き出した。
そっと寄り添うと、肩を寄せて、しっかりと手を繋いでまた歩き出した。
(2004/12/25)