【名前】ブルック
【出典】ONE PIECE
【性別】男
【台詞】
「パンツ見せてもらってよろしいですか?」
「ああ、やっぱり、音楽は楽しい方がいい。歌は皆で歌う方がいい……本当に」

【人物】
麦わら海賊団の音楽家。超人系の悪魔の実「ヨミヨミの実」によって死より蘇ったガイコツ人間(アフロ)である。
生前は音楽とバカ騒ぎの好きなルンバー海賊団にて船長代理を勤めており、とある王国の護衛戦団団長だった経歴も持つ。ルンバー海賊団が偉大なる航路にて全滅したのち悪魔の実によって一人だけ生き返り、紆余曲折を経て麦わらの一味に加入するまで、実に五十年近くの間、壊れた船と共に霧の海をさ迷っていた。
音楽家であると共に剣士であり、かつては剣侠"鼻唄"の異名を以て呼ばれたこともある。主な戦闘スタイルもフェンシングに似た剣技に音楽を併用したもの。
自分の身の上にかけた「スカルジョーク」を得意とし、出会った女性にはとりあえずパンツを見せてくれないかと声をかける困った癖もある。

【本ロワにおける動向】
参戦時期は明示されていないが、服装から新世界編開始よりは前だと思われる(ただし技には新世界編以降の描写も混じっていた)。
登場話『I was 'BONE' to be wild』では、状況に混乱しながらも、主催の打倒、そしてオープニングで目にした数々の女性たちにパンツを見せてもらうことを決意(当然というか何というかアッコさんこと和田アキ子はカウントされてなかった)。
支給されていた、聖徳太子が弾いていたギター@ギャグマンガ日和 を提げてかき鳴らしながら歩き出したところ、ボーカロイドの結月ゆかりに出くわし、さっそく「お嬢さん!パンツ…」と声をかけようとするが、彼女がすでにスクール水着にパーカー姿なのに気づいて鼻の下を伸ばす(鼻ないけど)。一方、骸骨が襲ってくると勘違いしたゆかりは悲鳴を上げて逃走。反応の遅れたブルックは、慌てて追いかけようとするが、折悪しく虚@BLEACHが襲いかかってきたためにやむなくそちらに向かい、ゆかりを見失ってしまう。

虚を斬り捨てたのち、ゆかりを探して歩いている途中で、マーダーとして行動し始めたアルレッキーノと遭遇。


アルレッキーノ「ふむ、君のそれは仮装ではなさそうだな……」ボロロン

ブルック「おや、リュートですか。ヨホホ、粋ですねえ。貴方が血の匂いさえさせていなければ、一曲お願いしたかった」カツン


アルレッキーノの「緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)」を、黄泉の冷気の片鱗を纏わせた剣で何とか捌き、"前奏曲(プレリュード)・オフエル"などを狙いつつ渡り合う。
戦いの中、ヨミヨミの実のからくりを知ったアルレッキーノからは、

「滅び行く人間は美しい……だからこそ滅びから逃げ、〈悪魔〉に操られるがまま醜悪な屍にしがみつく、君の姿は哀れだな。まるでしろがね共の繰る傀儡のようだ」

と嘲られるが、

「ええ、ご覧の通りの死んで骨だけ。とんだ身の上ですけど、骨だけだって誰かのために楽器は弾けます。"楽しい"と思いませんか?」

と、飄々とした態度で返す。
結局、この戦いはアルレッキーノの撤退によって終わったものの、「音楽とは何か?」という、真夜中の楽士の思索の一つの端緒となった。

その後、ザベル・ザロックによる血祭りライブを目撃。ザベルをなんとかしようとアンデッド仲間を装って彼にしつこく付きまとい始める。
瀬川おんぷ&寺門通のコンビが接触してきた時には、


ブルック「お通さん、おんぷさん、パンツ見せてもらってもよろしいですか」

お通&おんぷ「「ふざけんなァァァァァァ!!」」(ドロップキック)


というようにぶっ飛ばされ、二人は離れていってしまった。

しかし、最初は気をよくしていたザベルも、ブルックが自分のライブをことごとく邪魔し足を引っ張るような真似ばかりするのでうっとうしがり始め、会場にあった崖からぐるぐる巻きにしたブルックを突き落とし、あばよとばかりに逃げていった。

落とされながらも持ち前の身の軽さで大ケガを免れたブルックは、会場トラップとして仕掛けられた死霊軍団@ゲゲゲの鬼太郎 から参加者を逃がして戦う鳳橋楼十郎(ローズ)と零崎曲識を発見。鬼道と虚閃(セロ)、援護音楽を駆使しながらも無限に近い物量に押される二人に、ギターを使った変則版"眠り歌・フラン"で助太刀し、その隙に死霊が沸いて出る仕組みと根源を見切ったローズが、曲識に鯰地蔵を移動させて死霊軍団を封印するという即席連係プレーを見せた。


曲識「骨になったのに何故声が出ているんだ。声帯が無いならば声が出るのは不自然だろう。
 それを考えると僕は肉の体があってよかったな」

ブルック「ヨホホホホ……骨の体も中々悪くないですよ?」

ローズ「……僕のような華のある美男より、君の方がよほど死神らしい気がするね」


死亡後参戦だった曲識、死神のローズ、骸骨男なブルックと不思議な組み合わせのトリオは案外と愉快な道中であったが、それぞれの当面の方針の違いを理由に、再会を約束して解散。ローズから貰ったいちご牛乳@銀魂で傷を回復し、ブルックは再び単独行動となる。

ザベルを探す道すがら、碇シンジ、ミスティア・ローレライ、鳴海歩、インデックス、金糸雀らの屋台組に接触し、パンツ発言とスカルジョークの連発でただでさえ苦労人ポジションだったシンジの胃をさらに痛くさせたりしていたが、アルレッキーノやザベルの情報を伝え、歩とは命と音楽についての会話を交わすなど、真面目な交流も行っていた。

また、アヤ・エイジアの教会に立ち寄って、アヤの歌、パラッパのラップ、ブルックのギターで不思議な一曲を奏したり、同じく単独行動であったマイケル・ジャクソンと遭遇し、互いにツッコミ不在のボケの応酬をやりながらスリラーしたり、他にも様々な参加者と絡んでいる。

幕末の愛獲(アイドル)こと坂本龍馬と出会った時には、最初こそお化けの
苦手な龍馬におののかれ、また「サムライ・リューマ」に苦い思い出のあるブルックの混乱から一悶着あったものの、結局意気投合してセッションしたのち行動を共にする形となった。

そして、龍馬と演奏を行いながら、放送で参加者たちの死を知り嘆いたりしつつ歩いているところで、ローズと再会。


ローズ「やあ、何とか互いにまだ生きてたね」

ブルック「おかげさまで。……まあ私一回死んでるんですけど!」


いったん腰を据えて、龍馬の歌を聴きながら休憩していると、今度は一般人の身でこのロワイアルを一人逃げ延びてきた神峰翔太がやってくる。

他者の「心」を視覚できる体質を疲れたように話す神峰に、三人は顔を見合わせながらもさして意に介さず、自然体で接する。
さらには龍馬の演奏に神峰の"目"を使ってアドバイスを貰ったらどうか…というブルックの提案、加えてローズが奇しくもSOUL CATCHR(S)出典の指揮棒を持っていたこともあり、あれよあれよという間に、神峰の指揮で即興の合奏をすることに。

ブルックと龍馬のめちゃくちゃなノリ、それへ平然とした顔で乗っかるローズの姿に、指揮棒を振りながら思わず吹き出す神峰。陰鬱だった顔に、つかの間、明るさが戻った。

しかし、演奏が終わった後、彼は一緒に行こうという三人の誘いに礼を言いながらも一人で行ってしまう。

そして、それから後、やがて放送で神峰の名が呼ばれた。
同じ力を持たない自分たちは彼の仲間にはなれなかったのかと悲しげに呟くローズに、ブルックは何とも返すことができなかった。

その後、対主催グループへの再合流を目指す二人と己の歌を響かせるという龍馬は別れるが、道中で龍馬からの預かりもののピックを返し忘れていたことに気付いたブルックは、情報伝達をローズに任せ、引き返す。
ところが、引き返した先に待っていたのは、血だまりに倒れ伏した龍馬と、その前で刀を納めるヘッドホンの男、河上万斉であった。

殺し合い優勝を目論む万斉を止められなかった、と悔やみながら、「日の本いっぱいに届くようなわしらの歌を…」と遺して事切れた龍馬の遺志を継ぎ、ブルックは万斉に戦いを挑む。
しかし、


万斉「死人が"俺"の鎮魂歌の邪魔をするな」


白夜叉とすら渡り合った人斬りの並々ならぬ鬼気を前に、剣の技量で徐々に押され始め、やがて仕込み杖を弾かれて追い詰められてしまう。
刀を喉元の首輪に向けられ、もはやこれまでかと龍馬、そしてルフィ達とラブーンに胸中で詫びるブルックだったが、次の瞬間、旋律と共に、万斉の刀が弾き飛ばされた。

「僕は《少女趣味》だが――こういう少年漫画みたいな展開も悪くない」

いつのまにか、黒いマラカスを携えた零崎曲識がブルックの傍に立っていた。
曲識の助力を得て、ブルックは再び立ち上がり、万斉に向かっていく。
「"前奏曲"オフエル」「"夜明歌"クー・ドロア」「"革命舞曲"ボンナバン」「"酒樽舞曲"ルミーズ」……
怒濤の攻撃を前に、さしもの万斉も受け手に回らざるを得なくなり、そして曲識の『雲梯』を乗せたブルックの捨て身の刃が、ついに万斉を刀ごと吹き飛ばした。
土煙の中、杖を支えに立ち上がるブルック。

ところが……煙の晴れた先に万斉の姿はなく、それどころか、礼を述べようとした曲識もまた、現れた時と同様に、いつの間にか消え去ってしまっていた。
イントロの盛り上がりと裏腹に、大一番は竜頭蛇尾のような座りの悪い幕切れを見せたのである。

ともあれ、ここで諦めるわけには行かないと、痛む体を抑えて再び万斉を探し歩き出したブルックは、その道中で、今度はアルレッキーノと再会する。
かつてマーダーとしてブルックに立ちはだかった自動人形は、今や傷ついた体で足を引きずり、しかもその心も少なからず変化を見せていた。

「私を壊すなら、それもいいだろう」と呟くアルレッキーノ。ブルックはただ一言、「答えは見つかりましたか」と返した。
この殺し合いの終焉の予感を抱きながら、己自身にも問いかけるように。



その後は、アルレッキーノに肩を貸しながら、一足遅れで主催戦に参戦。
アルレッキーノを屋台組のところまで送り届け、万斉との決着を託すと、ローズと二度目の再会を果たし、共に主催の戦力を相手取って戦った。

そして、音楽ロワのクライマックスとも言える、主催陣をも巻き込んだグランド・フィナーレ――「さぁ『輪になって歌おう』」では、ロワの間を共にした太子のギターをローズに引き継ぎ、自身は神峰の指揮棒を携えて、一人、指揮に歩み出た。


「――歌いませんか?」


神峰の見せた笑顔、演奏する龍馬の姿、死んでいった参加者たちのことを思い返しながら、静かに指揮棒を振るうち、玖藤奏介のピアノ伴奏を皮切りに、音の消えていた空間に、一つずつ、雑多でばらばらな音が、声が加わっていく。参加者たちだけでなく、主催陣からすらも。


独奏(ソロ)……

二重奏(デュエット)……

三重奏(トリオ)……

四重奏(カルテット)……

……

重なりあってゆく声と声、広がり、弾けて響き合う音のうねり。

……それはまるで、かつて「偉大なる航路」において、ブルックの仲間達が、最期まで力一杯に唄い、一人ずつ倒れていった、あの大合唱を甦らせるかのように。

気づかぬうちに、指揮棒を振るブルックの空っぽの眼窩からは、滂沱の涙が溢れだしていた。


「ああ、やっぱり、音楽は楽しい方がいい。
歌は皆で歌う方がいい……本当に」



単独行動の多い道程であったが、対主催として様々な参加者と出会っては別れ、時には演奏を共にしながら、麦わらの一味の音楽家にふさわしく、音楽ロワの楽譜の一端を彩った。

ボーナス・トラックとも言えるカーテンコールにおいては、ローズと曲識、龍馬に挟まれて、ステッキを片手に会釈している姿を見ることができる。

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最終更新:2014年11月30日 14:17