【キャラ設定】
一言で表すなら正義の美少女ガンマン。
詳細なキャラ設定は
こちら。
なお、元ロワでの出来事により、蛭摩輝美とは生き別れの妹であることが発覚し、ヴォルケーノ化の能力は喪失している。
トーテンタンツァとは妹以外の家族を皆殺しにされた因縁の相手であるのだが、ロワ内での(直接的な)絡みはなかった。
【あらすじ】
正義の味方として、対主催として行動。
主に正義を掲げる者同士として
時峰空志郎、ヴィクトリカ率いる海賊組などを仲間に行動していた。
彼女の対主催としての戦いは茨を裸足で踏みしめるような苦難の道であり、数多くの対主催と関わるも、その関わった知り合いや仲間が次々と死んでいき、仲間だった時峰の暴走も加えて精神が摩耗する。
それでも、死んでいたと思われた妹(魔界植物から解放された蛭摩輝美)が生きていたことに喜び一時は持ち直す。
しかし、怪獣化した聖との戦いで聖と融合し変わり果てた亡き親友や仲間たちの姿を見て発狂、さらにデザイアの扇動によって内なる怪物『ヴォルケーノ』が目覚めてしまい、多くの参加者を虐殺した。
妹もヴォルケーノによって殺され、あわやここまでかと思われたが、美織と妹、正気に戻った時峰、仲間達の決死の思いによって覚醒、ヴォルケーノを肉体から追放し殲滅に成功する。
主催との最終決戦においては
シェイクスピアの運命すら操る脚本ノートを撃ち貫き、絶対と思われた運命も人の手で変えられることを証明し、殺し合いから生還する。
エピローグでは、外的要因によるものもあるとはいえ暴走で多くの人を殺めてしまった者同士、そして己の中にある正義の答えを求める者同士としてロワの序盤からの付き合いであった時峰と恋人になる。
正義の答えを見つけ、時峰と結ばれた数日後、彼女は二度目の殺し合いに召喚されることになった。
それはまるで最悪の運命という名のシナリオを一度は打ち破った彼女を試すように……
【本ロワの動向】
二度目の殺し合いに招かれるも、正義の味方としてブレることなく対主催として行動開始。
スタート地点は教会。
ひとまず名簿を見ると、前の殺し合いで仲間として戦った
天間善太、恋人の時峰がいることを確認するも、勇斗やトーテンタンツァなど死んでいるハズの人間が数人ほど名簿に乗っていることに気づく。
その中には自分の目の前で死んでいった妹の輝美の名前もあった。
主催がいかなる手段で死人を生き返したのかは不明だが、二度と会えないと思っていた妹ともう一度会い、そして時峰・善太と共に殺し合いを打破し、姉妹で今度こそ一緒に生きられる可能性が見えてきたことは素直に喜んだ。
だが喜んでばかりもいられない。
危険人物の勇斗、
ジョン・ドゥ、輝美によると家族を皆殺しにした仇のトーテンタンツァも
生き返ってるようであり、余談は許せない。
さらに死に際の言葉から危険人物かは定かではないが、元ロワで主催だったシェイクスピアも参加者もいるようであり、警戒の必要はある。(これはシェイクスピア違いなのだが)
次に支給品を確認するミラスだったが、教会に賞金稼ぎのスパイク・スピーゲルが現れる。
スパイク「その銃はワルサーのP-38……俺の知り合いがそいつの後継タイプを持ってるよ」
どうやら彼は殺し合いには乗っていないらしく、ある「野暮用」があって教会を訪れたらしい。
殺し合いの打破に関しても(一見、やる気なさげだが)積極的であるようで、すぐに仲間同士になった。
しかし、二人が手を組んですぐに望まぬ来客が訪れる。
スパイクにとって因縁の仇であるビシャスと、マーダーの志々雄真実であった。
スパイクを特に殺したがっているビシャスはもちろん、志々雄の弱肉強食思想とミラスの思想が合わさる訳もなく、戦闘が勃発した。
ビシャスの相手はスパイクに任せ、自分は志々雄の相手をする。
奇しくも、どちらの戦いも剣VS銃の対決という構図になっていた。
しかし、志々雄の銃持つ相手にものともしない純粋な戦闘経験の差と火炎を自在に操る妙技でミラスは大苦戦。
それでも負けじと粘るものの胸ぐらを掴まれ、紅蓮腕であわや爆殺されかける寸前で服を自力で破いてギリギリ脱出する。だが、服は燃えて火傷による重傷を負って気絶する。
気絶したミラスを志々雄がトドメを刺さんとするも、志々雄自身が戦闘の限界時間に近づいていたため、やむを得ず撤退する。
志々雄「俺を相手に10分以上持たせた女はおまえが初めてだ。褒めてやるよ」
そして、スパイクとビシャスの対決も、志々雄のばら撒いた火が教会に燃え広がったため、火事に飲まれまいと戦いを中断してお互いに脱出することになった。
ミラスが目が覚めると、そこは工場であった。
火事になった教会からスパイクに担がれつつ、彼の手で工場へと運ばれたのだ。
そして彼の介抱によってミラスは一命をとりとめたのである。
命の恩人にお礼を言うミラスだったが、自分の体を覆っていた毛布をめくるとコンプレックスでもある貧乳が目に入り……自分が裸同然であることに漸く気づく。
赤面するミラスにスパイクはそっと彼に支給されていた服を差し出した。
それは
水ロワ名物 ス ク ー ル 水 着 。
ミラス「あなた、ひょっとしてそういう趣味?」
スパイク「……これしか持ってないんだ。贅沢言うなよ」
結局、元々着ていた服が燃えてなくなってしまったため、渋々着ることに。
正直裸より恥ずかしい気がする、というのはミラスの弁。
だが、野獣先輩、メトロン星人、ウォンカなど、まったく嬉しくないスク水が多い中、数少ない美少女のスク水姿と支援絵に読み手は大いに沸いたという。
ミラスの怪我もあり、しばらくは工場から動かなかった二人。
腹が空いたのでスパイクは持っている材料で肉なしチンジャオロースを作り出したが、その臭いに釣られて工場にやってくる集団があった。
対主催集団のアッコ組であり、その中にはミラスの最愛の妹、輝美・ヴァーミリエ(蛭摩輝美)の姿もあった。
だが、輝美の目に飛び込んできたのは、肉なしチンジャオロースを食べている賞金稼ぎと、何故か包帯+スク水姿な自分の姉。
姉の場違い過ぎる姿に思わず白目をむく輝美であった。
輝美「お姉ちゃん・・・・・・その姿はいったい?(白目)」
ミラス「て、輝美!これには深~いわけが(焦り)」
栄光「うーん、胸のサイズは姉より妹の方がでかいな」
ゾロ「・・・おまえ、本当に不能か?」
スパイク「やれやれ、賑やかになったもんだ」
栄光の言うミラスと輝美の胸のサイズは設定欄を参照されたし……胸のサイズで妹に負けてる姉ェ……
と、このロワでのファーストコンタクトこそコメディタッチであったが、殺し合いの中でとはいえ死に別れたハズの姉妹が再開できたことにミラスと輝美は互いに喜びの涙を流しつつ、強く抱きしめあった。
ミラスとしてはもう二度と、この世に残った最期の肉親である輝美を手放さないと強く誓うのだった。
なお、スク水姿だと世間体的に不憫だと思った輝美が、支給されていた九条学園の制服@オリロワ5をミラスに渡して着替えさせたため、スク水姿ではなくなった。
これによって後々のシリアスな展開の時にスク水姿であるという視覚的弊害をきたさなくなったが、同時に貴重なスク水美少女が一人減ったことに涙した読み手がいるとかいないとか。
和田アキ子、ロロノア・ゾロ、大杉栄光、そして輝美・ヴァーミリエ。
アッコ組の合流により仲間が大幅に増え、戦力的にも安定するようになった。
アッコ組に加入してミラスとスパイクは今いる工場を拠点に対主催として活動するようになる。
ミラスも怪我がだいぶ直ってきたため、リハビリも兼ねて輝美、栄光と共に工場の周辺の見張りに出かけた。
だが、栄光相手にやたらと積極的アプローチをする輝美に姉であるミラスはやや不安げ。
というのも、栄光は輝美のお気にいりのクラスメイト(故人)に似ているらしく、どうにも意識してしまうらしい。
栄光側も輝美と元ロワで喪った恋人とは紫色の髪などの共通点が多かったため、困惑している様子。
二人の仲は輝美が何者かに殺されていた淫夢くん(輝美は魔界植物に侵された自分を助けてくれた聖獣
ガッツくんと勘違いしている)を埋葬した際に泣き崩れる彼女を励まし、一緒に淫夢くんを埋葬したことがきっかけで進展しているご様子。
そして妹に恋人できるかもしれないという事実に、すっごく悩む姉のミラスであった。
栄光はお調子者だが悪い人間ではなく、「悪いと思ってんならパンツ見せろ」と言ったりするがゾロによると「実際にそういう危険はない」男らしい。
自分にも時峰という恋人がいるが、それでも姉としては妹と一生の付き合いになるかもしれない相手の存在にはものすごく悩むところであった。
そんな事を考えつつ見張りから戻ると、スパイクが工場の敷地で墓穴を掘っていた。
そして、彼のディパックの中から女性の死体が現れた時はギョっとするも、スパイク曰く、彼女――ジュリアの死体は悪趣味な主催によって「支給品」としてディパックの中に入っていたらしい。おそらくスパイクの精神的動揺を誘うためか、参加者間の誤解を招かせるために。
彼が教会に訪れた際に言っていた野暮用とは、彼女の死体を埋めることであった。
本来の予定では彼女の死体を教会にある墓地にでも埋めてあげるつもりだったがビシャスたちの襲来でおじゃんになり、いつまでもディパックに入れるわけにもいかないので仕方なく工場の敷地で埋めることにしたようだ。
ジュリアはスパイクの恋人だったらしく、死んだ彼女に何かしてやれるわけじゃないが、せめて墓ぐらいは作ってやろうと思ったそうだ。それを語るスパイクの背中はとても悲しげであった。
ミラスも恋人を持つ身であり、スパイクの気持ちはわかる気がしていた。
空志郎がいなくなったらと考えると……ミラスの背筋が凍りつきそうになる。
同時に主催への怒りがこみ上げてきて、一秒でも早く殺し合いを終わらせ、一人でも多く誰彼に愛する人を失う悲しみを背負わせないようにしないと、ジュリアの埋葬を手伝いつつ決意を固めるのだった。
そうして日は沈み、工場に陣取るアッコ組は夜を迎え、月は昇る。
いい夜だ。
こんな月の綺麗な晩には、何が起こってもおかしくない。
その煽りと共にスパイクを嗅ぎつけたビシャスが工場を襲撃してきた。
アッコ組の数の利をもものともせず、襲い来るビシャス。
ミラス、ゾロは戦闘での負傷があり万全には戦えず、パワー押しのアッコでは相性が悪く、輝美と栄光の技量ではまず勝てない。
そこでビシャスとの激しい戦闘から仲間を遠ざけるために、もしくは自分自身でケリをつけるためにスパイクがは囮になってビシャスを引き付けることに。
そしてビシャスとスパイクは工場から姿を消した。
しばらく後にスパイクが逃げた先の施設で
坂田銀時とダンディと駄目人間トリオとして出会い、銀さんとダンディがアッコ組の仲間に加わる。
しかしここで、スパイクはある疑問を抱く。
スパイク「ビシャスの奴がいつまで経っても現れない……まさか」
一方その頃、スパイクの帰りを信じて工場で待つアッコ組。
工場の各所から見張り、ミラスも見張りに参加していたが、彼女が一人になった瞬間を見計らってビシャスに拐われてしまう。
今のままではスパイクに戦いを挑んでも先のように逃げられてしまうと思ったビシャスはスパイクが「自分から逃げない」ようにするために、彼の仲間であるミラスを人質にしておびき寄せることにしたのだ。
そして、姉がいなくなったことに気づいた輝美に謎の置き手紙が。
「0:00までに指定の場所までスパイク・スピーゲルを連れて来い
さもなければ貴様の姉は死ぬことになる
P.S. スパイク、お前ならこの場所をわかっているはずだ」
そして目隠し+十字架に磔になっているミラスの写真が添付されていた。
(この手紙は本ロワ独自のギミックである郵便機能が使われている)
工場に舞い戻ったスパイクと銀さん、ダンディも加えたアッコ組は、こうしてミラスを救出すべく写真の場所を探すことになった。
ビシャスがスパイクを待っている場所は、カウボーイビバップ最終回でスパイクとの決着の舞台となった
――レッドドラゴンの本部ビル
その最上階にて、あの時と同じくスパイクを待つビシャス。
かのキリストのごとく磔となっているミラス。
そして別の目的を以ってこの場所に集う一つの影が――
それは柱の男・
カーズであった。
ビルの中に人の気配を感じたカーズは、殲滅するためにNPCの住人を使って作ったゾンビの集団を放ったのだ。
スパイクとの対決の前にゾンビ狩りに追われることになるビシャス。
ミラスも貴重な人質だったので守らなくてはいかず、四苦八苦の状態に。
そんな中でミラスは一人で戦うビシャスに共闘を持ちかけるが、絶対に逃げる気だろうと思ったビシャスはこれを無視する。
なんとか人質のミラスを守りきり、ゾンビを狩りつくしたビシャス。
そしてアッコ組も、ビルを登る途中で出くわしたカーズの相手を銀さんとダンディに任せ、スパイクと輝美を筆頭に最上階に向かう。
そして……
「お姉ちゃん…!」
「輝、美……」
磔となっているミラス。そして大量のゾンビだった肉塊と、何事もないように佇むビシャス。
「ようやく来たか。
……いつか言ったはずだスパイク、お前を殺せるのは俺だけだと」
「……そのままお前に返すぜ、ビシャス」
「……どの道お前とはこうなる運命だ」
いざ始まろうとしていた決闘。
だが、そこへ水を差すようにガルバトロン率いるマーダー集団・ディセプティコンが空から強襲を仕掛けてきた。
ミラスの救助を輝美と栄光に、横槍を入れてきたディセプティコンの相手をアッコさんやゾロに任せ、スパイクとビシャスは決闘を始めるべく、誰にも邪魔されなそうなビルの下層部へ。
そして十字架に縛り付けられていたミラスは輝美と栄光によって縄を解かれ、自由の身になり、そのまま輝美と共にディセプティコンとの戦いに移る。
「食らいな!『プリキュア・マーチシュート』!!」
「ぐおおおお、やりおったな!この虫けらめが!」
「私の愛する北上さんのために死になさい!」
「あんたも殺しあいで恋人を失った口か。
だからって俺が負けてやるわけにはいかねーけどな!」
「墜ちろカトンボ!」
「これならどうだ!『鬼切り』!」
仲間たちがディセプティコンとそれぞれ戦っているなか、ヴァーミリエ姉妹と相対したのは航空参謀・スタースクリームであった。
ディセプティコンでも随一の飛行能力と機動性を誇る巨大ロボットのスタースクリームであったが、ガンマン姉妹であるヴァーミリエ姉妹がそれで怯みはしない。
ミラス「輝美!ヴァーミリエ姉妹の力を見せてやりましょう!」
輝美「ええお姉ちゃん!銃を持たせたら――」
ミラス・輝美「「――私たちの右に出る者はいない!!」」
<バコーン
スタスク「腕がっ!!」
姉妹同士、息のあったコンビネーションと神がかったエイムで比較的脆い関節部分を集中砲火し、スタースクリームの片腕を破損させる活躍を見せる。
並行してアッコも戦いの中でプリンセスフォームに覚醒し、ガルバトロンに大打撃を与える。
それを見たスタースクリームがニューリーダー病を発症し、ガルバトロンとの仲違いを始め、連携に亀裂を生じさせた。
その隙をアッコたちが見逃すわけもなく、グイグイと押していく。
この時点での攻勢はアキ子組に確実に傾いていた。
しかし戦闘の途中で流れた放送で時峰の名前が呼ばれ、ミラスは凍りつく。
(実は同じビル内でセリュー@
アニロワ3とサウンドウェーブ相手に戦っていたのだが、気づいていなかった)
恋人の死を知ってしまった瞬間、ミラスに致命的な隙が生まれてしまう。
ミラス「――空志郎?」
そして爆撃により吹き飛び、空を舞っては地面に落ちるミラス。
輝美「お・・・・・・お姉ちゃぁーーーん!!」
スタースクリーム「ざまあみやがれ! これで永遠にグッドナイト!」
スタースクリームの放った攻撃を喰らい、意識を失ったミラス、しかし...?
混濁する意識の中で、ミラスの瞳に映る亡き美織や殺し合いで散っていた仲間達。
その中には先刻亡くなったばかりの時峰の姿もあった。
時峰達がエールを送る。
「負けるな」「立ち上がれ」と――
(そうだ、私は妹や仲間達、多くの者を守るためにも戦いをやめてはいけない。
どんなに辛くて悲しくても、私は皆のために生きて戦うことをやめてはいけない!
それが空志郎のためでもあるから――私は生きることを諦めずに戦い抜く!)
そう、彼女が決心した時、時峰と美織達が優しく微笑んだ気がした……
ミラスは妹である輝美の必死の人工呼吸による心肺蘇生によって復活し、白昼夢から現実の世界へ帰還した。
ミラスが倒れたことにより、一時は騒然となった仲間達であるが、ミラスが蘇ったことにより衰えていた士気は戻り、危険集団ディセプティコンと危険人物カーズへの攻勢を再開した。
ミラスも再び銃を手に取り、ディセプティコンそしてカーズとの戦いに参加する。
傷は深くない、戦闘の続行は可能だ。
むしろ白昼夢の中で仲間達から激励されたことにより以前より強くなった気分であった。そしてミラスはスパイクとビシャスの決闘を邪魔させないために、ディセプティコンとカーズを止めるために、ひいてはこの馬鹿げた殺しあいそのものを一秒でも早く終わらせるために、正義のガンマンとして引き金に手をかけた。
そして――
「正義、執行」
その言葉と同時に、背後からの凶弾がミラスの心臓を貫き、仲間に紡がれた彼女の命と決意を粉々に打ち砕いたのであった……
胸に風穴を開けられ、口から血を吐くミラス。
後ろを振り向くと、まるで悪魔のような形相の女の、セリュー・ユビキタスがいた。
このセリューこそミラスを撃ち抜いた下手人である。
姉が撃たれたと見て輝美が激昂し、銃を乱射しながら下手人に突撃するも、マッドサイエンティストたちの手によって極限まで改造された吸血鬼のセリューには鉛玉は一切効いておらず、逆に足を撃たれて戦闘不能に追い込まれる。
この直後に栄光がフォローに回らなけらば、次の攻撃で輝美の頭が吹き飛んでいただろう。
心臓を撃ち抜かれ致命傷を負ったミラス。
自分はもう助からないとわかっていながら、息も絶え絶えで死ぬ瞬間までセリューにワルサーで反撃しようと試みるミラス。
仲間や妹のためにも倒さなければ、手傷を負わせねば、一矢報いなければと思いつつ。
だが彼女の持っていたワルサーは腕ごとセリューに握りつぶされた。
反撃手段を失い、完全に虫の息のミラスはうわごとのように呟く。
ミラス「…運…命は……人の手で……変えら…れる……」
セリュー「いきがるなよ、この大量殺人鬼が。
どう足掻こうと貴様のような賊共にある運命は死だけだ」
ミラス「うッ……」
セリュー「仮に死の運命を変えたとしても、私の正義の鉄槌で何度でも最悪の運命に叩き落としてやるよ。ははははははははははははハハハハハハハハハハハハハハハハ」
なんという皮肉だろうか。
セリューもミラスと同じく正義の名のもとに動いていた。
違いはミラスの掲げていた優しいものではなく、些細な悪の芽も許さない狂気じみた正義の持ち主だったことだろう。
セリューは
オリロワ5の出来事を知り、ヴォルケーノの暴走によって多くの人々を虐殺したミラスを断罪するためにここへやってきたのだ。
正義の味方が正義に狂った狂人に殺されようとしているのは何たる皮肉か。
そして暴走した時の時峰以上の、正義という名の狂気を振りかざす彼女に、ミラスは確かに怯えを覚えた。
まるで絶対に抗えぬ死の運命を運んできた死神のようにミラスの目には映った。
「さあ、時峰と同じ大量殺人鬼同士、地獄に落ちろ」
そして、セリューの腕がミラスの頭を鷲掴み――
カーズを撃退したダンディは屋上へと走る。
一緒に戦っていた銀さんは支給品のテレポートジェムの暴発でどこかに飛ばされたが、タフな奴だしどこに飛ばされてもちょっとやそっとじゃ死にはしないだろう。
カーズもテレポートジェムで追い払ったが、まさか銀さんと同じ所には飛ばされてはいないだろう。そう思いたい。
なんやかんやでカーズに片をつけたダンディは屋上にいる面子に加勢すべく、階段をひた走る。
そして、屋上に到着したダンディがまず最初に目にしたのは輝美と栄光の姿。
輝美は恐怖に引きつった表情でヘタリ込み失禁している……その横で栄光は嘔吐していた。
何が起きてるのかと目を周囲に泳がせると戦闘を一時中断したアキ子とゾロ、そしてディセプティコンの面子。皆、顔には驚愕の表情を浮かべている。
最後は全員の視線の先を辿って見た。
……そして、ダンディは戦慄した。
そこには首のない少女の死体と血だまり。それを足蹴にする女吸血鬼。
そして――ミラスの生首が、吸血鬼の手によって首級のように高々と掲げられていた。
ミラスの生首は腕で無理やりもぎ取ったために、安っぽいB級映画のようにくっついている脊髄がプラプラしており、それが周囲に血をしたたらせている。
嘲笑う吸血鬼は周囲の「悪党ども」に見せびらかすように敗者の首を見せつけ、運命に負けたミラスの瞳には虚ろな闇が覗いていた……
一度目の殺し合いでは仲間たちのと共に運命に打ち勝ったミラス。
だが、二度目の殺し合いで彼女に降りかかったのは、恋人の死、自分の死、恐怖と絶望の中で残酷な最期を迎えるという不幸であった。
これはあくまで筆者の意見だが。
運命は人の手で変えられる。
しかし、人の手で変えられるということは、逆を言えばつまり――
【称号:最悪の運命(シナリオ)は人の手でもたらされる】
最終更新:2024年01月16日 12:35